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こないだ、【肌再生クリーム】などと言われて
最近話題の韓国コスメ「シカペアクリーム」についての記事を書きました。
▶肌を再生!?大人気韓国コスメ【Dr.Jart+】シカペアクリーム&シカペアリカバーの成分を解説!
気になる方は是非こちらにも目を通して頂けると嬉しいです。
しかし、実は僕的にこの商品…
というかこの商品含め色々な、特に韓国コスメの日本国内でのPRの仕方とか取り上げられ方などに
凄く違和感を感じているんですよね。
商品自体が悪いと言っているわけではないのは念を押して置きたいのですが、
端的に申し上げると
「なぜ【肌再生】が許されているの??」
というのが、すごい疑問だったんですよね…。
これ、化粧品をある程度かじっていれば頷いてくれる方が凄くたくさんいると思うのですが
あまり化粧品に詳しくない人からすると「何が悪いの?」と思うかもしれません。
今日はこの【肌再生】等の、
本来化粧品に許されないはずの言葉がなぜ韓国コスメでは黙認されているのか?
という話を、実際に向こうの法律なども調査してみた上で考察していきたいと思います。
◎日本では絶対ダメ!?「肌再生」などは医薬品を連想するNGフレーズ
まずさっきちょっとお話をしたんですが、
前回取り上げた「シカクリーム」などはGoogleとかで「韓国コスメ 再生」などで調べると
シカクリーム(再生クリーム)
みたいにカッコ書きで書かれるくらい一般化されてしまっているんですよね。
これ、日本の化粧品では絶対許されないことです。
日本では「医薬品医療機器等法(薬機法)」で、
化粧品や医薬品、医薬部外品の効果効能が厳しく定められていて、
「化粧品」や「医薬部外品」などの一般的に日常的に用いる化粧品類で「再生」などの効果を標榜することは許されていませんし、
化粧品はあくまで穏やかに肌を保湿する程度のものとして定められており、
明らかに肌に効果を及ぼすものは基本的に化粧品とは考えられていないわけです。
特にその【広告表現】は厳しくルールが決められていて、
例えば「化粧品」であれば基本的にここに載っている表現の範疇でしか広告PRはできません。
特に皮膚についてなんて、
この程度のことしか言えません。
「再生」はもちろん、「炎症を抑える」なんかも言えないし、
「ニキビを治す」とか、「肌を若返らせる」なども当然不可能です。
ただ日本の場合は化粧品の他に「医薬部外品(薬用化粧品)」というものがあって、
こちらでは、
「抗炎症(炎症を防ぐ)」とか「ニキビを防ぐ」とか「メラニンの酸化によるシミ・そばかすを防ぐ」とか、
いくつかの予防効果や改善効果が認められています。
これは、厚生労働省にきちんと効果の裏付けなどの承認を得る必要がありますが、
多少医薬品に近い効能を持つものを「薬用化粧品」として販売されています。
ただ、こういった医薬部外品であっても「再生」とか「修復」とか「治療」のような効果は標榜できません。
医薬部外品の薬用化粧品に認められるのはあくまで「予防効果」が基本で、
結局のところ、
日本においては「再生」のワードが使えるのは「医薬品」だけです。
医薬品であれば「肌の再生を促す」とか「ニキビ・炎症を治療しますとか」とか普通に言えますよね。
(だから実際には「肌再生効果」のクリームとかって医薬品で探せば数百円とかで普通に買えるのに、これが化粧品になると突然1万円とかしても安いと思って買う人がとてもたくさんいるんですよね。永遠の不思議。)
なぜ医薬品でしか認められないのか?というと、
当たり前の話ですが、
肌を再生するような効能には必ず生理的薬効効果が絡んでいるため、
それによる「副作用」などの機序がはっきりしないものを化粧品として流通させるわけにはいかないからです。
「作用」には必ず「副作用」がつきものですので、
どんなものであっても化粧品で実際に見る見る肌が再生したとしたら、
それは結構恐ろしいことだと認識するべきだと僕は思っています。
どれくらい使ったら副作用があるのか?それは個人差があるのでなんとも言えませんが、
化粧品として売られている場合は、それらのリスクも何も分からないということになります。
それが例えば漢方とか薬草の効果であったとしてもその概念は変わりません。
漢方や薬草だって成分を紐解けば「薬」なので、効果があるなら副作用ももちろんあります。
というわけで、本来国内の化粧品であれば
「肌再生」とか言っている化粧品=薬機法違反で指導・罰則の対象になります。
場合によっては業務停止とかもありえます。
もしPRなどでこういう文言を見たら、すぐに悪質業者と認識して結構です。
そのくらい日本では許されない広告表現なのです。
◎なぜ韓国コスメなら「肌再生」がまかり通るのか…?韓国の化粧品法を調べてみた
では、なぜ韓国コスメではこれだけ「再生クリーム」とか普通に言われていて、
今のところ誰もお咎めがないのか?
非常に不思議だし、僕は凄く違和感を感じていたんですよね。
ただ、その辺の法律とかはあまり詳しくないので今まで傍観してきたのですが…
今回あまりに気になって夜眠れないので(嘘です。笑)実際に調べてみました。
本当にありがたいことに、
こちらの吉田法律事務所の吉田先生が
日本向けに韓国の化粧品にまつわる法律を超詳しく日本語で解説してくれている書籍を発刊されていまして、今回購入させて頂きました。
わかりやすい韓国化粧品法 2020年 基礎編
2,750円
Amazon |
しかも2020年版…最新や…!!
(韓国って化粧品法の改定が毎年くらいの頻度で起こっているので、2年に一回くらい改定しているみたいです;)
もう、めちゃ参考になりましたよ…(´;ω;`)
知りたいこと全部書いてあったくらいあります。笑
本当はこの中身とかはあまり出すべきではないのですが
400ページくらいありますので先生の解説などは避けて、法律の条項とかだけ引用させて下さい…!!
(webの公式などは全部韓国語なので…;)
ポイント①韓国の化粧品関連法は日本より細分化されている
ちょっとおもしろいな!と思った箇所だけいくつかご紹介したいのですが、
まず韓国の化粧品関連法について、日本と大きく違うなと思ったのが
日本は「医薬品医療機器等法(薬機法)」という一つの法律で化粧品や医薬品や医薬部外品などが全て定められています。
一方で韓国は以下のように、
医薬品・医薬外品→「薬事法」
化粧品→「化粧品法」
という風にそれぞれ細分化された法律があるようです。
ポイント②韓国の「医薬外品」は殺菌剤や殺虫剤などの化粧品以外の製品のこと
次に特殊だと思ったのがここで、
韓国の医薬品は普通に日本と同じように「医薬品」を指していますが、
日本で言うところの「医薬部外品」と類似の名称の『医薬外品』というものは、
化粧品的なものは含まず、殺菌剤や殺虫剤などの製品に限るようです。
日本でも医薬部外品には殺虫剤とかも含まれているのですが、
さらに化粧品として使用している「薬用化粧品」も、医薬部外品に含まれています。
これが韓国では含まれません。
ポイント③日本版「薬用化粧品」は、韓国では「機能性化粧品」に当たる
そして、韓国では日本における「薬用化粧品」の代わりに
「機能性化粧品」というものが認められています。
これは「化粧品法」の第二条ですので、
結局韓国では化粧品として使用するものは全て化粧品法に定められているということですね。
韓国の機能性化粧品の効能として認められているのは
「美白効果」
「シワ改善効果」
「キレイに日焼けさせる効果」
「日焼け止め効果」
「染毛効果」
「除毛効果」
「アトピー等の乾燥対策」
「抜け毛対策」
「ニキビ対策(洗浄剤のみ)
「妊娠線対策」
などです。
正直、意外と少ないなと思いました。
例えば日本の薬用化粧品では美白やシワ改善などの他にも
スキンケアでも「抗炎症」や「ニキビ予防」などが言えるのですが、
韓国では機能性化粧品でも言えないらしいです。
(ニキビ対策は洗浄剤でしか言えないんですね…!)
妊娠線対策とか乾燥対策とかは、日本では化粧品でも工夫すれば言える効果ですが
韓国では機能性化粧品として認可を受ける必要があります。
ポイント④韓国ではさらに「天然化粧品」「有機化粧品」「カスタマイズ化粧品」の化粧品種類が法律で定められている
そしてこれは日本には全く存在しない法律なのですが…!!
韓国では通常の「化粧品」の他に先程の「機能性化粧品」と、
さらに「天然化粧品」「有機化粧品」「カスタマイズ化粧品」という種類の化粧品を定める法律があります…!!
「天然化粧品」というのは日本で言うところのつまり「天然成分100%!」というやつのことかな?と思います…。
それをちゃんと基準を定めていて、この基準をクリアしないと「天然化粧品」を名乗ることはできないそうです。。(厳しいな…!!)
そして「有機化粧品」というのは、ヨーロッパと同じ定義に基づく「オーガニックコスメ」ですね。
有機栽培原料のみで作られた化粧品のことのようです。これも基準を法律で定めています。
最後に「カスタマイズ化粧品」というのは今月施行される予定のものだそうで、
既に出来上がった化粧品に原料を追加したり、内容物を小分けした場合に適用されるみたいです。
◎韓国で禁止されている化粧品の広告表現について
で、韓国は日本のように「化粧品の広告はこういう表現なら使えるよ」みたいなのは無いらしく、
こちらの定義に基づいた内容を考える必要があるみたいです。
ただ、禁止の表現はちゃんと決められていますね。
化粧品法第13条で、
「医薬品として誤認されるおそれがある表示または広告」などが禁止されています。
具体的にどのような文言が禁止されているのか?というと…、
まずこういう「疾病関連」の内容は、普通の化粧品では言えません。
これは日本とほぼ同じだと思います。
そしてこの皮膚関連の表現の赤枠部分を見てほしいのですが、、
化粧品においては、
・肌の損傷を回復または復元する
・傷による瘢痕を除去または緩和する
・○○○の痕をなくす(ニキビ痕など)
…などなどももちろん禁止されています。
つまり、
韓国の法律においても、
普通の化粧品では「肌再生」などは言えないということになります。
(当然機能性化粧品でも言えません)
◎韓国コスメであっても「肌再生」はれっきとした違法表現!
というわけで、
元々国内では禁止されているはずの表現が、なぜか韓国コスメなどでは黙認されている風潮があるのを見ていて、
「韓国では法律が緩くて化粧品で再生とか言っても良いことになってたりするのかな~…?」
なんてぼやっと思ってたりしたのですが、
実際に調べてみると、
韓国の化粧品法は日本と比べてゆるいなんてことは決してなく、
むしろ厳しいくらいにガチガチに法律で縛られている印象でした。
基本的に日本で禁止されている文言は韓国でももちろん禁止されていると言っても過言ではないです。
「肌再生」なんて以ての外で、
ニキビ予防とか抗炎症ですら機能性化粧品でも自由に表現できないようになっていました。
そして、そもそも論で
当たり前ですが日本国内で販売する場合は
法律は日本の薬機法などに準拠する必要があるので
たとえ韓国で許可されていた表現だった(実際されてなかったけど)としても
日本の法律で禁止されていることは言ってはいけません。
だから実際には韓国の法律なんてどうでも良かったんですけどね(^^;)
ですから、ハッキリいいますが
韓国コスメだから「許されている」なんていう事実はそもそもなくて
普通の化粧品を「肌再生クリーム!」なんて言って販売していたとしたら
その業者は全て法律違反で処罰対象です。
もちろんPRでの表現も不可です。
さきほどGoogleで調べたら色んなページ出てきて販売サイトなどもリンクしてありましたが、、
そういうのは全部違法サイトになりますね…。。
(こんなの氷山の一角だけどね;)
もう一度念を押しておきますが、
決して韓国コスメが悪いわけではないですし商品自体が悪いわけでもないです。
しかし、単純に日本国内でのPRのされ方が異常な商品がかなり多いと思います。
◎なぜ韓国コスメのPRは法律に準拠していないものが多いのか?
正直、この詳しい理由については謎ですが、
恐らく韓国コスメを日本国内で販売するのに長けた広告業者の戦略の可能性が高いのではと僕は考えています。
さすがに大本の業者が何も言っていないのに口コミだけで「再生クリーム」とかいう禁止表現がこれだけ汎用化されるなんて考えにくいので、
何らかの広告関連業者の力が働いていると思います。
韓国の法律なんて素人の人がわざわざ調べたりしないし、
僕ですら今の今までちゃんと知らないような情報だったので
そういう「外国の製品だからまぁ良いや~」的に考える心理を利用して
本来は禁止されているPR表現を多用しているのではないか…
と僕は勝手に邪推しています。
まぁ、あくまで推測の域を出ませんが。。
なので、こういうことがあるとせっかく良い商品でも大手を振って応援ができないな…
と僕のような立場だと思ってしまうんですよね。
韓国コスメでも実際に良いなと思ったものは積極的に紹介してもいいと思うのですが、
くれぐれも法律に触るような表現には気をつけて欲しいと思います。
(特にアフィリエイトなどのリンクを貼る場合は、薬機法に基づいた表現をしないと違法になります)
韓国コスメ自体はかなり厳しい法律の元作られていますので、
ちゃんと法律に準拠した広告内容で正々堂々と人気を獲得して欲しいなと感じました。
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