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この土曜日から現在にかけて「日本化粧品検定協会」が、Twitter及びインスタグラムにおいていわゆる「炎上」をしている件について、
ご存知の方も多いと思います。
かずのすけは化粧品検定の最上位資格(認定講師)である「コスメコンシェルジュインストラクター」の資格まで持っており
(ご存知の通りPR的なことは何もしてませんので、もちろん正規受験です^_^;)
それ以外にも検定協会とは長い付き合いなので、これをブログに書くのはどうなのかな…と非常に悩みましたが、
我関せずを貫くのも不自然なので、
今回の件について僕なりの考えをお話しておいた方が良いかなと考え記事を書いています。
◎「化粧品検定」炎上…その経緯について
問題の火種?となったツイートがあり、
とあるインスタグラマーさん(僕はこの方がどなただったかは存じ上げません…)のストーリーに掲載された日本化粧品検定協会公式アカウントからのDM文面を転載したものでした。
(Twitter等を探せばまだ残っているかもしれませんが、大元のインスタグラマーさんが転載を悲しんでいたとの情報を得ましたので元ツイートは削除いたしました)
内容としては
「化粧品検定2級の受験と教材を無料で招待するので、SNSでPRを行ってほしい」
というものです。
これが火元となり、徐々にジリジリ燃え広がって
多くのTwitterユーザーさんに不信感が募っていきました。
この時点で検定協会について疑義を投げかけている方も多数いらっしゃいましたね…。
この時点で僕もすでに状況を把握していて、
以下の点について疑念を持っていました。
- そもそもこのDMは本物なのか?という点(偽造されたものの可能性もこの時点ではあった)
- メール内容を本物と仮定したとして、この文面では明らかにPR表記等を指示しておらず、この内容ではいわゆる「ステルスマーケティング」の依頼になってしまう点
- 検定の「合否」について、あたかも合格が確定しているように読み取れる点
- もし公表されてしまった場合明らかに検定協会にとって不利に働く内容にも関わらず、それをSNSのDMで直接送っているというのはどういうことなのか…?
そしてさらに炎上を加速させる原因になってしまったのが、こちらの公式アカウントによる謝罪。
一連の騒動に関してまして、御一読いただきますようお願い申し上げます。 pic.twitter.com/UoEq5gfIG7
— 日本化粧品検定協会 (@cosme_kentei) 2020年2月15日
恐らくこの謝罪の後の方が、その前の段階よりも炎上が大きくなったと思われます…^_^;
理由として凄く良くないことをいくつもしてしまっているんですよね。
経験者は語りますが…。。笑
炎上した時って、謝罪の仕方ひとつで好印象を与えるか、悪印象を与えるかが大きく分かれます。
今回の謝罪の仕方は明らかに悪印象を与える方向に行ってしまったように僕には感じとれました。
(多分読んだ人のほとんどがそのように感じたと思います)
その結果、現在でもなお批判の最中にある、という状況です…。
この状況について、一体どうしてこうなったのか?を僕なりに整理してみたいと思います。
◎そもそも「無料招待(PR)」は悪いことだったのか?
まず最初に明るみになったDMについて、
僕が感じた疑念は恐らく多くの方が同じことを感じたのではないでしょうか。
でも、一般の多くの方が感じたであろう疑念を僕は別に感じていませんでした。
それが何か?というと、それは「無料招待」の是非についてです。
恐らく多くの方、
特に自費で検定を受けて資格を正規で取得した方、
及び現在進行系で自費で検定を受けようとしていた方の多くは
今回のDMで
「無料招待」されている人(インフルエンサー)が居た
ということについて違和感を感じた人が多かったのではないでしょうか。
その気持ちは凄く分かりますし、
僕自身自費で受けてますから、気持ちよくはないのは確かです。
でも、僕はこれについては、大して驚きはしませんでした(^_^;)
インフルエンサーの知り合いは多いので、そういうことがあるというのは薄々耳にしていましたし、
「ビジネス」で考えればそういうことは普通にありえることですよね。
批判している人の中には「化粧品検定は検定ビジネスだ!詐欺だ!」って言っている人がいるんですが、
いえいえ、
そもそも美容系の検定はすべて私立検定ですし、当然のように「ビジネス」です。
でもこれを受けたいと思う人がいて、それを役立てて仕事の幅を広げる人がいる、
そして価格に納得してこれを受ける人が沢山いると、
それだけで需要供給はマッチしているのですからそこは批判すべきところではないと思います。
そしてインフルエンサーさんに受けて貰ってそれをSNSで告知してもらえば、
当然受験者数の増加につながるのですから、結果的に協会として利益になるので、
利益増加が見込めるインフルエンサーに対しては「無料招待(PR依頼)」という形を取ることについてはなんらおかしいことではないです。
化粧品含めていろんな商品でも同じことをやっているメーカーさんは沢山あるし、
(無料で提供してSNSで告知してもらうというマーケティング手法)
今更それを批判する人もいませんよね。
そもそもこういった「インフルエンサーマーケティング」というのは、
インフルエンサー側にも大きなリスクがあります。
例えば今回明るみになったように、そもそも化粧品検定にあまりいい印象を持っていない人というのが元々一定層いました。
その状況で、インフルエンサーさんが突如として何の脈絡もなく「化粧品検定受ける!」とSNS投稿したとしたら、
一部の人に取ってはあまりいい印象を与えませんよね。
また、勘の鋭い人が見ると、「もしかしてPRかな?」と推測されることも十分考えられます。
そしてそれがステマ(PRと分からないようにPRすること)であった場合、
それが追々バレたときにその人の「信用度」は一気に失墜します。
だから、インフルエンサー側もPRを受けるときには「自分の信用度を落とす可能性がある」というリスクを負います。
インフルエンサーマーケティングというのはこの「信用度」の売買なんです。
例えば僕も多くのPR案件の依頼を頂きますが、
僕は自分の信用度を安く売りたくないので殆どの依頼をお断りしています。
例えば化粧品に関してもただでくれると言われても、PRとして相手の意向どおりに記事を書かなければならない場合は、
信用度を落とすリスクがあるので、それくらいなら自分で購入して好きに書く方を選びます。
化粧品検定についても僕に同じ話があった場合、PRしなければならないという公約のもと検定の料金を免除してくれると言われた場合は、普通にお断りしますね。
同じようにこういう選択の仕方をするインフルエンサーさんは多くいますし、
逆に、信用度を支払ってPR案件を受ける、という選択をするインフルエンサーさんも多くいます。
インフルエンサーさんはそれが仕事である以上、
PRを受けたりPRを依頼すること自体は決して悪ではないし、
それを受けることによるリスクというのも顕著に存在しているので
インフルエンサーを無料で招待してPRしてもらうことを「悪いこと」とするのはちょっと違うのではないか?
と思ったわけです。
ただしさっきも言ったように、自費で受けている以上「気持ちよくはない」です…が、
別にこれについては全然納得できますよ。
気持ちよくない人が沢山いるのもわかるし、僕自身モヤッとはしますが、
ビジネスの観点から言えば当然かな、と思えます。
◎では何がいけなかったのか?擁護できない検定協会の「過ち」とは
しかし、だからといっても今回の一件については、
検定のインストラクター持ちで、代表理事の小西さんとは直接の親交もあり、後で話しますが協会にかなりの恩義もあるくらいの立場の僕でも、
「これはちょっと擁護できない…、、、」と思ってしまったことが沢山あるんです(T_T)
それを説明してみますね。
①今回の一件の一番悪いところは「PR」ではなく、「ステルスマーケティング(ステマ)」の依頼であったということ
まず今回の件で我々の立場をもってしても絶対に擁護しきれないのがこれになります。
このメール文面では正式な「PR」の依頼ではなく、
「ステルスマーケティング」の依頼をしているんです。
「ステルスマーケティング」…通称「ステマ」とは、
それが視聴者や読者に対してPR(広告)とは分からないように宣伝行為を行うことです。
よく、先程説明した「PR」…つまり報酬や無償提供の代わりに宣伝してもらう、というだけでも「ステマ」と言ってしまう人がいたりもするのですが、
それが明らかに宣伝行為であることがわかる場合、
例えば「提供してもらったのでご紹介します!」等と書いてあったり「PR」というのが明らかに見えるように書かれている投稿等はステマではなく、
テレビCMなどの広告宣伝と同じようなものなわけです。
これは法律的に問題はないし、正式な広告手法だと思います。
(なので、これなら納得できる、とさっき説明しました)
ですが、
「PR」と分からないようにしたり、「提供を受けた」とか「無料で招待してもらった」というのが
分からないようにインフルエンサーに宣伝行為を行わせることは
【ステルスマーケティング】と呼ばれており、
この業界では忌み嫌われ、現状では違法行為とは言えないまでも、自主的に厳しく規制されている広告手法です。
(最近では景表法の「優良誤認」に当たるとして罰せられるケースも増えているようです)
美容業界ではステマ問題は古くからかなり問題になっているので、
(今でもやっているメーカーは水面下では沢山ありますが…、、)
基本的に禁止されていると言っても良い状況です。
しかし、化粧品検定協会は、受験者に対して「PR」の正式な手法や、
景品表示法等についても教える立場にありながら、
(化粧品検定協会一級対策テキストより)
よもや最も批判されるべき「ステルスマーケティング」を指示していたなんて…、、、、
それは擁護できる要素がありません…。。
だから、僕としてはこの件については「偽造である」というのが一番うれしかったし、
もしステマを依頼していたということであればそれについてしっかり経緯の説明と謝罪を行うのと、
今後の対応について具体的な説明を聞きたかったのです。
にもかかわらず…、、
②悪いところを何も理解していない場当たり的な謝罪文…しかもSNS公式アカウントによる深夜の投稿
こちらが、その謝罪文だったんですが…、、
これは、明らかに良くない謝罪文の例だと思いました。
駄目なポイントとして、挙げたらきりがないんですが
まず「投稿時間」が、深夜1時とかだったんですよ。
肯定的に捉えれば、素早くいち早く炎上に対応したかった、ということなのかなと思うのですが、
たとえそうだとしてもこの時間の投稿はやはり良くないです。
わざと見てる人が少ない時間に投稿したのかと捉えられます。
また、謝罪文の推敲も足りないし(なんでこの内容が画像二枚で終わるのか、謎です)
その後の対応も悪いです。
状況をもっと整理して、文章の推敲もしっかり行って、
多くの関係者に「この文面で良いだろうか」というのを確認して、
(なんなら僕に相談してくれても良かった)
万全の体制でもって明朝10時くらいまで待って投稿し、
その後コメント等にもしっかり返答を行うくらいの姿勢が必要でした。
さらにSNSの「公式アカウント」による投稿、というのも誠意がなく見えます。
一体どこに不祥事を起こしたときに「人」が謝罪しない企業があるんでしょうか。
公式アカウントでは「人」が見えないので、誠意を感じにくく非常に印象が悪いです。
そして、先程申したように、
今回の一件で最も反省すべきは「ステルスマーケティング」を指示していたということであり、
購入者に大して不公平とかそういうことではないんですよね。
これがもしも普通のPR依頼であったとしたら、謝罪の仕方次第で問題なく説得できますから。
そこを公式が謝罪してしまうと、「お金返せ」等と言う人が出てきてしまうのは当然の成り行きです。
③悪いのはまるで「インフルエンサー側」みたいに聞こえる内容
そして、、
この部分、
まるで「間違ったことを言っているインフルエンサーが気に入らないから勉強させた」と言っているように聞こえます。
なんでこの後に及んでそんな責任転嫁をするんですか…;;
謝罪文を書くときに一番やってはいけないのは「私は悪くありません」と言っているように聞こえる内容を書くことです。
たとえ事実であっても避けなければなりません。
というか、普通に「PR依頼として、影響力の高いインフルエンサー様には協会の判断でご招待のメールをお送りしていました。」
では駄目なんでしょうか^_^;
(まぁどちらにせよステマの依頼なので叩かれざるを得ないですが、責任転嫁するよりはだいぶマシだと思います)
④「合否の不正」について具体的に否定できる根拠の明示がない
これも、もうこの段階に来たら信頼してもらうことがとてもむずかしいと思うのですが、
何を根拠に「不正をしていない」と言っているんでしょうか。
これを示すのはそんなに難しいことではないと思います。
「不正をしていない」というのであれば、
例えばこれまで受けたインフルエンサーさんの合格率を見える形で提示すれば良いのではないでしょうか?
化粧品検定は僕が受けた当時の合格率が70%くらいだったと思うので、
そう考えるとインフルエンサーでも100%受かっているわけではないと思います。
PR依頼をしたインフルエンサーさんに証言してもらうとか、
(不正をしていないなら実際に落ちた人もいますよね…?)
あと、今すぐこれまでステマをしてた人はPRの関係を明示する必要があると思います。
そうすれば、だいたいの合格率が見えてくるはず。
ちなみにこれは検定協会は答案を返送しないし、合否に関わらず何点かも明示しないため、
視聴者側が実際にインフルエンサーさんに何点だったかを聞くこともできないシステムにも問題があると思います。
…
というくらいにしておきますが、
何にせよもっと熟考して謝罪を行うべきでした。
◎信頼回復のために今後どのようなことを行っていくのか、具体的な動きを待ちます
以上、今回は僕の立場だからこそかなり厳し目に書いていますが、
僕自身は化粧品検定協会にはとても恩義を受けていますし、
検定の内容そのものはとても良いものだと自信を持ってお勧めしています。
確かに研究者とか開発者とかそのレベルになると、あまり目新しい情報はないかもしれませんし、
現状ではまだ就職に役立つと絶賛できるほどの地位にはないかもしれません。
それでも初心者の人でも化粧品について体系的に学べる教材としてはかなり役立つものなのは確かです。
SNS上でも「学んだこと自体はためになった」と感じている人は沢山いたと思います。
化粧品の知識は現在ではまだまだ一般的なものではなく、どうしても初心者がモチベーションを持って学べる教材というのは多くありません。
化粧品検定はそういった人にとってはとても価値あるものですし、
すごく沢山の専門家が労力を費やして作っているものというのを僕は知っていますので、
内容的に受験料や教材費は言うほど高いものでもないと僕は思います。
(これまで多くの人が受験していて、その価格に納得していたはずです。)
コンシェルジュやインストラクターまで来ると登録料とか高額の受験料がかかりますが、
これはこの肩書をビジネスに役立てる人がいるからだと思うので、、多少お金がかかっても仕方ない部分かなと思います。
(ちなみに僕の場合はあまり肩書として役立ててはいませんしインストラクターとして利益を得たことは一度もありませんが、一応毎年更新してます。笑)
それも価値が無いなと思うなら登録する必要はないし、全てにおいて強制でもないので…。。
今回の件で「価格が高い」とか「詐欺」とかいうのはちょっと議論の方向が怪しくなっていませんか…?と僕は感じてしまいました。
一体何が駄目だったのか、批判する側もしっかり整理する必要があると思います。
というわけで、今回の件は僕自信とてもがっかりしました。
ちなみに多分一番がっかりしていて、かつ一番怒っているのは資格保持者の面々ですよね。
頑張って取得した資格の価値が、公式の過ち一つでこの信頼の低下ですから…。
本当に悲しく思っているコンシェルジュやインストラクターの仲間がたくさん居ます。
でも僕は検定協会のことは今後もずっと応援していきますし、
何か助けられることがあるならば無償でも手をお貸しするつもりです。
検定協会も今では結構大きい組織になっていますので、一枚岩ではないし、
色々問題を起こすこともあって、そのたび白野さんとか川上さんとかと苦言を呈していることも度々あります。
これは白状しておきます^^;
しかし
僕自身今のような立場にあることは検定協会の代表である小西さやかさんとの出会いがとても大きかったと思っています。
僕がまだ駆け出しの頃に、何の実績もなかった僕を検定のセミナー講師に登用して下さったのは小西さんで、(それを機に「検定の講師をした」という箔を頂くことができたのはとても大きかったです)
その後、業界の大御所たる岡部さんや白野さんとの出会いのきっかけを作って下さったのも実は小西さんですし、
とあるメーカーから僕個人が攻撃を受けた際にも、協会が後ろ盾となって守って下さったことが過去にはあります。
今回は明らかに失敗ですし、決して現在の謝罪程度では許されないことをしてしまっていたと思います。
ですが、
僕は化粧品検定が決して暴利を貪っているわけでもないことも知っていますし、
価格はハッキリ申し上げて適正価格以上だと思っています。
だからこの検定が無くなってしまうのはとても惜しいことだと思っています。
このまま何の音沙汰もなしにただ消えていってしまったとしたらそれは本当に嫌ですので、
どうか、今後の方針をしっかり定め、正しい形で再度謝罪を行い、
信頼回復のためにも今後はより一層粛々と活動を続けてほしいと願っています。
非常に長くなりましたが、今回の一件について僕の想いを綴ってみました。
協会の運営の方々にも何か響くものがあれば良いな…と思っています。
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