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ちょっと奥さん…聞いてください…。。
またヤバいの来ちゃいましたよ…。。
最近ね、Instagramなどで主婦の皆さんから大変人気を博しているらしい
とある「油処理剤」なんですが。
Twitterで情報を発信されている方を見かけまして、
(芋様、情報提供及びブログ引用の許可をありがとうございます…!!)
芋( ・ω・ )@imo24da今インスタで人気の「油と混ぜると石鹸水になって排水口に流せる」っていう #ニューさらさら 混ぜた時は本当に石鹸水になったように見えるけど、時間が経つと水と油に分離してしまいます😭 油を流してるのと同じです😭 使用しないでください… https://t.co/MJ9JWX15LQ
2019年09月11日 12:24
僕もコメントさせていただきました。
かずのすけ@kazunosuke13あ!!これはまじでヤバいやつですよ!!⚠ 石鹸水とか言っているけど【界面活性剤で油を乳化して流している】だけで、河川とかに流れ着いて界面活性剤濃度が下がると乳化状態が解けて普通に油が分離します。浄水施設や環境への負荷がかなり懸念さ… https://t.co/3sgUCORATh
2019年09月11日 19:50
これ、どういうものかというと
「使用後の食用油にこの処理剤を加えると石鹸水状になるからそのままシンクに流せる」
というアイテム。
Instagramなどで検索すると、こちらの
「ニューさらさら」
というアイテムが非常に人気の様子。
皆さんオシャレな写真を撮ろうと苦心しております…(^^;)
(誰に指示されてんのこれ…?苦笑)
まぁ、確かに天ぷらの残り油とか処理するのは大変ですよね。
こういうアイテムがあったら確かに楽とは思います。
でもね。
これ、本当に問題のある商品なのでマジで気をつけてください。
今日はこの怪しげな油処理剤について
じっくり解説したいと思います。
◎一見すれば超便利な油処理剤…!!その正体は?
この「ニューさらさら」という商品は僕の手元には無いので
すぐにお見せすることができないのですが、
実は僕、これと全く同じようなものを既に持っておりました^^;
その名も「アブラトールジョイ」。
商品名は違うのですが、全く同じことを謳っている油処理剤です。
天ぷら油に加えて混ぜて石鹸水状にしてシンクに流せるよという商品。
しかもパイプの洗浄にもなるんだって。
…へ~。。。
あ、実はこちらの商品は最初の元ツイートをされている芋様も載せてましたね。
芋( ・ω・ )@imo24da⑵ニューさらさらだけだめなの? 国民生活センターに問い合わせたところ、「排水口に流すタイプの食用油処理剤の使用は進めない」という曖昧な回答でしたが、どれも油と分離してしまうと考えて問題ないです。 界面活性剤で一時的に水と油を融合さ… https://t.co/02hVNMJWqa
2019年09月11日 18:23
ちなみになぜ僕がタイムリーにこんなものを持っているのか?というと、
実はかなり前に「この商品やばくないですか?」とブログでコメントを頂いて、
「確かにこれはヤバいな」と思ってその時にすぐに取り寄せていたんですね。
ただなんだかんだ忙しかったのと、その時はそんなに話題というわけでもなかったので
また今度また今度と思っているうちに今になってしまいました。。
本当に申し訳ございません…、、
というわけでこの「アブラトールジョイ」で色々検証していきたいと思います。
まずこちらの製品の【成分】が何になっているか?が一番重要ですよね。
まずご覧頂くように、
成分は「脂肪酸アルキルロールアミド」となっています。
…
…ん?脂肪酸アルキルロールアミド…?( ・ω・ )
…これ成分名間違えてるよね…?;(独り言)
正式には「脂肪酸アルカノールアミド」という成分名のはずです。
(私大学院では界面活性剤を専門で勉強しております…)
それで、この「脂肪酸アルカノールアミド」という成分は何者か?という話ですが
多分一般の人は何やら油と混ざると石鹸(?)になる成分とでも思っているのかもしれませんが
全くそのような成分ではないですね。
何かというと、非イオン系界面活性剤の一種で、
平たくいえば「洗剤」です。
まぁ、一応洗剤だけど単体での洗剤としての性能はかなり低くて、
一般にもほとんど使われていません。
稀に食器用洗剤とかの泡安定剤として少量配合される程度です。
ちなみに
「ニューさらさら」の成分は詳しくは分からなかったのですが、
公式ホームページには「成分/界面活性剤(90%)非イオン系界面活性剤」とあるので
多分同じ種類のものではないかと思います。
まぁ非イオン界面活性剤にはいろんな種類がありますが別にどれ使ってもあまり結果は変わんないです。
◎「石けん水状になる」とはどういうことなのか?
それで、「石けん水状に変える」とありますが、
これ、決して油を化学反応で石鹸にしてるわけではないですよ??
ちょっと考えたら普通にわかりますよね…???
石鹸というのは一般に、
油脂に「苛性ソーダ(水酸化Na)」などのアルカリ剤を加えて、加熱して製造します。
(水酸化Naなどはかなり危険なので一般家庭では使用しないように)
ですから、ただの洗剤を加えて撹拌しただけで石鹸にはなりません。
この透明の液体を加えただけで油が石鹸になっていると本気で思っていた人はちゃんと勉強した方がいいと思います(切実)
じゃあ、何が「石けん水状」なのかというと
洗剤で油を乳化した状態が白っぽくて石けん水みたいだから「石けん水状」って言ってるだけです。
どういうことか?というと、
洗剤(界面活性剤)には【乳化作用】という特性があって
水と油を混ぜて乳濁した状態にすることができるんです。
▶https://www.nicca.co.jp/05recruit/iaa.html
本来水と油は仲が悪いので混ざらないのですが、
界面活性剤を入れて撹拌すると、その働きによって水と油を混ぜることができます。
このとき溶液が乳濁するため、この働きを乳化作用というわけです。
おそらくこの乳化状態で濁っているのと、混ぜたときに泡が立つから
それを「石けん水状」と言っているんだと思います。
もう何いってんだこいつって感じですよね(苦笑)
◎とりあえず検証…。どのくらい石けん水状なのか?
まぁ言いたいことはもっといっぱいありますが、、
とりあえずこれ、どのくらい「石けん水状」なのかやってみますね^^;
僕食用油ってごま油かオリーブオイルしかないので、今回はオリーブオイルを使いますね。
まぁ、オリーブオイルってだいぶ黄色いので…。
ちなみにこれ、天ぷら油1Lに対して30mlって書いてあるんですが、
めちゃくちゃ少なくないですか??
水じゃないんだからこんな少なくて安定分散できるとは到底思えないんだけど。
とりあえず今回は1Lも使いたくないので油50mlでやります。
1/20ということなので、アブラトールジョイは1.5mLで良いらしい。
マイクロピペットで1.5mL入れました。
水を加えてかき混ぜました…!!!
…え、、全然乳化してなくない?( ・ω・;)
10秒くらいで瞬く間に分離しましたがw
流石にアブラトールさんが少なすぎましたよね。
というわけでもっといっぱい(多分20mlくらい)入れました。
そして撹拌↓
ちなみにオリーブオイルなので黄色いです。
これだと分離がわかりやすいでしょ?
…でも30秒くらいですぐ分離しました。(´・ω・`)
これ、僕Twitterで「河川で界面活性剤濃度が下がると…」って書いたんだけど、
そもそもこの成分は乳化力が低すぎて
かなり多く入れても乳化状態を全然維持できないみたいです。
透明容器ならすぐ分かると思いますが、放置したら数十秒で分離しますよ。
ちなみに油をかなり少なめにしても全然ダメでした↓。
結論:全く「石けん水状」にならない。(爆)
すぐ分離する。なんじゃこりゃ。
(ニューさらさらはもう少し乳化状態維持できるかもしれませんが…)
(ちなみに、石鹸水って本当は透明ですからね…。↓30%石鹸溶液)
(家庭の石けん水が濁ってるのは水中の金属イオンのせいであって、石けん水自体は本来は透明です。濁っているから石鹸と思うのは勘違いです。アルカリ性かどうかも重要。)
◎そもそも油は乳化してても流しちゃダメ!?
まぁ実際に使ってみたは良いのですが、
本当は乳化していようが乳化していまいが、どちらにせよシンクに流すのは絶対NGです。
というのは、
たとえ乳化したって「油が油じゃなくなっている」わけではありません。
「乳化」というのはあくまで水の中に界面活性剤の力で油が細かく分散してるというだけで、
油は油のままなんです。
油を大量に排水に流すのは、【環境負荷】の観点から非常に問題があります。
油というのは水に入ったときに分解するのに凄く時間がかかりますし、
水棲生物にも凄く悪影響があります。
あ、ちなみに「石けん水」になってたとしても1Lとかの量は一気に排水に流しちゃダメですよ。。
(普通の食器洗剤とかは数mlとか、衣類洗剤でも多くて数十mlを時間かけて流しています)
あと環境負荷以外でも、「パイプ洗浄になる」とか言うのも怪しいです。
油が分離した状態で排水に流したとしたら、
パイプ内に油膜が残ったり固化して内部固着して故障や目詰まりを起こす可能性も否定できません。
◎実は15年以上前にも問題視されていた!?環境負荷に関する驚きの事実…
そして、実はこのような油処理剤が問題になったのは今がはじめてではなく、
▶いわゆる排水口に流すタイプの食用油処理剤等 ~排水した際の環境性を中心に~
既に平成16年にも国民生活センターが問題視して実験とかもやって注意喚起しているんです。
まぁ使っている成分も非イオン系界面活性剤のものが主流であまり変わらないようで、
一番驚いた結果がこれですね。
3番の「BOD」という環境負荷テスト。
一言でいえば
「油処理剤を使うと、環境負荷が2倍以上になるケースもあり、食用油をそのまま流した方がむしろ環境負荷が低い」
ということ。
あとその次の、水環境の回復に必要な水量も同じく、
食用油のみで流した方がまだマシ
という結果が出ています。
いや、そもそも食用油を流すのも絶対ダメなんですが、
この処理剤を使うと、なんと更に環境負荷が増えるということになります。
当たり前といえば当たり前で、
油は油のままだし、しかも界面活性剤もあまり環境に良いものではないのでその分負荷増えるよね…ということかなと。
(他にも色々要因はありそうですが)
◎この油処理剤を使う=環境汚染と水質汚濁に加担しているということ
というわけで分かって頂けたでしょうか…。
この油処理剤を使っている方、
皆さんは全員漏れなく環境汚染と水質汚濁に加担しています。
ですので、今すぐにこれを使うのをやめてください。
インスタ映えとかしてる場合じゃないですよ。
環境負荷がもちろんあるし、こういう悪質業者をのさばらせる原因にもなります。
何より自分が率先して環境を破壊しているって、嫌ですよね?
僕は絶対に嫌です。
ちなみにこちらの廃棄はシンクも下水もダメで、ボトルそのまま燃やすゴミが最善手かと思います。
あと使用済み食用油は自治体によって違うので調べて欲しいですが、
基本的には新聞紙やキッチンペーパー等に吸い取らせて燃やすゴミです。
(かずのすけも今回の油と洗剤は↓キッチンペーパーを入れたゴミ袋に捨てました。)
1L以上の油は極力自治体に回収してもらうのがいいと思います。
というわけで以上、環境問題にも絡む非常に重要な内容ですので
お知り合いの方とかに同じようなものを使っている方がいた場合はぜひ注意してさしあげてください。
こちらのブログやTwitter等も拡散して頂けると嬉しいですm(_ _)m
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