『皮脂分泌』についてのかずのすけ的考察① ~一般論と消費者意識との乖離~ | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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今日は久々の「ケミカル雑学」のコーナーです(^^)v

 

かずのすけの勝手な疑問や興味をダラダラ書いていくコーナーで

 

毎回いいね!数がとても少ないことで有名なのです…。。笑

 

 

でも今日はちょっとおもしろい…かも?f(^_^;)

 

 

今日お題にしたいのは『皮脂分泌』です。

 

 

 

 

先日書いた記事でもちょっとだけ話をしましたが、

 

人の肌の美しさを決める上で「皮脂」の分泌量というのはとても重要な要素です。

 

 

皮脂量が増えれば肌は慢性的なテカリ肌になるし、

 

皮脂が増えることでそれを分解して餌としているアクネ菌などの表皮常在菌のバランスが乱れてしまうとニキビや脂漏性皮膚炎などの肌荒れの原因になります。

 

また皮脂が増えることで毛穴が開きやすくなったり角栓ができやすくなる…などの悪影響も想定されます。

 

 

『皮脂分泌』が一体どういうメカニズムで増減するのか

 

そのメカニズムを解き明かすことができれば、

 

それは必ず美肌への近道となるはずです。

 

 

 

 

そこで昨週の火曜日に、

 

ビューティサイエンティスト岡部美代治さんを主催に

 

『皮脂分泌』をテーマにした勉強会が開かれましたので参加して来ました!

 

 

 

この会は毎月開催されていて僕はできるだけ参加しているのですが、

 

今回の皮脂分泌の勉強会は僕が参加した中では特に白熱した議論が展開されまして大変参考になりました(^^)

 

 

最終的には各人いろいろな考え方を持っていて完全に全員がひとまとめの結論に行き着いたわけではないのですが、

 

僕の中ではある程度「これだ!」という持論にたどり着けたかなと感じています。

 

 

今日は記事の長さ的にそこまではいけないと思いますが、

 

メモも兼ねていろいろ書いていきますね!

 

 

 

 

 

◎「皮脂」の役割と主な構成

 

 

 

 

皮脂は毛穴内部に付随している「皮脂腺」という器官から分泌される油状物質で、

 

皮膚の角層上に広く拡がって肌の表面を覆っています。

 

 

 

一般的に主な役割としては「肌の保護膜」「水分の保持」などが知られ、

 

さらに皮膚常在菌がこの皮脂を分解することで肌表面を保護する脂肪酸などが生成されるため、

 

「常在菌バランスを保つ」

 

という役割も最近ではポピュラーですね。

 

 

 

皮脂が増えすぎれば脂性肌と言われてニキビなどができやすくなったりテカリ肌などの悩みに繋がりますが、

 

かと言って皮脂が全くでないのは乾燥肌の原因になるので無いほうがいいわけではありません。

 

 

結局のところはちょうどよく分泌されるのが良いわけです。

 

 

 

ちなみに『皮脂』の主要構成成分は↓こんな感じになっていて、

 

 

40%以上を『油脂類』が締め、25%程度が『エステル』、

 

16%は『脂肪酸』、12%が『スクワレン』という成分、あとはその他の微量成分…という感じ。

 

 

16%の脂肪酸は主成分の油脂類が常在菌によって分解されて生成する物質ですので、

 

実質あまり重要ではありません。(増えすぎると刺激になったり脂漏性皮膚炎の原因に)

 

 

 

なので最も大切なのは『油脂』と『エステル』と『スクワレン』です。

 

 

『油脂』というと上の表にあるような動植物から得られる油状成分のほとんどがこれに当たります。

 

マカデミアナッツ油馬油などは特に皮脂に似ていると言われていますね。

 

 

 

また皮脂中25%を占める『エステル』は自然界のものでいうとホホバ油が最も近いと言われています。

 

 

 

ただし注意として、

 

『皮脂と一番似ているのはホホバ油だ!』

 

というような情報をネット上ではよく見かけまが、これは大きな誤解です。

 

 

あくまで皮脂中の25%に当たるエステルの部分がホホバ油と似ているだけであり、

 

皮脂そのものは複数の油性成分の混合物ですからホホバ油だけでは不十分です。

 

 

 

実際は油脂・エステル・スクワレンを上記組成に似せて混ぜたものが一番皮脂に近いと言えますね。苦笑

 

 

ただ「スクワレン」は天然のものだと安定性がいまいちなので、

 

化粧品用ではそれを水素添加して安定化させた「スクワラン」という成分が知られています。

 

 

スクワランは性質的にはミネラルオイルなどの『炭化水素油』の仲間ですが、

 

炭化水素油のなかでは比較的肌なじみに優れる優秀なオイルですね。

 

 

 

以上から化粧品で皮脂に近づけるためには油脂・エステル・スクワランを上手に組み合わせると

 

似た油分を作ることができます。

 

 

 

 

 

◎皮脂を増減させる要因は「性ホルモン」のみ?!

 

 

さて様々なホームページや雑誌で「◯◯をすると皮脂が増える」的な内容を目にすることがありますが、

 

 

実は科学的に立証されている皮脂増減の要因が、

 

現在では「性ホルモン」のみしかないということを皆さんはご存知だったでしょうか。

 

 

 

性ホルモンとは主に「男性ホルモン」「女性ホルモン」があり、

 

女性の場合はさらに「黄体ホルモン(女性でいうと男性ホルモンに近い役割)」というものも関与していますが、

 

 

基本的には男性ホルモンが増えると皮脂量は増え、女性ホルモンが増えると皮脂は減ります。

 

 

このため性ホルモンが活発に増える思春期にはニキビができやすくなったりするわけですね。

(女性の場合生理が始まると黄体ホルモンが増えるため)

 

 

 

また男性の方が皮脂量は多いし、女性は皮脂が少ないとされています。

 

 

 

さらには性ホルモンの分泌量は加齢によって減っていきますが、

 

特に女性は30代を境に顕著に男性ホルモンや黄体ホルモンが減っていくので皮脂量も加齢に従いどんどん減っていくそうです。

 

男性も同じタイミングで一応減りますが、女性ほどの下がり方ではないとされています。




以前は夏季と冬季では夏季のほうが皮脂が多く見えるため

 

皮脂量は気温によっても変わる…という見解もあったようですが、

 

 

これはどうやら汗の量が増えることで見た目に増えて見えるだけ

 

実際の分泌量には大きな差は無いという見解が最近の主流とのこと。

 

 

 

 

というわけで現状では科学的な研究によって明らかにされている皮脂の増減要因は「性ホルモンのみ」という状況だそうなのです。

 

 

 

 

つまり、

 

その他の外的要因では皮脂量は変動しない、

 

というふうに一般的には考えられているそうなのですね。

 

 

 

 

◎『過剰な洗浄』と『皮脂量』の関係について

 

 

 

しかし、これについて僕は

 

「実際にはもっとたくさん皮脂量に関与する要因はあるのではないか?」

 

と考えています。

 

 

 

 

かずのすけブログを長く読んでくださっている方だと、

 

僕が昔から「洗いすぎると皮脂が増えるよ!」という旨の発言を度々していたことをご存知だと思います。

 

 

そして実際に優しい洗浄力の洗顔料などを勧めてきて、

 

これを長期的に継続することで肌荒れが改善する事例というのも僕はたくさん目撃してきました。

 

 

僕自身数年前に、

 

毛穴パックや過度な洗浄を頻繁にしていて皮脂量が明らかに増え、

 

毛穴の状態が明らかに悪化したりニキビなどが増えたという実感があり、

 

その後優しい洗顔に変えた結果数ヶ月~1年ほどの間に肌荒れや毛穴が改善していったという体験をしています。

 

 

 

 

また実際の消費者の感覚はどうなっているのか?というのをTwitterでアンケートをとってみると、

 

 

このような結果がやはり得られていて、

 

得票数2,707票のうち半数以上が「過剰な洗浄を継続的に行うと皮脂量が増えるような気がする」と答えています。

 

 

(ただし科学的な背景通りに「洗浄を強めても皮脂量に大きな変化はない」という人も一定数いますし、また逆に「皮脂量が減っていく」と感じる人もいます。次回はこれも含めて考察します!)

 

 

 

 

しかし現状ではこの結果を肯定する科学的なエビデンスというのは全く存在しません。

 

 

国内外の文献をどれだけ漁っても、

 

「過剰洗浄によって皮脂量が増える」

 

という結論を導いている論文は見当たらないのです。

(小さいものならあるかもしれませんが、主要な論文は一切なし)

 

 

 

 

しかしその一方で、この内容を否定する文献も存在しません。

 

 

ここから、僕はこの「エビデンスが存在しない」という理由は

 

そもそもこういったテーマで研究がされていないからではないか?と考えています。

 

 

 

実際長期的な過剰洗浄による皮脂量の増減なんて計測する方法がピンとこないですし、

 

もしやったとしても時間がかかりますしとても大変な研究になりそうです…。。

 

 

 

 

そういう理由もあってこれまでしばらく皮脂分泌に関する研究ってほとんど進んでいなかったという実態もあるんですよね。

 

ホルモンによる変動とかも数十年前の研究がベースの理論ですし、

 

皮脂分泌の研究そのものがあまり進んでおらず

 

まだまだわかっていないことだらけという状態のようです。

 

 

 

 

ただそれがここ数年間でかなり変わってきていて、

 

最近になって皮脂分泌に影響する(かもしれない)いくつかの新要素が提案されてきてます。

(直接的に「洗浄」というのは無いのですが…;)

 

 

 

 

 

というわけで僕としてはやはり過剰洗浄と皮脂の分泌量には密接な関係性があると考えているので、

 

次回はこういった皮脂分泌に関する最近の知見なども交えつつ…

 

『もしかしたらこうなんじゃないかな??』

 

という皮脂分泌に関するかずのすけ理論を説明していきたいと思います。

 

 

 

 

長くなりますので今日は以上です!(^-^)ゞ

 

 

 

『皮脂分泌』についてのかずのすけ的考察② ~「刺激誘引説」と「平衡状態説」~





 

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