【花粉ブロックスプレー】のメカニズムと実際の効果について | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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いや~、2018年もどんどん時間が経って

気がつけばもう4月になってしまいますね(;^o^)ゞ

 

 

 

気温もだんだん上がってきて、まさに春真っ盛りとなってきました!!

 

 

お天気が良い日も増えてきたのでついつい遊びに出たくなりますね~(o^^o)

 

 

 

し・か・し…!!(x_x;)

 

 

 

この季節といえば、そう、

 

【花粉】!!( ̄□ ̄;)



かずのすけはそこまで重い花粉症ではないのと

 

最近は春より秋の方が酷いのもあり今年はまだまだ全然大丈夫なのですが、

 

 

中にはかなり厳しい思いをされている方も多くなっているようです…。。

 

 

身近なお友達にも鼻水と涙がやばいと嘆いている人多数…(ノ_・。)

 

 

 

 

 

そこで今日は、

 

「シュッと一吹きで花粉を予防できる!?」

 

と話題になり最近じわじわと人気を博しているきている

 

 

【花粉ブロックスプレー】

 

 

について取り上げてみたいと思います!!



image



◎花粉ブロックスプレーとは??


花粉ブロックスプレーとは、そのメカニズムは後述のようにいくつか種類があるのですが、

 

 

基本的には

 

「顔や髪に吹きつけることで花粉(や黄砂・PM2.5なども)をブロックするスプレー」

 

をまとめて言います。

 

 

最近はいろんなメーカーがこぞって類似の商品を発売していて、

 

ちょっとドラッグストアを見に行っただけでかなりの種類を発見することができました。

 

 

 

有名どころだと資生堂さんのIHADAシリーズ「アレルスクリーン」とか…。

 

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KOSEさんの「カルテクリニティ スキンプロテクトスプレー」。

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dプログラムさんも「アレルバリアミスト」というのを出してます。

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またこれは化粧品ではないですが、

 

殺虫剤で有名なフマキラーさんが出している「花粉イオンでブロック」などなど。

(名前がそのままで面白いですね笑)

 

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どれも説明は似たような感じでほとんど使い方も同じです。

 

image

 

 

 

『スプレーして花粉をブロックしよう!』

 

という商品になります(^_^)v

 

 

 

 

◎花粉ブロックスプレーのメカニズムは!?

 

 

ところでこの花粉ブロックスプレーとは一体どのようなメカニズムで花粉を防御しているのでしょうか?

 

 

どれも一応裏面にメカニズム的なことが書いてあるのですが…。。

 

 

例えばイハダアレルスクリーンはこんな感じ。

 

image

 

②ミクロの霧がスプレーした部分をコーティングし、イオンの透明なマスクを作ります。

 

③空気中の花粉、PM2.5を反発し、吸着を防ぎます。

 

 

とあります…。

 

 

ん??

 

 

「イオンの透明なマスク」…????

 

 

 

おぉ…これはまた近未来的なワードが出てきましたね…(x_x;)

 

 

正直一般の人が呼んでも「なんのこっちゃ」という感じだと思います;

 

 

 

 

カルテクリニティも似たような感じですが…。

 

image

 

これも

 

「②肌や髪の表面をコーティングし、透明バリアを作ります。」

 

とあり、

 

「透明バリア」…。。。

 

という謎のパワーワードが発見できます(苦笑)

 

 

それこそなんだかSFの世界にでも迷い込んだような文言ですよね。笑

 

 

 

 

 

個人的にはこれらの説明は非常に説明不足というか、

 

実際の効果を誤解しかねない説明になってしまっていると思いますが…。。

 

 

 

 

 

裏面表示のメカニズムの説明を見た感じ、

 

購入したものの中で1番分かりやすいのは「フマキラー」さんの商品↓だと思います。

 

 

image

 

 

正直この説明も普通の人が見ると他の商品と大差無いかもしれませんが、

 

「イオンの力で花粉を反発・吸着し吸入をおさえる」

 

という説明が実際の成分の効果に1番近いと思います。

 

 

 

成分に着目して詳しく説明してみたいと思います。

 

 

(アレルバリアとカルテクリニティはちょっと違うのですが。詳細は後ほど)

 

 

 

 

◎「静電気による反発・吸着」によって花粉吸入を抑制する!?

 

 

これらの商品の多くに共通して配合されているのが、

 

『陽イオン性ポリマー(陽電荷ポリマー)』

 

というものです。

 

 

 

例えばフマキラーさんの商品の場合化粧品ではないので化粧品成分名ではなく「陽電荷ポリマー」とそのまま書いてあるので分かりやすいです。

 

image

 

 

 

メカニズム説明で幾度となく出てくる「イオン」というキーワード。

 

これは化学の専門用語で、簡単に言えば

 

『静電気』

 

を意味する言葉です。

 

 

 

 

静電気には主に「マイナス(陰イオン)」と、「プラス(陽イオン)」の二種類がありますね。

 

 

このうちプラスの電荷を持ったポリマー(高分子化合物)を配合しているのが

 

多くの花粉ブロックスプレーの正体になります。

 

 

 

 

花粉やPM2.5などの空気中の飛散物は、

 

その化学組成的にマイナスかプラスのどちらかの静電気を帯びている場合が多いです。

(場合によっては静電気を帯びていないものもあります)

 

 

 

これを理解した状態で以下の図を見ると、なんとなくこのメカニズムが分かるのではないでしょうか。

 

image

 

 

陽イオン(プラス静電気の)ポリマー成分が皮膚の表面に付着しているので、

 

 

空気中の飛散物のうちプラスに帯電しているものは反発し、

 

マイナスに帯電しているものはポリマー自身に吸着します。

 

 

 

このようなメカニズムで花粉が粘膜そのものに触れたり、吸入するのを抑制してくれるわけです。

 

 

 

まぁご覧のようにこの程度のメカニズムですので、

 

吹きかければぼやっとした見えない透明のバリアが作られて

 

花粉等に対して鉄壁の守りを発揮してくれる…というわけではない!

 

ということには注意した方が良いですね(^^;)

 

 

 

IHADAの場合は「ポリクオタニウム-51」という成分が陽イオン性ポリマーに当たります。

 

image

 

 

ちなみにこれは「リピジュア」と呼ばれるスキンケア用の高保湿成分ですね!

 

成分に詳しい人は聞いたことがあるかもしれません(^^)ゞ

 

 

 

 

◎陽イオン系成分は本来あまり肌に優しいものではない!?

 

 

 

あと、一点注意が必要なのは

 

本来「陽イオン系の成分」というのはあまり肌に優しいものではありません。

 

 

 

最も有名な陽イオン成分といえば「陽イオン界面活性剤」で、

 

柔軟剤やトリートメントなどに用いられる「第四級アンモニウム塩」などはかなり皮膚刺激の強い成分です。

 

カチオン界面活性剤の毒性と刺激性について

 

 

 

ただ、陽イオン界面活性剤が強い皮膚刺激や毒性を持つのは

 

皮膚に浸透して細胞膜に入り込むと細胞を破壊する性質があるから

(皮膚内部の細胞膜はマイナスに帯電しているため。詳しくは上記記事参照。)

 

ですので、

 

 

『ポリマー(高分子化合物)』

 

のように巨大分子になっていて浸透性を持たない場合はさほどこの刺激などを気にする必要はありません。

 

 

 

また、

 

イハダなどに用いられている「ポリクオタニウム51(リピジュア)」は、

 

リピジュアについて(日油株式会社)

 

スキンケア用に開発されたほぼ両性イオン型の極弱い陽イオン性物質です。

 

 

なのでこの成分による刺激というのはやはりあまり考える必要はなさそうです。

 

 

 

 

それよりも全体通して「エタノール」が主成分になっていますので、

 

そっちの刺激性の方が強いのではないかと思われます(^^;)

 

 

 

 

◎陽イオン性成分を含まないパターンも?

 

 

ただし、

 

中には陽イオン成分を含まないタイプもあります。

 

 

 

こちらはカルテクリニティの成分表↓。

 

 

image

 

 

実はこの中に静電気反発を起こしうる成分は一つもありません。

 

 

もしかしたら植物エキスがそういう効果あるのかな~。。。という気もしないことはありませんが、

 

多分入っていません。

 

 

代わりに「ヒドロキシプロピルメチルセルロース」という成分が入っていて、

 

 

これはセルロース系のポリマーで

 

確かに「固まると透明のフィルム上物質になる成分」です。

 

説明書きで『透明バリア』と称した成分の正体ではないかと僕はにらんでいます。

 

 

 

この成分が皮膚表面で固まって花粉との直接的な接触を防ぐことで

 

花粉症を抑制するものなのではないかと思います。

 

 

つまりイオン的な反発や吸着によるメカニズムではないということです。

 

 

どおりでカルテクリニティの方は「イオン」という表記がひとつもありません。

 

 

 

 

またアレルバリアミストも同じく、

 

↓こちらが全成分表ですがイオン性のポリマーは入っていません。

 

全成分:水,BG,テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル,DPG,グリセリン,ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン,PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル,トリメチルシロキシケイ酸,エリスリトール,塩化Na,ヒドロキシプロピルシクロデキストリン,アルギニン,ハマメリス葉エキス,ジメチコン,クエン酸Na,ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2,メタリン酸Na,クエン酸,ピロ亜硫酸Na,フェノキシエタノール

 

代わり「ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン」や「トリメチルシロキシケイ酸」などのシリコーンポリマーが複数配合されています。

 

 

セルロースと同じくこれらのシリコーンポリマーが皮膚表面で皮膜を形成するため

 

花粉との直接接触を予防するのではないかと思われます。

 

 

 

上記のカルテクリニティも含め、こういったタイプを今後は

 

「保護フィルムタイプ」と呼ぶことにします。

 

 

 

 

◎「陽イオンタイプ」と「保護フィルムタイプ」…どっちを使うべき?

 

 

というわけで上記を参考にすると花粉ブロックスプレーには、

 

 

【陽イオンタイプ】 …「ポリクオタニウム51」や「陽電荷ポリマー」を配合したタイプ

 

商品例) IHADAアレルスクリーン、フマキラー花粉イオンでブロックなど

 

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【保護フィルムタイプ】…「セルロースポリマー」や「シリコーンポリマー」を配合したタイプ

 

商品例) dプログラムアレルバリアミスト、カルテクリニティスキンブロックスプレーなど

 

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の二つのパターンがあると言えそうです。

 

 

 

まぁどっちが良いか?というと、

 

実際の効果的には、

 

恐らく陽イオン系の方が静電気反発がある分効果は高くなると思います。

 

保護フィルムはあくまで接触時の予防ができるだけなので、

 

鼻からの吸入や目粘膜への接触は防止できません。

 

 

ただしお肌への刺激等の面では陽イオン成分の微妙~な刺激性を考慮すると、

 

保護フィルムタイプの方が優しいと言えるかもしれません。

 

 

 

 

とはいえ、正直なところで言えば

 

陽イオンタイプも肌に刺激が出てしまう濃度にはなっていないと思うので

 

そこまで刺激はないと思いますし逆にそれだけに静電気力が弱く、

 

反発・吸着効果もそこまでないのではないか?

 

いう見方もできます。

 

 

これはあくまで使ってみて実際にその効果をどう実感するか?という話だと思いますが…。

 

 

(ちなみに僕のお友達は陽イオンタイプでかなり効果があったと感じたそうです!

とはいえ全く花粉症が出なくなるわけではないので、あくまで「抑制」という程度ですが…)

 

 

 

 

 

あと、成分が「エタノール」を主成分に作られているものしか今のところないので、

 

この刺激がやはり若干あると僕は感じました。

 

IHADAもフマキラーも手の甲に出してどちらも結構なヒリヒリ感を感じたので

 

アトピーや敏感肌でエタノールに弱い人は気を付けた方が良いと思います。

 

 

 

成分的な刺激はやはりそれなりにありますが、

 

花粉症があまりに酷い場合は

 

この成分の多少の刺激感を許容してでも使った方が良い、という人も居ると思います。

 

 

 

もしかしたら化粧崩れの懸念はあるものの、

 

メイクの上からスプレーすれば肌への刺激はかなり緩和できるかもしれません。

 

 

メイクが刺激のクッションになってくれますし、

 

さらに陽イオン系は特に肌の最も表面にあった方が静電気力を発揮しやすいので、

 

最初にスプレーしてメイクするよりこの方が効果的だと思います。

 

 





以上、

 

「花粉ブロックスプレー」についての記事でした!


どのくらい効果があるかは正直まだまだグレーな感じですが、

花粉に悩んでいる方は一度お試しになってみると良いかもしれません(^_^)b



また今後はもうちょっとお肌に優しい処方の物が出てくるかもしれないので、

 

お肌が弱い方はそれも期待しておきましょう!





 

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