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今まで意外と語って来なかった話題なんですが
「石けん」の成分の読み方についての話をしたいと思います。
石けんなんて、石けんだから簡単だろって思うかもしれないですがこれが意外と難しくてですね(^_^;)
今までわざとこの詳しい話を避けてきました。
ただ石けんの成分を読めるととても便利なのでぜひこれはマスターして欲しいなぁと思います!
◎実は石けんの成分表記法は【4パターン】ある?!
石けんの成分を読むのは結構難しいという1番の理由がこれです。
「石けん」には、同じ石けん成分なのになんと【4パターン】もの成分表記の仕方があります。
ざっと分けるとこんな感じです。
このため、
自分の使っている商品が「石けん」だと知らずに石けんを使っている人はかなり多いと思います。
例えば①のパターンであれば成分表にもろそのまま『石けん』と書いてあるので
「これは石けんだ!」とすぐ分かるのですが、
③のパターンのように『原料に分けて書いてある』場合、
これをひと目で「石けんだ!」と判断出来る人はかなり稀だと思います。
こうなると自分の使っているアイテムが石けんなのか何なのか判断できなくなるというわけですね。
ちなみに石けんてのは界面活性剤の一種なのですが
このように原料に分けて書いて良いというルールを持っているのは界面活性剤の中でも石けんのみです。
凄い特別扱いされてますよね~。。笑
では1つずつ詳しく説明していきます。
①【石けん】とそのまま書くパターンについて
これは1番簡単ですよね。
成分表にそのまま『石ケン』という言葉が書いてあります。
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例えば上記の固形石けんであれば原材料は以下のように書いてあります。
[原材料] 石ケン素地
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一方こちらの液体石けんは
[成分] 水、カリ石けん素地
と書いてあります。
このように固形の石けんは「石けん素地」、
液体の石けんは「カリ石けん素地」という風に書いてある場合が多いということに留意しましょう!
非常にベーシックな石けんがこういう表記になっているケースが多いです。
ちなみに「カリ含有石けん素地」の場合は上記二つの中間的な成分で、固形のものが多いです。
比較的低刺激の固形石けんになるのでやや高価格帯の石けんに主に使われています。
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【全成分】: カリ含有石ケン素地、水、オリーブ油、グリセリン、ラウリン酸、フィブロイン(シルク成分)、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ポリクオタニウム-6、グリチルリチン酸2K、クエン酸、BG、トコフェロール、メチルパラベン
こんな感じですね!2000円オーバーの高級固形石けんは大抵がカリ含有石けん素地です。
②石けんの化合物名を書くパターンについて
次に石けんそのものの化合物名を記載する方法です。
一応この名前は高校化学などの教科書にも載っているので化学を履修した人には
「これは石けんだ!」と分かるはず…です。多分ね(苦笑)
石けんというのは「長い脂肪酸」に「アルカリ」が合体した形をしているので
『◯◯◯酸Na』もしくは『◯◯◯酸K』
という成分名になっています。
※ただし「硫酸Na」とか「塩酸Na」とかは石けんではなくただの中性塩です。
これは酸の構造が小さすぎて界面活性剤にならないからですね。カタカナでラウリンとかオレインとか書いてあるものが石けんになります。
【Na】とはアルカリ金属の【ナトリウム】、
【K】とは同じくアルカリ金属の【カリウム】のことを指します。
強アルカリ剤の「水酸化Na」や「水酸化K」を反応させるのでこの記号が付きます。
そして表を見ると分かるように、
Na系の石けんは「固形石けん」となり、K系の石けんは主に「液体石けん」になります。
①で説明した「カリ石けん素地」の【カリ】とは【カリウム】のことなのですね
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上記洗顔料などの成分表記に見られます。
【全成分】
水(精製水)・ミリスチン酸K(植物性石けん)・ステアリン酸(皮フ保護剤)・グリセリン(保湿剤)・ステアリン酸K(植物性石けん)・DPG(保湿剤)・含硫ケイ酸Al(海泥・清浄剤)・ラウリン酸K(植物性石けん)・ラウラミドプロピルベタイン(植物性石けん)・タルク(感触改良剤)・カオリン(感触改良剤)・オクテニルコハク酸トレハロース(洗浄剤)・ノイバラ果実エキス(ローズフルーツエキス・保湿剤)・グリチルレチン酸(皮フコンディショニング剤)・BG(保湿剤)
ちなみにこういったペーストタイプの洗顔剤にはカリ石鹸が使われていることが多いです。
ただし最近ではこの表記で成分表示を書くのは稀で、
殆どが以下③の表記法になっています。
③石けんの原料に分けて書くパターンについて
一般的にはこれが1番ポピュラーでかつ1番厄介だと思います。
石けんの成分表記法はその原料に小分けして書くということが許されています。
上記の②で説明した通り、石けんは「長い脂肪酸(高級脂肪酸)」と「アルカリ」が合体した成分なので
長い脂肪酸の名前と、アルカリ剤とにそれぞれ分けて記載することが出来ます。
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専科 パーフェクトホイップ 120g
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【全成分】
水、ステアリン酸、PEG-8、ミリスチン酸、水酸化K、グリセリン、ラウリン酸、エタノール、BG、ステアリン酸グリセリル(SE)、ポリクオタニウム-7、ヒアルロン酸Na、セリシン、アセチルヒアルロン酸Na、加水分解シルク、EDTA-2Na、ピロ亜硫酸Na、クエン酸、ソルビン酸K、安息香酸Na、香料
なのでこのように
ステアリン酸・ミリスチン酸・水酸化K・ラウリン酸…
という風に原料に分けて記載されていますが、
(成分順番は結構適当です)
これは②で言えば
ステアリン酸K・ミリスチン酸K・ラウリン酸K
と記載されているのと実質的には同じことなのです。
これが一見すると成分上位に脂肪酸の名前が入っているので
「これは石けんではない!」と判断されがちですが蓋を開ければただの石けんなのですね。
この表記方法は凄く紛らわしいですが、この成分の見分け方としては
『成分上位に強アルカリ剤(水酸化Naか水酸化K)が記載されていること』です。
上のパーフェクトホイップの場合上位4番目に「水酸化K」が入っていますが、
本来ただの化粧品であればこんなに上位に皮膚刺激MAXの強アルカリ成分が配合されることは考えられません。
しかし石けんならば原料が書いてあるだけなので、上位に水酸化Kや水酸化Naが書いてあっても何ら不思議はないわけです。
「水酸化Na」や「水酸化K」などの強アルカリ成分が成分上位に入っていても、
「ステアリン酸」や「ラウリン酸」などの脂肪酸が同時に配合されていれば
結局中和して『石けん』になっていると考えるのですね
つまり成分上位に「水酸化Na」「水酸化K」がある洗剤は、それだけで十中八九『石けん』ということです!
一見難しい表記方ですが
市販のボディソープや洗顔料はほとんどこの表記の石けんなので
大体がこうやって書いてあるものと考えておけば良いと思います。
現在最も利用頻度の高い石けんの表記法になっています。
④油脂+アルカリ剤で書くパターンについて
最後はこちらで、大変稀でほとんどこのパターンは無い…、
というか①のパターンに追記して注釈的に書かれる場合がほとんどです。
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ソンバーユ石鹸 85g
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【原材料】 石ケン素地(馬油、パーム油、水酸化Na、パーム核脂肪酸、塩化Na)・クエン酸ナトリウム・香料(ヒノキの香り)純石鹸分99%以上
という感じですね。
石けんは簡単に言うと以下の化学反応で作られているのですが、
▶http://www.cow-soap.co.jp/event/whats-sekken/capter02/ より
最も単純な生成法が
『油脂』というタイプの油に『水酸化Na』などのアルカリ剤を加える
『けん化法』
という方法で生成します。
なのでこれも厳密に言えば原料に分けて書く③の仲間ですね。
油脂とアルカリ剤、という原料に分けて記載します。
石けんにより多くの油脂を加えてしっとり感を付与した過脂肪石けんなどにもよく使われている記載法ですね。
大抵は冒頭で書いたように「石けん素地」と記載して追記されるのが一般的です。
◎以上、石けん表記法4パターンの説明でした!
というわけで以上4パターンの成分表示法があり、石けんを読むのはそう簡単ではないというお話でした。
まぁ特にポピュラーなのは③と①なのでこの二つはよく注意して欲しいと思います
ちなみにかずのすけが1番好きなのはどれかというと、
意外な話、③のパターンが1番好きです笑
というのも、
例えば①だと「石けん」なのはひと目で分かるのですがその石けんの脂肪酸構成などが分からないのは非常に痛手です。
実は石けんというのはこの構成脂肪酸の種類によって肌の刺激や使用感が変わっているので、
脂肪酸が何が入っているのか分からない表記だと
「うん…石けんです。。」
以上何も言えませんし性能の判断も出来ません
例えば「ラウリン酸」は皮膚刺激がある石けんの原料なので低刺激に配慮するメーカーや高価格帯ブランドの洗顔料では大抵この成分を除去しています。
あと一般にナトリウム石鹸よりもカリ石鹸の方が皮膚刺激がより弱くなります。
またラウリン酸やステアリン酸のような飽和脂肪酸よりもオレイン酸のような不飽和脂肪酸を使用した石鹸の方が肌への負担がまたよりマイルドになります。
こういうより詳しい石けんの情報が読み取れる方が成分分析が捗るので、
僕は楽に見破れる①よりもやや難解ながら情報が多い③の方が好きなんですね
これが分かってくるとただの石けんでもある程度肌への刺激などを抑えた高品質の石けんが分かってくるので、この辺の詳しい読み方についてはまた今度まとめていきたいと思います!
以上長くなりましたが参考になれば幸いです!
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