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よくある勘違いの話です。
美容の情報に敏い皆様ならば、『○○誘導体』という成分の名前を一度は耳にしたことがあると思います。
有名なものであれば『ビタミンC誘導体』ですよね。
よく聞くのはこの「○○誘導体」を、
「○○という成分の浸透性を向上した成分だ!」
と思われているという話です。
ビタミンC誘導体であれば、ビタミンCの浸透性を向上させたもの…、という風に。
というかむしろ大抵の方々がそう思っているのではないでしょうか…(^o^;)
何を隠そうかずのすけもブログを書くちょっと前まではそのように思っていましたし。。。
でもいいですか、本当のことを言うと
この『誘導体』という言葉は…
“浸透性の向上”とはあまり関係がありません!(苦笑)
勘違いしないようにしましょう^^;
◎「誘導体」とは、人工的に構造を変化させた物質のこと
「誘導体」という言葉は、「その成分の浸透を誘導するから…」という意味の言葉ではありません。
そもそもこの言葉は有機化学の専門用語のひとつであり、美容成分独自の言葉ではないのです。
簡単に言うと、
ある物質に人工的に手を加えて特定の性質や機能を取り付けたり、
またはデメリットになる性質を除去した物質
のことを指します。
※ちなみに便宜上「人工的に」と言いましたが、定義的には別に自然に出来上がったものでも素の成分の効能をある程度残している化合物であれば、それは誘導体ということになります。
例えば、有名な「ビタミンC誘導体」で説明をすると、
以下の構造が「ビタミンC(L-アスコルビン酸)」の構造になります。
ビタミンCはこれまで何度も解説をしていますが、
高い還元性を持ちますが非常に不安定な物質で、すぐに効果を失ってしまう特性があります。
まぁ、実際には還元性が高い≒安定性が悪いですから、強い還元性のせいで安定性が失われているんですけどね^^;
つまりパワーは強力ながら燃費が非常に悪いということです。
パワーが強いから刺激も強いし、肌に良い効果を及ぼす前にさっさと分解してしまうのです。
そこで昨今ではこの安定性を向上させるために、
ビタミンCの構造を弄った『誘導体』が作られています。
たとえば有名な「アスコルビン酸グルコシド」というビタミンC誘導体は、
「グルコシド結合」という特殊な結合をビタミンCにあと付けして作られています。
ビタミンCの一番還元しやすい部分に還元しない構造をくっつけてしまったので、
このグルコシド結合を酵素によって分離しなければアスコルビン酸グルコシドは還元性を発揮しません。
おかげで皮膚の表面では容易に分解せず、刺激なども緩和することに成功しました。
※
ただし現在では人肌にはグルコシド結合を分離する酵素がほとんど存在しないためにこの成分の効果は疑問視されています。その問題を受けて、昨今では『リン酸エステル結合』を別付けした「リン酸アスコルビルMg」や「リン酸アスコルビルNa」などのビタミンC誘導体が主流となりつつあります。▶http://ameblo.jp/rik01194/entry-12071961673.html)
◎「誘導体」にはいろんな効果を付与できる
さてここで重要なのは、ビタミンC誘導体の多くは
「安定性を向上させるため」に誘導体化しているのであって、
「浸透性を向上させるため」に手を加えたわけではないということです。
グルコシド結合はビタミンCと同等くらいの大きさの分子構造を持っていますから、
この構造を付けることでこの誘導体はビタミンCのおよそ二倍の大きさになってしまうということです。
単純に考えれば分子が大きくなればその分浸透性は小さくなります。
ゆえに誘導体にしたからといって浸透性が上がるというのは大きな誤解です。
ただし肌の表面で即分解してしまう普通のビタミンCと比較すれば、
分解が遅いビタミンC誘導体は、たしかに長い時間皮膚上に滞在することになりますから
肌の表面よりは奥の方に浸透できるというのは間違いではありません。
そのため、
「分解の遅さ→浸透性の高さ」
という風に宣伝するメーカーもあるようです。
また、例えばアスコルビン酸グルコシドは
元々水溶性のビタミンCにさらに水溶性のグルコシド結合を加えた超水溶性のビタミンC誘導体ですが、
例えば最近話題の「APPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)」という成分には、
「パルミチン酸」という油性の構造と、「リン酸エステル結合」という水性の構造を2つ取り付けています。
→APPSの構造はこちらから拝借
これによって油性と水性の構造を同時に持っているため、
このビタミンC誘導体はほぼ『界面活性剤』ということになります。
(結構強力な陰イオン界面活性剤です…苦笑)
多分いっぱい入れると泡立つよね、って感じの構造なんですが、
このような両親媒(水と油の性質を両有している)構造を持っている場合は
液体の界面張力を低下させて浸透性を向上させることが可能です。
ただ2つも別構造を取り付けているために、安定性が非常に高く、
例え浸透したとしてもビタミンC的な還元性を発揮するのにすごく時間がかかると予想できます。
そのため美白成分としての効果はとても弱くなります。
実際にAPPSはアスコルビン酸グルコシドやリン酸アスコルビルMgなどのように
美白成分として医薬部外品の有効成分に認可されていません。
これは例え浸透させても十分な効果を認められていないということの現れでもあります…。
まぁ何にせよ、浸透性を向上させようと思えば、
界面活性剤的な構造にしてしまえば確かにその特性を付与することも可能と言えます。
◎言葉のイメージに騙されないように
今では誘導体化というのはビタミンC誘導体だけでなく様々な化合物に利用されています。
例えば界面活性剤の種類には膨大なものがありますが、
この殆どが特定の成分の誘導体だったりするわけです。
アミノ酸系界面活性剤などの発明にもこの誘導体の技術が大きく関係しています。
あとはシリコーンや、エステルオイルなども誘導体ですよね…。
見れば化粧品の成分なんてあれもこれもほとんど誘導体だったりしますね^^;
まぁ今の化粧品業界ではこの『誘導』という言葉のイメージを利用して、
消費者全体にわざと「誘導体=浸透性を上げた成分」的な誤解を抱くように誘導(苦笑)している節があります。
美容系のホームページなどを見ると大抵「浸透性が向上している」的な記述がありますもんね…。。
ただ実際には必ずしもそういうわけではないので、
ただ「誘導体」だから浸透力が高いものなんだ、という風に捉えてしまうのは危険です。
こういう言葉のイメージを悪用した商品とか成分とかはかなり沢山ありますからね。
もしよくわからない言葉が出てきて「コレどういう意味だろう」と思った場合は、
そこに書いてある説明を鵜呑みにせず信頼できるソースの情報を独自に探してみるようにしましょう。
少し専門性の高い言葉だと説明文すら難しかったりしますが、、
そういった少しの努力を怠けてしまうと
後々間違った情報に右往左往してしまう結果につながってしまうものです。
以上、皆様もどうぞご注意頂ければと思いますm(_ _)m
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