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前回までの「遺伝子コスメ」と似たようなものですが、
最近は「幹細胞コスメ」というのもチラチラ聞くようになってきました。
アンチエイジングコスメの究極型とも言われるようになっているようで、
再生医療の最先端で実用化が検討されていることから、
『幹細胞を培養したエキスを配合したコスメを使用すると肌がどんどん再生する!』
というような情報もインターネットで拡散されつつある状況です。
しかし「幹細胞」というものについては
『なんとなく凄いものだよね?』
というのは大体の人が理解していても、
実際に一体何者なのかを知る人は少ない様子…。
コメントでも少し話題に上がりましたので
この件についても取り上げておきたいと思います。
◎そもそも『幹細胞』って何?
実は幹細胞については以前軽く説明しています。
→iPS細胞が化粧品の常識を変える?
京大の山中教授のグループが作成した「iPS細胞」はその容易な幹細胞の作成方法が評価され、ノーベル賞を受賞しました。
iPS細胞は「人工幹細胞」の一種で、
これまでも「ES細胞」など幹細胞を作る技術の研究は世界的に広く進められてきました。
(ちなみに昨年話題になった『STAP細胞』も幹細胞作成法の一つですが、これは実際に作成出来るというエビデンスが得られていません。)
幹細胞がなぜここまで注目されるのかというと、
それは幹細胞の「万能性」にその理由があります。
幹細胞とは簡単に言うと、
『どんな臓器も作ることが出来る細胞』
です。
通常の細胞は、例えば「眼」から取り出したものは「眼になる能力」しか持ちません。
皮膚の細胞は皮膚。心臓は心臓しか作れないのです。
ですが幹細胞は違っていまして、
どんな臓器も作ることが出来ます。
なので幹細胞を大量に作成して培養し、自分の臓器をクローン化して作ってしまえば、
いくらでも自分用の臓器のスペアを作ることが出来るというわけです。
もちろん「皮膚」だって臓器の一つですから、
皮膚を幹細胞から培養して作っておけば
大きなケガや火傷をした際に完全に自分用の皮膚を移植することも可能なわけです。
このことから幹細胞を簡便に人工的に作成する技術は
次世代の再生医療の根幹をなすテクノロジーとして注目されているのです。
◎幹細胞の化粧品応用が進んでいる!?
そこでこの画期的な「幹細胞」が、
最近では化粧品にも応用され始めているというのです。
具体的には
・植物由来幹細胞エキス
(「リンゴ果実培養細胞エキス」など)
・動物由来幹細胞エキス
・ヒト細胞由来幹細胞エキス
(「ヒト脂肪細胞順化培養液エキス」「ヒト線維芽細胞順化培養液」「ヒト骨髄幹細胞順化培養液」など)
などの幹細胞(?)エキスを配合した化粧品はちょくちょく発売されているわけですね。
「幹細胞はどんな細胞にもなる細胞だから、
肌のコラーゲンやヒアルロン酸、皮膚そのものを作ることが出来る!」
という具合に宣伝されているわけです。
ちなみに巷では
ヒト由来>動物由来>植物由来
で効果が違うと言われています。
まぁ確かに幹細胞の凄さをもってすれば
お肌の再生だって不可能ではないかも!?
という気もしてきますね・・・。
しかしその手の化粧品というと、なぜか数グラム云万円の世界です。
これだけ超高価ですし、やっぱり効果ありそう!と思っても仕方ありません^^;
実際に原料は相当高いと思います。
◎幹細胞エキスに細胞再生効果は無い!
しかし例によって例のごとく、
このような「幹細胞エキス」には
例えヒト由来だろうと細胞の再生作用などはありません。
これはほぼ断言出来るでしょう。
そもそもこの成分については様々な誤解があります。
例えばヒト由来幹細胞エキスの代表として、
『ヒト骨髄幹細胞順化培養液』
の成分の概要がこれです。
本品は、数日間ヒト骨髄幹細胞を増殖させた後、培養物を除去した培養液である。
→http://www.cosmetic-info.jp/jcln/detail.php?id=12270
つまり、
この「~~培養液」というのは、細胞を培養した上澄み液のことであり、
中に幹細胞は入っていないのです。
『~~培養液エキス』についてはさらにそれを溶剤で希釈したものだと推定できます。
これは以前「発酵エキス」の話でもしたと思いますが、
「細胞」などの巨大なタンパク質や組織っていうのは
皮膚塗布などするとアレルギーの原因になる可能性が大きいです。
なのでそういうものは基本的に除去されていなければ
安全性を重視する化粧品の成分としては基本的に認められません。
なので大きなタンパク質を育てる「動物由来」と「ヒト由来」については、
エキス中に幹細胞なんてほぼ入っていないだろうということが言えます。
リンゴとかの植物の場合は多糖類ですから、
多分保湿成分として何か入っている可能性はあります。
ですが植物の細胞は「糖類」、動物の細胞は「タンパク質」であり、
この2つは全く別物です。
植物の細胞が全く別物の皮膚細胞を再生するはずがありません。
さらに言えば、
もし100歩譲って幹細胞が化粧品に入っていたとしても、
その分子の大きさは『細胞』ですから少なく見積もっても1000万単位です。
そんなものが皮膚の角層のバリアを透過して細胞を作っている基底層に届くはずがありません。
細胞が皮膚の上に付着しても、そのまま壊死して終わりです。
以上の理由から、
幹細胞エキスとやらを化粧品に配合しても
再生能力は無いどころか化粧品としては何の効果も無いと言っても過言ではありません。
<<補足記事>>
→ 続・『幹細胞エキス』 ~消費者の誤解と効果・安全性について~
◎そもそも幹細胞はまだ実用化されていない
そもそも現代では最先端の再生医療の現場においても幹細胞を使用した治療が行われた実例はありません。
まだまだこの幹細胞技術は研究段階のもので、
実際に幹細胞は作られていますが、それを人間に臨床応用したことは未だかつて無いのです。
そんな状態のものが医療より先んじて化粧品に応用され、
さらに実際に皮膚塗布による細胞の再生効果が認められていると思いますか?(^_^;)
いいえそんなバカなことはありえません。
もし幹細胞で皮膚を再生する、という場合には、
まず自分の皮膚の細胞を採取し、
そこに予め培養していた自分の幹細胞を着床させて培養し、
自分の皮膚を最初に作っておきます。
そしてそれを移植手術で貼り付ける必要があります。
そもそも幹細胞が着床するには必ず自分のものでなければならないので
どこの誰のとも知らない幹細胞の培養エキスが入ったコスメなんて
ホントに意味がありません。
もしかしたら作った幹細胞を注射とかで皮下組織に植え付ける手もあるかもしれませんが、
人工幹細胞は細胞増殖能の暴走(癌化)のリスクが非常に高いらしく、
なんにせよ今の段階ではとても人間に対してこういう移植手術を行える段階ではありません。
もし化粧品を塗布して勝手に着床してたとしたら、
それこそ皮膚ガンの発生率向上に寄与する可能性が非常に高いとも言えるでしょう。
昨今の報道機関の報道内容があまり芳しくない理由から、
ついつい
「幹細胞が再生医療に既に使われている」
「もう当然のように実用化されているもの」
という誤った認識が消費者に芽生えてしまっているようです。
幹細胞コスメは
こういった「消費者の無知」に付け入った少々悪質な化粧品
という風にも見ることが出来るでしょう。
正直なところ、科学者の端くれとしては
こういう先進科学を悪用するみたいな商売には良い気持ちがしませんね;
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