アスコルビン酸グルコシドで白斑誘発・・・かずのすけの考察 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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ちょっとだけ難しい記事書きますね(^_^;)



実は最近(というか去年)厚労省が例の白斑事件の一件を踏まえて

その他の化粧品に関しても白斑の報告がなかったか、

というのを調べていました。


それの昨年の8月からのデータを集計した結果が現在公開されています。


それがこちらです。

国内副作用報告の状況(医薬部外品)

医薬部外品・化粧品による白斑等の副作用に関する対策について



それでこちらの文書を眺めていると、

すご~く面白い結果が見て取れるんですよね。



例えばロドデノールなんかに関して言えば、

報告の集計値を見ればこの成分(4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール)だけ38とか68とか、

1個だけ桁が違っているのが分かります。


なのでまぁやっぱりロドデノールはやばかったんだなぁというのは一目瞭然なんですね(^_^;)


他の成分はまぁ1個2個って感じで、

ホントにその成分のせいなのかハッキリ言ってなんとも言えないようなものばかりです。


しかしこれに隠れてもう一つ、

相当数の白斑報告を出している成分がもう1個あります。


それが

『L-アスコルビン酸2-グルコシド』

です。


かずのすけの手元で集計したところ2つのデータを合わせて

44件の報告があるようです。


次点がニコチン酸アミドで10件、次々点がアルブチン・トラネキサム酸の6件です。

 

 



これを見るとこの成分だけ飛び抜けて白斑の報告が多いことが分かります。

もちろんこの集計結果は限定的な期間に行われた調査と報告されたものだけを集計しているので、

これが全ての結果ということではありません。


ハッキリ言って氷山の一角なので、実際にはもっと被害者は多いのでしょうね。


報告が数件の奴は直ちに問題とは言い切れないものばかりですが、

流石に何十件とこういうケースが出てくる成分はいただけないかと思います。



実際にはアスコルビン酸グルコシドは低価格の化粧品によく用いられているビタミンC誘導体で、

かなりの流通量があったのは事実です。

ニコチン酸アミドに関してはちょっと例外ですが、

トラネキサム酸もアルブチンも結構流通数が多いものがやはり報告数は多いですね。


母数が増えたから数字が出たと言えばまぁそうなのですが…。





ただ、僕の考えだとこの結果はかなり不思議でした。


何が不思議なのかというと、

僕は元々、『ビタミンC誘導体には白斑のリスクはほぼ無い』と考えていたからです。




『白斑』というのは簡単に言えば、

皮膚の色をつくる「メラニン」という色素を製造する

『メラノサイト』

というメラニン製造工場が破壊された為に起こる症状です。

 

 

 

 

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_kanpan/mechanism/01.html


このメラノサイトが破壊される条件は、

第一に「経皮吸収性を持つこと」

そして第二に「細胞毒性を持つこと」が挙げられます。


以前問題になったロドデノールはこの2点の条件を十分にそろえており、

さらにかなりの高濃度の配合が基本になっていました。



しかしビタミンC誘導体は基本的に、

角層中の酵素の働きで徐々に分解されて、やがて効果を失ってしまう物質です。


ビタミンCそのものには強い還元性がありこれが細胞に直接触れれば確かに強い細胞毒性として働きますが、

ビタミンCそのものは基本的にとても不安定なので皮膚につければ表面で効果を失い、

皮膚の奥底まで浸透することは出来ません。
(さらに強い刺激もあります)



この刺激を緩和する為に誘導体(別の構造をくっつけて構造を安定させる)にして、

角層の中まで効果を発揮できるようにしたのがビタミンC誘導体です。


角層で効果を発揮し尽くすのが基本のビタミンC誘導体では

まさか基底層のメラノサイトまで到達することなどほぼ考えられないのです。






しかし、

実はこの『アスコルビン酸グルコシド』なら、

確かに基底層まで到達することが可能かもしれません。



というのも、

現在アスコルビン酸グルコシドは「ほぼ効果の無いビタミンC誘導体」と言われていて、

美白有効成分としてその効果がかなり疑われています。



なんでも

アスコルビン酸グルコシドは「グルコシド結合」という結合を分解する酵素が無いと分解が起こらず効果を発揮しないのですが、

この酵素が人間の皮膚角層内にはほとんど存在していないのだそうです。


元々このアスコルビン酸グルコシドは「ラット」の皮膚を媒体にして効果を評価されたため、
(ラットの皮膚にはこの酵素が沢山あるそうです)

人間の皮膚での効果の測定は行われないまま医薬部外品に登録されたということです。


つまりアスコルビン酸グルコシドは

ラットの皮膚では機能するけど人間の皮膚では機能しない美白剤

ということになります。




ですがこれを考えると、

むしろ逆に白斑が発生するのはオカシイと思いますよね。


だって白斑=効果が現れた以外の何モノでもありませんし…。




というところでかずのすけは閃いたのですが、

確かにグルコシド結合を分解する酵素は人の角層には存在しません。


しかし、

実はグルコシド結合を分解する酵素というのは皮膚の内部にはかなり沢山存在しています。

グルコシダーゼは皮膚の細胞層でグルコシルセラミドを分解してヒト型セラミドを作っていますし、

何よりグルコースの分解でエネルギーを生成するのは細胞くんの十八番でしょう。


つまり角層では効果を発揮しなかったアスコルビン酸グルコシドは、

角層内部では全く分解されずそのまま皮膚の中にちょっとずつ浸透していき、

時間をかけて基底層まで到達します。


基底層には沢山の細胞が存在しています。(メラノサイトもそのひとつ)

これらの細胞内のグルコシダーゼによってアスコルビン酸グルコシドは分解を受けはじめ、

やがてメラノサイトなどの至近で還元性を発揮するようになります。



この結果、

角層ではほとんど効果を及ぼさないアスコルビン酸グルコシドが、

なぜかかなりの頻度で白斑を引き起こしてしまう


という不可思議な現象を引き起こしはじめたわけです。




これがアスコルビン酸グルコシドの白斑生成の作用メカニズムではないかなぁと僕は考えてます。



もちろん勝手な想像でしかありませんので全然違うかもしれませんが、

多分あながち間違ってないと思ってます(;^^ゞ

(もちろん1番は母数が多かったということがあるでしょうが)

 



なのでロドデノールなどとは効果の差が著しいのは間違いありませんが、

アスコルビン酸グルコシドはやはりあまりオススメの成分とは言えなさそうです。


美白有効成分で「ビタミンC誘導体配合!」とあったとしても、

それがこの成分であれば実際の抗酸化効果はほとんど無いですし

効果は無いくせに白斑のリスクがあるということになります。




幸い基本的な皮膚刺激はほとんど無い成分なので

超危険というほどではありませんが、

出来るだけ早めにこのタイプの成分を配合した化粧品とは手を切るのが良いでしょうね。





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