究極のアンチエイジングクリーム!? 『ヒルドイド』の効果と使用における3つの注意点 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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乾燥肌などの対策用に皮膚科などで処方される

『ヒルドイド』

という医薬品があります。



image

なんでもこの薬は

「究極のアンチエイジングクリーム」

との呼び声高く、


「3万円の高級乳液よりも効果がある」

札幌美容形成外科院長の日記より)

と評する医師もいるほどで


数年前からネット上を中心に美容通から大きな注目を集めていました。



かずのすけのブログでもこれまで何度か質問を頂いています。


ヒルドイドを塗ると、

・小さなシワが消える
・クマやシミが目立たなくなる
・肌にハリが出る
・乾燥に効く


などなどの効果があるとされ

芸能人やモデルさんにもその愛用者が多いのだとか…。


しかもヒルドイドは保険適用医薬品なので、

処方して貰うと1つ200円程度で購入できます。


とても手に入れやすく、実はかずのすけも持っています。
(上の写真は僕が自分で撮影したものです)




そのおかげで現在では、

『コスパ最強でかつ効果覿面の美容クリーム』

というような認識が徐々に広がりつつあるようですね。

そんなに凄いものであるなら、ぜひとも試してみたいものです(^^)




…しかしこんなに手近に手に入れられるクリームが、

本当に3万円の高級化粧品より効果があるのか?

非常に疑問…という方も少なくないはず。


今日はこの『ヒルドイド』についてかずのすけの見解をお話したいと思います。




◎「3万円の化粧品より効果がある」のは事実


実際のところ、

ヒルドイドに3万円の化粧品より効果があるのは本当です

お医者さんのいうことは何もウソっぱちというわけではありません。



なぜなら

ヒルドイドは薬効効果がはっきりした「医薬品」であり、

一般的な化粧品として発売されているものはどれだけ高級であっても

効果効能がほとんど無い「化粧品」もしくは、

予防的な効果しか持たない「医薬部外品」です。



医薬品は「効果がある」のが確実だから医薬品なのであって、

化粧品や医薬部外品より効果が見込めるのは当たり前です。



ちなみにヒルドイドに配合されている有効成分は、

『ヘパリン類似物質』

という成分です。0.3%配合されています。




ちなみにこの成分は

医療用医薬品:ヒルドイド

を参考にすると、

・皮脂欠乏症(乾燥肌)
・進行性指掌角皮症(手荒れ)
・凍瘡(しもやけ)
その他


などに効果があるとされていますね。


あとこちらのデータベースでは、

ヒルドイド添付文書

 

 

 

薬効分類名:血行促進・皮膚保湿剤

とあります。


要するに要約すると、

ヘパリン類似物は保湿作用血行促進作用の2つの効果を持つ有効成分ということが分かります。


肌に塗ることで保湿に加えて血行を促進するため、

乾燥に効果的なのは当然ですが

シワやクマなどが目立たなくなったり肌にハリが生まれたように感じるのでしょう


よってこの薬が化粧品よりもはっきりした効果があるのは事実と言えます。




◎ヒルドイド使用の注意点 


しかしヒルドイドは『医薬品』なのです。


当ブログでは何度もお伝えしているように、

効果効能のあるものにはその代償の副作用が必ずあります。

ヒルドイドといえどもその点については例外とは言えません。


その他いくつかの使用の注意がありますので、

それらについてもまとめておきます。





ヒルドイド使用の注意① 長期間の継続使用は控える


医療用医薬品:ヒルドイド

こちらの医薬品情報を見てみると、

 

 

 

 

 

 


ご覧のように副作用のリスクはとても少ない薬であることは確かですが、

皮膚炎などの問題を乗じる例も確認はされています。


またソフト軟膏とローションは副作用無しということになってますが

そもそも症例が少ないのでこのデータについては何ともいえないような気がします(^_^;)



しかしこれを見ると一見安全そうなのですが、

実際のところこれはあくまで「薬」として短期間使用した際のデータです。



もしも美容目的で何年間とかのスパンでこれを使用したとしたら、

副作用のリスクはどんどん大きなものになっていく可能性が高いです。



短期スパンで使用したり週に2~3日とかの頻度で使用するのであれば

ほとんど問題無く安全に使用出来ると思います。


ですがリスクの認識無しに毎日毎日使用を続ければ、

いずれ何かしらの問題が起こっても何らおかしくありません。


程度は弱いとは言えヒルドイドも経皮吸収作用がありますから、

使い続けると肌が薄くなってしまうかもしれませんし、

これを使用しなければ肌が自分の力で保湿することを忘れてしまうかもしれません。


いずれにせよ『医薬品』を化粧品の感覚で使用することは

多かれ少なかれリスクを生じるということは認識するべきです。





ヒルドイド使用の注意② 「傷」と「炎症」には使用しない


あとこれも以外と知られていないことです。

 

 

 


これはあくまで大変な疾病の例を書いている話なので、

一般の我々に当てはめると『禁忌』という程のことではないです。


ですがヘパリン類似物質には血行促進作用がありますので、

出血を伴う傷や、炎症による痒み等に使用すると逆効果です。


血液の流れを良くすることで逆に血が止まりにくくなったり、

痒みの場合はさらに痒みが強くなることがあります。


実はかずのすけもこの薬を塗ると逆に痒くなることが多いためあまり積極的に使用していません。


あくまで「乾燥」に効果のある薬であって、

創傷治療や抗炎症の効果はあまり見込めないのです。




ヒルドイド使用の注意③ 自分に合ったタイプを選ぶ


また実はヒルドイドには3種類のタイプがあります。


一番ベーシックなのは『ヒルドイドクリーム』で、

 

 

→http://meds.qlifepro.com/detail/620009046/heparinoidよりこれは全成分が

グリセリン、ステアリン酸、水酸化カリウム、白色ワセリン、ラノリンアルコール、セトステアリルアルコール、乳化セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、チモール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、イソプロパノール

となっており、

全体的に軽いつけ心地ですが

「ラノリンアルコール」やその他アレルギーの陽性率の高い高級アルコールが複数配合されており、

あまり敏感肌向けの成分内容ではありません。



そこで敏感肌向けには

『ヒルドイドソフト軟膏』

 

 

image


グリセリン、スクワラン、軽質流動パラフィン、セレシン、白色ワセリン、サラシミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸ナトリウム水和物、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル


もしくは

『ヒルドイドローション』

 

 

image


グリセリン、白色ワセリン、スクワラン、セタノール、還元ラノリン、セトマクロゴール1000、モノステアリン酸グリセリン、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、カルボキシビニルポリマー、ジイソプロパノールアミン



が処方されることが多いです。



これらはスクワランや流動パラフィン、ワセリンなどの安定性の高い成分で作られていますので、

先ほどのヒルドイドクリームと比較すると敏感肌向けです。


厳密にはセタノールや還元ラノリンなどが入っているローションよりも、

ヒルドイドソフト軟膏の方が低刺激の処方です。



しかしその半面使用感はかなり重たい感じになりますし、

油分が多く毛穴づまりを引き起こしやすい構成とも言えます。


ソフト軟膏はニキビのできやすい方にはオススメしにくいです。


またシリーズ通してグリセリンをベースにしてます。

グリセリンは不揮発性の基剤なので、肌の上に残って消えません。

そのためかなりのベタつきを生じるのも難点です。




どれも化粧品の成分構成としてはやや古い作りで、

あんまり使用感は良いものではないと思います。

使用の際には自分肌質に合ったものを選べるようにしたいですね。





◎基本は「医薬品」なので医師の監修の元の使用を推奨


ということで今日は「ヒルドイド」についてまとめてみました。


ヒルドイドは今回の記事でもお伝えしたように、

医薬品の中では副作用のリスクが少なく安全性の高いものなのは確かです。


しかし薬理効果と副作用は鏡写しのようなものですから、

副作用がほとんど無いということは美容効果もそれだけ緩慢ということです。


僕も使用していたことがありますが、
(普通にお薬として)

それほど凄い美容効果を感じたか?と言われると結構微妙でしたね(^_^;)


その前にベタつきが凄いのと痒みが強くなる感じがあったのであまり使用出来ませんでしたが…。



何にせよかずのすけは医薬品を美容目的に利用するのはあまりオススメしておりません。

やっぱり何かあってからでは遅いので、

本来の用途以外の使用を素人判断で行うのはできればやめるべきだと思っています。

 

 

またヒルドイドは医療用の保険適用医薬品なので美容目的に利用することに対する倫理的な問題も指摘されています。



皆様にも不用意な利用はできるだけ控えて頂きたいなと思っておりますm(_ _)m






ちなみにこちらの話題、

先日発売しました拙著にもQ&A(p.42)にて軽く触れさせて頂いております。

お持ちの方は良ければこちらもご確認下さいませ!

 

 

 


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