さすがに「ラウリル硫酸Na」は擁護できません(^-^;) | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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友人が街頭で貰った「LUSH」さんの広報誌?に載ってたらしいです。

以下のような写真をもらいました。


 

 

 

 

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画像だと字がちっちゃいのでかなり大きくして貼ってるんですが…。

あと読みにくい部分が結構あってすみません(^_^;)

これは僕の友人のせいです(笑)


「私ももらった!」という方もいらっしゃるかもしれませんね!



今日はこれについてのお話を少しさせてもらいますね~。





…ふむふむ、読んでみると中々面白いこと言ってますね^^;


ちょいちょい引用しつつ雑感を書いていきます。


 

❝SLS(ラウリル硫酸Na)は界面活性剤の一つで、石けんやシャンプーの材料として使われています。❞



まずはここなんですが…、

「石けん」というのは基本的には高級脂肪酸のナトリウム塩かカリウム塩のことを指すので、

合成界面活性剤のラウリル硫酸Naを『石けんの材料』と紹介するのはちょっと変ですね。


確かにLUSHさんは石けんっぽい合成洗剤の固まりを販売してますから

こういう言い回しをしたいのかもしれませんが…。。


 

❝SLSの含有量は最大90%と高配合に…❞
 
 

確かにラウリル硫酸Na第一位配合の奴がありましたね(^_^;)

ラウリル硫酸Naもこれだけ高配合にすれば固形になります。

ただこれを「石けんだ!」と思って買った消費者からすれば結構はた迷惑な話かもしれません。

石けんとラウリル硫酸Naだと性質が全然違いますから…。


 

SLSが使用されていてもシャンプーバーは敏感肌の方にもおオススメしています。…(中略)…「リキッドシャンプーを使用すると、原材料がそのまま頭皮に触れることになりますが、シャンプーバーはそうではありません。原材料からできた泡だけが地肌に触れるため、敏感肌の方にもお使いいただけます。」❞



んん??;;…これはちょっと、、無理がありますね(^_^;)

「泡が立つ」というのはつまり界面活性剤がしっかり水に溶けているということです。

泡は界面活性剤が水に溶け、水の界面張力を弱めることで生まれるものです。

界面活性剤そのものが溶けていなければできません。


つまり泡の正体は界面活性剤が溶けた水なのです。


まるで泡自体には界面活性剤が溶けてないみたいな言い方ですが、

これはちょっと正しい言い回しとはいえません。


立った泡には当然界面活性剤(原材料)が溶けてますので、

頭皮につければ原材料がそのままつきます。


リキッドシャンプーと何も変わりません。


むしろもしラウリル硫酸Na90%の洗剤があったとしたら、

それで泡立てた泡はほぼラウリル硫酸Naでできた泡ということです。


対して最近のシャンプーは界面活性剤の刺激を低刺激化するため

刺激を弱める両性イオン界面活性剤を加えたり、

陰イオン界面活性剤を減らして代わりに非イオン系の発泡剤を加えるなど、

ベースの界面活性剤の刺激緩和のため色んな界面活性剤を混ぜるなどの処方組がなされています。


つまりリキッドシャンプーでできた泡はもしラウリル硫酸Naベースだとしても

色々と別の刺激緩和用の界面活性剤が混ざっているので

むしろ低刺激ということになりますよね。




ラウリル硫酸Naってタンパク質変性剤で、

実験室でタンパク質ぶち壊すために使ったりします。


これが「敏感肌向け」というのは僕は口が裂けても言えません(^_^;)

実際国内のメーカーはんもうほぼラウリル硫酸Naは完全自粛状態です。

使っているのは外国企業のLUSHかP&Gとかその辺くらいで…。



もともとラウリル硫酸Naっていうのは合成洗剤を作り始めた際の

『合成洗剤 試作第一号』

みたいなものなのです。


ただ実際には初期に作ったものには実用化できなかったものもたくさんありました。

発がん性や催奇形性が問題視されたり洗浄力が十分なものでなかったりして

石けんの代わりの界面活性剤として実用に足らないものがいくつも生まれていたわけです。


しかしラウリル硫酸Naはこの文でも言っているように

発がん性や催奇形性などの問題点をクリアし洗浄力も十分だったため、

市民生活でも実用化できた初めての合成洗剤になったのです。



これに関しては素晴らしいことですね。


しかし!!


そもそもそれって70~80年ほども昔の話です(^_^;)


そんな古い界面活性剤なんですから今では色々問題も指摘されておりまして

洗浄力が強すぎるという話や単純な皮膚・粘膜刺激性、低分子すぎるゆえの残留性…


それが問題視されたのが60年は昔の話で

そのおかげで分子量を大きくした改良版(ラウレス硫酸Na)などが生まれてきたわけです。

これはこの文にも書いてますね。

 

❝SLES(ラウレス硫酸Na)はSLSに似ていますが、お肌により優しくするため、粒子を大きくする処理が加えられています。…❞
 


まぁ『改良できる余地のあるものを使うなよ(^_^;)』


と突っ込みたいところですが…。。


つまりラウリル硫酸Naっていうのはやっぱり刺激性の問題が根強く、

改良を余儀なくされた成分なんです。

 
❝SLSは安全面で優れた実績があるだけでなく…❞
 

そしてこれもよく言う話ですが、

ラウリル硫酸Naは確かに『安全』です。


ただそれはガンになるかとか催奇形性があるかとか環境ホルモンがどうのとか、

そういう毒性論的な評価の上での話であって、、

単純な皮膚刺激性などとは話の土台が異なっています。


「安全」じゃなければ化粧品に使えません。

ですがその程度の安全性は化粧品成分としては当たり前の話です。

重要なのはその成分の『性能』が優れているのか劣っているのかいう話です。



そして様々な研究の結果として有名な日本企業はもうこの洗剤からは手を引きました。

僕もそれは間違った判断ではないと思います。



ラウリル硫酸Naは確かに毒性的には安全でも、

化粧品の成分としては優れた原料ではありません。




これについてはいつも「合成洗剤悪くないよ!」と言っている僕でも擁護できません…。










このLUSHさんの言い分のどうもおかしいと思うところは、

『LUSHがラウリル硫酸Naを使うのはその性能が優れているからだ』

と主張しているように見えるところです。


これはおかしいですね…。



実際のところなぜLUSHさんがこういう古臭い原料に固執するのかというと、

それは本社のあるヨーロッパの情勢のせいなのです。


ヨーロッパでは市民運動の過激化によって、

ヨーロッパ全域で化粧品原料の動物実験が禁止になっています。


そのおかげで、

ヨーロッパ企業は比較的新しい化粧品原料が使えないわけです。


そのためそういう企業は大昔に動物実験を終わらせた古い原料だけで化粧品を作らなければならないので、

結果的に洗剤で言えばラウリル硫酸Naとかラウレス硫酸Naとか

そのレベルの界面活性剤を使わざるを得ないという状況なわけですね。




まぁ気の毒といえば気の毒なのですけど(^_^;)

はじめからハードモードで化粧品販売業やってるわけですからね…。。



とは言えそういう情勢の説明をするのではなくて

本当はあまり良くない原料をあたかも良い成分のように説明している、

というのはどう考えてもいいことではないと思います。



昔からこういうところが多々多々見受けられるメーカーさんですが、

もう少し消費者に正直になってほしいなぁと思うところです。


 


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