これ、、「ラウリル硫酸Na」入ってませんか…? | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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ケアテクトの紫外線吸収剤やコカミドDEAと同様に、

CPモイストに微量配合されている

「ラウリル硫酸ナトリウム」について

危険性はないのか?

というお問い合わせをよく頂きます。



CPモイストの成分
<成分>水、エタノール、グリセリン、BG、セラミド2、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa、クオタニウム-33、コレステロール、ヒドロキシプロピルキトサン、ポリクオタニウム-51、クオタニウム-18、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン、ジメチコノール、オトギリソウエキス、カミツレエキス、シナノエキス、トウキンセンカエキス、ヤグルマギクエキス、ローマカミツレエキス、ラウリル硫酸Na、硫酸Na、PG、フェノキシエタノール、イソプロパノール、(C12-14)パレス-12、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、香料 




確かに入っていますね・・・

ラウリル硫酸Naと言えば刺激の強い界面活性剤です・・・。


こ、これはまずい!!今すぐ回収しなければ!!(゚□゚;)アワワ(;゚□゚)アワワ











…なんていう心配はありません(^_^;)





CPモイストに関してはこの成分の刺激性は

全く無視していただいて結構です。



今日はこの点についてちょっとお話しておきましょうか。



◎化粧品に界面活性剤?


刺激云々の前に


「なぜアウトバトリートメントに界面活性剤が入っているのか分かりません」


という質問もいただきます。



確かにアウトバストリートメントに洗浄作用は必要ないので、

界面活性剤を入れる意味が無いと考えられる方もいらっしゃるでしょうね。




ただしそれは

界面活性剤=洗剤

と思っているからであって、




界面活性剤というものは必ずしも洗剤として用いられるわけではない

ということをご存知無い人はそのように思い込んでしまうのでしょう。



そもそも界面活性剤の作用として「洗浄作用」というのは、

界面活性作用のうちのひとつの副産物でしかありません。


界面活性剤はものを「洗う」という意外にも様々な作用を持っているのです。



そのうちで最も重要なのは「乳化作用」という作用で、

 

 

(日華化学 http://www.nicca.co.jp/05recruit/iaa.html)


簡単に言えば油を水中に混和させる作用といったところでしょうか。


油を水にとかし込むということですから、

ある意味洗浄作用もこの効果の内ということにもなりますね。



実は化粧品というものは、

ほぼ全て須らく、

「水」と「油」の混合物です。



CPモイストに関してもそれは同様で、

成分上位に配合される「セラミド」や「コレステロール」などは油性成分です。

つまり本来は水とは混ざらない物質なんですね。


そこで界面活性剤を作用させると、

水の中に油性成分を混和させることが可能になります。



そのため、

化粧品にはまず何らかしらの界面活性剤が配合されています。

なので、

アウトバストリートメントであろうと界面活性剤は必要なのです。



◎刺激は無いの?



ありません。


断言してしまいましょう。


なぜかといえば、


配合量が極微量だからです。



僕がいつも「刺激があります!」と言って

ラウリル硫酸ナトリウム配合のシャンプーの刺激パラメータを引いていくときは

必ずシャンプーの成分上位に配合されているときです。


特に第1位の配合であれば洗剤の濃度はおおよそ10%程度はあります。

2位であれば5%未満というところですが、それでもかなりの量になりますね。



しかしCPモイストの配合順位は19位です。


しかも極微量配合が基本のエッセンシャルオイルを差し置いての19位です。

僕が予想するところではこの順位の配合量は0.1%~0.3%です。


実に通常濃度の1/100とかそういう話なんですね。


この配合量では刺激もクソもなく、

もはや無視して問題無いレベルの配合なのです。



それでも刺激という意味では確かに無意味ですが、


ラウリル硫酸Naの乳化力は非常に高いため

極少量の配合でも化粧品の乳化安定を助ける補助剤としては

非常に優秀です。


低価格微量配合で高い乳化力を得られるという点で、

利用法さえ間違えなければ大変使用価値のある界面活性剤なのです。




◎歯磨き粉のラウリル硫酸Naは…?


これもよく言われる話の一つですね。


市販の歯磨き粉にはほとんどの場合

「ラウリル硫酸Na」

が配合されています。


 

 

 

 

 

↑僕愛用のオーラ2です↑



ラウリル硫酸ナトリウムがもしもネット上で言われているような危険な成分ならば、


これも今すぐ回収騒ぎにならねばいけませんね。


実際にインターネット上では歯医者のホームページなどで


「市販の歯磨き粉には

ラウリル硫酸ナトリウムという危険な洗剤が配合されています!

なので歯医者オススメ高級歯磨き粉を買いましょう」



というようなフレコミがされていることがあります。



しかし僕の見解では、


これもまた無視していいレベルのものだと思います。




そもそもラウリル硫酸Naは安全です。


経口毒性などはほとんどありません。


ラウリル硫酸ナトリウムを食べて死のうとしたら、

200gくらいの洗剤を一気飲みしなければなりません。


しかしそんな量の洗剤を飲めば確実に胃が驚いて吐き出させますので、


現実的には

ラウリル硫酸ナトリウムを飲んで死ぬことは不可能です。



この点からまず歯磨き粉にどれだけ洗剤が配合されていたとしても、

その毒性で健康影響が出ることはまずありえません。



次にタンパク質変性作用による刺激に関してですが、

これは諸説ありますが

ラウリル硫酸ナトリウムが入っていない歯磨き剤の方が口内炎などが悪化しなかったという研究があるそうです。

 

若干粘膜刺激の可能性はありそうですね。



しかし歯磨き粉はその主成分は洗剤ではありません。


無水ケイ酸など、

「研磨剤」

と呼ばれる物理洗浄物質です。

細かいつぶつぶですね。



あとはソルビット液(甘味料)なんかが高配合で、


洗剤の配合は二の次です。


この歯磨き粉は乳化剤としてコハク酸系の洗剤が使われているようですが、

この時点で配合率はおそらく2%以下。



肝心のラウリル硫酸ナトリウムは、「発泡剤」として

極微量配合されるにとどまっており、



大きな刺激を感じるほどのものではないでしょう。




まぁラウリル硫酸ナトリウムがこうまでして歯磨き粉に配合されるのは、


一説には「味が良いから」と言われています(^_^;)


確かにセッケンなんかを配合すれば苦くて磨けたもんでもないですしね…。。


あとは先程も言いましたが、

極少量で十分な発泡性を持たせることができる洗剤です。


安全性が高くても発泡性が低い洗剤であれば、

それだけたくさん入れなければいけませんから

この点が歯磨剤の発泡剤にラウリル硫酸Naが好まれる理由ではないかと思います。







◎配合量が少ないものは気にしなくて良い


結局のところは、↑これですね(^-^)



入っていたら全部ダメ!!

というような極論に走る人もいますが、、


そんなに神経質になる必要はどこにもないのです。


どれだけ入っていたら問題で、

どれだけの配合ならな無視できるのか…


そういうのも判断できるようになると


化粧品選びがさらにスムーズになりますよ!





 

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