「ビタミンC」の諸作用と基本効果 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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最近ビタミンCについての質問も多いので、

一度これまで調べたことについてまとめておきますね。



◎「ビタミンC」とは?


ビタミンCとは

「L-アスコルビン酸」





と呼ばれる化学物質の俗称です。



ビタミンとはすなわち

生物が必要とする栄養素のうち

炭水化物・脂質・タンパク質

以外の有機化合物の総称です。



ビタミンCは生物の構造タンパク質である

「コラーゲン」などを製造する上で非常に重要な働きをしている栄養素で、


この栄養素が不足すると

コラーゲンによって支えられている肌の健康を維持出来ないばかりか、

コラーゲンで支えている体内の諸器官の耐久性がもろくなり、

弱い刺激で出血しやすくなる「壊血病」などの欠乏症を引き起こします。


ビタミンCを摂取しなければヒトは健康に生きていけないのです。



◎ビタミンCの「還元性」=「抗酸化作用」


ビタミンCは「ラクトン環」と呼ばれる不安定な分子構造を持ちます。


このラクトン環はとても不安定で、

この部分に取り付いている分子構造は常に安定化を求めています。


そのためビタミンCは




↑のように二つの水素を放出(酸化)して

「デヒドロアスコルビン酸」

という物質になり安定化します。


この過程で周囲の物質に水素を与えるため、

酸化物質を失活させる「還元作用」を持ちます。



簡単に言えば、


ビタミンC自身がとても酸化されやすい物質であるため、

周囲の物質が酸化される前に自らが酸化し

周囲の物質の酸化を抑えることができるということです。



つまりビタミンCは還元性を有することから、

「抗酸化作用」を持つ成分として知られています。



ちなみにビタミンCは

上記のように周囲に沢山の水素を放出する物質であるため、

pH=2.0程の強い酸性を有しています。




◎ビタミンCの生理作用


ビタミンCは

食物として体内に取り入れる「経口摂取」

皮膚上に塗布する「皮膚塗布」


の両側面で効果を発揮することが知られています。




経口摂取による生理作用


・コラーゲンの生成促進作用

コラーゲンを作る上である特定のアミノ酸を還元することで

コラーゲンタンパク質を構成する為に重要な物質を生成しています。

ビタミンCが無くなれば強靭なコラーゲンに必要な物質が生成されず、

弱くて脆いコラーゲンとなってしまいます。


・皮膚の健康維持

ビタミンCがなければ皮膚の健康な再生はありえません。

それは皮膚の再生を司る基底層の構造体は、

ビタミンCによって作られるコラーゲンが基盤だからです。


・活性酸素除去

体内で生成された「活性酸素」と呼ばれる悪玉物質を除去します。

活性酸素はガンや脳梗塞などのひとつの原因と考えられており、

さらに老化を促進する物質として注目されています。


・免疫機能の増強

強靭なコラーゲンを生成することで

ウイルスなどが侵入してくる粘膜を厚くする働きがある他、

白血球がウイルス等を撃退する際にビタミンCの還元性を応用するためです。




皮膚塗布による生理作用


・美白作用

酸化され黒色に変色したメラニン色素を還元し、

肌の色を一定まで白く見せる働きがあります。

美白作用について



・抗酸化作用

ビタミンCの還元性によって周囲の活性酸素などを失活させ、

酸化による老廃や劣化を防止します。




◎皮膚塗布におけるビタミンCの刺激性


ビタミンCは経口摂取による副作用はほとんどありませんが、


皮膚塗布においては一定の注意が必要です。


それはビタミンCは

・還元性

・強酸性


という二つの性質を持っており、

これらの性質は用量を間違えると皮膚にとっては刺激になるからです。



「還元性」というのは言い換えれば

周囲の物質を変化させてしまう働きのことであり、

分量が多くなれば皮膚そのものにも影響を与えます。


強力な還元剤は皮膚を溶かすこともあるので、

使いすぎには注意しましょう。


またpH=2.0という酸性も気をつけなければなりません。

ビタミンCを原液で使うということはほとんど無いとは思いますが、


これも分量が多すぎれば皮膚にとっては負担です。
(皮膚表面のpHは5.5~6.0あたりなので)



◎皮膚塗布におけるビタミンCの問題点


実はビタミンCそれそのものには、

皮膚塗布用の化粧品に配合するうえではいくつか問題点があります。


それは上で紹介した

・皮膚刺激性

もそのひとつですが、


もう一つが

・ビタミンCの不安定性

です。



ビタミンCは上記でも解説しているように

非常に不安定な構造を持つことから様々な生理作用を有しています。


つまり皮膚上に塗布しても

皮膚上に留まり永く効果を発揮することはできず、

塗布したその瞬間から数時間程度で効果はなくなってしまうのです。


そしてそのように

「効果時間が短く反応が劇的である」


ことが皮膚刺激が大きくなることにつながっています。



100の効果を1の時間で使ってしまうビタミンCは、

それだけ作用が急激であり皮膚にも負担が大きく、

さらに効果も長続きせず保存も難しいのです。



「L‐アスコルビン酸」

を大量に含有した化粧品はあるにはありますが、

これは大変危険であり、

かつ効果も長続きせず保存も効かないということになります。




◎ビタミンCの欠点を補うために…


このようにビタミンCには皮膚塗布して使う上では大きな問題点がありました。

当然そのことは各成分メーカーは分かっていたので、

ビタミンCの欠点を補うための工夫を始めたのです。



そうして開発されたのが

「ビタミンC誘導体」

と呼ばれる成分たちです。



これはビタミンCと肌内部のある性質に着目して研究開発された成分で、

ビタミンCの欠点をかなり改善することに成功しました。


このビタミンC誘導体について詳しい話は、

また後日とさせていただきますね。


今日はこのあたりで一旦といたしますm(_ _)m




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