高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

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54.親の写真を見て涙が止まらないときに

 

こんにちは。
高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。

 

私のところには、親子関係や介護、そして「高齢親の囲い込み」に関する相談が日々寄せられます。
 

その中で、よく耳にする言葉があります。

「親の写真を見たら、涙が止まらなくなってしまって……。」

「アルバムを開いた瞬間、胸がぎゅっと締めつけられて、嗚咽してしまいました。」

 

親の写真は、私たちにとって特別な存在です。
そこには、ただの「映像」ではなく、その人と共に生きた時間や想い出が刻まれています。

 

だからこそ、写真を見た瞬間、心の奥深くにしまっていた感情が一気にあふれ出すことがあります。
 

今日はそんな「涙が止まらないとき」に、どう心と向き合えばよいのかを一緒に考えてみましょう。

 

 


涙には意味がある

 

心理学では、涙には大きく分けて3つの種類があると言われています。

  1. 悲しみの涙
    失ったものを思い、胸が痛むときに流れる涙
  2. 怒りや悔しさの涙
    理不尽な状況や、分かってもらえない思いから流れる涙
  3. 安堵や感動の涙
    会えた、分かり合えた、といったときに流れる涙

親の写真を見て涙が出るときは、これらが混ざり合っていることが多いものです。

 

たとえば――

  • 「もっと一緒にいたかった」という悲しみ
  • 「なぜ会わせてもらえないのか」という怒り
  • 「この人に育ててもらった」という感謝

これらが同時に押し寄せるため、涙が止まらなくなるのです。

涙は、心が「大切な何か」を伝えようとしているサインです。
無理に止める必要はありません。

 


涙が出るのは「愛していた証」

 

あるご相談者Aさんは、こう語ってくれました。

「母の写真を見ていると、幸せだった日々を思い出して泣いてしまいます。
でも同時に、“私がもっと母を大切にしていれば”という後悔もあふれてきて……。」

 

私はAさんにこうお伝えしました。

「涙は、後悔や愛情があった証拠です。

涙が出るということは、それだけお母様を大切に想っていたということなんですよ。」

 

もし本当に何の感情もなければ、涙は出ません。
涙は、愛情の深さを示すものでもあるのです。

 

 


写真が呼び起こす「時間」

 

写真は、時間を一瞬にして飛び越える力を持っています。

幼い頃の親の笑顔、家族旅行で撮った一枚、誕生日に並んだケーキ――。
 

写真を目にした瞬間、当時の声や匂い、空気感までもがよみがえります。

 

特に、高齢になった親と会えない状況にあるとき、写真は過去と現在をつなぐ唯一の“扉”のような存在になります。

 

「この写真の中の母は、まだ元気だったなあ。」
「あのときは、こんなことになるなんて想像もしなかった。」

 

その気づきは胸を温めると同時に、深い寂しさを生むこともあります。

 


涙と一緒に出てくる感情

 

親の写真を見て涙があふれるとき、心の中ではさまざまな感情が渦巻いています。

  • 愛情:「親がいてくれてよかった」という想い
  • 感謝:「これまで育ててくれてありがとう」
  • 後悔:「あのとき、もっと優しくできたら……」
  • 怒り:「どうしてこんな状況になってしまったの」
  • 孤独:「私だけが取り残されたような気がする」

これらはどれも自然な感情です。
「泣いてはいけない」「強くならなきゃ」と我慢する必要はありません。

涙は、心が少しずつ回復していくための大切なプロセスです。

 

 


涙を受け止める3つのステップ

 

涙が止まらないとき、無理に止めるよりも、「安全な場所で安心して泣く」ことが大切です。
 

ここでは、心が落ち着くための3つのステップをご紹介します。

 

1. 静かな時間を作る

写真を手に取り、安心できる場所で過ごしましょう。
携帯電話をオフにし、外からの刺激を減らすことがポイントです。

 

2. 涙と一緒に言葉を出す

写真を見ながら、「ありがとう」「会いたいよ」「寂しい」と声に出してみましょう。
心にたまった感情が少しずつ整理されていきます。

 

3. 最後に深呼吸する

泣き疲れたら、ゆっくり深呼吸を。
自分を労わるように「よく頑張ってるね」と心の中で語りかけてあげましょう。

 

 


写真に語りかけるという方法

 

会えない状況が続いているときは、写真に語りかけることも心を癒す方法の一つです。

 

「今日はお母さんの好きな花を飾ったよ。」
「また会える日を楽しみにしているね。」
「ありがとう。」

 

言葉にすることで、親とのつながりを感じることができます。
これは決して「空しいこと」ではありません。
むしろ、親子の絆を確認する大切な時間になります。

 


涙を流した後にできること

 

涙を流すことで心は少し軽くなりますが、その後に何か小さな行動をすると、さらに前に進む力になります。

  • アルバムを整理してみる
  • 親への手紙を書いてみる
  • 親の好きだった料理を作ってみる
  • 信頼できる人に気持ちを話す

これらはすべて、「親との関係を今ここで感じる」ための行為です。
写真を見て流れた涙が、少しずつ温かな思いに変わっていきます。

 


まとめ:涙は親子の絆の証

 

親の写真を見て涙が止まらないとき、それはあなたが親を大切に想っている証です。

今日お伝えした大切なポイントを振り返ります。

  1. 涙は心が癒えようとする自然な反応である
  2. 涙には愛情、感謝、後悔、怒りなど、たくさんの感情が含まれている
  3. 無理に止めず、安全な場所で受け止めてあげることが大切
  4. 写真に語りかけることで親とのつながりを保てる
     

最後に

 

写真は過去を映すだけでなく、今ここで親との関係をつなぐ大切な存在です。
 

涙があふれるのは、それだけ深く愛していた証拠。

どうか、その涙を恥じずに受け止めてください。

 

「会えなくても、私はあなたを想っている。」

その気持ちは、きっと親の心にも届いています。
 

涙を流した後には、少しだけ深呼吸をして、自分自身にも優しい言葉をかけてあげましょう。

あなたの涙が、静かに癒しへと変わっていきますように。

 

 

 

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