高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。
私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。
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(期間: 2025/8/2土~2025/8/31(日))
53.会えないままの誕生日──虚しさとどう向き合うか
こんにちは。
高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。
親が高齢になると、誕生日は特別な意味を持つ日になります。
「今年も無事に迎えられてよかった」と心から思う日であり、「これが最後の誕生日になるかもしれない」という切実な思いも交錯する日です。
本来なら、ケーキを囲んだり、花を手渡したり、ただ顔を見て「おめでとう」と伝えたい――。
しかし、現実にはそれが叶わないケースがあります。
「母の誕生日なのに、施設に行かせてもらえませんでした。」
「父の誕生日を電話で祝いたいのに、兄が“もう関わるな”と言います。」
「会えないまま誕生日が過ぎていくなんて、こんなに虚しいとは思わなかった。」
私のところには、こうした声が日々届きます。
今回は、「会えないまま誕生日を迎える虚しさ」とどう向き合えばいいのかについて、心を整理するヒントをお伝えします。
誕生日は「感情があふれる日」
誕生日は、親にとっても子にとっても特別な日です。
だからこそ、会えない現実がより強く胸に刺さります。
- 会えない寂しさ
- 伝えられないもどかしさ
- 今年が最後になるかもしれない不安
- 何もできない自分への無力感
これらの感情が一度に押し寄せてきます。
あるご相談者Aさんはこう話してくれました。
「母が施設に入ってから、面会は兄が取り仕切っていて、私は一度も呼ばれません。
去年の誕生日も今年の誕生日も、ただ一人で家で泣くだけでした。」
誕生日という“節目の日”は、心の中の願いと現実のギャップを突きつけてきます。
そのため、他の日以上に感情が揺れ動きやすいのです。
「虚しさ」の正体
では、この胸に広がる虚しさはどこからくるのでしょうか。
心理学的には、「つながりたい」という欲求が満たされないときに、人は虚しさを感じます。
親に会いたい、声を聞きたい、手を握りたい――。
これは自然で健全な願いです。
しかし、それが阻まれると心はこう感じます。
「私の存在は、もう親にとって必要ないのだろうか。」
「親子なのに、どうしてこんなに遠く感じるんだろう。」
この思いが積み重なると、「虚しさ」という重い感情になります。
誕生日は特にその願いが強まるため、虚しさも深くなるのです。
自分を責めないでください
この状況で、多くの方が自分を責めてしまいます。
「私がもっと優しい娘だったら、こんなふうにはならなかったのかもしれない。」
「母を怒らせてしまった私が悪いんだ。」
「兄妹関係を壊してしまったのは私だ。」
しかし、どうか覚えておいてください。
親に会いたいと願う気持ち自体は、間違いではありません。
むしろ、それは親を大切に思っている証拠です。
あなたが愛情を持っているからこそ、誕生日という日に強く胸が締めつけられるのです。
会えないことには、多くの場合、きょうだい間の対立や施設との連絡不足など、複雑な背景があります。
それらすべてを一人で背負い込む必要はありません。
「できないこと」より「できること」に目を向ける
誕生日に会えない現実は、とてもつらいものです。
「何もできない」という無力感に押しつぶされそうになることもあります。
そんなときは、視点を少し変えてみましょう。
たとえば――
- 手紙を書く
会えなくても、言葉を紙に書くことはできます。
その手紙を渡せるかどうかは分からなくても、「想いを形にする」こと自体が心を保つ力になります。 - アルバムを作る
親との思い出の写真を集めて、自分のためにアルバムを作る。
これも立派な「つながりを確認する行為」です。 - 誕生日を一人で祝う
ケーキを買って、親の好きだった花を飾る。
目の前に親がいなくても、「おめでとう」と声に出して伝えることはできます。
これらは小さな行動かもしれません。
でも、「親を想う自分はここにいる」ということを確かめる、大切な一歩になります。
「親の心」には想いが残っている
認知症や病気で親があなたの名前を忘れてしまうことがあっても、感情や安心感は心に残ると言われています。
ある方はこう話してくれました。
「母は私を見ても名前を思い出せないのに、手を握るとほっとした顔をするんです。」
これは、言葉では説明できなくても、心が覚えているという証拠です。
たとえ誕生日に会えなかったとしても、親の心の奥にはあなたへの愛情が確かに存在しています。
感情を共有することも癒しになる
虚しさは、一人で抱え込むとどんどん膨らんでいきます。
誰かに話すだけで、心は少し軽くなります。
信頼できる友人や家族に打ち明けるのはもちろん、専門家に話すのもよい方法です。
「親に会えない誕生日」という特殊な状況は、話す相手がいないと孤独感が強まります。
「こんな気持ちを分かってくれる人なんていない」と思っていたけれど、話してみると「私も同じ経験をしたよ」と言われて救われた、という方も少なくありません。
あなたの痛みは、決して一人だけのものではありません。
誕生日は「親子のつながりを感じる日」
会えないまま誕生日を迎えることは、決して簡単なことではありません。
しかし、誕生日は「つながりを確認する日」でもあります。
親に会えなくても、
声を届けられなくても、
あなたが「おめでとう」と心の中で祈るその瞬間、
確かに親子の絆は生き続けています。
最後に
誕生日は、親にとっても子にとっても特別な日です。
だからこそ、会えない現実は胸が張り裂けるほどつらいものです。
でも、そのつらさは、あなたが親を愛している証です。
虚しさを否定せず、「私はそれだけ大切に思っているんだ」と認めてあげてください。
そして、できる小さな行動から始めてみましょう。
たとえ会えなくても、あなたの想いは親の心に届いています。
「お母さん、お誕生日おめでとう。」
「お父さん、今日もありがとう。」
その言葉を、まずは自分の心に優しく響かせてあげてください。
あなたと親の絆は、会えない時間を超えて、これからもずっとつながり続けています。
自己紹介など
1. 自己紹介
https://www.ameba.jp/profile/general/release-advisor/
2.高齢親の囲い込み問題について体系的な説明(ChatGPT DeepResearchより)
https://ameblo.jp/release-advisor/entry-12919635429.html
3.出版済の電子書籍キンドルリストはこちら
https://ameblo.jp/release-advisor/entry-12920372756.html
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ブログのご紹介
ブログ主宰 しらいわ は以下のブログも作成しています。併せてご覧ください。
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