高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

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51.会いたいのに会えない──その気持ちは当然です

 

こんにちは。
高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。

 

私が日々いただくご相談の中で、最も多いもののひとつがこちらです。

 

「母に会いたいのに、兄が“会わせない”と言ってきます。」
「施設にいる父に面会をお願いしても、“本人が嫌がっている”と言われてしまいました。でも本当にそうなのか分からないんです。」

 

こうした相談を受けるたびに、胸が痛みます。
 

親に会いたい――それは、人としてごく自然な願いです。

しかし現実には、家族間の対立や施設との連絡がうまくいかないことで、その願いが阻まれることがあります。

 

今日は、そんな「会いたいのに会えない」状況にある方の気持ちに寄り添いながら、心の整理のヒントをお伝えしたいと思います。

 


「会いたい」という想いは、自然で健全な感情です

 

長年一緒に暮らしてきた親。
あなたを育ててくれた親。

 

その親が高齢になり、弱っていく姿を目にしたときに「そばにいてあげたい」「顔を見たい」と思うのは、ごく当たり前のことです。
 

むしろ、それが自然な感情だと私は思います。

相談を受けていると、多くの方がこうおっしゃいます。

 

「こんなに母に会いたいと思う私は、執着しているのでしょうか?」
「兄から“あんたは感情的だ”と言われて、自分が間違っているのかなと迷います。」

 

私は必ずこうお伝えします。

「会いたいと思う気持ちは、決しておかしくありません。
それは親子として当然の感情です。」

 

なぜなら、親子という関係は血縁や記憶だけではなく、深い情緒的なつながりでできているからです。
 

親はあなたにとって世界でたった一人の存在。
その人と会いたいと思うのは、とても自然で、健全な感情なのです。

 


「会わせない」と言われたときに生まれる複雑な感情

 

しかし現実には、親に会いたいという願いが阻まれることがあります。

  • きょうだいが「もう関わるな」と言う
  • 施設が「本人が会いたがっていない」と伝えてくる
  • 介護や金銭管理を担う立場の人が一方的に決める

このようなとき、あなたの心にはさまざまな感情が渦巻くでしょう。

 

「どうして会わせてくれないの?」
「何か私が悪いことをしたの?」
「母は本当に会いたくないと言っているのだろうか?」

 

悲しみ、怒り、混乱、そして自分を責める気持ち――。
これらが複雑に入り混じり、心がぐちゃぐちゃになってしまいます。

 

特に辛いのは、「親がどう思っているのかが分からない」ことです。
自分が拒絶されたのかもしれないという不安は、とても大きな苦しみになります。

 


自分を責めないでください

 

このとき、多くの方が自分を責めてしまいます。

 

「私がもっと優しい娘だったら、こうはならなかったのではないか。」
「兄妹関係を壊してしまった私が悪いのかもしれない。」
「母が私を嫌いになったのかもしれない。」

 

こうした考えが浮かぶのは自然なことです。
しかし、どうか覚えていてほしいのです。

 

あなたが親に会いたいと願う気持ち自体は、間違いではないということを。

 

会わせないと言ってくるきょうだい側にも、その人なりの事情や不安があるかもしれません。
 

しかし、それはあなたの愛情とは別の話です。
親に会いたいという気持ちまで否定される筋合いはありません。

 


親の立場を考えるときに大切な視点

 

もう一つ大切なのは、親自身がどう感じているかという視点です。

 

高齢になり、体や心が弱っていくと、人は安心できる相手と過ごしたいと願います。
その安心感をもたらすのは、多くの場合、長年そばにいた家族です。

 

施設職員や一緒に住んでいるきょうだいが「本人は会いたがっていない」と言ったとしても、それが本当に親の意思なのかは分かりません。
 

認知症が進んでいる場合や、誰かの影響を強く受けている場合もあります。

 

ですから、「親の本当の気持ちを知りたい」という願いは、とても大切で尊重されるべきものです。
それはあなたが親を想っている証でもあります。

 


法的な手段に頼る前にできること

 

もちろん、どうしても会わせてもらえない場合は、法的な手段を検討することもあります。
 

成年後見制度や家庭裁判所での調停を通じて、親との面会を取り戻す道もあるのです。

 

ただ、その前にできることもあります。

  1. 冷静に状況を整理する
    いつ、誰が、どんな理由で「会わせない」と言ったのかを記録します。
  2. 第三者を交える
    ケアマネジャーや地域包括支援センターなど、公的な立場の人に相談してみましょう。
  3. 感情を伝える
    相手を責める言葉ではなく、「私は母に会いたい」という気持ちを伝えます。

これらは簡単なことではありません。
しかし、いきなり法的な対立に入るよりも、親にとってもあなたにとっても穏やかな解決につながることがあります。

 


「当然の気持ち」を大切にしてください

 

あなたが今感じている「会いたい」という気持ちは、とても尊いものです。
その想いがあったからこそ、親子としての時間を重ねてこられたのです。

 

会えない状況が続くと、その気持ちが否定されてしまったように感じることもあるでしょう。
でも、どうか自分を責めないでください。

 

「親に会いたい」
「そばにいてあげたい」

 

その想いは、親子の絆の証です。
それを持ち続けることが、あなた自身を支える力にもなります。

 


最後に

 

親に会えないという状況は、想像を絶するほどつらいものです。
怒りや悲しみ、寂しさ……どれも当然の感情です。

その感情を否定する必要はありません。
 

むしろ、「そう感じるのは当たり前」と自分に優しく言ってあげてください。

 

そして、その想いを胸に、できることを一つずつ進めていきましょう。
 

あなたの気持ちは決して間違っていない――そのことを、私は心からお伝えしたいのです。

 

 

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