高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

 

 

43.面会拒否から家庭裁判所に申し立てた体験談

 

高齢の親に会いたいのに、きょうだいの一人が「会わせない」と拒否し続ける。そんな状況が続くと、親の健康や意思確認もできず、心が引き裂かれるような思いをします。

 

今回は、実際に面会を拒否されたことから家庭裁判所に申し立てを行った体験談をもとに、その流れと学びを整理してみたいと思います。

 

 

 

 

1.突然の「面会拒否」

 

私の場合、母が施設に入所したのをきっかけにトラブルが始まりました。
 

入所当初は私も自由に面会できていたのですが、ある時から兄が施設に対して「母に会わせるのは自分だけにしてほしい」と指示を出し、私の面会が拒否されるようになったのです。

 

施設側も「ご家族間の意見が一致していないので…」と対応を避け、私がどれだけ面会を求めても「お兄様の意向で」と門前払い。
 

母と会えない日々が続くなかで、病状がどうなっているのかすら分からず、不安と怒りと悲しみが入り混じりました。

 

 

2.直接の話し合いは決裂

 

私は兄に電話やメールで「母に会わせてほしい」と何度も伝えました。
しかし兄から返ってくるのは、
 

「母が望んでいない」
「あなたが来ると混乱する」
 

という一方的な主張。

 

母が本当にそう思っているのか確認もできず、結局、直接の話し合いでは埒があきませんでした。むしろ感情的な口論になり、きょうだい関係はさらに悪化してしまいました。

 
 

 

3.弁護士相談から家庭裁判所へ

 

追い詰められた私は、弁護士に相談しました。
弁護士はこう助言しました。
 

「親御さんに会えないこと自体は、家族間の話し合いで解決できれば一番良い。しかし話し合いが決裂しているなら、家庭裁判所に調停を申し立てる方法がある。」

 

家庭裁判所では「面会交流」や「親族間の紛争解決」のための調停制度が利用できます。私も藁にもすがる思いで、申立書を作成し、家庭裁判所に提出しました。

 

 

4.家庭裁判所の調停手続き

 

調停では、調停委員(弁護士や経験者などの第三者)が入り、中立の立場から話を整理してくれます。

 

私の場合、最初の調停では、兄と私は別々の待合室に通され、調停委員が双方の言い分を順番に聞いては行き来しました。
 

兄は相変わらず「母は会いたくない」と主張しましたが、私は「直接母に確認できない限り、その言葉を鵜呑みにできない」と訴えました。

 

調停委員は、「親御さんの意思をどう確認するかが大切」と整理し、施設側からも母の様子をヒアリングするよう促してくれました。

 
 

 

5.母の意向確認と一歩前進

 

調停の過程で、施設の職員が「お母様は娘さん(私)のことをよく話題にしている」と証言してくれました。
 

これにより、兄の「母は会いたがっていない」という主張に疑問が生じ、調停委員からも「一定の面会を認める方向で考えるべきではないか」と意見が出ました。

 

最終的に、

  • 月に1回は私が施設で母と面会できる
  • 面会の日時は施設と直接調整する
    という合意に至りました。
 

 

6.調停を経験して感じたこと

 

調停を通して感じたのは、

  • 家族内だけでは感情が先立ち、話し合いが進まない
  • 第三者(裁判所や調停委員)が入ることで冷静な議論が可能になる
    ということです。

もちろん、裁判所に申し立てること自体は大きなエネルギーが要ります。申立書の準備や手続き、そしてきょうだいと法的に対立するという精神的負担もありました。
 

それでも「母に会いたい」という思いを叶えるためには、必要な一歩だったと今では思います。

 
 

 

7.同じ悩みを抱える方へのメッセージ

 

親に会いたいのに会わせてもらえない――これは想像以上につらい状況です。
 

「自分が悪いのか」と自責に陥ったり、「兄弟と争いたくない」と我慢したりしてしまいがちですが、親の幸せと自分の心を守るためには、行動が必要なときもあります。

 

もし話し合いが決裂してしまったら、弁護士への相談や家庭裁判所の調停という手段があることを知ってください。
それは“争うため”ではなく、“親の意思を確認し、家族の関係を少しでも修復するため”のプロセスでもあります。

 

 

まとめ

 

「面会拒否から家庭裁判所に申し立てた体験談」を振り返ると、

  • 家族間の感情的な対立では解決できない
  • 第三者が入ることで初めて前進することがある
  • 親の意思を尊重するために、制度を活用することは大切
    という学びがありました。

同じように悩んでいる方へ、「あなたには行動できる道がある」ということを伝えたいと思います。

 

 

 

 

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