
最近読んだ本とか
どうもこんばんは霧島です。
昼間仕事しながら暑いな…て思ってたんだけど夕方外出たら普通に
前回のブログで書きましたが水泳アニメFree!の劇場版「Fr
作品の一ファンとしても幸せを感じられる作品ですが、創作者とし
本当に携わる方々の愛がすごい…鑑賞者にもその愛が駄々漏れるく
さて、合間に純度の高い愛を貪りつつ最近は何してるかというと大
最近またちょこちょこ脚本やら漫画制作についての本を読んでいる
漫画脚本概論 さそうあきら著
京都精華大学で教鞭をとられていたさそうあきら先生が描かれたも
私は考え方には人それぞれ向き不向きがあると思っているので、自
ひとつ「うっ」となった言葉をご紹介したいのですが「アイデアに
ホント締め切りがないと永遠に終わらないよね何事も…
例えそれを守らなければ原稿が落ちる!みたいな切羽詰まったもの
興味のある人はリンク貼っておくのでどうぞ。
https://www.amazon.co.jp/dp/B09CK58XVH/ref=cm_sw_r_tw_dp_WM9EEVGV4YK65DP3TW76
知っていることとできていることは全く別物で、特にこういう本の
本も漫画も読みたいし映画もアニメもドラマも観たいしお絵描きし
イラストは呑兵衛。←
『イメージボード』を描いてみる。
こんにちは。夏の暑さと春の涼しさとの気温差反復横跳びにより体調がよろしくない、春の気候が大の苦手な米原です。既に同じこと何度も書いてますかこれからも書いていきます。毎年体調よろしくないので私は怒っている。でも矛先がないから書くしかないので。はい。
アシスタント業をする中でファンタジー作品の背景もいくつか描かせて頂く機会があるのですが、やはりファンタジー作品の世界観や背景のイメージ共有って大変だし時間がかかるなぁ~としみじみ感じているこの頃です。
自分でも将来的にファンタジー作品を描きたいと考えているので、「他の人に自分の中のイメージを伝える試行錯誤をして行きたいなぁ~と思い、今回は「イメージボード」を作ってみました。
――――――――――――――――――――――――――
『 イメージボード 』 とは
平たく言うとアニメやゲームなどの作品作りにおいて、制作初期の企画段階に制作されるイメージ共有するのに使うイラスト(アディアスケッチや絵コンテに近い)。
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…とザックリ理解して頂ければ。
今は写真素材サイトも沢山あるので、「イメージに近いモノを探す」のも容易になってきましたが、自分の頭の中のイメージをアウトプットする練習のつもりで描いてみました。
久しぶりにアナログ水彩で絵を描きたいと思って道具を引っ張り出して来ましたが、いきなりアナログで絵を描き出したら絶ッッッ対に時間がかかる!と思ったので、まずどんな絵を描くかのアイディア出しをかねてラフをデジタルで起こす作業から始めました。
ラフ画はこんな感じ。作業時間は2時間と少し程。ラフ画で2時間も?!と思う人もいるかもしれませんが、全体見渡すとラフ描いて置いた方が結果的に時短になったりするので侮れない工程だったり。
デジタルの優れた面は色々ありますが、とにかく「消しゴム」と「拡大縮小」の機能が強い。
消しゴムは消しカスも出ないしキレイに消える。もうちょっと大きくしたい!小さくしたい!もうちょっと上下左右に配置すれば良かった!という時に便利すぎるので拡大縮小がないと生きて行けない体になった。ただただアイディアを出すだけに集中できるのでラフ作業はデジタルで進めて正解でした。
ラフ画で描きたいモノやアイディアを出したらアナログ水彩作業に入ります。
透明水彩画はこんな感じ。作業時間は5時間くらい。アナログ水彩を描いたのは4・5年ぶり?
ラフの段階でアイディアはある程度出し切ったつもりでいましたが、やはり少し変わりましたね。でも最初にラフ画を描いていたおかげで、鉛筆で下絵を描く時間はかなり短縮されました。前もってラフ画でアイディア出しの下準備をしていなかったら丸1日潰れてた可能性ありますね…。
もう少しアイディアやデザインに手を加えたい所も出て来ましたが、やぁ~、やっぱりイメージボードもカラーも、ないよりはある方がいいな!と思いました。
水彩での作業が久しぶりなのもあってアナログ絵の方が拙い感じがしますが、「雰囲気」や「イメージ」的には水彩画の方が「正確に表現できている」と感じます。
やはりイメージを伝えるという手段としても「絵」って便利だなぁと思いました。あと久しぶりの水彩滅茶苦茶楽しかった…。また定期的に描いていきたい…。
長い時間白黒のマンガ原稿の世界にいるので、久しぶりに1枚絵とアナログカラーイラストを描けて心が元気になりました。心が洗われました。
今後使うかもしれない資料を今のうちにストックして行く意図もあったので、これからも時々時間みつけて枚数を増やして行きたいです。
日付変わればもう5月…。一番体調が安定しなくて怖い時期…。4月中にワクチン3回目終わらせられて良かった…。5月はメンタルと体調崩さないように生きるぞ。頑張ろう。それではまだ次回。
noz
RWミーティングで扱った商業作品
須々木です。
過去のブログ等でもたびたび触れられていますが、Random Walkの活動の根幹は「ミーティング」です。
◆「ミーティング」そのものについて参照記事 ↓↓
「ミーティング」では、近況報告として各メンバーが最近見た作品なども随時共有され、そのとき軽く感想共有や意見交換することがあります。
同じ作品を見ているときは他人の意見で学びを深めることができますし、見ていないときは見るきっかけや単純な作品情報のインプットともなります。
そして、このような機会とは別に、メンバー全員が見ている前提で議題の一つとして作品を扱うこともあります。
今回は、2020年以降にRWミーティングで扱った商業作品を紹介しようと思います。
※もちろん2019年以前も扱っています。興味のある人は議事録から発掘してください。
●漫画「鬼滅の刃」 (最終話まで)
漫画が完結したため。
漫画として大ヒットした要因について意見を交わしました。
◆関連ブログ⇒ 漫画を浴びるように一気に読むの楽しい(『鬼滅』読んだり『ハイキュー!!』に想いを馳せたり (2020-07-20 by noz)
◆関連ブログ⇒ ようやく「鬼滅の刃」を読んだぞ! (2020-08-20 by aki)
●劇場版アニメ「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)」
「中国製アニメ羅小黒戦記が日本でヒットした理由を考える」と題していろいろ意見交換していきました。
単純な作品感想、作品関連情報(制作の背景等)、日中の違い分析など。
サブカルについては新興市場とも言える中国の作品を通じて、日本のサブカル(作品、文化)の特徴を考える機会ともなりました。
◆関連ブログ⇒ 映画『羅小黒戦記』見て来ました。 (2020-11-20 by noz)
◆関連ブログ⇒ めちゃくちゃ猫触りたくなった。 (2020-11-20 by rin)
●細田守監督作品 (「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」「未来のミライ」「竜とそばかすの姫」)
「竜とそばかすの姫」が公開されたタイミングで扱いました。
もともとRW内でも各作品について様々な意見があったため、細田守がフリーになってからの6作品を横断的にみていきました。
各作品について様々な意見がでて興味深い機会となりました。
◆関連ブログ⇒ 細田作品6作品の所感、および細田作品におけるショタとケモノに関する考察。 (2021-08-27 by sho)
●アニメ「平家物語」 (全11話)
なかなか興味深い作品だったので、簡単に意見を交わしました。
◆関連ブログ⇒ 800年の時を超える祈りの物語 ~ アニメ「平家物語」見ました。 (2022-03-31 by sho)
●漫画「【推しの子】」 (77話まで)
ヤングジャンプで連載中の漫画「【推しの子】」の77話までを扱いました。
商業漫画制作における「エンタメ」「再現性」等について学びを得ることを掲げて意見交換していきました。
ボリュームの都合であまり細かく見れたわけではないので、また扱いたいところ。
他にもミーティング中には様々な作品の名前が飛び交い、場合により話が脱線したりしますが、語り合うことでより深いところまで考えるきっかけとなります。
感覚的に楽しむのとはまた違った魅力を見つけられる貴重な機会です。
sho
4月の活動報告
遊木です。
そこそこ元気に生きてます。
4月中旬ぐらいの天候がずっと続くと生活しやすいんですけどね。
丁度良い季節はあっという間に過ぎる。
月の活動報告です。
□漫画制作
次作の企画をじわじわ進めています。
現在は土台骨を詰めながら、参考資料をインプットしている段階。
参考資料を読んで、そこから使えそうなネタを抽出する作業がなかなか大変ですが、大学のレポートを書く気持ちで頑張って進めてます。
この歳になると、学生時代のカリキュラムが良く練られていたことがわかりますね。活字の資料なんて一回読んだだけじゃ頭に入らん。
音読したり、レポートでまとめたり、誰かにアウトプットしてようやく身になっていくもんだぁ。
□大岡川花見
例によってサークルでの花見が出来なかったので、ウォーキングをしつつ、久しぶりに大岡川の桜を見てきました。
前日が雨だったせいか、水面に花びらが大量に浮いていて風流でした。
あれ、“花筏”というらしいですよ。こういう言葉を知ると日本語って綺麗だなぁと思います。
黄金町より奥には初めて行きましたが、思っていた以上に長い距離に桜があって驚いた。あれは見応えがあります。
その後は弘明寺で参拝、公園をぐるりと一周しました。
桜並木は平たんだったので丁度良い運動でしたが、弘明寺公園が思いのほか高低差があって疲れた……う、運動不足ぅ!
余談ですが、今年は「メンバー各自で桜を撮影→ツイッターのタイムラインに流す→デジタル花見だ!」というプチ企画をしていたので「#RW_桜2022」で検索すると桜が見られます。
□ガーデンネックレス
今年は久しぶりにみなとエリア、里山ガーデンの両方に行きました。
どちらも天気が良い日を狙ったので、めちゃめちゃ映えました。やはり青空の下の花は美しい。
▼みなとエリア
赤レンガ、横浜公園、山下公園、大さん橋の順で観覧。
赤レンガのフラワーガーデンでは、「花×廃材アート」というテーマの展示があり、例年とは違った楽しみ方が出来ました。そして青空、赤レンガ倉庫、花のコントラストが抜群!
横浜公園では例年通り大量のチューリップが咲いていました。去年より開花のタイミングがずれていなかったので、いつもより本数が多く見えましたね。
間近で見た後は、横浜スタジアムの2階から引きで観覧するのがおススメ。
山下公園でも、例年通り花壇展が開催されていたのと、レストハウスでは少し前に話題になった「葉っぱ切り絵」の展覧会が開催されていました。
私も切り絵が好きで、その昔いくつか作ったことがあります。だからわかる……葉っぱを使用してるの本当にすごい。是非生で作品を見て欲しい。
大さん橋は、立体のガーデンベアがいると聞いたので突撃しました。
中をぐるりと一周したら、今まで気付かなかった景色の良い休憩スペースがあって、何で今まで気付かなかった?となりましたね。
マジなんで?
▼里山ガーデン
西谷から歩いて行きました。白根神社の白糸の滝や途中の景色を楽しみつつ、里山ガーデンへ。
相変わらず大量の花、花、花。全然詳しくないので種類はわかりませんが、個人的には寒色系の花畑が好きでした。
菜の花畑では鯉のぼりが泳いでいましたが、その中にペンギンやレッサーパンダもいて「いや、これは干されてるやん」となった。
その後は四季の森で軽いハイキングをしました。……う、運動不足ぅ!(2回目)
でもカワセミが見られたのは良かった!
□ドールハウスの世界展
そごう美術館は毎回面白い企画を考えるなぁと思います。
今回は狙ってないです。偶然HPを見て「面白そうだからGW前に行くか」と軽いノリで突撃したものでした。予想以上のクオリティーで大満足です。
ドールハウスとあるので、観覧前は「洋風のお人形さんの家」をイメージしていましたが、実際はもっと幅広い内容でした。ミニチュア好きには溜まらない。「うわ~欲しい!」ってなります。
ドールハウスは元々貴族女性の教材として使用されていたようです。確かに、家の中での立ち振る舞いを学ぶのに丁度良いですよね。他にも、「え、そうやって使ってたの?」と思うものがいくつか。普通に歴史の勉強になりました。
このように、本来の用途からは外れつつも、後々まで残るものにはやはり潜在的な美があります。それを現代人が上手に引き継いで、文化を繋げていくことが芸術のあるべき姿なのかなと思いました。
この展覧会は5/15まで開催されています。
今月はインスタを多めに更新しました。
そちらにはここに載っていない写真もあるので、よろしければどうぞ。
あっという間に暑い時期が来てしまう。
今のうちに運動しよ!
aki
陳情令感想①プロローグ編
どうも遊木です。
今月から『陳情令』の感想を更新していこうと思います~!
何回かに分けた連載(?)です。
45分×50話分なので……一体どのくらいの分量になるのやら。
一回の更新は「ここ、話の区切りやろ」と勝手に判断した話数ごとになると思われ。
実はこの感想、書き始めたのは約一年前です。
当時は、視聴直後の興奮も冷めやらぬまま、勢いとパッションで書き殴っていました。
しかし、話数ごとに見返して書いていたので、当然のように3分の1ぐらいで無料視聴期間が終了。そこから暫くノータッチでした。
といっても、この一年で原作が発売されたり、本国でアニメ完結編が放送されたりと、コンテンツ自体は元気だったので、その辺はしっかり把握してますよ!
情熱は!まだ!ある!
というわけで、年度も変わり丁度良い区切りだったので、頓挫していた『陳情令』感想を今年中に書き上げることを決意。
腐っても作り手なので、やはり自分が嵌った作品はしっかり分析して記録に残したい。
視聴直後は冷静でなかった部分もあるけど、一年経った今ならもう少しクールな感想を書けるはず……いや、どうだろう、そこは保証できないな?
この感想は、構成や演出、キャラの分析と、唐突な萌え語りを光速移動すると思います。ご了承下さい。いろいろと。
ちなみにアニメ(完結編まで)、ラジオドラマ(途中まで)、原作等メイン媒体は一通り見ています。
ただ原作は、「そのうち腰を据えて熟読しよう」と思ったまま今日まで来てしまったので、かなりの流し読みです。
……駄目ですね。「まとまった時間ができたら」は一生やらん……こちらも今年中に手を付けたい。
※過去のブログでも書きましたが、一応作品情報を記載※
『陳情令』とは中国のブロマンス時代劇で、原作は墨香銅臭作のBL小説『魔道祖師』。
実写ドラマやアニメ、ラジオドラマ、漫画、ゲームなど様々な媒体でメディアミックスされている作品。日本では2021年1月より吹き替え版のアニメが放送され、原作の日本語訳も2021年に発売。
また今月より、アニメ版と同じ声優で『陳情令』の吹き替え版が放送・配信開始。
さて、前置きが長くなりましたが本編感想です。以下の点にご注意下さい。
※『陳情令』全話、および原作、アニメ(完結編まで)、ラジオドラマ等の盛大なネタバレ。
※書き手による批評、深読み、独自解釈、萌え語り、乱文。
※原作がBLであることを前提とした解釈。
以上が大丈夫な方はどうぞ~。
プロローグ編 1話“目覚め”~ 2話“再びの大梵山”
去年描いたらくがきを再掲しておきます。
まず、初っ端の不夜天の演出が「なるほど」となりました。
他媒体だと、冒頭って「過去に何があったか」をモブに語らせつつ、ほぼ客観的情報だけの演出でしたよね。(私は初めてアニそしを見たとき、冒頭の数十秒「??」状態だった)
『陳情令』では、冒頭を“血の不夜天”にすることで、世界観にすっと入り込める作りになっていました。
この時点では、魏嬰に止めを刺したのが江澄に見えるのも、演出の仕掛けですね。
実際、世間では彼が止めを刺したと語られているわけですから、当然と言えば当然の演出です。
が、33話を見たときにガラッと印象が変わるシーン。
『陳情令』では、他にもこういうミスリードをしている箇所がいくつかあります。
何の違和感もなかったシーンが、後々になって「実は行間抜けてたんだよ!」「真実はこうなんだよ!」と明かされる。
すごいのは、行間抜けを気付かせずに、キャラの特徴を駆使して「まぁ、そういうもんだよな」と視聴者を納得させているところ。
そして、後々その行間を埋めたら印象が180度変わる点です。これは自分の作品でも取り入れたい演出法ですね。
あと、これは他媒体と比べて大きな違いだと思いますが、『陳情令』では藍湛が魏嬰の最期を見届けているんですよね。
さらっと展開を変えているけど、これ結構大きな違いだと思います。
他媒体では、藍湛が十年以上も彼を捜していられたのは、あくまでも「魏嬰の死に様を見ていないし、死体も見つかっていない」、つまり「魏嬰の死を信じない」という理由があったから。
さらにBL媒体では「好きな人の死を受け入れない」という、飛び道具的理由もありました。(私は物語において恋愛感情は飛び道具だと思ってます。どんな不条理な言動も、恋心があるなら否定できない、みたいな)
でも『陳情令』では、藍湛はどう見ても助からない魏嬰の落下を見ているわけです。
ブロマンスなので、もちろん魏嬰に対する恋心を明言するシーンなんてありません。それとも“死体がない”で一応生死不明としたのかな?ちょっと無理がありそうな気がするけど。
“十年以上魏嬰を捜していた”という設定をカットすれば筋が通りそうですが、2話を見た限りでは「人を捜している」「16年間遊歴をしていた」とあるので、そこは原作の設定を引き継いでいるのでしょう。
最期を見届けている上に、恋愛感情も使えないとすると、16年間魏嬰を捜し続けていた理由付けはどうするんだろうと思わなくもないです。
でも、これが『陳情令』のすごいところで、全話見ると……というより、3話から始まる過去編を見るとこの疑問は消えます。
詳細は本編をご覧あれ!ですが、恋愛感情が使えない故に、“それに代わるもの”を丁寧に積み重ねた演出のおかげで「あぁ、もうこれなら仕方ないか」と納得させられちゃう。
この“納得させられちゃう”って、物語を作る上では結構大切だと思うんですよね。
作り手が「この子がこういう行動とるのは当然なんだ!」と思っても、読者にそれを納得して貰うのはめちゃくちゃ大変です。……う、古傷が。
さて、講談師の言葉で過去と現在が切り替わり、ここで莫家荘に行く前の姑蘇藍氏の子弟が出てきます。
真相を知っている人は、この辺の細かい仕掛けにも気づく筈。こういう演出がにくい。
原作では、ほぼ魏嬰視点で物語が進む一方、アニメや『陳情令』では客観視点で進みます。故に、前者は彼が関わらない場面の情報が少ないのに比べ、後者の方が客観情報が多く、演出に幅がある印象です。
魏嬰の復活ですが、ドラマでは“舎身呪”というオリジナルの術に変更されています。……これってどういう仕組みなんでしょう?(個人的に献舎の術をそのまま使わなったのは良い心遣いだと感じた)
1話の時点では「安らかに死んでいたのに」と魏嬰は言ったけど、後々金光瑶が、舎身呪は重傷者を修復する術だと説明していました。
ドラマ魏嬰は結局瀕死だったのか、実際に死んでいたのかどっちなのだろう。瀕死だった場合、16年間彼は何かしら特別な力で封印されていたのか?
妄想が膨らみます。まぁ、その辺は好きに解釈して~なのかしら。
個人的に、舎身呪を物語ラストまで引っ張る展開にしたのは、良い改変だと思いました。最後まで主人公を動かす、わかりやすい原動力になっていたと思います。
やはり、作中で忘羨の恋愛を描けないとなると、それに代わる“理由”を作らないといけないですからね。その辺の理由付け=オリジナル設定は、個人的にはどれも上手かったと思います。
そして、傷の設定を変えたことによって、実は莫玄羽の設定も変わっています。
“復讐の対象”が莫家荘の住人だけの他媒体と比べ、金光瑶も対象としている『陳情令』では、“莫玄羽は本当に痴れ者だったのか”という視点が強調されています。視聴者に「語られなかった裏エピソードがあったんだろうな」と妄想させる。
この改変は、物語の重要人物でありながら、作中でその人となりがほとんどわからない莫玄羽の特殊な設定故にできたものでしょう。
個人的に彼の立ち位置は、とても面白いと思います。
本編を見ていないので正しい解釈かわかりませんが、『桐島、部活やめるってよ』の桐島みたいな。劇中に直接登場しないのに、話の中心にいるキャラです。
まぁ取り合えず傷やら呪やらを背負う主人公は萌える。
そして、舎身呪で復活した直後だけ見られる魏嬰の乱れ髪が良いぞ!アニそしの夷陵老祖しかり、ちょっと気だるげな雰囲気が良い。
変装するなら、仮面だけじゃなくて髪型もあのままが良かったな……。(個人的趣味)
とにかく『陳情令/魔道祖師』は主人公が魅力的。
1話だけでも、魏嬰のシリアスなところ、飄々とした面、悪ガキっぽさ、不条理を見逃さない性格、度胸や有能さ、内に抱える悲しみ、とにかく沢山の顔が見られます。
蘇った際に「人を邪神扱いするなー!」となる原作に比べ、『陳情令』では「恩義を忘れた夷陵老祖……敵討ちにはもってこいか」となるのにも注目。
このキャラ性の違いは結構大きい気がします。
私は原作のインプットが後だったせいか、そっちを読んだときはちょっと違和感がありました。
原作では、魏嬰に限らず多くのキャラが良くも悪くも未熟で、その未熟さを作中でもストレートに表現している印象。変に隠そうとしていないというか。
魏嬰は「直接被害を与えてしまった人はごめん。それ以外は知らん」って感じで小ざっぱりとしているし、藍湛は立派に見えて人として未熟な感じがするし、江澄の棘には強いヒステリーを感じる。
ある意味一番キャラが立っているので、面白かったり可愛かったりするけど、所々「その未熟さはイラっとする」と感じる箇所がなくもない。
他媒体でももちろん各キャラ未熟な面はありますが、原作と比べて未熟な自分を後悔している演出が強めな印象。
間接的にでも誰かを傷つけた場合、程度は違えど迷いや葛藤が生まれ、それに苦しんでいる描写が多い気がします。『陳情令』は特に。
好みは人によりますが、私のベストは原作と『陳情令』の中間ぐらいです。
まぁ、くりむ会長も「メディアの違いを理解せよ!」と言ってますしね。その媒体毎に楽しめば良いと思います。
閑話休題。
昼間の痴れ者ムーブ、夜の切ない雰囲気は、良い温度差ですね。
しれっと、思追ちゃんの伏線が入っていましたが、ここって原作ではないシーンですよね??
あれ?あった?
思追が件の曲を聞いたことがある設定、個人的には胸アツです。
それってつまり、乱葬崗で魏嬰が吹いていたのを聞いたってことですもんね?
一応、16年の間に藍湛が弾いたのを聞いた、とも解釈できますが、演出的に十中八九“失われた記憶”の暗示だと思うので、やはり魏嬰からと解釈すべき。あの乱葬崗で、魏嬰が“忘羨”を吹いていたと思うと……切な萌え。
ついでの萌え話ですが、私は主人公が一番下っ端世代より、導くべき後輩や若者がいる立場の方が好きです。ベルセルクでも、ガッツがイシドロを指導するシーンが何か好きでした。
だから、魏嬰が先生ぶって思追達と絡むのが超好き。
あと、これは空目かもしれませんが、姑蘇子弟を庇って莫夫人に言い返す前から、思追だけは莫先輩に好感を持っているように見える。
魏嬰の、あからさまに守るんじゃなくて、さりげなく手を貸したり、自分たちで気付くように導いていく姿勢も良いです。先生に向いている。
あと、信号弾を上げるとき、子供たちに全無視されて「あちゃー」ってなってるのはかわいい。
カ・ワ・イ・イ!!
莫家荘の騒動は、原作の鬼腕ではなく、追加されたオリジナル設定と陰虎符の設定を組み合わせての事件になっています。
他媒体より見応えがある一方、人によっては分かり辛いかもしれません。
この後の一品霊器の件も、一回で理解するのは難しそう。
あと、個人的にはぬるっと剣が出現していた演出が「う~ん?」となってしまった。投げ入れられたシーンはもっと明確に表現した方が良くないか?と。日本的演出に慣れているせいですかね。
でも、魏嬰の「(ザリッ)(パチン)仕事だぞ」はカッコよかった。圧倒的強者感。自作でも、こういう「くそ……カッコいいな」という演出をしていきたいです。
そして、ついにじゃらーん!で登場する含光君。正直初見は笑った。ワイヤーアクションに笑っちまうんだ。途中で慣れたけど。
ついでに、琴が消えたのを見て「消えた!?」ともなりました。いや、アニメだと普通に背負っていたから。まぁ実写だと現実的に無理だったのでしょうね。
全体的に設定が複雑なので、前知識なしでどのくらい理解できるのかちょっと疑問ですが、見ているとだんだんわかってきます。ここで理解できなくても無問題。
そして、1話は特に二週目視聴者を楽しませる要素がありますね。真の黒幕を知ってから見ると、また違った楽しみ方が出来ます。
2話は、他媒体の知識がある人の方が、「何で再び?」となる回ですね。
舞天女像は他媒体だと、「魏嬰お持ち帰り案件」の前振りみたいなものなので、本筋とあまり関係ないのですが、上手くオリジナルの設定と繋げたなぁと思いました。
『陳情令』は、原作のサブクエストを有効活用するのが上手い。
スタートから陽気な曲が流れていますが、リンゴちゃんとのコント(?)は平和で良いですね。個人的に魏嬰のロバの座り方がツボなんだよなぁ……細かいところだけど。
あと、あれだ。
魏嬰なんで水飲むときめっちゃ零すの?酒もだばだば零すやん。かわいいかよ。
でも綺麗に飲んでいるときもあるから……わざと?気分?アニメでも滝飲みしていたからもしかして公式設定か。
実はこういうちょっとした所作で、キャラ性って確立しますよね。魏嬰は典型的、やれば誰よりも出来るのにやらないタイプだな。
余談ですが、私はアニそしの魏嬰が非常に姿勢の良い正座をする描写が好きです。
普段は悪ガキっぽさが前面に出ているのに、作法は身に付けている感じが。
もちろん全く触れられない描写ですが、“六芸に秀でている”という設定がしっかり活かされていることがわかります。
大梵山に行く途中、モブが普通に夷陵老祖を尊敬していると発言したのには、え、となりましたね。
これだけ大悪人として語り継がれているのに、それでもなお、正道の仙師にも魏嬰を讃える人がいるってすごい。
まぁ現実でも、本当に大きなことを成す人ってすごく好かれるし、すごく嫌われますからね。その辺が妙に生っぽくて、ちょっと胸がモヤウズっとする。
さて、何やかんやあって大梵山に到着した魏嬰は金凌と出会います。
私は、ループものや逆行もの、時間跳躍がある設定が好きですが、中でも時間を飛んだキャラが過去と邂逅する描写が好きです。
失った時間の悲哀というか、度し難い感じが。
ここのシーンはまさにそれですよね。二週目だと、一週目には感じなかった悲しみが込み上げてきます。ある意味、かつて悲劇の引き金を引いたのは、金凌に対する魏嬰の愛情だったとも言えますからね。
金凌は登場回こそ生意気なガキンチョですが、回を追うごとに可愛く見えてきます。もはや視聴者が保護者みたいな気持ちになる……江澄、子育て大変だったろうな。
江澄といえば、2話での登場シーンがすごいダースベーダー感あって笑ったの私だけですかね。
いや、江澄も愛すべきキャラですよ。これだけツンツンしてても、全話見ると彼の幸せを祈らずにはいられなくなる。
最後に真打(?)、姑蘇藍氏の登場です。藍湛マジでしゃべらんなぁ……どころか、他所のうちの子もしゃべれなくしちゃうからね。
でも、金凌へ禁言術をかけるくだりは好きです。
厳しい躾をしそうな江澄は口で叱っているのに、含光君は容赦なく体罰を与えているところとか。実は藍湛の方が短気なのでは?と思う。
縛仙網の件で一戦交えると思いきや、嫌々ながらも金凌に「こたびは含光君の罰を受けよ」と促したところも、江澄のキャラ性が出ていますよね。何だかんだ言って宗主なんだなぁと思いました。
気付きにくいですが、これも一種のギャップですよね。
ギャップ=意外性はキャラの魅力なので、自分でキャラを作る時も意識していきたい。
特に、取ってつけたようなギャップではなく、そのキャラの人生に裏付けされたギャップを考えていきたいです。
その後、ひとり水面を見ながら人非木石を語る魏嬰は切ない。
しかし、50話全部見ても、藍湛と江澄は生涯相容れないんだろうなぁと思います。
状況に応じて協力は出来ても、お互いが気に入らない感じが一生抜けなさそう。
いや、まぁ十中八九魏嬰のせいですよね。せいって言い方もおかしいけど。
だから、お茶屋のシーンのシュールさがやばいです。めっちゃ空気悪いやん。
店員が不憫過ぎて「ンふッww」って変な声が出た。藍湛の方が使用済みの椀が多いから、江澄が後から来たと踏んでます。
多分江澄が「(クソ……同席したくないが、引き返すのも癪に障る)」とか考えて、あの状況になったに違いない。
しかしこの状況から、魏嬰の笛の音が聞こえて、多分先に飛び出たのは藍湛なわけで……江澄からすると「なんだアイツ、いきなり飛び出てったぞ!?」って驚いただろうな……み、見たかった。
その頃、魏嬰は子弟たちへの講義中。
すーぐ痴れ者演技を忘れて、景儀に「痴れ者ではないのか?」って怪しまれるの好き。他媒体でもそうだけど、魏嬰全く莫玄羽になりきる気ないな。
個人的に、魏嬰の「姑蘇藍氏は座学ばかりしていないで実践を学べ(要約)」という言葉は、物語の本質を指している気がします。
沢山の知識をつけて、高雅な振る舞いが出来ても、現実を知らなければ何の役にも立たない、と。まさに、かつての藍湛がこれでしたね。
さらに言うと、仙門全体がそもそもこれなんですよね。
弱いものを救うと言いながら、本当に弱いものは見えていない。真の弱者は「助けて」ということすら出来ないことを、立派なお家にいる人たちは知らないわけです。
魏嬰は長いこと浮浪児で、そこから運良く江家で育てられた経験があったからこそ、恵まれたもの達が作るルールでは守れないものがあることを知っていた。
しかし、そのことを誰かと共有する術を持っていなかった故に、過去の悲劇は起きたのでしょう。
かつての藍湛って、行動が型破りなだけでその本質は“正しい”筈なのに、魏嬰がどんどん窮地に追い込まれていくことが不思議だったと思う。
それこそ「邪道を使わなければ(既存のルールを守れば)上手く回る」とか考えていたのかな。
でも多分、魏嬰が「じゃあこれから邪道は使わないよ」と言っても温情たちは救えなかったし、金家の悪だくみも止められなかったと思う。
彼は魏嬰を失ったことで、ようやく現実が見えたんじゃないかな、と。
至上と定めていたものが、「弱いものを守るため」でなく「都合の良いものを守るため」と知って、そこでようやく世の法定と自分の正義を切り離した、みたいな。
魏嬰が死んで、ようやく魏嬰と同じものが見えるようになった藍湛……悲しいけど、こういうの好き。
さて、魏先生の講義後に舞天女像が歩いてくるわけですが、このCGは正直「お…おう」という感じでした。
先にアニメを見ていたのでちょっと想像と違うぞ、みたいな。まぁ仕方ない。ファンタジーやバトル描写は、どうやってもアニメがカッコいいよね。
温寧が登場してから、舞天女像が消える辺りはオリジナルの設定ですが、前知識があるからこそ「??」となるシーンです。
そもそも、「何か大梵山に纏わる過去編あるっぽいぞ」という描写全般「???」となる。
で!“忘羨”の演奏シーン!風で魏嬰の黒衣がふわっとなるシーンが美しい!
そして!!ファンなら一億回見たい肩ドンからの右腕掴みの流れ!
見直して気付きましたが、温寧が去るまでマジで魏嬰から目放さないな藍忘機。
このときどんな気持ちだったのか、原稿用紙10枚ぐらいにまとめて欲しい。
そして直後から「魏嬰絶対守るマン」を発動。
藍湛と江澄のバトルシーンは、音楽がカッコ良いですね。
でもここの見せ場は、江澄の「死んだとは限らん!」「江宗主が殺したのでは?」「……ッ」だと思います。江澄の反応がすごいグッとくる。
江澄の魏嬰に対する想いは愛憎であって、“憎むだけじゃない”というのが良く表現されていますよね。
夷陵老祖に止めをさそうとしたのは自分だし、崖から落ちたのも見届けているのに、魏嬰が死んだとは信じたくないと……江澄のこういう人間味があるところ好きです。幸せになれ。
忘羨は萌えるけど、双傑は尊い。
あと年上相手でもズバッと言い切る景儀くん、そのままの君でいて。
で、魏嬰が気絶してからの過去編スタートですね。
あぁ、そうやって繋がるんだぁと。
個人的に藍湛のお持ち帰り宣言は好きだったので、そのシーンがカットされているのは悲しいですが、江澄と景儀のやり取り後に、そんなコミカルシーンが入ったら不自然なので……しょうがないか。
うわー!でも『陳情令』藍湛が「よろしい、ならば私が連れ帰る」宣言するところは見たかった!
こうして、ベルセルクの黄金時代篇並みの「もはやここがクライマックス…!」な過去編に突入します。
初回は前置きとか、全体の話も含んでいたので長かったですが、多分この後はだんだん短くなる予定です。(多分)
窮奇道~不夜天のあたりとか細かい感想書けるメンタルじゃないと思うし。
次は座学編です!
aki




















