新年あけましておめでとうございます。
新年あけましておめでとうございます。
遊木です。

…描き終わってから「鬼灯様って…もしかして縁起悪…い?」と思った←
本当は第2回ラリー小説のネタで更新しようかと思ったのですが、新年一発目と言うことで、去年の反省や今年の抱負などをつらつら書こうと思います。
まず最初に、去年は私個人として、そこそこ実りある一年でした。
大学4年の卒業制作シーズンまっただ中でRandom Walkを創設してから、私の生活の軸はずっと「創作活動」でした。しかし、就職する、どこかでデビューする、というわかりやすい目標を掲げていない状態は、自由であると同時にとても不安定であり、いつも自分の精神状態をコントロールすることに神経を使ってきました。
一昨年の春に一度生活環境をガラッと変え、その後の一年はひたすらピンと来たものに手を出しまくりました。おかげで大学に通っていた時より、大分幅広いツールを使えるようになったと思います。しかし、一昨年はかなり行き当たりばったりで創作をしていたので、いつも「この作業が今後どのように将来につながるか」という点が不鮮明で、モチベーションを保つのが大変でした。
性格的に「頑張ってればいつか道は開けるよ」という言い分では、どうにも納得できないんですよね。いつかっていつだよ、って思ってしまう。だから、毎回毎回こじつけでも「これは○○のために勉強しているんだ」と自分に言い聞かせていました。(まぁ、かなりの割合で「自分のスキルが上がればサークルに貢献できる」という所で落ち着くのですが)
楽しいと思うことだけやってる、飽きたらやめる、というわけにもいかないので、モチベーションが下がりそうなときは、そうやってやり過ごしてきました。
そして2014年の一年は、ヤケになりました(ぇ)
もう、質の高い作品とか、おもしろいものとか、サークル全体で成功するとか、そういう拘りを捨てました。オリジナルだろうが、二次創作だろうが、同人向けだろうが、商業向けだろうが、個人だろうが、サークルだろうが、とにかく“現状”に取りあえずの結果を出そうと。
今になって振り返ると、結構焦っていたんだと思います。このまま、また一年何の結果も得られずに過ごしてしまったら、確実に精神的に潰れるな、と。
幸い、ヤケになったおかげで(?)オリジナルでも二次創作でも、最低限モチベーションを保てるだけの結果が出ました。もちろん、まだまだ公に自慢できるようなものではないし、自分の立ち位置がいまだ底辺なのは変わりありませんが、自分なりに実りある年にできたと思います。
ただし去年一年、個人的な制作に偏ってしまいがちだったので、サークルの目に見える部分での活動が疎かになってしまいました。(裏では結構活動していたんですが…)
日頃から、何をするにも基本はサークル活動と繋げて日常を過ごしていますが、自分の作品に最低限の結果がついても、まだサークルに表だって影響を与える程ではない、直接サークルに貢献できているわけではないと感じています。おそらくそれは、私の中で並行しているいくつもの創作活動、その結果、成果が、どれも付け焼刃であるせいでしょう。まだ、実力にしきれていないという感じですかね。
なので今年の目標は、その付け焼刃をしっかりと自分の一部にすることです。
ようやく取っ掛かりを掴んだものも、今のままでは少し気を抜いた瞬間に全部水の泡になってしまうと思います。だから今年は、それらが気張らなくても常に自分のキャリアとして当然のものになるよう、頑張りたいと思います。
2015年は運や環境に翻弄されない、実力をつける年にしていきたいです。
aki
遊木です。

…描き終わってから「鬼灯様って…もしかして縁起悪…い?」と思った←
本当は第2回ラリー小説のネタで更新しようかと思ったのですが、新年一発目と言うことで、去年の反省や今年の抱負などをつらつら書こうと思います。
まず最初に、去年は私個人として、そこそこ実りある一年でした。
大学4年の卒業制作シーズンまっただ中でRandom Walkを創設してから、私の生活の軸はずっと「創作活動」でした。しかし、就職する、どこかでデビューする、というわかりやすい目標を掲げていない状態は、自由であると同時にとても不安定であり、いつも自分の精神状態をコントロールすることに神経を使ってきました。
一昨年の春に一度生活環境をガラッと変え、その後の一年はひたすらピンと来たものに手を出しまくりました。おかげで大学に通っていた時より、大分幅広いツールを使えるようになったと思います。しかし、一昨年はかなり行き当たりばったりで創作をしていたので、いつも「この作業が今後どのように将来につながるか」という点が不鮮明で、モチベーションを保つのが大変でした。
性格的に「頑張ってればいつか道は開けるよ」という言い分では、どうにも納得できないんですよね。いつかっていつだよ、って思ってしまう。だから、毎回毎回こじつけでも「これは○○のために勉強しているんだ」と自分に言い聞かせていました。(まぁ、かなりの割合で「自分のスキルが上がればサークルに貢献できる」という所で落ち着くのですが)
楽しいと思うことだけやってる、飽きたらやめる、というわけにもいかないので、モチベーションが下がりそうなときは、そうやってやり過ごしてきました。
そして2014年の一年は、ヤケになりました(ぇ)
もう、質の高い作品とか、おもしろいものとか、サークル全体で成功するとか、そういう拘りを捨てました。オリジナルだろうが、二次創作だろうが、同人向けだろうが、商業向けだろうが、個人だろうが、サークルだろうが、とにかく“現状”に取りあえずの結果を出そうと。
今になって振り返ると、結構焦っていたんだと思います。このまま、また一年何の結果も得られずに過ごしてしまったら、確実に精神的に潰れるな、と。
幸い、ヤケになったおかげで(?)オリジナルでも二次創作でも、最低限モチベーションを保てるだけの結果が出ました。もちろん、まだまだ公に自慢できるようなものではないし、自分の立ち位置がいまだ底辺なのは変わりありませんが、自分なりに実りある年にできたと思います。
ただし去年一年、個人的な制作に偏ってしまいがちだったので、サークルの目に見える部分での活動が疎かになってしまいました。(裏では結構活動していたんですが…)
日頃から、何をするにも基本はサークル活動と繋げて日常を過ごしていますが、自分の作品に最低限の結果がついても、まだサークルに表だって影響を与える程ではない、直接サークルに貢献できているわけではないと感じています。おそらくそれは、私の中で並行しているいくつもの創作活動、その結果、成果が、どれも付け焼刃であるせいでしょう。まだ、実力にしきれていないという感じですかね。
なので今年の目標は、その付け焼刃をしっかりと自分の一部にすることです。
ようやく取っ掛かりを掴んだものも、今のままでは少し気を抜いた瞬間に全部水の泡になってしまうと思います。だから今年は、それらが気張らなくても常に自分のキャリアとして当然のものになるよう、頑張りたいと思います。
2015年は運や環境に翻弄されない、実力をつける年にしていきたいです。
aki
水彩色鉛筆画メイキング
はい遊木です。
先日予告していた水彩画のメイキングを載せます。
まぁー…すごいざっくりですよ。
メイキング載せるほど特別なことしてないので。
■使用道具
エスキース(デジタル)…SAI
本描き…鉛筆、水彩色鉛筆
①エスキース作成
ハイ、まずどういう絵にするか悩みに悩みます。ぶっちゃけこの時間がほとんどでした。
今回は出産祝いということで、柔らかいイメージに。
絵柄はイラストチックにするか、絵本チックにするかなど迷いましたが、最終的には「渡す相手がいる」ということで、ストレートに写実にしました。
この時点では花が背景にいます。

②下描き
エスキースを印刷し、トレース台で線だけ拾います。
ポイントはデジタルでエスキースを作る時点で、画用紙サイズでデータを作っておくことです。
縮小拡大すると印刷後に線画が荒れるので。
ここで表情などの修正を入れます。

③塗り―肌
肌を塗っていきます。
今回はエスキースで配色を大まかに決めているので、肌は肌でガッツリ色乗せちゃってます。

赤や茶色で陰影をつけていきます。
今回の絵の場合は、色が濁るので陰影表現でも黒は使いません。

(見にくい写真しかなかった…)
④塗り―服、髪
その他の部分にも色を置いていきます。
この時点で大分エスキースの配色と違ってきてますが、良くあることです。良くあることです…。

濃さを使い分けてシワなどに厚みをつけていきます。
ここまでは水彩色鉛筆は全部水で溶かしてます。

⑤人物仕上げ
絵から水気が飛んだら、色鉛筆(水に溶かさない)で濃さの調整や服のシワなどの細部の描き込みをします。
色鉛筆はうすーくうすーく塗るのを繰り返して、濃さを付けていきます。
ただし、今回は写実性より雰囲気が大事な絵なので、あまり立体的にしないようにしてます。

⑥背景
エスキースでは花が入っていましたが、雰囲気壊しそうだと判断して全面カットしました。
うっすら色をのせておしまいです。

今回の制作で思ったこと。
水張りはちゃんとすべきだった←
久しぶりにアナログ作業しましたが、やっぱりデジタルより集中して作業できるなぁと思いました。あと、気付くと左手が[Ctrl]+[z]やろうとしてた…。

ではでは失礼。
aki
先日予告していた水彩画のメイキングを載せます。
まぁー…すごいざっくりですよ。
メイキング載せるほど特別なことしてないので。
■使用道具
エスキース(デジタル)…SAI
本描き…鉛筆、水彩色鉛筆
①エスキース作成
ハイ、まずどういう絵にするか悩みに悩みます。ぶっちゃけこの時間がほとんどでした。
今回は出産祝いということで、柔らかいイメージに。
絵柄はイラストチックにするか、絵本チックにするかなど迷いましたが、最終的には「渡す相手がいる」ということで、ストレートに写実にしました。
この時点では花が背景にいます。

②下描き
エスキースを印刷し、トレース台で線だけ拾います。
ポイントはデジタルでエスキースを作る時点で、画用紙サイズでデータを作っておくことです。
縮小拡大すると印刷後に線画が荒れるので。
ここで表情などの修正を入れます。

③塗り―肌
肌を塗っていきます。
今回はエスキースで配色を大まかに決めているので、肌は肌でガッツリ色乗せちゃってます。

赤や茶色で陰影をつけていきます。
今回の絵の場合は、色が濁るので陰影表現でも黒は使いません。

(見にくい写真しかなかった…)
④塗り―服、髪
その他の部分にも色を置いていきます。
この時点で大分エスキースの配色と違ってきてますが、良くあることです。良くあることです…。

濃さを使い分けてシワなどに厚みをつけていきます。
ここまでは水彩色鉛筆は全部水で溶かしてます。

⑤人物仕上げ
絵から水気が飛んだら、色鉛筆(水に溶かさない)で濃さの調整や服のシワなどの細部の描き込みをします。
色鉛筆はうすーくうすーく塗るのを繰り返して、濃さを付けていきます。
ただし、今回は写実性より雰囲気が大事な絵なので、あまり立体的にしないようにしてます。

⑥背景
エスキースでは花が入っていましたが、雰囲気壊しそうだと判断して全面カットしました。
うっすら色をのせておしまいです。

今回の制作で思ったこと。
水張りはちゃんとすべきだった←
久しぶりにアナログ作業しましたが、やっぱりデジタルより集中して作業できるなぁと思いました。あと、気付くと左手が[Ctrl]+[z]やろうとしてた…。

ではでは失礼。
aki
作業の友 ~ vocaloid music play list vol.04
須々木です。
毎年この時期はいろいろなことに忙殺されているのですが、すべりこみ第4弾でーす。
机の周りとか片づけて年を越したいものですが、はて。
んなわけで、vol.01、vol.02、vol.03に引き続き、作業BGM(ボカロ)を適当にチョイス。
今回も20曲をピックアップしています。
選曲基準はフィーリング。。
聞くときは、音量やや大きめでお楽しみいただければと思います。
※上から、タイトル、ボカロ(楽曲製作者)、投稿日、須々木による適当なコメント。斜体は歌詞引用とか。
61. 月光潤色ガール
初音ミク・GUMI(れるりり) 2014/12/07
カッコ良くて優しくて物悲しい。
それらの絶妙なバランスと耳に残るフレーズが癖になる。
曲の特徴は一言で言いあらわしにくいが、クオリティーの高さだけは確か。
62. IMAGINARY LIKE THE JUSTICE
GUMI(ナナホシ管弦楽団) 2012/09/17
ギターがとにかく印象的な曲。
とりあえず間奏とかでも荒れ狂っている。
歌とギターがぶつかり合って巨大なパワーを感じる。
そして、歌詞はなかなかイカした厨二である。
63. 非公開日誌
GUMI(みきとP) 2013/01/17
ありそうでなかった雰囲気かもしれない。
アップテンポな絵本のような。
そして、サビも当然のように素晴らしい。
64. First Kiss and…
初音ミク(ウゴP) 2014/05/19
雰囲気でまくりな曲。
綺麗だけど、それだけに留まらず。
終盤の展開は圧巻。
65. Splatter Party
初音ミク(かめりあ) 2013/04/19
ここで敢えてこれを。
タイトルの通りで、まったくタイトル負けしていないところがすごい。
”ラン ランラ ランランラン”・・・
”ランランランラン ランランラン”・・・
66. オノマトペメガネ
初音ミク(ねこぼーろ) 2014/10/02
制作者の世界観を感じさせる独特な雰囲気の曲。
聞けば聞くほど味が出る。
67. メルヘン彼氏とメルヘン彼女
鏡音リン・鏡音レン(Nem) 2013/07/22
何もかもが見事にハマり、ハマり過ぎている。
これ以上にない完璧なデュエット。
そして、これを敢えて「メルヘン」と形容するセンス。
68. さかさシンドローム
初音ミク(19's Sound Factory) 2013/03/25
安定のカッコよさ、疾走感。
何度も聞きたい曲。
69. 神様の云う通り
GUMI(西沢さんP) 2013/03/27
カッコ良く心地良いロックサウンド。
最初から最後までまったく無駄なく魅せてくる。
70. ウィンターレイン
GUMI(Task) 2014/11/17
張りつめた空気、ドラマチックに進む時計。
“ウィンターレイン”の情景が迫ってくるような楽曲。
曲のカッコ良さもさることながら、歌詞が良い。
71. シャララ
初音ミク(黒うさP) 2013/01/22
シンプルにただ真っ直ぐにひたすらに名曲。
みんなで歌えば世界は平和になる。
72. よるのゆめ
歌愛ユキ(想太) 2014/10/15
キラキラとして澄み渡る曲。
素敵切ない綺麗な夜を。
73. Lilily☆Nation
Lily(DJ'TEKINA//SOMETHING(ゆよゆっぺ)) 2013/02/02
自然とテンションの上がってくる曲。
特に後半は、怒濤の上がりっぷり。
振り切れそうなほどに。
74. 未来景イノセンス
初音ミク(電ポルP) 2014/11/13
もう入りのところから全てが好みドンピシャ。
良すぎる。
75. 好き!雪!本気マジック
初音ミク(Mitchie M) 2014/02/01
総合的にクオリティーが圧倒的な曲。
一見すると可愛らしさが先行しているようにも見えるが、それだけに留まらないところが良い。
76. ハロー、オレ神様。
初音ミク(黒田亜津) 2013/09/04
脱力系な雰囲気からの後半。
一度聞けば忘れないし、いつかこの曲に戻って来る。
思い悩み行き詰まるすべての人へ。
77. アッカンベーダ
MAYU(ピノキオP) 2014/02/23
何がすごいのかわからないがスゴイ。
奇抜なことをしているわけでもないはずなのに、とにかく凄まじく迫って来る。
78. 掌中の珠
GUMI(164) 2014/11/13
静かなところでしっかり聞いて欲しい曲。
ただ純粋に名曲と思う。
79. Snow Song Show
初音ミク(sasakure.UK×DECO*27) 2012/12/12
ちょっと過ぎちゃいましたが、ここでクリスマスソングを。
歌いつくされたようにも思えるクリスマスに、新たなストーリーを添えて。
80. ミュージックラウンド
初音ミク・鏡音リン・鏡音レン・GUMI・IA(あん) 2013/09/06
最後に平和で明るい気持ちになる曲を。
※vol.05 (81~100) はこちら!
sho
毎年この時期はいろいろなことに忙殺されているのですが、すべりこみ第4弾でーす。
机の周りとか片づけて年を越したいものですが、はて。
んなわけで、vol.01、vol.02、vol.03に引き続き、作業BGM(ボカロ)を適当にチョイス。
今回も20曲をピックアップしています。
選曲基準はフィーリング。。
聞くときは、音量やや大きめでお楽しみいただければと思います。
※上から、タイトル、ボカロ(楽曲製作者)、投稿日、須々木による適当なコメント。斜体は歌詞引用とか。
61. 月光潤色ガール
初音ミク・GUMI(れるりり) 2014/12/07
カッコ良くて優しくて物悲しい。
それらの絶妙なバランスと耳に残るフレーズが癖になる。
曲の特徴は一言で言いあらわしにくいが、クオリティーの高さだけは確か。
62. IMAGINARY LIKE THE JUSTICE
GUMI(ナナホシ管弦楽団) 2012/09/17
ギターがとにかく印象的な曲。
とりあえず間奏とかでも荒れ狂っている。
歌とギターがぶつかり合って巨大なパワーを感じる。
そして、歌詞はなかなかイカした厨二である。
63. 非公開日誌
GUMI(みきとP) 2013/01/17
ありそうでなかった雰囲気かもしれない。
アップテンポな絵本のような。
そして、サビも当然のように素晴らしい。
64. First Kiss and…
初音ミク(ウゴP) 2014/05/19
雰囲気でまくりな曲。
綺麗だけど、それだけに留まらず。
終盤の展開は圧巻。
65. Splatter Party
初音ミク(かめりあ) 2013/04/19
ここで敢えてこれを。
タイトルの通りで、まったくタイトル負けしていないところがすごい。
”ラン ランラ ランランラン”・・・
”ランランランラン ランランラン”・・・
66. オノマトペメガネ
初音ミク(ねこぼーろ) 2014/10/02
制作者の世界観を感じさせる独特な雰囲気の曲。
聞けば聞くほど味が出る。
67. メルヘン彼氏とメルヘン彼女
鏡音リン・鏡音レン(Nem) 2013/07/22
何もかもが見事にハマり、ハマり過ぎている。
これ以上にない完璧なデュエット。
そして、これを敢えて「メルヘン」と形容するセンス。
68. さかさシンドローム
初音ミク(19's Sound Factory) 2013/03/25
安定のカッコよさ、疾走感。
何度も聞きたい曲。
69. 神様の云う通り
GUMI(西沢さんP) 2013/03/27
カッコ良く心地良いロックサウンド。
最初から最後までまったく無駄なく魅せてくる。
70. ウィンターレイン
GUMI(Task) 2014/11/17
張りつめた空気、ドラマチックに進む時計。
“ウィンターレイン”の情景が迫ってくるような楽曲。
曲のカッコ良さもさることながら、歌詞が良い。
71. シャララ
初音ミク(黒うさP) 2013/01/22
シンプルにただ真っ直ぐにひたすらに名曲。
みんなで歌えば世界は平和になる。
72. よるのゆめ
歌愛ユキ(想太) 2014/10/15
キラキラとして澄み渡る曲。
素敵切ない綺麗な夜を。
73. Lilily☆Nation
Lily(DJ'TEKINA//SOMETHING(ゆよゆっぺ)) 2013/02/02
自然とテンションの上がってくる曲。
特に後半は、怒濤の上がりっぷり。
振り切れそうなほどに。
74. 未来景イノセンス
初音ミク(電ポルP) 2014/11/13
もう入りのところから全てが好みドンピシャ。
良すぎる。
75. 好き!雪!本気マジック
初音ミク(Mitchie M) 2014/02/01
総合的にクオリティーが圧倒的な曲。
一見すると可愛らしさが先行しているようにも見えるが、それだけに留まらないところが良い。
76. ハロー、オレ神様。
初音ミク(黒田亜津) 2013/09/04
脱力系な雰囲気からの後半。
一度聞けば忘れないし、いつかこの曲に戻って来る。
思い悩み行き詰まるすべての人へ。
77. アッカンベーダ
MAYU(ピノキオP) 2014/02/23
何がすごいのかわからないがスゴイ。
奇抜なことをしているわけでもないはずなのに、とにかく凄まじく迫って来る。
78. 掌中の珠
GUMI(164) 2014/11/13
静かなところでしっかり聞いて欲しい曲。
ただ純粋に名曲と思う。
79. Snow Song Show
初音ミク(sasakure.UK×DECO*27) 2012/12/12
ちょっと過ぎちゃいましたが、ここでクリスマスソングを。
歌いつくされたようにも思えるクリスマスに、新たなストーリーを添えて。
80. ミュージックラウンド
初音ミク・鏡音リン・鏡音レン・GUMI・IA(あん) 2013/09/06
最後に平和で明るい気持ちになる曲を。
※vol.05 (81~100) はこちら!
sho
12月のいろいろまとめ
どうも遊木です。
本日から冬の祭典ですね。…まぁ私は行かんがね。行きたいけどね!(血涙)
来年はサークルで参加できたらなぁと思います。
さて、12月は思ったよりブログが更新できなかったので、ここでまとめて12月中何をしてたか書いちゃいます。
〇12/11、12
ちょっくら帰省しました。
そのときに、昔住んでいた家や遊んでいた神社、小学校などを散歩がてら見て回ったのですが、どれもこれも、なんだかすごく小さく感じました。道ひとつとっても「こんな狭い道だったっけ」と思ったり、神社の階段も随分短く感じたり。小さい頃は十分な遊び場だった場所も、大人になって見ると全然違う場所になるんですね。
昔のまま変わらないもの、なくなったもの、いろいろありましたが、それでもやっぱりそこかしこに昔の思い出が残っているようで、なんだかすごいノスタルジーでした。
〇12/15
魁ちゃん(旧メンバー)と鬼灯の冷徹先行上映を見てきました。

おもしろかったです!
座敷ツインズが大変かわいくて、そして猫好好+ねうねうの声が予想より低くて笑いました。
鬼灯様+座敷童の組み合わせが大好きなのでずっと劇場で悶えてましたが、となりで魁ちゃんもずっと笑ってたし、後ろにいたお姉さんもしょっぱなから吹き出していたので皆似たようなものでしょう。うん。
〇12/17
やや前に母から依頼されていた、知人の出産祝いの絵を渡しました。

何が大変だったって、ぺらい画用紙のまま渡すわけにもいかないので、額縁を探そうということになったのですが、ぶっちゃけこの額縁探しが一番大変でした。
F4(A4じゃ小さいかなぁと思って)で制作したために丁度良いサイズがなかなか見つからず、もう横浜中の店を回りましたよ…。次からは潔くAかBサイズで作ります(ショボン
デジカメでざっくり制作過程を撮っていたので、それは別記事であげます。完成品とエスキースはpixivに上げてるので、(写真なので大分見にくいですが)良かったらこちらをどうぞ。
〇12/22
旧サークルメンバーも交えて忘年会をしました。

最初にメインのたこ焼きをおいしく頂き、その後は人狼、カタン、トランプなどをして、翌朝まで遊びつくしました。最後まで残ったのは私と、須々木氏+旧メンバー2人の計4人だったので、来年は5人を目指して頑張り(?)ます。
およそ〇年ぶりにトランプの大富豪をしましたが、最後まで残っていたやすじーとくどうくん(旧メンバー)がちょいちょい面白いことをやらかしていたので、最後まで大変楽しかったです。室内ゲーム楽しい←引きこもり思考
でも結構な量のお菓子が残ってしまったので、近いうちにお菓子パーティやりたい。
じゃないと私がつまんでしまう。そして大変肥えてしまう。
↑↑の写真は主にのぞみんが描いたものです。
右下が私の背中ですれて消えてしまいましたが、本当は二足歩行のトナカイがいました。
〇12/24
まぁ…混むと承知で水族館に行きました。ハイ、カップルが多かったですね。
取りあえずいくつか写真を紹介をば。
・ちんあなーご

・イルカが跳ねた瞬間

・何故かすごいイチャついていたオタリア

・カワウソの激しい食事

・妙な緊張感を覚えるアザラシ

・ジンベエさん

イブだったので当然カップルが多数いましたが、クリスマス系の企画が25日までだったので「混んでようが知ったこっちゃねぇ!」と急遽行きました。まぁいつも空いてるときに行くし、たまには人ごみに揉まれるのも良いかな…と。
でもクリスマス企画を見るためにいつもと違うリズムで回ったら、これまたいつもと違う様子の動物たちを見れたので結果オーライです。生き物可愛い!
水族館楽しいです。
正直、定期買って毎週行きたいぐらいです。
〇12/26
第2回ラリー小説をツイッターで行いました。(ルール、第1回のまとめなどはこちら)
第2回の様子はこちらをどうぞ。
このラリー小説の様子を見ると、サークルメンバーの人柄がわかると思います。…アホが露見するとも言います。
読んでいただくとわかると思いますが…何故か私がアンカーにされたので、これについても別記事を近いうちに書きます。なんでだ…なんで私がアンカーなんだ…。
おもな行事はこれくらいでしょうか…?
あとは現在短期集中で、LINEスタンプをメンバーで作ってます。もうすぐ完成すると思いますが…審査は時間かかるからなぁ…。
審査に通らなくてもサイトとかで使うと思うので、いつかお目見えできると思います。
とりあえずこんな感じで!
aki
本日から冬の祭典ですね。…まぁ私は行かんがね。行きたいけどね!(血涙)
来年はサークルで参加できたらなぁと思います。
さて、12月は思ったよりブログが更新できなかったので、ここでまとめて12月中何をしてたか書いちゃいます。
〇12/11、12
ちょっくら帰省しました。
そのときに、昔住んでいた家や遊んでいた神社、小学校などを散歩がてら見て回ったのですが、どれもこれも、なんだかすごく小さく感じました。道ひとつとっても「こんな狭い道だったっけ」と思ったり、神社の階段も随分短く感じたり。小さい頃は十分な遊び場だった場所も、大人になって見ると全然違う場所になるんですね。
昔のまま変わらないもの、なくなったもの、いろいろありましたが、それでもやっぱりそこかしこに昔の思い出が残っているようで、なんだかすごいノスタルジーでした。
〇12/15
魁ちゃん(旧メンバー)と鬼灯の冷徹先行上映を見てきました。

おもしろかったです!
座敷ツインズが大変かわいくて、そして猫好好+ねうねうの声が予想より低くて笑いました。
鬼灯様+座敷童の組み合わせが大好きなのでずっと劇場で悶えてましたが、となりで魁ちゃんもずっと笑ってたし、後ろにいたお姉さんもしょっぱなから吹き出していたので皆似たようなものでしょう。うん。
〇12/17
やや前に母から依頼されていた、知人の出産祝いの絵を渡しました。

何が大変だったって、ぺらい画用紙のまま渡すわけにもいかないので、額縁を探そうということになったのですが、ぶっちゃけこの額縁探しが一番大変でした。
F4(A4じゃ小さいかなぁと思って)で制作したために丁度良いサイズがなかなか見つからず、もう横浜中の店を回りましたよ…。次からは潔くAかBサイズで作ります(ショボン
デジカメでざっくり制作過程を撮っていたので、それは別記事であげます。完成品とエスキースはpixivに上げてるので、(写真なので大分見にくいですが)良かったらこちらをどうぞ。
〇12/22
旧サークルメンバーも交えて忘年会をしました。

最初にメインのたこ焼きをおいしく頂き、その後は人狼、カタン、トランプなどをして、翌朝まで遊びつくしました。最後まで残ったのは私と、須々木氏+旧メンバー2人の計4人だったので、来年は5人を目指して頑張り(?)ます。
およそ〇年ぶりにトランプの大富豪をしましたが、最後まで残っていたやすじーとくどうくん(旧メンバー)がちょいちょい面白いことをやらかしていたので、最後まで大変楽しかったです。室内ゲーム楽しい←引きこもり思考
でも結構な量のお菓子が残ってしまったので、近いうちにお菓子パーティやりたい。
じゃないと私がつまんでしまう。そして大変肥えてしまう。
↑↑の写真は主にのぞみんが描いたものです。
右下が私の背中ですれて消えてしまいましたが、本当は二足歩行のトナカイがいました。
〇12/24
まぁ…混むと承知で水族館に行きました。ハイ、カップルが多かったですね。
取りあえずいくつか写真を紹介をば。
・ちんあなーご

・イルカが跳ねた瞬間

・何故かすごいイチャついていたオタリア

・カワウソの激しい食事

・妙な緊張感を覚えるアザラシ

・ジンベエさん

イブだったので当然カップルが多数いましたが、クリスマス系の企画が25日までだったので「混んでようが知ったこっちゃねぇ!」と急遽行きました。まぁいつも空いてるときに行くし、たまには人ごみに揉まれるのも良いかな…と。
でもクリスマス企画を見るためにいつもと違うリズムで回ったら、これまたいつもと違う様子の動物たちを見れたので結果オーライです。生き物可愛い!
水族館楽しいです。
正直、定期買って毎週行きたいぐらいです。
〇12/26
第2回ラリー小説をツイッターで行いました。(ルール、第1回のまとめなどはこちら)
第2回の様子はこちらをどうぞ。
このラリー小説の様子を見ると、サークルメンバーの人柄がわかると思います。…アホが露見するとも言います。
読んでいただくとわかると思いますが…何故か私がアンカーにされたので、これについても別記事を近いうちに書きます。なんでだ…なんで私がアンカーなんだ…。
おもな行事はこれくらいでしょうか…?
あとは現在短期集中で、LINEスタンプをメンバーで作ってます。もうすぐ完成すると思いますが…審査は時間かかるからなぁ…。
審査に通らなくてもサイトとかで使うと思うので、いつかお目見えできると思います。
とりあえずこんな感じで!
aki
「ネット空間における同人系即売会」に関する考察(その2)
須々木です。
続きはまた改めて~とか言っていた記事の続きです。
だいぶ日が経ってしまいましたが・・・。
未読の方や、内容を忘れてしまった方は、読み直してもらうのがよろしいかと。。
→「ネット空間における同人系即売会」に関する考察(その1)
さて、サクッと本題に入りましょう。
11月28日~12月1日にかけて開催された「APOLLO」を切り口に、「ネット空間における同人系即売会」を議論しようとしていたわけです。
そして、論点として以下の4つを挙げました。
① 音楽以外のジャンルにも広がりを見せるのか?
② 広がったとして、そのまま定着していくのか?
③ リアルの即売会(コミケなど)にどのような影響を与えるのか?
④ そもそもこの流れは、何を意味しているのか?
4つ並べはしましたが、最終的にはすべて④に集約されるので、そんな感じで話を進めていきましょう。
まず、①~③については、先に結論を述べておきます。
① 音楽以外のジャンルにも広がりを見せるのか?
→ 技術的制約をクリアできるものから順に、サブカルのあらゆるジャンルに広がっていくと思われる。
② 広がったとして、そのまま定着していくのか?
→ 一過性のものではなく、徐々に定着していくと思われる。
③ リアルの即売会(コミケなど)にどのような影響を与えるのか?
→ 競合より相乗効果の方が大きく、全体として同人業界の拡大に寄与すると思われる。
ということで、理由もあげずに個人的見解だけ書きましたが、以下で、④に答えつつ、①~③の理由についても触れていきます。
さて、どこから話を始めるべきか・・・
とりあえず、どうしてpixivが「同人音楽」に手を出したのかという点について。
※当たり前ですが、すべて僕の個人的見解です。
「ネット空間における同人系即売会」という論点とは少し離れますが、なぜ「イラスト」のpixivが「音楽」に手を伸ばしたのか?
この後で述べていくことになる“大きな流れ”が前提となりますが、表面的には、以下のように考えられると思います。
・事業拡大(収益確保)のために、縄張りを拡大させたい。広告収入モデルは飽和状態に達しつつあるため、それに頼っていては今後の発展が怪しい。
・近年の同人音楽の勢いは結構すごい。特に、若年層を多くひきつけているので、彼らが経済力を持つ頃に収益性がアップする可能性がある。
pixivがBOOTHを始めたのも、この文脈に合致すると思いますが、事業拡大(収益確保)が大きいでしょう。
ネットにおけるイラスト公開の場として、pixivの存在感は絶大です。
むしろ、絶大過ぎて、次にどこを目指すべきか?という感じです。
そこで、新たな領域に手をだし、同時に収益性のアップを画策しているのではないかと。
ユーザーから金をとるのは、広告収入モデルにネガティブな影響を与えるのであまり推進できません。
すると、これらとは別の方法を模索する必要があります。
そこで、同人作品のネット売買、すなわち「BOOTH」に至ったわけです。
現状を見る限り、多くの人が望んでいたサービスであり、反応は上々という印象です。
そして、さらにこの流れを推し進めるための起爆剤が「WEB同人即売会」となるわけです。
しかし、「同人誌」や「イラスト」を売買の対象としてしまうと、すでに確保している自分のテリトリーの中で小さく収まってしまいますし、自分ですでに展開しているサービスとの間でつぶしあいになってしまいます。
すると、この状況で残された選択肢は、「同人音楽」と「同人ゲーム」です。
同人業界において一定の需要があり、商品をデジタルデータとして扱えるというのが必須条件です。
この2つのうち、「同人ゲーム」については、
・成人指定作品の存在感が大きすぎる。
・「音楽」の視聴と比べると、お試しのハードルが高い(技術的制作を含む)。
・制作の手間が大きく、参加者を確保しにくい。
・商品単価が高くなり、気軽に買えなくなってしまう。
・・・というような理由で、「初の試み」としてリスクが高くなってしまいます。
そうすると、消去法でも「同人音楽」が残ります。
一方で、考慮しなくてはならないのが、先行する「ニコニコ動画」との関係です。
「同人音楽」(特にボカロ)に関しては、ニコニコが圧倒的なことは言うまでもありません。
よって、単に「同人音楽を発表する場」では、活路を見出せません。
そもそも、現状において、勢いづいているとは言っても、「同人音楽」の市場規模はたかが知れています。
客層の多くが経済力のない若年層である点が大きく影響していると思われますが、そのような市場での「奪い合い」は得策ではありません。
むしろ、市場開拓を進め、将来への布石とする方が良い。
そう考えると、今回「同人音楽」以上に「即売会」であることをプッシュし、ニコニコとの差別化を図ったことは理に適っている印象です。
「(おそらく)初のWEB同人即売会」というのは、宣伝文句としてインパクトがありますし、このまま新分野のパイオニアとして、その地位を確立してしまいたいのでしょう。
※pixivが「イラスト」を売買の対象としにくいのと同様に、ニコニコは「音楽」を売買の対象としにくい。自分の先行サービスと競合してしまうというジレンマを潜在的に抱えています。
ただ、このような棲み分け状態が今後も続くのかといえば、かなり怪しい気がします。
共存か競合か?
ニコニコはすでに「動画」のみならず「静画」に手を出していますし、言い方を工夫してはいても、pixivは「音楽」に手を出しました(「動画」っぽいものにも既に手を出しましたし)。
すでに、「イラスト」はpixiv、「動画」はニコニコという完全な棲み分けはかなり崩れてきています。
状況的に、あらゆる競合を避けるというのは厳しいような気がします。
その際に、それぞれが持つ強みがポイントになると思います。
ニコニコとしては、とりあえず「KADOKAWA」とのつながりが大きいでしょう。
対するpixivは、「リアルの即売会」との結びつきを強めていることが大きいでしょう。
この点からも、pixivが今回、「即売会」から攻めたのは、戦略的なものを感じます。
得意分野を足場にして、新領域に少しずつ踏み込んでいる感じです。
いずれにせよ、様子を見つつ互いに動き出している印象であり、どちらも座して待つわけにはいかなくなっているような気がします。
そんなわけで、「WEB同人音楽即売会」ですが、以上の話から、「音楽」からスタートするのが妥当だと思いますが、「音楽」に限定する必然性はないでしょう。
むしろ、ポイントは「WEB同人即売会」であり、可能なら他のジャンルにも広げていきたいと考えていることでしょう。
このことは、BOOTHで扱っているものを考えれば明らかです。
というわけで、pixivは「音楽」に限定せず、広く「WEB同人即売会」を展開したいと考えていると推測できます。
しかし、これはそのまま「WEB同人即売会」の定着を意味するものではありません。
コミケなどの「リアルの同人即売会」と同様の広がりと定着を見せるのかどうかという点は、pixivの戦略とは別次元のものです。
同人を愛する人々に受け入れられるかどうか?
そもそも、「同人即売会」においては、「場の共有」がとても重要な要素となります。
対面によるやり取り、肌で感じる空間の高揚感などは、単なる売買の空間であること以上に大きな意味を持っていると思われます。
「WEB同人即売会」の定着は、基本的には、このハードルをクリアすることを意味するはずです。
ネット空間における「場の共有」(っぽい感覚)。
これは、ツイッター上で同時に「バルス!!」とツイートする昨今の状況を見れば、感覚的に可能だという印象を受けます。
また、この点で、もっとも巧妙かつ大規模に切り込んできたのが、ニコニコ動画のコメント機能です。
動画を視聴する人それぞれのタイムラグを、動画の再生時間を基準に補正することで、まるで同時にみんなで見ているかのような感覚を生み出す。
こうして生み出された一体感は、明らかに独特の雰囲気をもつ「場」を生み出しています(同時に、YouTubeとの見事な差別化を果たしている)。
つまり、人間の認識として、「リアル/ネット」の障壁を破ることは可能と思われます。
現在、明らかにこの障壁は希薄化しつつあるので、この流れで行けば、「即売会」に求められる「場の共有」の感覚はネット空間であっても達成できそうです。
※今年のメディア芸術祭に触れた記事でも、「デジタル/アナログ」の境界が曖昧になってきた点について言及しているが、同人即売会においてもあてはまると言える。
さらに、対面によるやり取り、肌で感じる空間の高揚感についても、究極的には「情報」であることを考えれば、デジタルデータとして扱える技術が登場する可能性があり、理屈の上ではすべてをネット空間で再現できるようになると考えることができます。
※インターフェイスは明らかにその方向に向かっている。特に、ヘッドマウントディスプレイが普及していけば、技術的障壁は極端に下がる。
というわけで、「WEB同人即売会」を人々が受け入れるだけの素地(心理的側面と技術的側面の両方)はすでにかなりあると言うことができ、その流れで定着していく可能性は高いと推測できます。
そうすると、気になるのは「リアルの即売会」との関係です。
「WEB同人即売会」は「リアルの同人即売会」(コミケなど)にどのような影響を与えるのでしょうか?
「WEB同人即売会」がそれなりに広がっていった状況を想定し、その場合、「リアルの同人即売会」との間にどのような差異が現れるか推測してみました。
「リアルの同人即売会」:
・質的コミュニケーションの場(より密度の濃い対面コミュニケーション、ある種の同窓会的機会を提供)。
・販売に関しては、疑似的なロングテール(リアルだと容易に利益は出せないが、多様性、個々の物量の少なさという点ではかなり近い)。
・ブランド向上効果(参加することが一種のステータスになる。本当の意味で聖地化)。
・一体感を出しやすい。
・面倒(初心者がいきなり踏み込むのはキツイ)。
「WEB同人即売会」:
・量的コミュニケーションの場(密な交流は厳しいが、そのかわりたくさんの人と関わる機会を持てる)。
・真のロングテールが成立。利益確保(デジタルデータ販売に特化すれば、生産、輸送、保管コストを大幅に削減し、在庫の心配もいらない)。
・一体感の創出がやや困難。
・より気軽に客を呼び込める(関わるきっかけとして、より適している)。
※「ロングテール」について、わからない人はwikipediaへ!
これらを見ると、両者が互いに弱点を補強しあう関係であることがわかります。
特に、収益性に関しては、はっきりと違いが出ます。
現状、リアルの同人即売会で黒字化は厳しいものがあります(一部の大手を除く)。
この点に関して、それを承知の上で参加する人が現時点での「場」を構成していると考えられますが、「WEB同人即売会」が成立すると、ここに大きな影響を与えると思われます。
「WEB同人即売会」では実質的に赤字とはならない、つまり、利益が出やすくなります。
すると、「WEB同人即売会」と「リアルの同人即売会」を併用することで、リアルの赤字を補填することもできます。
そうすると、売り物の価格はより低く設定することが可能となります。
全体として価格帯が下がれば、買う方のハードルも下がります。
予算が少なくても手を出せるし、同じ予算なら多くのものを買えます。
故に、活性化(市場規模拡大)へとつながります。
また、「WEB同人即売会」は、スペース不足による減速感に対抗するものであるとも言えます。
特にコミケについて言えることですが、潜在的に求められる規模は、時間的に3日間では不足しているし、空間的にビッグサイトでは不足していることは明らかです。
しかし、求められる規模を達成することはかなりの困難を伴います。
つまり、「規模拡大への圧力」が「現実的制約(物理的制約)」を上回りつつあります。
※効率性をあげることでどうにか凌いでいるのが現状。
少し話がそれますが、「2020年」がターニングポイントになるかもしれません。
2020年の東京オリンピックの都合上、ビッグサイトの使用には大きな影響が出るものと思われますが、もしかするとこれは何らかの転換点になるかもしれないと思ったりします。
使用できない期間が長いので、隣に仮設の展示場を建設するという発表がありましたが、コミケのキャパとして十分なものとはならないでしょう。
他の会場を使用するか、ビッグサイトの仮設展示場で開催するのかはわかりませんが、少なくとも現状より物理的制約は大きくなるでしょう。
そうすると、それは逆に変化のチャンスと捉えることもできます。
そして、そのとき「ネット空間」の強みはこれまでにないほど大きく発揮できるわけです。
そんなわけで、空間的な制約から解放されれば、「同人即売会」は新たな局面を迎えることになるでしょう。
リアルが許容できない部分も取りこぼさないようになっていくと考えられます。
また、すべてが「WEB同人即売会」に移行していく可能性についてですが、個人的にはかなり低いと思います。
ネット社会になって一定の期間が経過しましたが、リアルはその価値を多少変容させても、価値を失ってはいません。
「同人即売会」についても同様のことが言えると思いますが、「ブランド化」が加速するような気がします。
当然、ネットよりもハードルが高いので、その場に集うことそのものに価値が見出される傾向が強くなるのではないでしょうか。
また、人間は、意外とめんどくさいことを欲したりするものですし。
※アプリなどでも、本来なら省略できる操作を敢えて残し、めんどくささを演出することは一般的。
以上の考察が、基本的には最初に並べた①~③の論点に対応しますが、その上で、より大きな枠で考えてみましょう。
「WEB同人即売会」の定着と、それに伴う同人業界の拡大を経て、その後どのように展開していくのか?
これについては、商業的なコンテンツ企業(商業系)の動きがカギを握ると思われます。
同人系が盛り上がっている中、商業系も盛り上がっているのかといえば、そういうわけでもありません。
商業コンテンツの収益性は、全体として悪化しています。
漫画雑誌の発行部数は低下し、音楽CDの売り上げは下がっています。
では、この状況で商業系はどういう手を打つのか?
例えば、「漫画」に関して言えば、変なプライドを持たなければ、同人からの引き抜きという手が現時点ではまだ有効です。
これは、現状、「漫画を描いて生きていく」と言えば、ほとんどの人が「プロの漫画家になる」を意味するのだと認識していることから明らかです(プロ漫画家が、ポジションとして最上位であると認識されている)。
今「プロデビューできるよ」といえば、それなりに引き抜けるはずです。
出版社として、育てるコストを削減し、さらに一定の客をすでに確保している人材をゲットできるのは、かなりの利点でしょう。
しかし、この構図は、同人市場だけで経済的に成り立たせることが難しいことによります。
もし、技術レベルが同等という条件で、同人でもプロでもあまり極端な経済格差が生まれない状況となれば、自由度の高い同人を選択する人は圧倒的に増えるでしょう。
すると、出版社は、同人からの人材発掘が厳しくなっていきます。
すでにいっぱいいっぱいなのが、音楽CDです。
若年層では、プロの歌手ではなく、いわゆる歌い手に憧れを抱くことも珍しくなくなってきました。
メジャーデビューの価値は、大きく低下していると言えるでしょう。
「憧れ」こそが最大の人材収集マシーンであることを考えれば、ここの破綻は致命的です。
※「アイドル」の成功がまさに比較対象として最適。
「漫画」についても、プロ漫画家と比較して同人漫画家の地位が向上すれば、同様の現象が起こると思われます。
というか、すべてのジャンルで同様のことが言えるでしょう。
なお、これは明確な優劣の存在する「ピラミッド構造」の崩壊であり、逆転とは違うというのは少し注意が必要です。
平たく言えば、多極化です。
誰もが信じ、目指してきた、たった一つのポイントが、複数のポイントにおきかわっていく状態です。
さて、そんなわけで、「商業系が同人系から人材を吸い取る」という方法は、いつまでも有効ではないような気がします。
手厚い保護を受けていたコンテンツ産業界は、このまま変化を否定したら衰退の一途をたどりそうです。
よって、今後考えられる流れは、以下の3つです。
1.商業系が大規模に同人市場に介入(資金投入)し、実質的吸収(従来型のシステムの中の新たな要素として定着する。すなわち、商業の対立項としての同人ではなく、商業の中の一カテゴリーとしての同人となる)
2.商業が力尽き、同人のみ(全体がフラット。基本的にみんなセルフプロデュース)
3.両者が均衡をとり住み分け(現状にかなり近いイメージ。つまり、現状が移行期ではなく、すでに安定期にあり、この状態が続いていくと考える)
商業系(特に大きい会社)は、当然、1を目指すでしょう。
個人的に、KADOKAWAの昨今の動きは、これに該当すると思っています。
ラノベ業界の主要な部分はおさえ、メディアミックスについては大きな力を持っていますが、そのメディアミックスの構成要素の一つとして、現在の同人系を吸収していこうと考えているのではないでしょうか。
※ラノベは、原作量産マシーンとして、メディアミックスの肝となる。例えば、アニメ化するためには最低限主要なキャラが一定数に達する必要があるわけだが、揃うまでにかかるリアルな時間は、漫画と比べるとラノベは圧倒的なものとなる。そして、アニメそのものの利益は厳しくても、その宣伝効果は群を抜いているわけで、相乗効果を狙う上で、ラノベとアニメを押さえていることは大きい。
大量の原作を生産できる体制に目途がたち、続いて、それを無限増幅させる「同人」を手中に収められたら、当分安泰です。
ただ、業界全体として、実際には2にかなり近い状態に至る気がします。
同人と適切な距離感を確保できたところはある程度勢力を保つ一方で、かなりの数の会社は規模を縮小。
人々の選択肢として、「商業(プロ)」と「同人」は並列となり、会社に付き従うプロの作り手は減少(この状況で人材を確保するためには、「育成」などの付加価値が求められる)。
この場合、同人に関わって企業が利益を上げるには、基本的には「プラットフォーム」しかありません。
個々の同人クリエイターに「場」を提供することで収益を上げる方式ですが、簡単に言えば、pixivやニコニコです。
というと、結局この流れの中で、「WEB同人即売会」はドンピシャです。
もしこれを単独で定着させれば、極めて大きな効果が将来的に見込まれるのではないでしょうか。
そして、様々なところにその影響が現れそうです。
そう言う意味で、「創作」に関わる全ての人にとって、「WEB同人即売会」に関する一連の動きというのは、非常に身近で注目すべき話題であると言えそうです。
・・・長かった。。
皆様お疲れっス
sho
続きはまた改めて~とか言っていた記事の続きです。
だいぶ日が経ってしまいましたが・・・。
未読の方や、内容を忘れてしまった方は、読み直してもらうのがよろしいかと。。
→「ネット空間における同人系即売会」に関する考察(その1)
さて、サクッと本題に入りましょう。
11月28日~12月1日にかけて開催された「APOLLO」を切り口に、「ネット空間における同人系即売会」を議論しようとしていたわけです。
そして、論点として以下の4つを挙げました。
① 音楽以外のジャンルにも広がりを見せるのか?
② 広がったとして、そのまま定着していくのか?
③ リアルの即売会(コミケなど)にどのような影響を与えるのか?
④ そもそもこの流れは、何を意味しているのか?
4つ並べはしましたが、最終的にはすべて④に集約されるので、そんな感じで話を進めていきましょう。
まず、①~③については、先に結論を述べておきます。
① 音楽以外のジャンルにも広がりを見せるのか?
→ 技術的制約をクリアできるものから順に、サブカルのあらゆるジャンルに広がっていくと思われる。
② 広がったとして、そのまま定着していくのか?
→ 一過性のものではなく、徐々に定着していくと思われる。
③ リアルの即売会(コミケなど)にどのような影響を与えるのか?
→ 競合より相乗効果の方が大きく、全体として同人業界の拡大に寄与すると思われる。
ということで、理由もあげずに個人的見解だけ書きましたが、以下で、④に答えつつ、①~③の理由についても触れていきます。
さて、どこから話を始めるべきか・・・
とりあえず、どうしてpixivが「同人音楽」に手を出したのかという点について。
※当たり前ですが、すべて僕の個人的見解です。
「ネット空間における同人系即売会」という論点とは少し離れますが、なぜ「イラスト」のpixivが「音楽」に手を伸ばしたのか?
この後で述べていくことになる“大きな流れ”が前提となりますが、表面的には、以下のように考えられると思います。
・事業拡大(収益確保)のために、縄張りを拡大させたい。広告収入モデルは飽和状態に達しつつあるため、それに頼っていては今後の発展が怪しい。
・近年の同人音楽の勢いは結構すごい。特に、若年層を多くひきつけているので、彼らが経済力を持つ頃に収益性がアップする可能性がある。
pixivがBOOTHを始めたのも、この文脈に合致すると思いますが、事業拡大(収益確保)が大きいでしょう。
ネットにおけるイラスト公開の場として、pixivの存在感は絶大です。
むしろ、絶大過ぎて、次にどこを目指すべきか?という感じです。
そこで、新たな領域に手をだし、同時に収益性のアップを画策しているのではないかと。
ユーザーから金をとるのは、広告収入モデルにネガティブな影響を与えるのであまり推進できません。
すると、これらとは別の方法を模索する必要があります。
そこで、同人作品のネット売買、すなわち「BOOTH」に至ったわけです。
現状を見る限り、多くの人が望んでいたサービスであり、反応は上々という印象です。
そして、さらにこの流れを推し進めるための起爆剤が「WEB同人即売会」となるわけです。
しかし、「同人誌」や「イラスト」を売買の対象としてしまうと、すでに確保している自分のテリトリーの中で小さく収まってしまいますし、自分ですでに展開しているサービスとの間でつぶしあいになってしまいます。
すると、この状況で残された選択肢は、「同人音楽」と「同人ゲーム」です。
同人業界において一定の需要があり、商品をデジタルデータとして扱えるというのが必須条件です。
この2つのうち、「同人ゲーム」については、
・成人指定作品の存在感が大きすぎる。
・「音楽」の視聴と比べると、お試しのハードルが高い(技術的制作を含む)。
・制作の手間が大きく、参加者を確保しにくい。
・商品単価が高くなり、気軽に買えなくなってしまう。
・・・というような理由で、「初の試み」としてリスクが高くなってしまいます。
そうすると、消去法でも「同人音楽」が残ります。
一方で、考慮しなくてはならないのが、先行する「ニコニコ動画」との関係です。
「同人音楽」(特にボカロ)に関しては、ニコニコが圧倒的なことは言うまでもありません。
よって、単に「同人音楽を発表する場」では、活路を見出せません。
そもそも、現状において、勢いづいているとは言っても、「同人音楽」の市場規模はたかが知れています。
客層の多くが経済力のない若年層である点が大きく影響していると思われますが、そのような市場での「奪い合い」は得策ではありません。
むしろ、市場開拓を進め、将来への布石とする方が良い。
そう考えると、今回「同人音楽」以上に「即売会」であることをプッシュし、ニコニコとの差別化を図ったことは理に適っている印象です。
「(おそらく)初のWEB同人即売会」というのは、宣伝文句としてインパクトがありますし、このまま新分野のパイオニアとして、その地位を確立してしまいたいのでしょう。
※pixivが「イラスト」を売買の対象としにくいのと同様に、ニコニコは「音楽」を売買の対象としにくい。自分の先行サービスと競合してしまうというジレンマを潜在的に抱えています。
ただ、このような棲み分け状態が今後も続くのかといえば、かなり怪しい気がします。
共存か競合か?
ニコニコはすでに「動画」のみならず「静画」に手を出していますし、言い方を工夫してはいても、pixivは「音楽」に手を出しました(「動画」っぽいものにも既に手を出しましたし)。
すでに、「イラスト」はpixiv、「動画」はニコニコという完全な棲み分けはかなり崩れてきています。
状況的に、あらゆる競合を避けるというのは厳しいような気がします。
その際に、それぞれが持つ強みがポイントになると思います。
ニコニコとしては、とりあえず「KADOKAWA」とのつながりが大きいでしょう。
対するpixivは、「リアルの即売会」との結びつきを強めていることが大きいでしょう。
この点からも、pixivが今回、「即売会」から攻めたのは、戦略的なものを感じます。
得意分野を足場にして、新領域に少しずつ踏み込んでいる感じです。
いずれにせよ、様子を見つつ互いに動き出している印象であり、どちらも座して待つわけにはいかなくなっているような気がします。
そんなわけで、「WEB同人音楽即売会」ですが、以上の話から、「音楽」からスタートするのが妥当だと思いますが、「音楽」に限定する必然性はないでしょう。
むしろ、ポイントは「WEB同人即売会」であり、可能なら他のジャンルにも広げていきたいと考えていることでしょう。
このことは、BOOTHで扱っているものを考えれば明らかです。
というわけで、pixivは「音楽」に限定せず、広く「WEB同人即売会」を展開したいと考えていると推測できます。
しかし、これはそのまま「WEB同人即売会」の定着を意味するものではありません。
コミケなどの「リアルの同人即売会」と同様の広がりと定着を見せるのかどうかという点は、pixivの戦略とは別次元のものです。
同人を愛する人々に受け入れられるかどうか?
そもそも、「同人即売会」においては、「場の共有」がとても重要な要素となります。
対面によるやり取り、肌で感じる空間の高揚感などは、単なる売買の空間であること以上に大きな意味を持っていると思われます。
「WEB同人即売会」の定着は、基本的には、このハードルをクリアすることを意味するはずです。
ネット空間における「場の共有」(っぽい感覚)。
これは、ツイッター上で同時に「バルス!!」とツイートする昨今の状況を見れば、感覚的に可能だという印象を受けます。
また、この点で、もっとも巧妙かつ大規模に切り込んできたのが、ニコニコ動画のコメント機能です。
動画を視聴する人それぞれのタイムラグを、動画の再生時間を基準に補正することで、まるで同時にみんなで見ているかのような感覚を生み出す。
こうして生み出された一体感は、明らかに独特の雰囲気をもつ「場」を生み出しています(同時に、YouTubeとの見事な差別化を果たしている)。
つまり、人間の認識として、「リアル/ネット」の障壁を破ることは可能と思われます。
現在、明らかにこの障壁は希薄化しつつあるので、この流れで行けば、「即売会」に求められる「場の共有」の感覚はネット空間であっても達成できそうです。
※今年のメディア芸術祭に触れた記事でも、「デジタル/アナログ」の境界が曖昧になってきた点について言及しているが、同人即売会においてもあてはまると言える。
さらに、対面によるやり取り、肌で感じる空間の高揚感についても、究極的には「情報」であることを考えれば、デジタルデータとして扱える技術が登場する可能性があり、理屈の上ではすべてをネット空間で再現できるようになると考えることができます。
※インターフェイスは明らかにその方向に向かっている。特に、ヘッドマウントディスプレイが普及していけば、技術的障壁は極端に下がる。
というわけで、「WEB同人即売会」を人々が受け入れるだけの素地(心理的側面と技術的側面の両方)はすでにかなりあると言うことができ、その流れで定着していく可能性は高いと推測できます。
そうすると、気になるのは「リアルの即売会」との関係です。
「WEB同人即売会」は「リアルの同人即売会」(コミケなど)にどのような影響を与えるのでしょうか?
「WEB同人即売会」がそれなりに広がっていった状況を想定し、その場合、「リアルの同人即売会」との間にどのような差異が現れるか推測してみました。
「リアルの同人即売会」:
・質的コミュニケーションの場(より密度の濃い対面コミュニケーション、ある種の同窓会的機会を提供)。
・販売に関しては、疑似的なロングテール(リアルだと容易に利益は出せないが、多様性、個々の物量の少なさという点ではかなり近い)。
・ブランド向上効果(参加することが一種のステータスになる。本当の意味で聖地化)。
・一体感を出しやすい。
・面倒(初心者がいきなり踏み込むのはキツイ)。
「WEB同人即売会」:
・量的コミュニケーションの場(密な交流は厳しいが、そのかわりたくさんの人と関わる機会を持てる)。
・真のロングテールが成立。利益確保(デジタルデータ販売に特化すれば、生産、輸送、保管コストを大幅に削減し、在庫の心配もいらない)。
・一体感の創出がやや困難。
・より気軽に客を呼び込める(関わるきっかけとして、より適している)。
※「ロングテール」について、わからない人はwikipediaへ!
これらを見ると、両者が互いに弱点を補強しあう関係であることがわかります。
特に、収益性に関しては、はっきりと違いが出ます。
現状、リアルの同人即売会で黒字化は厳しいものがあります(一部の大手を除く)。
この点に関して、それを承知の上で参加する人が現時点での「場」を構成していると考えられますが、「WEB同人即売会」が成立すると、ここに大きな影響を与えると思われます。
「WEB同人即売会」では実質的に赤字とはならない、つまり、利益が出やすくなります。
すると、「WEB同人即売会」と「リアルの同人即売会」を併用することで、リアルの赤字を補填することもできます。
そうすると、売り物の価格はより低く設定することが可能となります。
全体として価格帯が下がれば、買う方のハードルも下がります。
予算が少なくても手を出せるし、同じ予算なら多くのものを買えます。
故に、活性化(市場規模拡大)へとつながります。
また、「WEB同人即売会」は、スペース不足による減速感に対抗するものであるとも言えます。
特にコミケについて言えることですが、潜在的に求められる規模は、時間的に3日間では不足しているし、空間的にビッグサイトでは不足していることは明らかです。
しかし、求められる規模を達成することはかなりの困難を伴います。
つまり、「規模拡大への圧力」が「現実的制約(物理的制約)」を上回りつつあります。
※効率性をあげることでどうにか凌いでいるのが現状。
少し話がそれますが、「2020年」がターニングポイントになるかもしれません。
2020年の東京オリンピックの都合上、ビッグサイトの使用には大きな影響が出るものと思われますが、もしかするとこれは何らかの転換点になるかもしれないと思ったりします。
使用できない期間が長いので、隣に仮設の展示場を建設するという発表がありましたが、コミケのキャパとして十分なものとはならないでしょう。
他の会場を使用するか、ビッグサイトの仮設展示場で開催するのかはわかりませんが、少なくとも現状より物理的制約は大きくなるでしょう。
そうすると、それは逆に変化のチャンスと捉えることもできます。
そして、そのとき「ネット空間」の強みはこれまでにないほど大きく発揮できるわけです。
そんなわけで、空間的な制約から解放されれば、「同人即売会」は新たな局面を迎えることになるでしょう。
リアルが許容できない部分も取りこぼさないようになっていくと考えられます。
また、すべてが「WEB同人即売会」に移行していく可能性についてですが、個人的にはかなり低いと思います。
ネット社会になって一定の期間が経過しましたが、リアルはその価値を多少変容させても、価値を失ってはいません。
「同人即売会」についても同様のことが言えると思いますが、「ブランド化」が加速するような気がします。
当然、ネットよりもハードルが高いので、その場に集うことそのものに価値が見出される傾向が強くなるのではないでしょうか。
また、人間は、意外とめんどくさいことを欲したりするものですし。
※アプリなどでも、本来なら省略できる操作を敢えて残し、めんどくささを演出することは一般的。
以上の考察が、基本的には最初に並べた①~③の論点に対応しますが、その上で、より大きな枠で考えてみましょう。
「WEB同人即売会」の定着と、それに伴う同人業界の拡大を経て、その後どのように展開していくのか?
これについては、商業的なコンテンツ企業(商業系)の動きがカギを握ると思われます。
同人系が盛り上がっている中、商業系も盛り上がっているのかといえば、そういうわけでもありません。
商業コンテンツの収益性は、全体として悪化しています。
漫画雑誌の発行部数は低下し、音楽CDの売り上げは下がっています。
では、この状況で商業系はどういう手を打つのか?
例えば、「漫画」に関して言えば、変なプライドを持たなければ、同人からの引き抜きという手が現時点ではまだ有効です。
これは、現状、「漫画を描いて生きていく」と言えば、ほとんどの人が「プロの漫画家になる」を意味するのだと認識していることから明らかです(プロ漫画家が、ポジションとして最上位であると認識されている)。
今「プロデビューできるよ」といえば、それなりに引き抜けるはずです。
出版社として、育てるコストを削減し、さらに一定の客をすでに確保している人材をゲットできるのは、かなりの利点でしょう。
しかし、この構図は、同人市場だけで経済的に成り立たせることが難しいことによります。
もし、技術レベルが同等という条件で、同人でもプロでもあまり極端な経済格差が生まれない状況となれば、自由度の高い同人を選択する人は圧倒的に増えるでしょう。
すると、出版社は、同人からの人材発掘が厳しくなっていきます。
すでにいっぱいいっぱいなのが、音楽CDです。
若年層では、プロの歌手ではなく、いわゆる歌い手に憧れを抱くことも珍しくなくなってきました。
メジャーデビューの価値は、大きく低下していると言えるでしょう。
「憧れ」こそが最大の人材収集マシーンであることを考えれば、ここの破綻は致命的です。
※「アイドル」の成功がまさに比較対象として最適。
「漫画」についても、プロ漫画家と比較して同人漫画家の地位が向上すれば、同様の現象が起こると思われます。
というか、すべてのジャンルで同様のことが言えるでしょう。
なお、これは明確な優劣の存在する「ピラミッド構造」の崩壊であり、逆転とは違うというのは少し注意が必要です。
平たく言えば、多極化です。
誰もが信じ、目指してきた、たった一つのポイントが、複数のポイントにおきかわっていく状態です。
さて、そんなわけで、「商業系が同人系から人材を吸い取る」という方法は、いつまでも有効ではないような気がします。
手厚い保護を受けていたコンテンツ産業界は、このまま変化を否定したら衰退の一途をたどりそうです。
よって、今後考えられる流れは、以下の3つです。
1.商業系が大規模に同人市場に介入(資金投入)し、実質的吸収(従来型のシステムの中の新たな要素として定着する。すなわち、商業の対立項としての同人ではなく、商業の中の一カテゴリーとしての同人となる)
2.商業が力尽き、同人のみ(全体がフラット。基本的にみんなセルフプロデュース)
3.両者が均衡をとり住み分け(現状にかなり近いイメージ。つまり、現状が移行期ではなく、すでに安定期にあり、この状態が続いていくと考える)
商業系(特に大きい会社)は、当然、1を目指すでしょう。
個人的に、KADOKAWAの昨今の動きは、これに該当すると思っています。
ラノベ業界の主要な部分はおさえ、メディアミックスについては大きな力を持っていますが、そのメディアミックスの構成要素の一つとして、現在の同人系を吸収していこうと考えているのではないでしょうか。
※ラノベは、原作量産マシーンとして、メディアミックスの肝となる。例えば、アニメ化するためには最低限主要なキャラが一定数に達する必要があるわけだが、揃うまでにかかるリアルな時間は、漫画と比べるとラノベは圧倒的なものとなる。そして、アニメそのものの利益は厳しくても、その宣伝効果は群を抜いているわけで、相乗効果を狙う上で、ラノベとアニメを押さえていることは大きい。
大量の原作を生産できる体制に目途がたち、続いて、それを無限増幅させる「同人」を手中に収められたら、当分安泰です。
ただ、業界全体として、実際には2にかなり近い状態に至る気がします。
同人と適切な距離感を確保できたところはある程度勢力を保つ一方で、かなりの数の会社は規模を縮小。
人々の選択肢として、「商業(プロ)」と「同人」は並列となり、会社に付き従うプロの作り手は減少(この状況で人材を確保するためには、「育成」などの付加価値が求められる)。
この場合、同人に関わって企業が利益を上げるには、基本的には「プラットフォーム」しかありません。
個々の同人クリエイターに「場」を提供することで収益を上げる方式ですが、簡単に言えば、pixivやニコニコです。
というと、結局この流れの中で、「WEB同人即売会」はドンピシャです。
もしこれを単独で定着させれば、極めて大きな効果が将来的に見込まれるのではないでしょうか。
そして、様々なところにその影響が現れそうです。
そう言う意味で、「創作」に関わる全ての人にとって、「WEB同人即売会」に関する一連の動きというのは、非常に身近で注目すべき話題であると言えそうです。
・・・長かった。。
皆様お疲れっス
sho