港線隧道 (大分県国東市小熊毛) | 穴と橋とあれやらこれやら

穴と橋とあれやらこれやら

初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

2023年7月9日、第二次大分県探索二日目、大雨警報下の国東半島徘徊。この日のネタで記事にしているのは、川部橋第2循環隧道見取隧道竹田津隧道内迫港隧道、ラストの掛樋隧道。けっこう積極的に記事にしていってる。

で、今宵ご紹介するのは、竹田津隧道と内迫港隧道の間に訪ねた16(!)もの隧道のひとつ。そう、定期的にポンポン紹介していかないと、数が多すぎなのよ。

 

 

国道213号を外れ、

大分県道542号熊毛港線を北上している。その名のとおり、国道と熊毛港を結ぶだけの短い県道だ。

 

 

 

 

そんな短小県道の途中で停止。場所はこのへん

褒められた場所じゃないが、たいして車も通らない。そしてすぐに済むはず。

 

 

 

 

上の写真手前の落石防護ネットの切れ目から、ぬるっと裏側へ進入すれば、

そこにあるのは…闇。そう、そこには廃された隧道が眠っているんであった。

 

この状況、かつては県道が海のキワギリギリに通されていたことを意味する。海側を埋め立てて現在の快適な二車線路となったのに伴い、役目を終えてこうしてひっそりと余生を送っているわけだ。

 

 

 

 

洞内は、

ゆるく右カーブしている。2枚目の写真でわかるとおり、海に突き出した大きな岩をぶち抜いたものだ。

 

この手のロケーション、隧道ハンターであればまあけっこう「あるある」ではあるよね。実際に見つけられるかは別問題だが。過去にこの手のやつで記事にしたのは…後に大御所のレポにも登場した旧・生神隧道(仮)かな。

 

この流れで余談だが、さすが大御所、最後にはその超意外な正体をしっかりと探り当てていて脱毛…いや、脱帽だ。興味ある方はこちらからどうぞ。

 

 

 

 

振り返りの、鉄板の構図。

坑口すぐ先にあるのは、落石防護ネットのコンクリ壁。スッパリとぶった切られている。

 

 

 

 

で…

これなに?

 

 

 

 

て感じで、手前は素掘りのモルタル吹き付けだったんだが、

延長の半分強くらいは、コンクリブロック積み。しかも、むやみに状態がイイ。洞外の藪がなければ、廃隧道には見えないレベルだ。

 

 

 

 

そう、ここから途端に

真正の廃景に。

 

ここも、すぐ先に見えているのは落石防護ネットのH鋼支柱。即、現道でぶった切れている。

 

 

 

 

それも、けっこう乱暴に。

ボケボケの写真で恐縮だが、荒っぽい感は伝わるかと。

 

 

 

 

こんなんなので、とても坑口に正対なんて余地がなくてできないのだが、

見上げれば、ここもまた荒っぽく。

 

これたぶん、ぶった切った(坑口が破壊された)後に、崩落防止のために新たにぶった切れ断面全体をモルタル吹き付けした痕跡じゃないだろうか。知らんけど。

 

 

 

 

どこにも行けないので、戻る。

破壊されたであろう坑口を含めて、延長は30m前後くらいだろうか。

 

 

 

さてこの隧道、通りすがりに嗅覚が働いて緊急停止した…わけではなく、あらかじめ予習で知って訪ねたのだった。

 

内迫港隧道の記事でも触れたように、この日の探索についてはてっく氏のサイト「この道をいけば」をガッツリ参考にさせていただいた。隧道名称もそのまま拝借している。今回もてっく氏のレポを載せておくので、ぜひご覧いただきたい。廃止時期やら建造時期、そして17年前の隧道の姿が拝める。

 

ひとつ不思議なのは、氏のレポでは隧道はネットで塞がれていて入れなくなってたんだが、ご覧のとおりわたくしは易々と進入できたし、ネットもなかった(気づかなかった)。撤去されたのかな?

 

 

 

 

最後に、引きで全景を。

時前情報なしでもこれに気づける嗅覚が自分にあったことを願うが、とりあえずこっちからじゃあ厳しいな。

 

でもこの時は盛夏だったからこんなだが、ストビューを見ると冬場なら意外と見つけやすそうだ。てっく氏のも1月だし。

 

 

 

 

最後にもういっちょ余談。以前は隧道や橋記事で廃物件には記事タイトルで「(廃)」ってつけてたのだが、それをやめることにしました。よって本記事にもついておりません。

 

 

以上。