見取隧道 (大分県豊後高田市見目) | 穴と橋とあれやらこれやら

穴と橋とあれやらこれやら

初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

2023年7月9日、第二次大分県探索二日目、大雨警報下の国東半島徘徊。この日のネタで記事にしているのは、川部橋第2循環隧道内迫港隧道、ラストの掛樋隧道

今宵ご紹介するのは、序盤に訪ねたインパクト大な物件。

 

 

いきなりこういう、

普段一枚目にはならない写真から。地図はあえて最後に出すことにする。

 

この直前に叩きつけるような雨が降っておりましてね、とても降りて写真を撮れるような状況じゃなくて、そのまま突っ込んでしまった、の図であります。

 

この状態で雨宿り停車してても問題なさそうな周囲の交通量だったので、こんな横着かましたが、良い子はマネしちゃだめだ。

 

 

 

 

入ってきた方の鉄板の構図。

傘をさして、改めて外へ。

 

 

 

 

はいこれが、

ファーストコンタクトだったわけだ。

 

ご覧のとおり、現地には扁額も銘板もない。Q地図によれば、お名前は「見取隧道」。延長は33.5m、完成年は不明とのこと。

 

いまのところ、どこが「インパクト大」なのか伝わらないだろうと思う。もうちょっと待って。

 

 

 

 

冒頭の写真でもわかるとおり、

洞内は完全に素掘りのモルタル吹き付け。少なくとも、そう新しい隧道ではないだろう。

 

 

 

 

で、反対側の鉄板の構図。

目ざとい方は、坑口がえらく斜めってるのに気づかれるはずだ。

 

 

 

 

これに正対すると、

こんな感じ。にわかに香ばしい香りがしてきませんか?

 

 

 

 

ではお待たせしました、引きでご覧いただきたい。

なんだこれ!

 

 

 

 

改めて地図。あえてQ地図で。

中央の隧道表記がそれ。わかりますよね。

 

竹田川と見目川(地図では名前は出てないが)に挟まれた、薄いフェンスのような尾根に穿たれた隧道なのだが、現国道(213号)建設時には、その尾根を斜めにオープンカットして通したようだ。

上の写真を見返してもらうとわかると思うが、明らかにその際隧道もゴッソリ逝かれてる。たぶん元は倍以上の延長があったんじゃないだろうか。

 

しかもオープンカット時には神社(八坂社・秋葉社)の参道もパッカーンしてしまったようで、そのために架けられた橋も写っている。いや~、なんともいえぬ独特な景だな~こちら。

 

 

 

 

最後に、入ってきた方も引きで。

すぐそこに国道が見えてるでしょ。

 

 

 

 

ストビューだと、こう。

隧道の位置、わかりますよね。

 

いやもう、ほぼ無用な隧道ですわこれ。当日、しばらく洞内に車停めっぱでも全然問題なかったレベルだし。こんなん大好き。

 

 

大好き…なのだが、管理者はどう考えるか、なのよね。

 

 


豊後高田市のトンネル長寿命化修繕計画の末尾に「費用縮減に関する方針」という項があり、基本方針に続いて「集約化・撤去に関する方針」として以下のように記されている。 

 

”集約化・撤去については、対象トンネルの状況(交通量や迂回路の有無 等)を踏まえ、集 約化・撤去が可能なトンネルを検討することとします。 令和10年度までに、管理トンネル12に対し集約化・撤去を検討し、維持管理に係るコスト を1割程度縮減することを目的とします。”

 

 

…ということで、この見取隧道、「集約化」できそうに思えてしまうんだが、どうだろうか。もちろん趣味者としてこの異形で残り続けてほしいけれど。令和10年度までにジャッジされるということで、予断を許さない…かも。

 

 

 

以上。