旧・生神隧道 (仮) (廃) (石川県羽咋郡志賀町富来生神) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
【前回】に掘り下げが適当だったのは、いわゆる前座だったから(笑)。今回が本題ですのん。
 
 
 
はたご隧道と生神隧道に挟まれた、「新旧道再接近ポイント」を後に、移動開始した…
 
その直後、再度ストップ。
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背後に見えるは、例の機具(はたご)岩。つまり、ほとんど移動してないってこと。
 
ここでわたくし、見つけてしまった。
 
 
 
これを。
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…わかりますかね?山側…。
 
 
 
おーい、ちょっとマテ~。
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こんなんアリか!
 
そこには、明らかな「穴」が。どう見ても人為的に掘られたものっぽい。「穴」が穿たれた巨岩全体を防護ネットが覆っていて、残念ながら立ち入ることはできないのだが…。
 
 
半信半疑で草をかき分け、ネットに張りついて見ると…
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完全隧道だ、これは。
 
 
めちゃくちゃ小さい、いつのものとも知れないものだが、明らかに往来のために穿たれた隧道。軽自動車ならばなんとか通れるかもしれないが、普通車だと相当にチャレンジングだと思われる。短いのに少し曲がってるしな。
 
手前にある、まるで石碑のような石も、非常~に気になる。もちろん落石なんだろうけど、なんとうまい具合にそそり立ってるんだろか。
 
 
は、入りたい…(笑)。
 
 
とは言え、金属ネットで完封はどうにもならん。
 
ならば…
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反対側はどうだ?
 
アッチまでぐるっとネットで覆われてたら、お手上げだが…。
 
 
 
果たして…?
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…エライことになっとるけど、行ける!
 
イケるように見えない?いやいや問題ない(笑)。一旦ノートさんに戻って手早く身支度を整え…
 
 
いざ。
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お見苦しい真性のグリーンヘルだが、その距離はわずか。
 
 
 
 
突破すれば、そこはもう
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イキナリ坑口キターー!!
 
グリーンヘルが強烈なために、これ以上下がって撮れない。なので引きで坑口全体を捉えることは不可能だったが、もう偶然発見したこの未知の隧道にテンションが上がりすぎてて、気にならなかった(笑)。
 
 
 
それにしても、これはこれは…ワイルドだ。
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まさに掘りっぱなしの完全素掘り。
 
鑿痕らしきものは見当たらない(ように思えた)。かといって、火薬を詰めた発破痕があるかと言うと…そうでもないのよねえ。上の写真で上のほうに、わずかに発破痕かもしれない直線の溝っぽいものが見えてはいるが…。
 
 
続いては、ローアングルで。
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意外と洞内は安定しているようで、大きな落石は見当たらない。
 
まったく保守されてないであろうことを考えれば、状態は非常にいいのでは、と。
 
 
 
いつもの鉄板の構図で。
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これは素晴らしい~ちょっと言葉がないわ…。
 
 
 
 
人工物が一切見当たらない洞内にあって、
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ひときわモニュメントめいた、この石。
 
 
こうして見ると、これ人為的に誰かがこのように立てたんじゃないだろうか?周辺の石も含め、自然にこういう状態になるとは考えづらいように思う。
 
 
どこか祭祀跡めいた雰囲気を醸し出していたこの石、
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実際はもちろん、石碑でもなんでもなかった。ただの石。
 
 
 
 
先ほど覗きこんだところを、内部から。
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誰か通りかかったら、さぞかしビックリするやろうな~(笑)。
 
 
 
 
振り返りの、洞内。
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いや~、イイわ~。
 
申し訳ないけど、もうこれしか言えねぇ(笑)。
 
 
 
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動画を撮ったので、ぜひご覧あれ。
 
 
感じが伝わると思うので、ぜひどうぞ~。
 
 
 
 
脱出後に引きで。
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実は、前回記事の場所に行く時にはこの方向から走ってきたのだが、こりゃあまったく隧道になんて気づきようがない。同じ道を戻ってきたからこそ気づくことができたのは、ほんと幸いだった。
 
それにしても、いったいいつ頃に穿たれたんだろうか。当然現地では何の情報も得られなかったこの隧道、帰ってから調べてみると、あいにくと言うか当然と言うか、すでに発見されている先人が(わかる限りお二方)おられた。
 
が、名称について正式名称は不明なようで、仮称としても、片や「旧・はたご隧道」、片や「旧・生神隧道」となっていた。わたくしとしては、単純に位置が現道の生神隧道の脇なので、後者を採用したが、実際全然違う名前があった(あるいは名無しだった)可能性もある。当然ながら、そのスペックも一切不明だ。
 
 
ちなみに、先人たちには洞内での写真は見られなかったので、もしかしたら洞内潜入記事はネット初かもしれない。
 
 
最後に、生神隧道の旧道全景を。
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まったく旧隧道の気配は感じられない。こりゃ難易度高い~。
 
ともすれば雄大な日本海のほうにばかり目が行きがちなこの場所で、気づかせてくれた神様に感謝(笑)。
 
 
 
以上、完結。