2014年7月19日、王滝村を後にして高山市街へのダラダラ遊撃、その途中で見つけちゃった物件をご紹介。
オケジッタバス停から国道361号を北上して15分、
岐阜県に入って初めて現れたトンネル。これが今回のお題…
ではない。
このトンネルは
水屋谷トンネル。1996年11月完成。
なんの面白みもない現代トンネルだが、基本的にトンネル系は全て「狩りの対象」(笑)なので、こうやって写真を撮ったまで。それ以上なんの期待もなかった。
のだが、なんか…見えちゃったような?
ポータルの左奥に…
ぬなーー!!
旧道の痕跡は現ポータルで潰されてしまって、その気で見ないと全然気づかない(逆にその気で見てりゃすぐ気付く・笑)。いや~全く下調べしてなかったので、完全ノーマーク。嬉しいヤツやんコレ~(笑)。
さっそく、お邪魔しまーす。
わずかなガードレールの切れ目には、きっと同業者のものであろう、しっかりした踏み跡。あんたらも好きね~(笑)。
その先は有刺鉄線で塞がれていたが、
もちろん軽やかにかわしまして~、
おおお~!
まるでマジックのように、隠された旧道が現れた!
こういう、ポータルで旧道が隠されてわかりにくいパターンはたまにあるのだが、その先にこのような状態のいい旧道が待っていたのは初めてかも?たいていはもっとおぞましい状態になっているもんだが…。
その理由は、たぶん…。
わずか数十mの旧道、右カーブの奥に、
旧隧道、確認。
ポータル前に設置された物置、そして極めて厳重、かつ実用的に封鎖された坑口。これは間違いなく、引退した隧道が二次利用されている。なので、旧道もそれなりの状態で残っているのではないか。
それにしても無骨なコンクリート・ポータル。
昭和中期の香りが漂っておるな(笑)。
小さいながらも、扁額が。ズームしてみると、
現トンネルとは全く違うお名前、しかも「隧道」じゃなくって「トンネル」を名乗るこのお方、後で調べてみたら昭和44年の建造だった。思ったよりも少しだけ新しかったな。ちなみにスペックは、延長102m、幅員4.5m、有効高4.2mとのこと。
「3号」とあるように、このあと「2号」「1号」と見つけていくことになるのだが、まあそれはまたいつかの機会に。
わずかばかりの旧道。
ここもまた、トンネルを抜けて即カーブ、っていういにしえの線形だったようで。退避のためだろう、広くなっている。うむ、昭和だ。
堪能し、撤収。
この秘密の入り口めいた一角、イイなあ…。
改めて、その部分を。
うーん、びみょー(笑)。
で、こうなると、当然反対側も気になる。
さっそく現トンネルを抜けてみると…
あらら…?
数台の車が停まっていて、なにやら作業をされているようだった。所有者だろうか。こりゃあ無理ってことで、あっさり断念。
つうか、国道をコッチ側から来たら、旧道の存在は一目瞭然。あの隠し扉的な喜び(笑)は、南から来ないと味わえないってことね。
記事を書くにあたって改めて調べてみたら、このトンネルは「株式会社飛騨唐辛工房」という会社の所有になっており、高根町の特産物である唐辛子をこのトンネル内に貯蔵・熟成して「うま辛王」という商品(ソース)を製造…
していた、ということだが。
今現在、同社のHPは休止中となっており、「うま辛王」を含むいくつかの商品は、「工場設備の老朽化など諸般の事情により」製造販売終了、と掲載されている。これって…このトンネルの老朽化ってこと?
休止中とはいえ問い合わせ用のメールアドレスなどは載っている。けどまあなんかそんな問い合わせも、ねえ。廃業されたのではないようだが、なんか微妙な感じやし…。
ともあれ、
「道の駅飛騨たかね工房」でも人気商品だったというこのソースは、今や入手不可能に。(写真はネットからお借りしました)
なんか辛いもの食べたくなってきた…(笑)。
以上、トリッキーな感じで完結。