ISO9001を極めよう!~審査員の本音 -10ページ目

設計審査のノウハウ(3)

試作品ができるとそれを検証する。

このとき、製品だけでなく試作品を作成したプロセスも

検証しておくとよい。組み立てにどれだけ時間がかかったか。

作業性はよいか。ポカヨケはできているか。

これらはデザインレビューで確認する。


次は量産前の最終確認である。量産の準備ができた

工程で製品を生産する。

この段階では、図面、仕様書、作業手順書、工程フロー

が最終承認される。

顧客には量産申請し、承認を得る。

承認が得られたら量産を開始して納期どおり出荷する。


設計の妥当性確認はこの顧客承認がされた段階で完了する。

いわゆる設計から製造に移管するのである。

これらの一連の活動は関係部門が集まったチーム活動

で進める。

設計単独で行うと、いざ生産に入ってから色々な問題を起こす

ことがある。源流管理の考え方から、製造の意見を取り入れることが

結果として量産立ち上がりをスムーズにする。


新製品開発はプロジェクトとして行われることが多い。

その場合は次のことを忘れずにプロジェクト管理する。


・予算管理

・経営者への報告

これは開発がある程度進んだ段階で報告しては意味がない。

何故なら、プロジェクトがウマクいっていなくても

それまで投資したことを捨てることができなくなるからである。

早い段階で経営者の判断を受けることである。

このような点も設計審査のチェックポイントである。









プロセスアプローチの審査ノウハウ(2)

クレームの問題からプロセスアプローチを見てみよう。

クレームリストを見せてもらう。

クレームの発生は大別して2種類の要因から起きる。

ランダム不良アナログ不良である。

 

ランダム不良=単発的、確率として起きる⇒作業者ポカミス、異物付着、キズ、汚れ、異品

アナログ不良=工程能力の不足から起きる⇒寸法、電気特性、荷重特性

 

当然、是正処置のアプローチが違ってくる。

ランダム不良=ポカヨケ 作業者スキルアップ 機械化 環境改善 

アナログ不良=加工精度アップ 設計余裕度アップ 日常管理レベルアップ

 

クレームリストを見て大まかにランダム不良、アナログ不良がどのように発生しているか

データ分析する。そうすると集中度合い傾向や見えてくる。

製造が問題が多いな、設計検討不足だな、日常管理不足かな

 

それらの中からサンプリングして事例を確認し、それをもって設計もしくは製造で詳細を

確認する。

即ち、根本原因の対策になっているか

日常管理はOKか

水平展開はOKか

これらは現場で確認する。 決して書類ではわからないのである。

 

ここで注意する事は、なかなか設計要因まで読みきれないことである。

なぜなら不良は製造現場で起きる。だから真因の追究が浅いと製造の責任なることが多い。

またここでは製品設計のみならず工程設計も設計に含まれる。

製造の上流工程での計画が甘いとそのシワヨセは製造現場に来てしまう。

 

大まかにいうと次のようなことがいえる。

ランダム不良=製造のミス 工程設計のミス

アナログ不良=製品設計のミス 工程設計のミス

 

以上をプロセスアプローチから整理してみよう。

管理責任者または品質保証=クレームリスト 是正処置の内容確認

設計、製造=是正処置の実施状況 効果確認

 

クレームはその流出対策の問題も確認しなければ

ならないが、流出対策即ち、検査 については別のページで述べる。

 

 

 

 

 

プロセスアプローチの審査ノウハウ(1)

プロセスアプローチとはプロセス(職務の機能)の順序、相互関係を踏まえて

整合性と一貫性が維持されているかどうかを確認する手法である。


例えば、営業から始める。

「製品#123の顧客要求は何ですか?」

「この顧客から支給された図面、仕様書です」

見積書はどれですか?」

「これです。@¥100です。」

「この価格の根拠は何ですか?」

原価表に10%マージンを乗せて決めます。原価表は設計で管理しています」

「注文はどれですか?」

「5月1日納期で100個注文書をもらっています」

「この納期で生産は大丈夫ですか?」

「大丈夫です。生産管理部に確認しています」


これらの情報をもとに次のことがプロセスアプローチで確認できる

設計にて

「製品#123の図面、仕様書を見せて下さい。」

「この製品の重要な特性は何ですか?○○ですね。工程能力はどのようなレベルで管理が必要ですか?」「原価表を見せて下さい。製造原価は幾らですか?時間単価×リードタイムで計算しているのですね」

設計計画書を見せて下さい。」


生産管理部にて

生産計画書を見せて下さい。製品#123のリードタイムは3日ですが根拠は何ですか?」

「製造部門で、標準リードタイムが決まっています。工程は工程管理表で明記しています。」

出荷履歴を見せて下さい。製品#123は、5月1日に間に合うように出荷されていますか?」


製造にて

「製品#123の工程管理表を見せて下さい。」

生産実績を見せて下さい。製品#123のリードタイムはどのくらいかかっていますか?」

「リードタイムと工程表の標準時間はあっていますか?」

「そのリードタイムで製造原価はいくらになりますか?」

「製品#123の特性○○の工程能力指数(Cpk)を見せて下さい。」


実際はもっと詳細な質問をするが、プロセスアプローチのイメージをもってもらうために各部門(ここではプロセスに相当)で何を確認してそれを次の部門(プロセス)の質問のネタにしているかを見てもらった。

このプロセスアプローチの手法でプロセスの流れがつかめでしょう。

そして確認しているのはQDCなのです。

Q=図面、仕様書、工程能力、工程管理表

D=注文書 生産計画書 工程管理表 標準時間 出荷履歴

C=見積書 原価表 標準時間

ひとつの製品#123から多くの情報が得られ、品質保証体制を知ることができる。

 

設計審査のノウハウ(2)

設計はその活動が進むにつれて段々と製品の形ができてくる。

例えば、構想⇒試作⇒量産前製品のように

そこでまたまた設計のインプット。

ここでは試作品作成に向けての設計インプットとなる。

試作を作成しない場合はこれらのインプットは先に示したインプットに含める。

(ここでは構想へのインプットと試作作成のためのインプットに分けた)

・過去の失敗事例 クレーム情報

・特許情報

・顧客要求

・公的規格(JISなど)

・社内の設計標準


この段階ではデザインレビューも行われる。デザインレビューでは

何をレビューしたのかチェックリストがあるとよい。

またFMEAを使ってレビューするとよい。


アウトプットは試作のための図面・仕様書。

また、試作のための作業手順書、工程フローがあればなおよい。


この段階では製品設計だけでなく工程設計も行われる。

即ち、生産性が考慮される必要がある。生産性の指標は

次のようなものがある。

不良率、歩留まり、機械稼働率、故障間隔(MTBF)、タクトタイム








設計審査のノウハウ(1)

設計は審査する項目が多い。製品品質を決定するプロセスであるから、重要である。

まずはインプットをから聞いてみよう。

(1)インプット

顧客要求事項は何でしょうか?⇒ 例えば、図面 仕様書などがある

法規制の要求事項は何でしょうか?⇒最近は環境の法規制が多い

製品の新規性は何でしょうか?⇒ これは要求によってケースバイケース。

これらは製品構想に繋がるインプットの質問なので 

どういう製品を設計するのか、要求の概要が明確になっていればOK。

次は

(2)設計計画

設計計画書をみせて下さい。⇒タイムスケジュールを確認する

日程、活動内容、担当者は明確になっていますか?

担当者の力量を確認させて下さい。⇒詳細は後でふれる。6.2項に関連する。

ここで提示される文書は組織によって非常に差がある。多いのは

「設計計画書」というフォーマットのものとに前記のような質問が

すべて書かれいるケースがあるが、ここでは実際に活動する

内容がかかれいることが望ましい。

設計レビュー、製品設計、工程設計、試作検討会、試作検証、

量産前の製品・工程妥当性確認、顧客承認

設計期間の長さやメンバーの多さなどで大きく活動が異なるので

どの程度の細かさで設計計画書に書き表すかは一概にいえないが

考え方の基準はこの次の確認する「設計手順書」と整合しているか

どうかで判断すればよい。


目からウロコの審査

これから まだまだ審査のノウハウを公開していくが

営業の審査を見ただけで、全然 自分たちの審査と

違うと感じた人が多いのではないだろうか?


でも、これが本当のISOの審査なのだ!!!

目からウロコ でしょう!?

あれだけの質問に答えられれば

営業力アップ間違いなし で 売上増進でしょう!?

だから ISOはメイクマネーの規格

なのですよ!


この調子で次々にノウハウを公開していく

ので それを実践してみて下さい。

審査の判定のし方

ここでは審査の判定のし方について述べる。

営業の例のように色々な質問をするが

審査として質問しているので回答されたアウトプットに対しては

判定しなければならない。そして

不整合のときは"不適合”といわなければならない。

「市場開拓方針は何ですか?」

「○○です」

それが 営業方針と違っていれば不適合である。

つまり判定するということは何かの基準と照らし

あわせることである。

では その時点で基準となるものが把握されていな

かったときはどうするか。その時は、基準が手に入った

時点で判定すればよいのである。

社長とインタービューで、社長方針を聞いたときに

「営業ではこのように言っていました。社長方針と

違います」といえばよいのである。判定は即時即決で

なくてよい。

 

審査のイメージができたでしょうか???

 

判定の基準となるものには次のものがある。

■ISOの規格書

■組織の決めたルール

■顧客の要求事項

■法規制

審査は最低限 これらを知らなければ

審査はできないのである。

そして審査の力量で大事なのは

質問力、コミュニケーション、判定力である。

最後にもうひとつ、組織の重要事項を

見極められる判断力。

あくまでも、会社のためになることを

審査で取り上げること!!

営業の審査ノウハウ (4)

こtれまで述べた質問に営業はどれほど

答えられるだろうか?

文書化はできていなくても営業部門として

各階層で統一した答えを期待したい。

しかし、正直 中小企業では心もとない。

社長方針と営業方針が食い違っているようでは

会社として同床異夢である。


審査ではあまり現状肯定のスタイルは良くないと

考えている。といって理想論も良くない。成熟度を

考えたレベルで審査し、気づきをもってもらうのが

良い審査である。「そうですね たいへんですね

頑張って下さい。」では気づきにならない。


このあたりが、良い審査と悪い審査の分かれ目

であろう。また、質問の順序やしゃべり方にも

配慮して答えやすくすることがコミュニケーション

能力を問われる。


もう一度、営業の質問をみてもらいたい。

会社にとって重要なことを審査すればよいのである。

規格のどこに当てはまるのか ですって?

どうして細かいことにこだわるの?条項は7.2 これだけ!

審査のための審査はやめよう。







営業の審査ノウハウ (3)

営業の審査アイテムについて具体的に述べてみよう

(1)マーケティング情報 売上計画

直接売上計画を聞くと簡単なのだが第三者審査では機密情報とあって

答えにくいこともあるので次のように質問する。

「どの市場を伸ばしたいですか?」「どの製品を伸ばしたいですか?」

「それは何故ですか? 自社の強みは何ですか?」

「それは社長方針ですか? 営業方針ですか?」

「社長方針は何ですか?」「新製品の売上比率をどのように

伸ばしたいですか?」

(2)顧客管理

「これから伸ばしたい顧客への営業活動はどのようにしますか?」

「どういう事が改善課題ですか? 技術力?品質?納期?価格?」

「顧客の品質要求事項は何ですか?」

(3)見積書

「価格の根拠となる原価表をみせて下さい。」

(4)契約書

「契約書の内容をみせて下さい。」「履行できているエビデンスをみせて下さい。」

(5)納期調整件数 納期遵守率

「データ分析の結果をみせて下さい。」

(6)新製品企画件数

「アウトプットをみせて下さい。」

(7)販売促進ツール 展示会・カタログなど

「アウトプットをみせて下さい。」

(8)ベンチマーキング 失敗分析

「アウトプットをみせて下さい。」

(9)営業日報

「データ分析の結果をみせて下さい。」

さて、以上のように営業プロセスから多くの情報(アウトプット)が得られる。

これらはプロセスアプローチの審査手法に則って関連するプロセスの

審査情報として活用しなければならない。

例えば、営業日報のデータ分析は顧客満足情報として扱われるものである。

ということはマネジメントレビューにインプットされているかどうか審査しなかればならない。

市場開拓のために技術開発力の強化が必要とあれば、設計部門の設計方針に

そのことが明示されていなければならない。即ち、営業と設計の連携がとれているかどうか

を審査する。

見積書の原価表は生産部門の実態とあったものでなければならないので

その情報をもとに生産部門のもつ情報との整合性を審査する。

このように常にインプット・アウトプットがプロセス間同士でつながっているので

もらさないように審査をする。繰り返すがこれがプロセスアプローチという手法

なのである。これによって部門間のコミュニケーションや会社方針の一貫性が

審査できるのである。ぶつ切り的な審査では決して なし得ないのである。




営業の審査ノウハウ (2)

営業の審査で確認するアイテムを述べてみる

(1)マーケティング情報 売上計画

将来予測をどのようにしているかを確認する。

製品ロードマップ、技術ロードマップ、製品ポートフォリオ

消費動向分析 のようなツールを使っているか。

(2)顧客管理

これは売上分析からもある程度できる。

重要顧客、これから伸ばしたい顧客が絞られているか。

(3)見積書

これは原価管理の基礎情報として使われるものである。

価格のレベルからコスト競争力を知ることができる。

(4)契約書

保障期間のあるもの アフターサービスのあるものは重要である。

(5)納期調整件数 納期遵守率

基本指標として確認すべきものである 対目標比も忘れずに確認する

(6)新製品企画件数

営業がどのようにアイデアを発信しているかみれる

(7)販売促進ツール 展示会・カタログなど

売上計画と整合しているかみる

(8)ベンチマーキング 失敗分析

競合との比較分析 失注事例の分析をどうしているかみる

(9)営業日報

顧客満足情報としても扱える 顧客とのコミュニケーションがわかる


読者のISO審査や内部監査と比べてどうですか?

こんな視点で審査をやると受ける方はキツイかもしれないけれど

必ず営業力の改善につながること間違いない!