ISO9001を極めよう!~審査員の本音 -11ページ目

営業の審査ノウハウ

さて、営業の審査について述べよう。

顧客関連プロセスというヘンな呼び方のプロセスだが、主として営業が

その役割を担うが、設計の役割も大きい。

ここでは次のサブプロセスに分かれる。

1)顧客要求の明確化

2)契約

3)顧客とのコミュニケーション

とくに大事なのが 1)である。これはマーケティングの領域である。

ところで、営業の役割として多いのは顧客満足の評価がある。(条項8.2.1)

ここでは顧客は自社の品質に満足しているか?

技術力を評価しているか? 営業のサービスはよいか?といったことを

質問して満足度を評価することが多い。 それは結構だが、

顧客満足は 顧客要求の充足の程度なので、顧客満足を測定するには

まず顧客要求を明確にしなければならい。この

条項7.2.1と8.2.1が整合していないことが多いので注意しなければならない。

さて、マーケティングだが、これには前提条件を明確にする。

即ち、新商品かリピート製品か。 見込み生産型製品か受注生産製品か

といったことである。その性質によって顧客要求が違ってくるからである。

また、その後に続く生産プロセスも違ってくる。

審査のうまいやり方は、どこに焦点をあてるかというチェックポイントを多く持つことで

ある。それによって柔軟に臨機応変に審査できる。

ここでは幅広く使われる一般的な審査の方法を述べる。 ⇒は一般的な回答。

1)顧客要求はどうやって明確にしていますか?⇒図面 仕様書

2)価格の要求事項はどうしていますか?⇒見積書で明確にしている

3)契約はどうしていますか?⇒ 見積書の回答または 注文書

4)その他の顧客要求は何ですか?⇒納入不良目標 納期目標 など

大きな流れは以上のようになる。

これだけでは質問が大きすぎて、営業のマネジメントに踏み込めないので

次のような質問をする。

1)見積書の価格の根拠

2)見積書提出のリードタイム

3)フィージビリテー(受注の対応能力の可能性調査)

4)顧客要求の新規性 重要特性

5)顧客特有の品質保証に対する要求事項 例えば 納入•不良率10PPM

また、営業の立てている目標の取り組み状況を質問する

1)新規顧客開拓の方法

2)新製品に関する情報の入手方法 データ分析

3)新製品企画書の提案

4)展示会の計画 

5)競合との企業・製品の比較分析 ベンチマーキング

これぐらい質問して大体、営業プロセスの概略がみえてくる

また、強み 弱みが見えてくる







プロの審査ノウハウの公開ーーー(1)

さて、これから審査のノウハウを公開していく。そのためには以前に書いた

プロセスアプローチの考え方をよく覚えておいてもらいたい。

 

ところで、組織は審査員をどう見ているのだろうか。ほとんどの人は審査員は自分の

業務を分かっていない人であると思っているだろう。確かにそのとおりである。

その仕事で何年も何十年のやってきている人に対して製品知識や業務知識は

遠く及ばない。では、審査は意味がないのだろうか。そのようなことはない。

審査員はマネジメントシステムの専門家なのでその側面から製品と業務を

評価する。従って、製品知識や業務知識は一定の知識があると評価されれば

その審査員は認定団体からも審査をしてもよいと認められている。

 

以上のように一定の要件を満たした審査員が審査をする。しかし、問題は

その審査レベルであり、どれほど有効な審査ができるかである。

やはり厳然として審査員の力量のバラツキはある。また、性格の相性もある。

コミュニケーション能力も違う。

審査員はどんなことを考えて審査するのか、まず、有効な審査をするための

テクニカルな面のノウハウをこれから公開していく。

追記:有効な審査にするためには次の要素が必要である。

1)テクニカルな面での審査技術⇒プロセスアプローチを基礎とするものである

2)コミュニケーション能力

3)マネジメントの洞察力⇒組織の成熟度、体質、風土を洞察する能力

 

 

 

 

 

 

 

プロの審査ノウハウを公開しよう ---プロセスアプローチ(2)

プロセスとは何かを説明する。

プロセスとは機能である。例えば、営業、設計、購買というようなものである。

機能の多くは部署単位で機能をもっているが、そうでないケースもある。

例えば、教育訓練プロセスは階層教育は総務、専門教育は各部署と、役割

を分けてそのプロセスをカバーしている。

 

ではプロセスは何から成り立っているのか。それは次のものである。

1)目的 ⇒そのプロセスは何の機能を果たすのか

2)目標⇒定量化された目標が設定される。EX 売上 不良率

3)インプット アウトプット

3)経営資源 ⇒ 一般的に4M といわれる

4)プロセスの測定指標  時間 品質(エラー率) コストなど

5)他の関係するプロセスのインターフェイス

 

このようにプロセスを定義して審査をしないと有効な審査はできない。

しかし、実際にはプロセス毎ではなく部署単位で審査を行っているでは

ないかという疑問があるが、これはあくまでも被審査側の都合を考慮しての

ものである。教育訓練プロセスを審査するにあたって関係部署を会議室に

集めてもらうわけにはいかない。

従って、審査員は常に部署ごとの審査でメモをとって、最終的にとった

メモをもとに、部署ごとの審査結果をプロセスごとの審査結果に変換して

評価し直している。

尚、プロセスアプローチは規格の要求事項ではなく、テクニックである。

もし、要求事項であれば企業が行う内部監査はほとんど対応できていないので

不適合になってしまう。

 

 

 

 

プロの審査ノウハウを公開しよう ---プロセスアプローチ(1)

ISO9001の審査はプロセスアプローチで行われることは

規格書にも書かれている。では具体的にプロセスアプローチ

とは何なのか、プロの審査ノウハウを説明しよう

 

まず、プロセスアプローチの目的から話そう。

これは組織のシステム、機能、パフォーマンス、経営資源を

定義して顧客満足のための改善を探る分析手法である。

分析の仕方はプロセスを対象に行う。

この考え方よりも以前に使われていた伝統的な分析手法は計数分析

である。もちろんこれは今も使われているものだが、組織

のもつあらゆる計数データを分析して組織の改善を探る

手法である。従って、この手法はプロセスアプローチと違って

現場を見なくても会議室でも実行できる。代表的なものは

財務分析である。(この場合、在庫は現物をみるかもしれないが)

 

組織は付加価値を生む出すバリューチェーンから成っている。

即ち、マーケティング、営業、設計、製造、出荷である。

これらの各機能がプロセスであり、プロセスアプローチで

プロセスのインターフェイスを追跡していくと、それ自体が

バリューチェーンを見れる というわけである。

 

さて、プロセスアプローチはどのように進めるのか。

そにためにはまず、計画が非常に重要である。次のことを

確認しなければならない。

1)プロセスを定義する⇒ プロセスの目的と必要とする経営資源を定義する

2)プロセスのインプットとアウトプットを定義する

3)プロセスのパフォーマンスの指標を決める

4)他のプロセスとのインターフェイスを明確にする

 

この時注意しなければならないのは、プロセスは

それを構成するサブプロセスもあるので、それも

定義しておく。例えば、購買プロセスは

7.4.1 7.4.2 7.4.3の三つのサブプロセスがある。

 

まず、この段階で多くの間違いがあるのは、審査の条項や被審査部署を

計画にしていることである。あくまでも計画はプロセスベースでなければ

ならない。条項や部署はプロセスの要素である。条項や部署からアプローチ

してしまうとシステムの部分から入ってしまい、全体が見えなくなる。

 

続きは次回

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

改善はやっているつもりではダメ

改善活動はされていますか?と尋ねると

改善はやっています とどの企業も言う。

では、どんなことをやったのですか と尋ねると

 

問題点について品質ミーティングで討議しました。

と その議事録が示される。

○月○日 製品××の電気不良が多発 ⇒製造部は機械調整すること

 

今、パソコンLANでネットワーク化をやって情報の一元管理を

やっています。それは総務が主管でプログラムをつくっています。

それはいつまでに完成するのですか?

秋口にはできる予定です。仕事の合間をみながらやっていますので

なかなか進みません。

 

こんな感じで、確かに改善を実施しているという状況はわかる。

しかし、完結した という活動のまとまり感がない。

 

改善とは何か と質問されたら皆さんは何と答えますか?

 

改善とは、仕事の基準を変えることです。

ですから基準がかわったことが見えないと改善したとはいえません。

それは 改善したつもり にとどまっています。

 

だから改善をやっている割に効果の実感がないのは、基準を変更した

前後の検証がされていないからです。変更したという変化点が

明確でないと改善効果の検証のしようがありません。

 

改善したというのであれば、変更した基準を明確にしましょう。

それが改善のエビデンスです。

品質保証部は改善を推進する立場からエビデンスを追求して下さい。

 

 

 

 

久しぶりに訪れた企業

2年ぶりにある地方の企業を訪問した。このような

時はその後、企業がどう変わっているかが楽しみ

である。

 

さて、玄関の戸をあけて挨拶をしたところ、どうも

ムードが暗い。この印象はその後、あたっていたこと

がわかった。

この2年でリストラを行い、それでも間に合わないので

短時間労働を行っているという。主力製品が中国に

もっていかれたことが売上激減につながっていた。

経営者は半年前に変わっており、その人とは初めて

の面談であるが、このような局面で登用される経営者にも

同情する。その人は取引先から来た外部の招聘である。

 

一通りの審査が終え、経営者には単刀直入に

今の経営状況の問題を伝えた。そのひとつに

リーダーが育っていないことを伝えた。2年前と

何ら変化がないということである。維持は後退を

意味する。

役員である人事部長には厳しいコメントした。

時間をムダに使っている 人を育てていない

戦う人が見当たらない  ‥

 

企業の衰退の原因は製品競争力の低下とマネジメントに

よるものと大きく2つに分かれる。この企業の場合

中国の攻勢にあって製品競争力が落ちたことが

理由なのだろうか。表面的にはそうだが それは

予測できたことではないか。本当の問題はマネジメント

にあるのではないか。

 

2年前、当時の経営者と議論をしたことを思い出す。

それは目標をクレームゼロにしていたが、全然達成していないのに

相変わらず目標を変えようとしない、追加策をとろうとしないことについてである。

ゼロにするという意識、発想が大事であることを主張する

経営者と実態に即した手を打っておらず目標管理の有効性

が見出せないことを指摘する筆者の意見が対立した。

 

今回も、目標は以前と同じで変わっていなかったので、前回と

同じく各部署でクレームゼロの取り組みが甘いことを指摘した。

しかし、どの部署の責任者もあきらめムードなのである。

できない自分たちの状況を変えようとする意欲すら見えない。

これが先に書いたリーダーが育っていないというコメントにつながった。

 

高い目標は結構であるが、それに押しつぶされていないか?

お題目になっていないか? 目標の持ち方は両刃の剣である。

経営者の精神論に偏った無策が企業衰退の遠因になっていなけれ

ばよいと思うがいかがか。

 

最終日の終了ミーティングで経営者が言った言葉が忘れられない。

「私たちはいつか間にか病気になっていたがそれに気づかなかった。

いや、審査員からいわれたのだがそれに気づこうとさえしてこなかった。

まず、この病気にメスを入れていきたい」

 

今まで蓄積した技術力はまだまだ活かせるはずである。

頑張れ。勝負はこれからである。

管理責任者の苦悩

管理責任者は社長の任命を受けたISO事務局の責任者である。

その最大の任務はISOの取得である。そのために社内の説得に

奔走し、ありとあらゆる文書を作った。社内の抵抗はあったが

ISOを後ろ盾に必要があると押しとおした。

さて、本審査は合格した。やれやれである。後は継続審査だが、

それは各部門の責任者に任しておけばよいだろう。

 

そして何回か継続審査を受けた。そこで管理責任者は青ざめる。

なんなんだ、このマネジメントシステムは。ムダなシステムを改善

することなくISOの取得欲しさに文書で塗り固めてしまっている。余計な文書が

多すぎる。システムが重い。業務と整合性がない。

 

ISOのためにやってきたことが今、ISOの活用を阻む錘になっている。

ISOを引っ張ってきた者が実はISOの足を引っ張る張本人になっている。

今さら、文書を削減しようというのもいいにくい。あれだけ必要性を説得

したのだから。

 

このような問題はないだろうか。もしそれが放置されていれば

その組織は官僚主義に陥っている。

即ち、前例主義、失敗を認めない、責任をとらない、

 

管理責任者は懺悔をして一刻も早くシステムを大改造すべきだ。

 

 

 

 

 

 

ある独身女性管理職の生きざま

今回は、30歳前半の ある独身女性管理職の生きざまについて紹介する。

その女性は40数人の部下をもつ課長職で、次期 部長候補と言った。確かに会話から優秀な片鱗を伺わせる。話し言葉の句読点がしっかりしているし、語尾も明確である。毎日12時まで残業だそうだ。

でもあと2年で辞めるという。

「なぜ 辞められるのですか?すばらしいキャリアなのにもったいない」

「このままでは、人生が仕事漬けになってしまいます。ノルマをこなすのに大変ですが、さらに昇格してしまったらもう会社から抜けなくなってしまいます。」

「仕事は充実していますか?」

「毎日 大変ですが、達成感はあります。マネージャーですから結果を求められ、数字をいつも見てます。しかし、私がしたいのは人との関わりなのです。一年前A子さんができなかった事が今はできるようになった。B君の発言がグレードアップした ということに喜びがあるのです。しかし、毎日アウトプットされる数字には人の成長が見えないのです。冷たい数字ばかりです。」

「辞めて何をされるのですか?」

「パン屋か保母さん。人との関わりをもちたいのでカウンセラーにも興味があります。もう、OLのような仕事にはもどれません。そのような仕事はバカにしてしまうと思いますから。」「私は今とは違う人との関わり方を通じて人間としての器を大きくしたいのです。今の仕事ではそれができるか疑問を感じています。」

話の中でバリューチェーンやポジショニングといったマネジメント用語が使われていた。毎月3冊の経営本を読むのもノルマだそうだ。この若さですごい人!

最後に

「あなたは優しい方なのですね」といったら恥ずかしそうに下を向いた。

キャリアを捨てるのはもったいない というのは男の発想である。女性の生き方はもっとダイナミックなのかもしれない。女性は深遠である。

y=a x + b

y=a x + b

この意味は、y は x によって変化するという意味である。
ご存知ですよね。中学のときに数学の先生に教えてもらった。

これを 成功法則的に解釈するとこうなる。

y;成果。xである努力の結果 得られるもの。
 
a;効率。効率のよい努力の仕方を知っている人は大きな値になる。
    無駄の多い人は地小さな値。
x;努力の度合い。値の大きさは本人次第。

b;今まで築いてきた実績


つまり、成果は努力に効率をかけて、bを足したものである。
それが今の姿である。この式からいえることは

だから 努力しようよ。
きっと 報われるよ。 ということを教えてくれる。

こんな解説を数学の時間にしてくれる先生は きっと
すばらしい人だ。

審査員というもの~審査機関の内情

審査機関や審査員とは
いかなるものか。

ISO9001の歴史はまだ10数年しか
たっていない。しかしあっという
まに国内に広まって当初は審査員
の数が足りず、教育不足の審査員
を使わざるを得ず、結果としてISO
の評判を落とすことになった。

それでも第1世代の審査員から
経験を積んだ腕のよい審査員も現
れた。そして高齢で引退する人も
でて、第2世代を経て今は第3
世代に入っている。

審査員は職人肌、一匹狼が多いが
組織的に正社員の審査員を育てよう
とする審査機関もあり、2極化して
いる。

皆さんは今の審査に満足している
だろうか。

審査機関のポリシーをよく
確認した方がよい。

お茶を飲んで世間話しで終わる審査
も多いはずである。
不満なら審査機関を自由に変える
ことができるので変えた方がよい。
審査のクォリティは組織のマネジ
メントに意外なほど大きな影響を
与えている。
それは経営者の審査を通じて、経営者
の意識が変わっていることからも感
じられる。