久しぶりに訪れた企業 | ISO9001を極めよう!~審査員の本音

久しぶりに訪れた企業

2年ぶりにある地方の企業を訪問した。このような

時はその後、企業がどう変わっているかが楽しみ

である。

 

さて、玄関の戸をあけて挨拶をしたところ、どうも

ムードが暗い。この印象はその後、あたっていたこと

がわかった。

この2年でリストラを行い、それでも間に合わないので

短時間労働を行っているという。主力製品が中国に

もっていかれたことが売上激減につながっていた。

経営者は半年前に変わっており、その人とは初めて

の面談であるが、このような局面で登用される経営者にも

同情する。その人は取引先から来た外部の招聘である。

 

一通りの審査が終え、経営者には単刀直入に

今の経営状況の問題を伝えた。そのひとつに

リーダーが育っていないことを伝えた。2年前と

何ら変化がないということである。維持は後退を

意味する。

役員である人事部長には厳しいコメントした。

時間をムダに使っている 人を育てていない

戦う人が見当たらない  ‥

 

企業の衰退の原因は製品競争力の低下とマネジメントに

よるものと大きく2つに分かれる。この企業の場合

中国の攻勢にあって製品競争力が落ちたことが

理由なのだろうか。表面的にはそうだが それは

予測できたことではないか。本当の問題はマネジメント

にあるのではないか。

 

2年前、当時の経営者と議論をしたことを思い出す。

それは目標をクレームゼロにしていたが、全然達成していないのに

相変わらず目標を変えようとしない、追加策をとろうとしないことについてである。

ゼロにするという意識、発想が大事であることを主張する

経営者と実態に即した手を打っておらず目標管理の有効性

が見出せないことを指摘する筆者の意見が対立した。

 

今回も、目標は以前と同じで変わっていなかったので、前回と

同じく各部署でクレームゼロの取り組みが甘いことを指摘した。

しかし、どの部署の責任者もあきらめムードなのである。

できない自分たちの状況を変えようとする意欲すら見えない。

これが先に書いたリーダーが育っていないというコメントにつながった。

 

高い目標は結構であるが、それに押しつぶされていないか?

お題目になっていないか? 目標の持ち方は両刃の剣である。

経営者の精神論に偏った無策が企業衰退の遠因になっていなけれ

ばよいと思うがいかがか。

 

最終日の終了ミーティングで経営者が言った言葉が忘れられない。

「私たちはいつか間にか病気になっていたがそれに気づかなかった。

いや、審査員からいわれたのだがそれに気づこうとさえしてこなかった。

まず、この病気にメスを入れていきたい」

 

今まで蓄積した技術力はまだまだ活かせるはずである。

頑張れ。勝負はこれからである。