【作品#0820】アイアンマン2(2010) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

アイアンマン2(原題:Iron Man2)

【概要】

2010年のアメリカ映画
上映時間は124分

【あらすじ】

アイアンマンのスーツを政府に引き渡すのを拒否するトニー・スタークは同様のスーツがこの世に誕生するにはあと5年から10年かかると高を括っていた。ところが、ロシアのイワン・ヴァンコが独学で同様のスーツを作り上げ、トニー・スタークが出場するモナコのカーレース会場に現れる。

【スタッフ】

監督はジョン・ファヴロー
音楽はジョン・デブニー
撮影はマシュー・リバティーク

【キャスト】

ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク/アイアンマン)
グウィネス・パルトロウ(ペッパー・ポッツ)
ドン・チードル(ローディ/ウォーマシーン)
スカーレット・ヨハンソン(ロマノフ/ブラック・ウィドウ)
ミッキー・ローク(イワン・ヴァンコ/ウィップラッシュ)
サム・ロックウェル(ハマー)
サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー)
ジョン・ファヴロー(ハッピー)

【感想】

前作から半年後。世界各地の戦争や紛争を鎮圧して世界平和に貢献してきたトニー・スタークはアメリカ政府からスーツを引き渡すよう求められる。一個人が持つにはあまりにも大きなものであるからであろう。これはDCコミックの作品ではあるが「スーパーマン リターンズ(2006)」でも描かれたことだ。基本的に政府は頼りになる存在ではないので、民間でやらなければならない。

かつては金持ちといえば共和党というイメージも最近では逆転してきており、本作にカメオ出演しているイーロン・マスクもかつては民主党支持者だったし(後に共和党支持者になる)、本作の製作に携わるハリウッドも民主党支持者が多い。なのでトニー・スタークの姿勢は納得がいく。

本作の前半は調子に乗ったトニー・スタークが落ちぶれていく物語である。このキャラクターは前作から変わりないといえばそれまでなのだが、まるでドラえもんののび太が道具を使って調子に乗っているレベルなのでかなり幼稚に見える。

新しい心臓を手に入れる工程は何となく描かれているが、父親を乗り越えるドラマとしてはかなり物足りない。新しい力を手に入れたこと、父親を乗り越えたことがドラマとして、あるいは映像としてスカッとするものがない。また、中毒を引き起こしていくところはやはりこちらもロバート・ダウニー・Jr.の薬物による不祥事を思わせるだけに、トニー・スタークが苦労する描写は必要だったと思う。ちょっと調子に乗る場面が長過ぎる気はする。

それから敵のイワン・ヴァンコ側にあまりにも物語がなさすぎないか。トニー・スタークの父親ハワードの敵だったという物語を用意しているが、そもそもトニー・スタークの父親ハワードについてもそんなに描かれたわけではない。この息子にして父親に敵が居てもおかしくないとは思えるが。

ドローンがたくさん登場することで映像的な迫力も出したかったのだろうと察するがいくら何でも弱すぎ。アイアンマンとウォーマシーンの協力も同時に描く意図があったと思うが、ただの雑魚キャラ。あとは、後に出てくるイワン・ヴァンコがスーツに入ったウィップラッシュとドローンの違いもピンとこない。というかドローンでここまで出来たらそれはそれで凄いというか問題というか。イワン・ヴァンコってめちゃくちゃ凄い奴じゃないか。

また、スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドーが初登場する作品でもあるが、関わり方が露骨すぎるし決してうまくはない。彼女が活躍するところはトニー・スタークの居ないところだしなぁ。

アクションに関してはCGで何でもありの時代になり、スーパーヒーローものの映画はどれもこれも一緒という印象はこの2010年時点の作品ですでにある。ただ、モナコでのトニー・スタークがアイアンマンに変身するところのカッコよさについては言及しておきたい。これは大人になった今見ても見惚れるものであった。

シリーズの続編として、成功した主人公を再び奈落の底に落として底から這い上がるという定石の物語を用意したがあまり機能していない。今作に関してはブラック・ウィドーの登場を見送って、トニー・スタークの内面にもっとフォーカスしたドラマを用意すべきだったと思う。

【関連作品】


アイアンマン(2008)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 1作目(通算1作目)
インクレディブル・ハルク(2008)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 2作目(通算2作目)
「アイアンマン2(2010)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 3作目(通算3作目)
マイティ・ソー(2011)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 4作目(通算4作目)
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 5作目(通算5作目)
アベンジャーズ(2012)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 6作目(通算6作目)
アイアンマン3(2013)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 1作目(通算7作目)
マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 2作目(通算8作目)
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 3作目(通算9作目)
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 4作目(通算10作目)
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェース2 5作目(通算11作目)
アントマン(2015)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 6作目(通算12作目)
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 1作目(通算13作目)
ドクター・ストレンジ(2016)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 2作目(通算14作目)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 3作目(通算15作目)
「スパイダーマン:ホームカミング(2017)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 4作目(通算16作目)
「マイティ・ソー バトルロイヤル(2017)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 5作目(通算17作目)
「ブラックパンサー(2018)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 6作目(通算18作目)
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 7作目(通算19作目)
「アントマン&ワスプ(2018)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 8作目(通算20作目)
「キャプテン・マーベル(2019)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 9作目(通算21作目)
「アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 10作目(通算22作目)
「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 11作目(通算23作目)
「ブラック・ウィドウ(2021)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 1作目(通算24作目)
「シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 2作目(通算25作目)
「エターナルズ(2021)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 3作目(通算26作目)
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 4作目(通算27作目)
「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 5作目(通算28作目)
「ソー:ラブ&サンダー(2022)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 6作目(通算29作目)
「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 7作目(通算30作目)
「アントマン&ワスプ:クアントマニア(2022)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ5 1作目(通算31作目)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ5 2作目(通算32作目)
「マーベルズ(2023)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ5 3作目(通算33作目)」



取り上げた作品の一覧はこちら



【予告編】

 


【配信関連】

<Amazon Prime Video>

言語
├オリジナル(英語/フランス語/ロシア語)

 

<Amazon Prime Video>

言語
├日本語吹き替え


【ソフト関連】

<BD+DVD>

言語
├オリジナル(英語/フランス語/ロシア語)
├日本語吹き替え
音声特典
├ジョン・ファヴロー(監督)による音声解説
映像特典
├SHIELDデータ保管庫
├プレビズとアニマティクス

 

<4K Ultra HD+BD>

収録内容
├上記BD+DVDと同様