【作品#0857】アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(原題:Avengers: Age of Ultron)

【概要】

2015年のアメリカ映画
上映時間は141分

【あらすじ】

アベンジャーズの面々は、ロキの杖を使った人体実験をしていたヒドラの残党をやっつける。杖を持ち帰ったトニー・スタークはブルース・バナーと二人で地球を守るためのウルトロン計画実現のためにこの杖を利用するが、ある夜にウルトロンが自我に目覚め、杖を奪って姿を消してしまう。

【スタッフ】

監督はジョス・ウェドン
音楽はタイラー・ベイツ/ブライアン・タイラー
撮影はベン・デイヴィス

【キャスト】

ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク/アイアンマン)
クリス・ヘムズワース(ソー)
マーク・ラファロ(ブルース・バナー/ハルク)
クリス・エヴァンス(スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ)
スカーレット・ヨハンソン(ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ)
ジェレミ・レナー(クリント・バートン/ホークアイ)
ドン・チードル(ローディ/ウォーマシン)
アーロン・テイラー=ジョンソン(ピエトロ・マキシモフ/クイックシルバー)
エリザベス・オルセン(ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ)
ポール・ベタニー(J.A.R.V.I.S./ヴィジョン)
コビー・スタルマーズ(マリア・ヒル)
アンソニー・マッキー(サム・ウィルソン/ファルコン)
ヘイリー・アトウェル(ペギー)
イドリス・エルバ(ヘイムダル)
リンダ・カーデリーニ(ローラ・バートン)
ステラン・スカルスガルド(エリック・セルヴィグ)
アンディ・サーキス(クロウ)
ジェームズ・スペイダー(ウルトロン)
サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー)
ジョシュ・ブローリン(サノス)※ノンクレジット

【感想】

「マーベル・シネマティック・ユニバース」のフェーズ2の5作目にして通算11作目となった本作は3億3千万ドルの製作費に対して、全世界で14億ドルを超える大ヒットを記録した。本作の監督をしたジョス・ウェドンは多くのキャラクターを描く本作で疲弊して後のシリーズを監督しないと決意した。アーロン・テイラー=ジョンソンとエリザベス・オルセンは本作の前年「GODZILLA ゴジラ(2014)」で兄妹役を演じていた。

結局はトニー・スタークのせいで起こった悲劇をアベンジャーズの面々で解決していく物語である。まさにマッチポンプのようなお話である。自我に目覚めたウルトロンから「地球を守るためにはアベンジャーズが消滅する必要がある」と言っているが、このトニー・スタークを中心としたアベンジャーズである限りこの発言は間違っていないと思うわ。

トニー・スタークが原因で始まった今回の惨劇。アイアンマン対ハルクほど早く終わってくれと思った戦いはない。仲間割れが原因で町が破壊され、一応人は死んでいないみたいな描かれ方をしているがこれだけ大暴れしたら相当な人間が死んでいることだろう。街が一つ丸ごとなくなってしまっているし。

また、「アベンジャーズ(2012)」の項でも指摘したが、これだけ大暴れしたのに復旧に手を課さないって本当に地球のことを思っているのかと感じてしまう。トニー・スタークが作り上げたウルトロンをやっつけたらそれでお終いなのか。トニー・スタークをはじめとするアベンジャーズの面々が今回の一件に対して誰一人として真剣に向き合っていない。自分たちの行いに傲りを感じていたのではないかと疑うことすらしていない。それに気付けていないことを客観的に描いている訳でもない。割とマジでどうしようもない連中としか言いようがないぞ。

人工知能が自我に目覚めるみたいな擦り倒されたテーマで物語を進めていくのは問題ないと思う。ただ、本作を見る限り「人工知能=悪」ではなくて、それを生み出す人間に問題があるという風に映る。トニー・スタークは一人の自我を持った人間である。ブルース・バナー以外の連中には内緒でウルトロン計画を進めていたのだ。知識や権力をトップのごく一部しか握りえない組織ってヤバいと思うぞ。この一件がバレて周囲から批判を受ける場面があるが、トニー・スタークは軽く受け流している。トニー・スタークって元々こんな奴だしなって思えてしまうところが悲しい。

また、幻覚を見るとか、仲間割れとかそれって「アベンジャーズ(2012)」でやったことと同じやん。その幻覚を見る場面で、スティーブ・ロジャースはペギーの姿を、ソーはヘイムダルの姿を少し見るのだが、単体作品に登場したキャラクターを一同が会する「アベンジャーズ」で登場させるのに相応しいものだとは思えない。この幻覚の場面のために撮影したのかという雑念が過ぎるわ。こんなところでペギーやヘイムダルが出てきたってドラマに深みを与えられている訳ではないぞ。

コテンパンにやられたアベンジャーズの面々は一度バラバラになる。ソーがエリック・セルヴィグ博士に会いに行く件は必要か。バラバラになってあっちもこっちも描くというのは前作でも指摘したようにキャラクターを増やしまくった「ワイルド・スピード」シリーズに似ている。キャラクターが増えることは映画内で足し算にしかなっておらず、前作からの進化も見られない。ヒドラの残党によって作り上げられたクイックシルバーとスカーレット・ウィッチも気付けばアベンジャーズの味方になっており、また人数が増えたことになる。キャラクターをたくさん集めたり前作より増やしたりすれば面白くなるわけではない好例だと思う。

人工知能をテーマにした作品は数多ある。その大体が人工知能に抵抗する人間を描いている。本作もその例に漏れないのだが、これほどに人間が愚かだと人工知能に負けるのも時間の問題ではないかと危機感を抱いてしまう(もちろん本作にそんな意図はないのだが)。

【関連作品】


アイアンマン(2008)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 1作目(通算1作目)
インクレディブル・ハルク(2008)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 2作目(通算2作目)
アイアンマン2(2010)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 3作目(通算3作目)
マイティ・ソー(2011)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 4作目(通算4作目)
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 5作目(通算5作目)
アベンジャーズ(2012)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 6作目(通算6作目)
アイアンマン3(2013)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 1作目(通算7作目)
マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 2作目(通算8作目)
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 3作目(通算9作目)
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 4作目(通算10作目)
「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェース2 5作目(通算11作目)
アントマン(2015)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 6作目(通算12作目)
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 1作目(通算13作目)
ドクター・ストレンジ(2016)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 2作目(通算14作目)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 3作目(通算15作目)
「スパイダーマン:ホームカミング(2017)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 4作目(通算16作目)
「マイティ・ソー バトルロイヤル(2017)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 5作目(通算17作目)
「ブラックパンサー(2018)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 6作目(通算18作目)
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 7作目(通算19作目)
「アントマン&ワスプ(2018)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 8作目(通算20作目)
「キャプテン・マーベル(2019)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 9作目(通算21作目)
「アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 10作目(通算22作目)
「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 11作目(通算23作目)
「ブラック・ウィドウ(2021)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 1作目(通算24作目)
「シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 2作目(通算25作目)
「エターナルズ(2021)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 3作目(通算26作目)
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 4作目(通算27作目)
「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 5作目(通算28作目)
「ソー:ラブ&サンダー(2022)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 6作目(通算29作目)
「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 7作目(通算30作目)
「アントマン&ワスプ:クアントマニア(2022)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ5 1作目(通算31作目)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ5 2作目(通算32作目)
「マーベルズ(2023)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ5 3作目(通算33作目)」



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【予告編】

 

 

【配信関連】

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言語
├オリジナル(英語/韓国語)


<Amazon Prime Video>

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├日本語吹き替え


【ソフト関連】

<BD+DVD>

言語
├オリジナル(英語/韓国語)

├日本語吹き替え
音声特典
├ジョス・ウェドン(監督)による音声解説
映像特典
├製作の舞台裏
├未公開シーン/NGシーン


<4K Ultra HD+BD>

収録内容
├上記BD+DVDと同様