【作品#0842】マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

マイティ・ソー/ダーク・ワールド(原題:Thor: The Dark World)

【概要】

2013年のアメリカ映画
上映時間は112分

【あらすじ】

ロンドンでの重力異常の現場に出向いたジェーンの身体に恐るべき力「ダーク・エルフ」が取り込まれてしまう。愛するジェーンを助けるためにソーは彼女をアスガルドへ連れて行くが…。

【スタッフ】

監督はアラン・テイラー
音楽はブライアン・タイラー
撮影はクレイマー・モーゲンソー

【キャスト】

クリス・ヘムズワース(ソー)
ナタリー・ポートマン(ジェーン・フォスター)
トム・ヒドルストン(ロキ)
ステラン・スカルスガルド(エリック・セルヴィグ)
イドリス・エルバ(ヘイムダル)
クリストファー・エクルストン(マレキス)
アドウェル・アキノエ=アグバエ(アルグリム/カース)
カット・デニングス(ダーシー)
レネ・ルッソ(フリッガ)
アンソニー・ホプキンス(オーディン)
ベニチオ・デル・トロ(コレクター)※ノンクレジット
クリス・エヴァンス(キャプテン・アメリカ)※ノンクレジット

【感想】

「マイティ・ソー(2011)」の続編であり、マーベル・シネマティック・ユニバースの通算8作目となる本作は、前作よりも予算アップして興行収入も前作より2億ドル以上売り上げを伸ばした。

とんでもない説明映画。今まで起こったこと、今起こっていること、これから起こることを登場人物がベラベラと説明しまくっている。そもそもアスガルドの話を地球と結びつけるから無理が生じることになるのではないか。前作も変な理屈をこねてソーが地球にやって来て危機を脱する物語にしていたが、本作またしてもアスガルド地球にいるジェーンと話が結びつく。前作「マイティ・ソー(2011)」のラストでアスガルドと地球を結ぶビフレストを破壊して彼らはもう二度と会えない運命というオチだった。ところが、「アベンジャーズ(2012)」であっさりソーは地球にやってくる。どうせソーは地球に帰って来ることが分かり切っていたのだとしたら彼らがもう二度と会えないという筋書きはなくて良かったはず。

本作の割と序盤で再会を果たすと、そんな事情を知らないジェーンは突然姿を消したソーを攻め立て、さらに「アベンジャーズ(2012)」の時に地球に来ていたのになぜ私に会いに来なかったのかと言ってビンタする。ソーが説明するとジェーンはそれを言い訳だと思っているし、観客向けの説明にしかなっていない。前作で彼らがもう二度と会えないというオチを用意したからこそ、それを翻す展開に言い訳じみたセリフが必要になってしまったのだろう。

一応はジェーンがアスガルドへ行くことによってようやくこのアスガルドと地球が繋がったような感じになったが、強引であることには変わりはない。謎の力を手にするのがジェーンである必然性はもはやない。彼女の助手ダーシーでも、その助手のイアンでも良かった。さらにこの力を手に入れた後に偶然ソーは地球にやってくる。テンポよく、そして都合よく話を進めることしか頭にないくらいにサクサク進んでいく。そして、ジェーンがアスガルドに来たことで敵にアスガルドが狙われることになり、敵によってソーの母親フリッガが殺される…。

このままではアスガルドが滅ぼされると考えたロキは禁断の場所スヴァルトヘイム行きを決意する。ところが、そこへ行ける技術を持っているのはロキしかいないというだ。せっかく捕まえたロキを牢屋に閉じ込めたままにするわけにもいかず、ロキをメインストーリーに絡めさせるための展開だと思うがいくら何でもやわ。しかも、これはロキにしかできないと思えるものが少なくとも映像では表現されていなかったように思う(ソーだけでも出来たはず)。

その後は裏切り者だったロキがソーに協力する展開が用意されることでロキというキャラクターを少しは見直したと思えるドラマはそれなりに描かれたと思う。だからこそ、ロキが生きているというオチは多くの観客が気付いたことだろう。中盤でソーはロキが幻覚を使っているかどうかを見破る描写があるのだから、ラストだって見破れたはずではないか。もし幻覚を使っているのを見破れないなら、なぜ見破れないのかは明示すべきじゃないか。物語の都合上、いいように利用しているに過ぎない。

やはりアスガルドという異世界と地球という現実を結びつけるために創作された物語があまりにも不自然であり、その不自然さをなくすためのセリフがただの説明にしかなっていない。前作の項で「魂がこもっていない」と記したがそれは本作にも言えることだ。

【関連作品】


アイアンマン(2008)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 1作目(通算1作目)
インクレディブル・ハルク(2008)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 2作目(通算2作目)
アイアンマン2(2010)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 3作目(通算3作目)
マイティ・ソー(2011)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 4作目(通算4作目)
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 5作目(通算5作目)
アベンジャーズ(2012)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ1 6作目(通算6作目)
アイアンマン3(2013)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 1作目(通算7作目)
「マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 2作目(通算8作目)
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 3作目(通算9作目)
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 4作目(通算10作目)
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェース2 5作目(通算11作目)
アントマン(2015)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ2 6作目(通算12作目)
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 1作目(通算13作目)
ドクター・ストレンジ(2016)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 2作目(通算14作目)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 3作目(通算15作目)
「スパイダーマン:ホームカミング(2017)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 4作目(通算16作目)
「マイティ・ソー バトルロイヤル(2017)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 5作目(通算17作目)
「ブラックパンサー(2018)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 6作目(通算18作目)
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 7作目(通算19作目)
「アントマン&ワスプ(2018)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 8作目(通算20作目)
「キャプテン・マーベル(2019)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 9作目(通算21作目)
「アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 10作目(通算22作目)
「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ3 11作目(通算23作目)
「ブラック・ウィドウ(2021)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 1作目(通算24作目)
「シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 2作目(通算25作目)
「エターナルズ(2021)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 3作目(通算26作目)
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 4作目(通算27作目)
「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 5作目(通算28作目)
「ソー:ラブ&サンダー(2022)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 6作目(通算29作目)
「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ4 7作目(通算30作目)
「アントマン&ワスプ:クアントマニア(2022)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ5 1作目(通算31作目)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ5 2作目(通算32作目)
「マーベルズ(2023)」…マーベル・シネマティック・ユニバース フェーズ5 3作目(通算33作目)」



取り上げた作品の一覧はこちら



【予告編】

 

 

【配信関連】

<Amazon Prime Video>

言語
├オリジナル(英語)


<Amazon Prime Video>

言語
├日本語吹き替え


【ソフト関連】

<BD+DVD>

言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
音声特典
├アラン・テイラー(監督)、ケヴィン・ファイギ(製作)、トム・ヒドルストン(出演)、クレイマー・モーゲンソー(撮影)による音声解説
映像特典
├マーベル・ワンショット:王は俺だ

├政策の舞台裏
├未公開シーン
├NGシーン集


<4K Ultra HD+BD>

収録内容
├上記BD+DVDと同様