【作品#0591】ワイルド・スピード/SKY MISSION(2015) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ワイルド・スピード/SKY MISSION(原題:Furious 7)


【概要】

2015年のアメリカ/中国/日本/カナダ/UAE合作映画
上映時間は138分
※エクステンデッド版は140分

【あらすじ】

前作の悪役オーウェン・ショウの兄であるデッカードがホブスを襲い、ドミニクの仲間の情報を調べ、東京にいるハンを殺害する。そのデッカードとドミニクが戦う最中、ミスター・ノーバディと名乗る秘密組織の男が現れ、世界をハッキングできるシステムの奪還をドミニクに依頼する。

【スタッフ】

監督はジェームズ・ワン
音楽はブライアン・タイラー
撮影はスティーヴン・F・ウィンドン

【キャスト】

ヴィン・ディーゼル(ドミニク)
ポール・ウォーカー(ブライアン)
ドウェイン・ジョンソン(ホブス)
ミシェル・ロドリゲス(レティ)
ジョーダナ・ブリュースター(ミア)
タイリース・ギブソン(ローマン)
ジェイソン・ステイサム(デッカード・ショウ)
カート・ラッセル(ミスター・ノーバディ)
ジャイモン・フンスー(ジャカンディ)

【感想】

シリーズ3作目から監督を続けていたジャスティン・リンから監督がジェームズ・ワンに代わったシリーズ7作目は、クランクアップ前にポール・ウォーカーが事故死したが彼の兄弟がスタントダブルを務めるなどして完成させ、全世界で15億ドルを超えるヒットを記録した(当時歴代4位、2023年現在歴代11位)。ちなみに、初週末だけでシリーズ1作目「ワイルド・スピード(2001)」の全体の売り上げを超えたことになる。日本でも前作を大きく上回る35億円を超えるヒットを記録した。亡くなったポール・ウォーカーを偲ぶラストで流れる「See You Again」はゴールデングローブで歌曲賞にノミネートされた。

本作の撮影は2013年9月に開始され、クランクアップ前の11月にポール・ウォーカーは友人の運転する車の事故により40歳でこの世を去った。ほとんど撮影は終わっていたため、一部脚本の変更などによって映画は完成されることになった。ちなみに、ブライアンがミアに電話する場面は「ワイルド・スピード/MEGA MAX(2011)」の未使用シーンからの引用であり、そのほかにはポール・ウォーカーの兄弟カレブとコディによるスタントダブルなども使用されている。

そんな事情を知った後で鑑賞したとしても、どの場面が合成されているのかなどはほとんど気にならず、映画が完成したのは不幸中の幸いだったと言える。「See You Again」をバックにポール・ウォーカーが演じたブライアンの1作目から本作までの姿を振り返る映像はグッとくる。ブライアンが死んだのではなく、映画の中で生き続けるという結末は当然であり、シリーズが継続していくのも彼にとって本望だろう。ファミリーを大切にすることはこのシリーズで何度も言い続けてきたことだから、このような形で終わらせたのは筋が通っている。ただ、だとしたら一度は死んだとされるレティやハンが後に生きていたとなる展開はどうも納得しがたい。生きていたキャラクターを死んだことにするよりも100倍マシだが、やはり人命を大切にしているとは言い難い。そこのラインが徹底されていれば本作のラストのシークエンスももっともっと感動的なものになっただろうに。

また、本作はこの時点でシリーズ最長となる138分という上映時間である(エンドクレジット8分除いたとしても130分)。本作だけでも事実上初登場になるキャラクターが、デッカード、ミスター・ノーバディ、ラムジー、ジャカンディとたくさんいる(ちなみにカート・ラッセルは「テキーラ・サンライズ(1988)」で演じたキャラクターの扮装をしているらしい)。また、ホブスを演じたドウェイン・ジョンソンはスケジュールの関係で映画本編では最初と最後にしか出番がない。それでも、ちょっとキャラクターの多さが映画自体のスピード感をやや損なう形になっているように感じる。

アクションシーンは、中盤のラムジー奪還のシーンが圧巻だった。本作のアクションではハイライトだったと言える。その点、ラストのアクションは前作でも感じたがもうお腹いっぱい状態で、あっちこっち視点が移動するのも見ていてしんどい。また、凄いカースタントをやった後だとたとえ肉体同士の戦いが必要だとは言え、格闘シーンはやっぱり落ちる。また、前作同様に夜間でのシーンだったが、明るい場面でも良かったように思う(たとえそれがラストシーンとのコントラストの意図があったとしても)。

シリーズ最高のヒットを飛ばした本作。ポール・ウォーカー演じるブライアンの若き日の姿も映るが、小悪党だったドミニクらが世界屈指の犯罪者相手に戦うようになるとは作品も大きく変わった。「ミッション:インポッシブル」シリーズと同様にチームを意識した路線だからこそ成功しただろう(中東の超高層ビルが出てくるところなんて…)。

 

【関連作品】

ワイルド・スピード(2001)」…シリーズ1作目
ワイルド・スピードX2(2003)」…シリーズ2作目
ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT(2006)」…シリーズ3作目
ワイルド・スピード MAX(2009)」…シリーズ4作目
ワイルド・スピード MEGA MAX(2011)」…シリーズ5作目
ワイルド・スピード EURO MISSION(2013)」…シリーズ6作目
「ワイルド・スピード SKY MISSION(2015)」…シリーズ7作目
ワイルド・スピード ICE BREAK(2017)」…シリーズ8作目
ワイルド・スピード / ジェット・ブレイク(2021)」…シリーズ9作目
ワイルド・スピード / ファイヤーブースト(2023)」…シリーズ10作目
ワイルド・スピード / スーパーコンボ(2019)」…スピンオフ

 

 

 

取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【予告編】

 

 

【配信関連】

 

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├オリジナル(英語/タイ語/アラビア語/スペイン語)

 

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【ソフト関連】

 

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映像特典

├原点回帰


<BD>
 

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├日本語吹き替え

本編

├劇場公開版

├エクステンデッド版
映像特典

├未公開シーン

├“ワイルド”な解説

├原点回帰

├空飛ぶ車たち

├ラムジー救出シーン

├タワー・ジャンプ

├格闘シーンの舞台裏

├「ワイルド・スピード」の車たち

├レースウォーズ

├“See You Again”オフィシャル・ミュージック・ビデオ

├“ワイルド スーパーチャージ”メイキング


<4K ULTRA HD+BD>

収録内容

├上記BDと同様

 

【音楽関連】


<Wiz Khalifa「See You Again ft. Charlie Puth」>