【タイトル】
ロッキー5/最期のドラマ(原題:Rocky V)
【概要】
1990年のアメリカ映画
上映時間は105分
【あらすじ】
ドラゴを破ったロッキーは帰国後、会計士の不正により破産し、さらに脳に受けたダメージが原因で現役を引退する。今は亡きトレーナーのミッキーが残したジムでロッキーは新鋭ボクサーのトミー・ガンを育てることにする。
【スタッフ】
監督はジョン・G・アヴィルドセン
脚本はシルヴェスター・スタローン
製作はアーウィン・ウィンクラー/ロバート・チャートフ
音楽はビル・コンティ
撮影はスティーヴン・ポスター
【キャスト】
シルヴェスター・スタローン(ロッキー)
タリア・シャイア(エイドリアン)
バート・ヤング(ポーリー)
トミー・モリソン(トミー・ガン)
セイジ・スタローン(ロッキー・ジュニア)
バージェス・メレディス(ミッキー)
トニー・バートン(デューク)
【感想】
当時はシリーズ最後の作品として製作されたシリーズ5作目には、1作目のジョン・G・アヴィルドセンを呼び戻し、音楽のビル・コンティも「ロッキー3(1982)」以来の起用となった。また、ロッキーの息子役にはスタローンの息子セイジ・スタローンを起用している。
前作のラストの映像を流用するスタイルこそ「ロッキー2(1979)」から継承されているが、監督が1作目のジョン・G・アヴィルドセンを起用し、ビル・コンティを復帰させ、舞台がフィラデルフィアに戻ってきたことで「ロッキー」っぽい雰囲気が戻って来たと感じさせられる。
また、音楽を音楽で繋ぐミュージックビデオ風だった前作「ロッキー4/炎の友情(1985)」なんかに比べるとちゃんと「ドラマ」をやろうとしている姿勢は評価したいところではある。金を騙し取られるという設定は、前作共演して再婚したブリジット・ニールセンと離婚して、スタローンが財産の半分を持っていかれたところから来ているのだろう。
そして、本作はスタローンと息子ロバートとの物語がメインである。「ロッキー3(1982)」でも「ロッキー4/炎の友情(1985)」でも、ロッキーだけでなくエイドリアンでさえもが、息子のロバートを放ったらかしにして戦いの場所へ足を運んでいた。いざ目の前に父親がいるからこそ、トミーとずっと練習している様子が気に入らないのは分かるが、シリーズの流れで見るとロッキーは基本的に息子のロバートは放ったらかしにしていたんだよな。
ついトミーを育てることに夢中になり、ロッキーは息子との時間を大事にしていないことをエイドリアンや息子のロバートから気付かされる。ただ、この展開がラストに向けてドラマとして完結したかと言われると全くそうは感じない。トミーの試合を観戦するロッキーが熱くなるところをエイドリアンもロバートも冷たい目線で見ていたわけだし。
その後、悪徳プロモーターに良いように言われてトミーがロッキーのいる酒屋にやって来る。言い合いからその場で決着を付けようと言ってストリートファイトに発展していく。前作までラストはリング上でのボクシングだったのに対し、ラストがストリートファイトであることはかなり新鮮には感じる。ただ、この戦いにロッキーが勝ったからと言って上述の親子や家族のドラマも、トミーとの関係も描き切れたという印象はあまりない。
単純な娯楽映画と化していたシリーズを、ちゃんと終わらせようとした形跡は見られるのである程度の評価はしたい作品である。1作目の監督や、ビル・コンティを呼び戻したことも、舞台をフィラデルフィアに戻したことがなによりもその証拠だろう。ただ、これで何かが完結した印象はあまりなく、終わった後にモヤモヤが若干残るのは悔やまれるところだ。だからこそ、16年後に「ロッキー・ザ・ファイナル(2006)」が製作されることになるのだとは思うが。
【関連作品】
「ロッキー(1976)」…シリーズ1作目
「ロッキー2(1979)」…シリーズ2作目
「ロッキー3(1982)」…シリーズ3作目
「ロッキー4/炎の友情(1985)」…シリーズ4作目
「ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ(2021)」…シリーズ4作目のディレクターズ・カット版
「ロッキー5/最後のドラマ(1990)」…シリーズ5作目
「ロッキー・ザ・ファイナル(2006)」…シリーズ6作目
「クリード チャンプを継ぐ男(2015)」…スピンオフ「クリード」シリーズ1作目
「クリード 炎の宿敵(2018)」…スピンオフ「クリード」シリーズ2作目
「クリード 過去の逆襲(2023)」…スピンオフ「クリード」シリーズ3作目
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