先日の出来事。


この日、私は用事があって出かけていた。

すると夕方過ぎに息子から着信が…



「もしもし?」



「お母さん、俺ちょっと

大変なことをしちゃったかもしれない…」




息子の声はいつもよりちょっとだけ早口で

緊張しているような様子だった。



………真顔またですか?



今から聞かされる内容の衝撃に耐えられるよう

私は大きく息を吸って気持ちを落ち着かせた。




「もう…

今度は一体なにをやらかしたのよ?不安




「それがさ、なんて言うか…

事故っていうか…

車とぶつかっちゃって





………!!ポーンポーンポーン




「は?!なに!?なんて!?」




「だからさ、車とちょっと

ぶつかっちゃったんだ…でも

全然大丈夫なんだけど…」




「な!?○×△▼◆ちょっ…

待って、どういう事!?」




予想の斜め上を行く話の展開に

頭がなかなかついていかない。




「…えっと…友だちの家に遊びに行った帰りに

青信号の横断歩道を歩いていたら

曲がってきた車とちょっとぶつかって…」




「怪我は!?大丈夫なの!?」




「あ、うん。怪我はしてない。

足がちょっと痛いけど…大丈夫。

それで車に乗っていた人が降りてきて

大丈夫?って聞かれたから

「大丈夫です!本当にすみません

すみません!!」

ってとにかく俺すごく謝ったんだけど…」




「え!?なんで?

青信号の横断歩道を渡ってたんでしょ?

ならあんたは悪くないでしょ?」




「う〜ん、そう…なのかな?

点滅とかもしてなくて、

ちゃんと青の時に渡っていたんだけど

でも突然のことだったから焦って

俺がいけなかったのかな?と思って

とにかく何度も謝って

大丈夫です!って伝えたんだ」




「いやいや…それ違う。

あんたが謝ることなんてないんだよ。

それで?その後どうしたの?」




「そしたら相手のおじさんが

本当に大丈夫?って何回か聞いてきたから

「はい!本当に大丈夫です」

って答えて…

それでそのまま家に帰ってきた」




…………チーン




「相手の方の連絡先とか名前とか聞いた?」




「いや、聞いてない。

おじさんからは「一応名前教えて」

って言われたから

俺の名前は伝えたんだけど…」




「そう…。さっき足がちょっと痛いって

言っていたけど…車と当たったところ?

他に痛いところとかある?」




「いや、車と当たったところじゃなくて

当たって倒れた時にぶつけた所が少し…

でも大丈夫だよ。

他に痛いところはないよ」




「車と当たった時に倒れたの!?」




「うん。でも大丈夫」




「いや…やっぱそれなりに

衝撃があったってことじゃんチーン

ちょっと待ってて!

お母さんすぐに帰るから!」




私はそう伝えてから電話を切り、

約10分後に帰宅した。


幸い息子は普段と変わらない様子で

少し申し訳なさそうな顔をしていた。



先程の電話で“少し痛い”と言っていた

倒れた際にぶつけた足(左大腿骨あたり)を

ズボンを脱がせて確認したが

特に腫れやアザなどはなかった。


少しだけ安心して他に痛い場所がないかを

念入りに聞くと



「なんか、ちょっとお腹が痛い…って言うか

気持ちが悪いかな…」



なーんて言い出すじゃないの不安


再び私の心臓はバクバクと脈打った。



…と、言うのも

旦那の知人で車に轢かれて

「大丈夫です!」と言って帰宅したものの

内蔵に損傷を負っていた為、

急変して翌日に亡くなってしまった方がいる。


遠い昔に聞いたその話が脳裏をよぎった。




特に痛がっている様子はない。

顔色も悪くないし

息子はいたって普段通りに見える。



でも、事故直後は興奮状態になっていて

痛みなどにも鈍感になっているとよく聞くし


もしも。もしも…?


想像もしたくない不安が

どっと押し寄せてきた。


息子が最初に痛いと言っていた足よりも

お腹の痛みや吐き気の方が

気になって仕方がない。



「とにかく…病院へ行くよ!」



そうは言ったものの、

こういう時ってどうすればいいんだ?


警察にも電話をすべき?


この後どんな順序で行動するのが正解なのか

分からずに頭の中がテンパっていると


まさにそのタイミングで

学校から電話があった。


息子の担任の先生からだった。


どうやら、事故のときに一緒にいて

息子が車と接触したのを目撃した同級生が

帰宅をしてからどうにも気になって

学校へ接触事故の報告をしたらしい。


それで先生から息子の様子を聞かれたので



「普通に元気です。

ただ、少し足が痛いと言っていまして、

更にお腹が気持ち悪いと言い出したので…」



と、そこまで話すと

すかさず先生がはっきりとした口調で答えた。



「お母さん、今日これから

病院で診てもらった方がいいです。

それとこれは接触事故なので

警察にも連絡してください」



やはり警察に連絡か。



「わかりました。

ご連絡ありがとうございました」



私はそう言って電話を切った。


旦那と母に学校から電話があったことと

警察に連絡した方が良いと言われたことを

伝える。


と、私も含めそこにいた大人三人

顔を見合わせたまましばし沈黙した。



警察に連絡したら大事にならないか?



息子の話を聞く限り

ひき逃げではない。


相手はちゃんと車から降りて

息子に声をかけてくれている。


でもそこで息子が謝りながら

大丈夫です!って何度も答えたから

安心して去って行ったのだろう。


実際、目に見てわかるような怪我を

している様子もないし

今のところ普通に見える。


お腹の気持ち悪さを訴えたことは

非常に気がかりだが…


せめて名前と連絡先だけでも

息子に紙に書いて渡してくれるなり

伝えてくれたらよかったのに…。



とりあえず私は病院に電話をかけた。


状況を説明すると

通話相手の看護師さんからも

警察に連絡をした方がいいと言われる。

事故の場合、健康保険が使えないからだ。


このときすでに18時を回っていたが

病院は快く診察を受け入れてくれた。


その後、悩んだ末に

最寄りの派出所へ電話をかけることにした。


警察官に経緯を説明。すると


「私もどうしたらいいのかわかりかねるので

交通課の者に連絡しますね。

折り返し連絡します」


とのこと。


その数分後、すぐに地元の大きな警察署から

折り返しの電話があった。


驚いたことに学校の教頭先生からも

警察署へ連絡済みだったことがわかった。


今から念の為、病院に行くことを伝えると

問題がないようだったら帰りに

警察署にも寄って欲しいと言われた。




つづき↓↓↓







クローバー私の乳がん記録クローバー 

ステージⅢC
ルミナールB
HER2…陰性
ki67…28.8%
リンパ節転移数…16/27

2021年
11.5 
乳がんの告知
12.7 左乳房全摘手術+リンパ節郭靖+同時再建(エキスパンダー挿入)

2022年
1.18CVポート造設手術

1.26抗がん剤治療開始(FEC・6クール)

6.1抗がん剤治療開始(ドセタキセル・4クール)

8.20 ホルモン療法開始(タモキシフェン)
9.8
左乳房再建手術(インプラント)

11.2放射線治療開始(全25回・50グレイ)

※2回やったところでコロナに罹患し中断

11.17 放射線治療1回目から再開(全25回)
12.23 リュープリン注射(24週間製剤)

2023年
1.20ベージニオ服用開始左差しイマココ