12月7日 手術当日

昨晩は結局よく眠れなかった。
寝ても1時間くらいで目が覚めてしまう。

謎のラップ現象に若干怯え

気のせい。
そう。これは気のせい真顔

と自分に言い聞かせて朝を迎えた。

飲み物は7時までOKだったのだが

7時5分 
20代の看護師さん♂がお茶を持ってきてくれる。

「お茶はまだ飲めるよね〜。ハイおしぼり。」

「あ…えと…7時過ぎてるから…」

申し訳なさそうにそう言うと
彼は時間をチェック。

「…!!ごめ〜ん!!おしぼりだけおいてくね!」

と慌ててお茶をさげて行った。

彼は夜勤の担当看護師。
THE今風の若者!といった感じで
なんだかいちいち面白い。
終始タメ口だけど、
なぜか憎めない可愛さがある。

朝の検温、血圧、脈拍も彼がしてくれたのだが
朝イチの手術で緊張するという話をすると

「まあね〜。でも、
午後手術の方がよっぽど緊張が長引くし、
嫌だと思うよ!」

と笑顔で言って、手術着を置いていった。

確かに。
言われてみればそんな気もする。

納得しながら手術着に着替えた。

8時15分
クマ先生と乳腺外科の先生、
そして、研修医の大学生さんの3人が病室に来る。

「ちょっとマーカーで印つけるねー。」

そう言ってマジックで胸に線を書くクマ先生。

手術中は横になっているので
胸の膨らみが分からなくなってしまうため、
事前にこうやって線を記入するんだそうだ。

しかし。
その時間の気まずいことと言ったら。

手術着をはだけさせて、
おっぱいにマジックで線をつけるクマ先生。

それをじーっと黙って見つめる
外科先生と研修医。

実にシュール。

なんか、赤面してしまう。
それを察したのかクマ先生は

「そんな緊張しなくて大丈夫だよ」

と笑った。

「いえ!緊張します!!」

こんなイレギュラーな状況
そりゃ緊張もしますよ。


8時30分
旦那から病院到着の電話。

最後に…と思って
印の付けられた左のおっぱいを
鏡でじっくりと見て、
見納めた。
今までありがとう。

8時50分
夜勤担当のヤング看護師♂から
日勤担当のヤング看護師♀︎にバトンタッチ

「手術時間5分前になったら
病室へお迎えに来ますね」

と言うのでデイルーム(旦那の待ってる場所)
に行ってもよいかと聞いてみると

「いいですよー!じゃあ時間になったら
デイルームにお迎えに行きますね」

と、快諾してくれた。

この看護師さん、
愛嬌があって可愛くて、
なによりとっても感じが良かった。
手術室に一緒に向かう看護師さんが
彼女で良かったと安心した。

9時
デイルームで旦那としばし談笑。
昨晩の子どもの様子などを聞いていたら
あっという間に手術5分前。

9時15分
先程の看護師さんとともに、
手術室のある4階へと向かう。
【手術室】と書かれた入口に到着。

「ご家族の方はここまでです。
手術が終わる頃に電話しますね!」

私は旦那と固く握手を交わす。

「じゃあ、行ってくる!!」

「ご武運を!!」

ここにきてまさかの鬼滅!
旦那…やりおる。

2人とも笑顔。
私は旦那に手を振って手術室へ向かう。
角を曲がるところで
もう一度振り返って手を振った。

9時20分 手術室。
担当看護師や医師が待ち構えていて
それぞれ挨拶をしていただく。

なんだかここは異空間だ。
ドラマで見た事があるような、ないような…。

なんか…凄い!
と、ちょっとワクワクする。

入口はナースステーションみたいになっていて
壁には大きな画面に
数人の患者さんの名前、病名、手術名が映し出されていた。
一番下に私の名前も見つけた。

「こちらへどうぞ」

と促され先に進むと
その奥に6つの手術室があった。

「すごい!6つも手術室があるんですね〜!」

もうすっかり気分は
手術室体験ツアー。
いよいよ異空間感がすごい。

私の手術室は左の一番奥の部屋だった。
部屋に入るとまたまた数人のスタッフがいた。
広い銀色の部屋。
沢山の機材、道具などが所狭しと並べられている。

真ん中に手術台があって
そこに横になるよう言われる。

ちょっぴり緊張が戻ってきた。

手術台。
イメージしてたのは、冷たくて硬いマット。

…が!! 実際は真逆だった!

スポンジのような、低反発マットのような
フワフワふかふかでとっても温かい。
横になるとなんとも心地がよくて
気持ちも良かった。

麻酔科の先生が
「では腕に針を入れますね。チクッとしますよ」

と言って右手の甲に針を指した。
麻酔はここから入れて眠らされるらしい。
最初は生理食塩水(?)を入れているので
まだ意識はしっかりある。

横になってからの展開が早い。

1枚布をかけられて、
着ていた手術着を手早く脱がされた。

酸素マスク装着。

「では麻酔を入れてきますね」

え?

もう?!

想像以上に早い展開。

クマ先生は?
形成外科の先生は?

姿はなかった。

「麻酔は多少しみるので、
少し痛みがあるかと思いますが
通常反応なので安心してくださいね。」

そう言われドキドキ待っていると
すぐに右手に鈍痛が!

いてて。
ほんとに結構痛い…

…とその瞬間、視界がモヤ〜とぼやけた。

うわ!すごい。
こんな一瞬で反応するんだ!!

あと何秒かしたら、眠るんだろうか?
と思った瞬間。

落ちていた。



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