2021年11月5日


この日は針生検の診断結果を聞く日だった。


私は旦那と2人で

待合室で静かに待っていた。


不安と恐怖と緊張で

手がとても冷たくなっていた。


私たち夫婦には11歳の息子と6歳の娘がいる。

それぞれ妊娠をしたときには

期待と喜びに胸を膨らませて

旦那と共に医師の話を診察室で聞いた。


2人並んで病院の待合室なんて

あの頃以来だ。

当時の情景が目に浮かぶ。


シチュエーションこそ同じだけれど

あの時とは

あまりにも心境が違う現実に切なくなった。




針生検をしてから

検査結果を聞くまでの2週間…

長い2週間だった。


もしかしたら

病院から予定よりも

早くに電話がかかってきて


「ご家族と一緒に来てください。」


ある意味告知と変わらないその一言を

聞かされるかもしれない。


私はいつでも電話に出られるように

肌身離さずスマホを持ち歩いていた。


電話が鳴る度に心拍数が上がり

着信番号を確認しては

 「良かった!病院からじゃない。」

と安堵する。


毎日がその繰り返し。


何をしていても、

子どもや家族と過ごしていても

頭の片隅には常に

「乳ガン」がまとわり付いていた。


空き時間を見つけては


「乳ガン 告知 ブログ」


「針生検 結果」


など、とにかく乳ガンに関することを

色々と検索しまくった。


そうして自分なりに

少しずつ知識を得てくると、

自分に似た症状の方のブログや

医師のブログなどを通して

診断予想をするようになった。


①乳管内乳頭腫(良性腫瘍)

②グレー

③非浸潤がん(悪性だけどステージ0)


上から順に

自分の中での希望的診断予想である。



色々と調べてわかったこと。


私のようにしこりを伴わないものは

例え癌だったとしても

ごく初期であることがほとんどだということ。


乳頭からの出血で可能性が高いのが


良性腫瘍の乳管内乳頭腫。

それと乳腺症。


そして…乳がん。


ただし

しこりがない初期であれば

上皮内癌ともよばれる

非浸潤癌でステージは0!


この情報は私にとって朗報だった。



乳ガンに関するブログや情報は

目にすると悲観的になることがある。


でも必ずしもそうではなくて、

むしろ前向きになれる情報も沢山ある。


だから僅かながらにも

乳ガンの知識を得ることは

少しずつ自分の心に免疫を付けて

気持ちを強くすることにつながっていた。



とはいえ

検査結果を聞くその瞬間はやはり怖い。


でもこれではっきりして

やっと前に進めるんだ!という

安心感にも似た感情もあった。


やっと白黒がつく。

前に進める。


そう気持ちを奮い立たせ、
自分の番号が呼ばれるのをじっと待っていた。

病院からはとくに
「ご家族の方と一緒に来てください」
とは言われていない。

でも旦那は

「俺も一緒に話を聞きに行く」

そう言って
 一緒に病院へ来てくれた。

一緒にいたところで
緊張からくるのか
5~10分おきにトイレには行きたくなるし
落ち着くことができない。

でも、一人だったら。

きっとこれ以上の不安に
押しつぶされてしまったかもしれない。

待ち時間の間
どうでもいいくだらない話を一言二言交わし
その一瞬だけ気が紛れた。

この時
旦那が隣にいてくれて本当に有難いと思った。




病院には予約時間よりも40分ほど前に着いた。

手が冷たい。
何度もトイレに行く。

落ち着かない。


予約時間が過ぎても番号が呼ばれない。

落ち着かない。

早く呼んで欲しい。

病院到着から1時間が過ぎたところで

…ふと気がついた。

自分の番号が飛ばされて
後から来た人がどんどん呼ばれていることに。

「ねぇ、あたしの番号飛ばされてる…
これって…つまり
悪い報告だから…時間がかかるから
後回しにされてるんじゃ…滝汗

「ははは。考えすぎだって。」

「そうかなぁ。そうかなぁ滝汗

夫婦でそんな会話をしつつ

電子掲示板から目が離せない。


その後もなかなか呼ばれず
時間だけがすぎていく。

予約時間から1時間が過ぎようとしていた。

早めに病院に到着していたから
すでに1時間半以上も
待っていることになる。

今までの診察で
こんなに待たされたことはなかった。

いよいよ雲行きが怪しくなってきた。

しびれを切らしていると
看護師さんに名前を呼ばれた。

キターー!!
やっと!ん?診察では…ない?!

慌てて返事をして、すくっと立ち上がる。

看護師さんは駆け寄ってきて
申し訳なさそうに言った。

「お待たせしていてすみません。
今日から主治医が変わることになったので…
もうしばらくお待ちくださいね。」

……


……滝汗

このタイミングで主治医交代?

これはもう
BIG確定ではなかろうか?えーん


無言で旦那を見つめる。

「これは…ちょっとヤバイかもね…滝汗

旦那はここにきて
初めて動揺した姿を見せた。


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