VHF/UHFのFM機はハンドヘルドの形態が出回り始めてから意外に早い段階で144/430MHzの2バンド機も開発されました。そこで前回の投稿で、さらにそれを拡張した3バンド機に言葉だけですが触れた事から思い出した話を。
かつてのスタンダード工業は2バンド機に「ダブルバンダー」に「ツインバンダー」と2種類も名前を使っていました。その一例のハンドヘルド機のC501には堂々と「W Bander」と印刷されていましたが、まずこれがよろしくありません。「W」は語源的に「double-U」ですが絶対に「double」ではなく、日本でよくある「Wサイズ」とかはウソ英語だからです。「商標ならいいだろ」、なども暴論で、少なくともハムの世界はガラパゴスが前提ではないので井上電機がEquipmentsの表記を止めたような判断が正解です。
「ツインバンダー」にも問題はあります。それは「twin」は「双子」ですから、転じてほとんど同じ物がふたつという事。「二卵性もいるぞ」とか屁理屈を付けようと、ともかくその位の関係の深さを言うからです。従って主張が「どちらもFM」、など共通性ではなく、「全く違うバンド」である事ならば原意に忠実とは言えません(それでも「W」よりは百倍マシですが)。ちなみに「三つ子」ならtripletですが、さすがにTriplet Banderなどと言い出した人はいなかったと思います。
無難なのはやはりdoubleかdual、あるいはごく単純にtwoのような数詞でも通用するのは「5 Band DXCC」などと同様です。
それでもまだ「bander」の方に問題が残っていて、これは「〇〇バンド機」の意味として理に適っていません。逆に考えると、トライバンダー(アンテナにもありましたね)などなど、一般にナントカ・バンダーという呼称は商標の可能性があります。「カートランシーバーとエレキーと」で書いたように、商標が一般常識に飲み込まれるような事はハム界でも普通にあります。
スタンダードが「Wバンダー」と「ツインバンダー」と二つも使ったのは、英語上の指摘をされてか、あるいは単に新たな商標が欲しかったのか、そのあたりが理由だろうかと想像します。