電気通信術試験「受信」その1 | アマチュア無線の裏側で

アマチュア無線の裏側で

1970から1980年代の忘れがたい記憶から

アマチュアの資格においては、電気通信術の試験が存在した事はもう忘却の一途です。この際ですから、送信の話の後を受けて受信の事も一気に思い出してみます。


会場となる大教室の演壇にはオープン・リール式のレコーダー本体、そして左右に数mずつ隔てて2台のスピーカーが置かれました。着座位置は早い者勝ちで、何かと管理の厳しい国家試験ですがここだけが自由でした。音響受信は確かに場所で条件は変わるので、ガラガラに余裕のある広さの大教室で自由席を認める事が公平さの担保だったのだろうと思います。

 

回答用紙が配られ、音量などの確認をしてから本番で。以下の順序で符号が打ち出されました(符号連続のオーバーラインは機種依存なので略)。もちろん和文のない電信級と2アマの場合は「シケン シケン」の送出中は監督者がその旨を説明します。


  「シケン シケン HR HR BT (欧文本文) AR」 


1アマは和文もあるので、そちらは「ホレ ホレ  (本文)ラタ」です。プロの通信士の試験が採用する額表形式(電報を模したもの)ではなく、単に縦書きの用紙に受信した順に記入するだけです。

 

採点はミスの種類ごとの減点法です。とにかく受信で重要なのは、誤字よりも脱字の方が減点が少ないので、あやふやなら書かずに飛ばすべきこと。誤字は3点で、脱字は私の頃は1点だったと思いますが、後に2点となったのですかね? 採点基準が時代や資格で変わることもそれはあるでしょう。

 

終了符号が出ると一呼吸(5秒程度・規定があるはず)の後、一斉に鉛筆を置くよう号令が出ます。これでは「普通語だから文脈から推定して訂正しよう」、というのも難しく、できて1,2 文字でしょうか。また、この時間設定は「遅れ受信」、つまり何文字分かを脳内のFIFO(先入れ先出し)メモリーを通してから書く習慣のある人への最低限の配慮、とか聞いたことがあります。遅れ受信はプロの熟練者なら数十文字に及ぶと言われますが、アマチュア資格の受験者では数文字、出来て単語単位まででしょう。