中高生にハムが爆増していた頃、さらに多かったのが鉄道模型の趣味で、私の小学生時代にも周囲にも数人がいました。私もまだ電話級の免許も取る前でしたが、兄がNゲージを買うというのでその電源コントローラーを作っています。その世界では「パワーパック」と呼ばれていましたが商標でしょうか?
内容は模型雑誌で見たHOゲージ用のコピーで、12V /3Aのトランスとセレン整流器、それに「レオスタット」と呼ばれる40ohm/50Wの琺瑯巻線型の可変抵抗器とスイッチだけ、つまり脈流です。私はラジオ製作を通じて平滑の事は知っていましたからここに電解コンデンサーを付けると電圧向上、つまりスピードアップするわけです。そこで友人たちにも「いい部品があるぞ」と教えたのですが、説明を尽くさなかったのは失敗でした。それは、NゲージとかHOゲージの車両は進行方向を電源極性で切り替えるので(Oゲージは交流饋電です)、電解コンの取付け場所を出力端子にしてしまうと・・・(以下略)
線路イコール電路なので、そこに金属を落としたら即刻ショートです。整流器が当時でも旧式なセレンだったのは、その対策でした。シリコンは短絡モードで一気に壊れるのに対し、セレンは蒸着フィルムキャパシタのような自己修復作用があり、少しずつ劣化する形で耐えるからです。なお、使用経験がある世代の人でさえセレン整流器を「大きな放熱板付き」と思っていますが、放熱目的ならあれほどの大袈裟な物は必要ありません。大面積の理由は整流面の電流密度の限界が低いからで、そもそもPN接合ではなくショットキーであって、セル当たりの電圧降下はシリコンより低いくらいです。ただしテレビに使われたような耐圧の髙い仕様は直列多段構造でしたから、そのような積層部品の電圧降下はそれなり大きな値になります。
さて、無線を始めてからNゲージにも触らなくなり部品転用を考えますが、12V /3Aのトランスはアマチュア無線用には中途半端に電圧が低くて使いにくくしばらく放置、その後他のトランスと組みにしてスイッチング電源・第1号になり、レオスタットの方は鉛蓄電池の充電とか低周波アンプのダミーロードに使ってきました。
なお上記の話はちょっと方向の違う次回への前振りです。