SWR計として1970年代から長らく人気があったのがオスカーブロック社のSWR-200で、今でもオークションによく出ます。特長は何と言っても50/75オームがボタン一つで切り替え可能な事でした。
当時のテレビは300Ω(VHF)か200Ω(UHF)の平衡フィーダー入力が多いのですが、共聴用アンテナの配線は75オームの同軸でした。そこから5C-2Vなどは安価に入手できたのでハムも広く利用し、当時の無線機の仕様でも適合インピーダンスは50-75オームなどと書かれています。しかし遠からず無線系標準の50オームに統一されて行ったので、SWR-200はその過渡期ならではの仕様です。もっともインピーダンスが違えば伝送ライン設計も変わるべきですが、そこは入出力の検出部の抵抗値を切り替えるだけなので元々精密なものではありません。
標準的なFWD/REF 2メーター式のSWR計には感度調整バリオームがありますが、SWR-200はその校正表が硬質塩ビのカードケース入りで付属してきました。そのインデックス部分はタイブライターのPICAフォントで記入されていたので、「一台ごとに校正」、と今でも信じている人もいそうです。しかし私は新品で購入直後から「ローバンドで振れ過ぎ?」などと疑いを持ちました。公称DC入力430ワット機の八重洲FTDX401からフルキャリアで350ワットも出るわけがありません。そこで店頭の展示品と比べてみたら全くの同一コピーだったので、つまり内部に変更が出ない限りは同じ物だったのでしょう。
後年のこと、精度の保証のあるHP社のパワー計やら電圧計でSWR-200の実力を調べたところ、校正表は誠に残念な結果でした。あの計器は絶対値を知るものではなく、REFが最低になる点を探せばマッチングOK、という使い方をするアクセサリーなのです。
蛇足ですが、SWR-200がベストセラー機だったので、統一デザインでデジタル時計も発売され、現存していれば多分レア物です。「TIME DISPLAY"T"OR」としていたのはまぁ間違えちゃったんでしょう。