JARL認定の登録機種 | アマチュア無線の裏側で

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1970から1980年代の忘れがたい記憶から

技術基準適合証明制度(技適)とかの制度が成立する以前には、無線設備の保証認定はJARLが一手に行っていました。しかし工事設計書の記入については長らく電監の指示する通りの方法、つまり送信機のブロック・ダイヤグラムを記入する必要がありました。これを簡略化したのが「JARL登録番号」の制度で、メーカー毎・機種毎に割り当てられた記号番号を記入すれば電監にブロック図の省略を認められることになり、これは画期的なことで開局でも変更申請でも著しく楽になったのです。

 

ところが、その「JARL登録機種」のリストには随時改廃があり、一度登録された機種でも抹消されることがありました。メーカーの申請を受けてJARLが認定するものでしたから、恐らくですがメーカーが「もう古いし要らない」、と判断して維持費の納付を停止すると抹消されたのでしょう。特許の維持費用のようなものだと思います。

ところが私はこの改定を知らず、中古で入手した機器と番号で変更申請をしたところ・・・抹消済機種だったのに・・・そのまま認定を通ってしまって免許されました。本来ならばブロック・ダイヤグラムを丸々描かざるを得ないはずでしたから、JARLのチェックの甘さで相当な楽をさせて頂いたのです。

 

10ワット上限の時代、少なくともメーカー製の管球式ファイナル機は実際には必ず10ワット以上が出せました。まして自作の実態は分かりません。これらを書類一つで検査パスさせていたとは恐るべき権限を手にしたものです。

当時のJARLの収入は会費ばかりでなく、事実上独占的な保証認定料と講習会でも大きく支えられていました。JARLがもう少し立ち回りが上手ければ、つまりハム全員からの信頼が厚く、ロビー活動に長けていればその後の展開は随分と違ったと思います。