捉え後の世界(捉え暦):4ヵ月8日
原始体操開始から:4ヵ月28日
検証理論:北京原人理論(重心力トレーニング)
●腑に落ちた重心
1年6ヶ月4日で、「緩やかな背骨S字カーブ」と「捉え」の折り合いがある程度ついて、それから数日が経った。少し内部感覚で明確になったことがあるのでメモしておく。
図1
(メディカルイラスト;線はPKGJ)
①は緩やかな背骨S字カーブを連動させたもの。赤矢印は上方向を指して、横の赤線は鳩尾ラインである。
②は①に伴って、感覚的に青ラインである「捉え」のラインが股関節から外れ、さらに背骨の上方向の連動につられて、上昇している。
③は②で上昇した捉えライン(青)を、感覚的に深く膝を曲げるイメージで、下に落とす。「捉え」がハマると、足裏がピタ―っと張り付くように床に満遍なく付く。靴下を履いたまま、濡れた床を踏んだ時に、じわじわと水が布に染み込んで足裏に濡れた感覚が伝わるような感じ。
④は、そうすると、背骨の上方向と捉えの下方向により、鳩尾あたりで上下の張力が相殺される感じになる(黒い矢印)。
こうなると、次の図2のような感じになる。
図2
(メディカルイラスト;線はPKGJ)
鳩尾を境に、上の赤い部分は、軽く、「空虚」のような感じになり、下の青い部分は、「充実」した感じになり、しっかりとする。しかし、重さはない。股関節での捉えもはっきりする。
そうこうしているうちに今度は、図3のように「重心ボールが腑に落ちた」感覚になった。
図3 腑に落ちた重心ボール
(PKGJ)
「腑」は文字通りお腹である。しかし、図のように左右股関節でしっかりと重心ボールを抱えている感じである。だから厳密には下っ腹・骨盤内である。この感覚はまさに「捉え」の感覚と一致する。股関節で重心ボールの重みをしっかりと感じられるが、決して重いというわけではない。不思議だ。
そして、重心ボールの重みが下方向にあるので、その反作用のせいか上方向に自然と力がつたわり鳩尾が伸びている状態が維持される。
もちろん、まだ常態化には至っていない。
●腑に落ちた重心と「歩き」
重心ボールが出現したせいで、「歩き」の感覚にも早速変化が出てきた。良い方向の影響で、歩きの概念がかなり単純化された。(関連記事①、関連記事②)
「歩く」=「重心ボールを左右の股関節に転がす」
図で説明すると以下。
図4 立位での重心ボールの位置
(PKGJ)
図4では、重心ボールが左右の股関節に均等に乗っている。これを図5のように右に転がす。
図5
(PKGJ)
そして、図6のように右の股関節の上に移動する。
図6
(PKGJ)
これで、重心ボールが右に移動して、右脚に重心が移動したことになる。これを軸足にして、左脚が今度は前方向にでるわけだが、その場合は、右にある重心ボールを左の股関節に移動していく。後はこの繰り返し。
右股関節さんと左股関節さんが、サッカーで言うところの「ワンツー」を絶えずしているような感じ。重心ボールを右股関節さんが受け取り(右足は地面に接地している)、今度はオバーラップしてきた左股関節さん(左足は浮いて前方向に進む)にボールをパスする。左股関節さんはパスを受け取り(左足が地面に接地する)、オバーラップしてきた右股関節さんにワンツーの感じパスを送る。故に、厳密には右・左斜め前方向に転がしている。
歩いている時は、これをひたすら繰り返す。翼くんと岬くんのゴールデンコンビもびっくり!
これもまだ常態化には至っていない。
★【参考動画】(2018OCT25)
(映像提供:本のセンセさん)
●腑に落ちた重心と「胸主導」の重心移動
過去に重心移動について書いたが、その時は重心ボールの感じはなかった。(関連記事①、関連記事②)
まず、独立して胸だけを動かす。これは、腰を動かさないというよりかは、重心を股関節から動かさないという感じに近い。
図7
(PKGJ)
重心ボールが微動だにしないので、腰は動かないで、胸だけ動く。
★【参考動画】(2018OCT25)
「胸だけの独立」
(映像提供:本のセンセさん)
今度は、胸主導で重心ボールを転がす。
以下の図8のように、胸が先ず先行して動く。
図8
(PKGJ)
そして、胸にリードされるように、重心ボールが転がる。それが以下の図9である。
図9
(PKGJ)
★【参考動画】(2018OCT25)
(映像提供:本のセンセさん)
●「重心ボール主導」の重心移動
今度は、重心ボール主導で、重心を動かす。上記の胸主導とは違って、腰が先行して動く。しかし、感覚的には、腰を動かしているのではなく、あくまで重心ボールを「直接」転がしている。その転がりに腰がついてくる感じである。
重心ボールの転がりにリードされるように腰が動き、胸が動く。
それから、胸主導で前にやったように、直接重心ボールを前後左右に転がしてみる。前に転がせば後から、腰・胸が「反り」ながらついてくる。後ろに転がせば、腰・胸が「丸まり」ながらついてくる。遊びながら、ゴロゴロ色んな方向に転がしてみる。
★【参考動画】(2018OCT25)
(映像提供:本のセンセさん)
●「胸主導」と「重心ボール主導」の重心移動を組み合わせる
上記の通り、重心移動のきっかけが2か所できたことになる。遊び感覚で、右への移動は「胸」で、今度は左への移動は「重心ボール」でしてみる。後は色々と組み合わせてみる。
★【参考動画】(2018OCT25)
(映像提供:本のセンセさん)
●重心のゼロポジション
重心ボールを左右の股関節に均等に乗せている状態が、おそらく重心のゼロポジション。
X軸・Y軸・Z軸は全てゼロ。
そして、ここが重心の基準で、ここから、どれぐらい前後上下左右に動かすかで、重心移動が起きる。
この基準の感覚は非常に大きな意味を持つと思う。というのも、武井壮の授業の動画を見た時に彼は次のようなことを言っていた。
「感覚と実際の身体の動きには差があって、これの差をうめることから始めた。そして、例えば、両腕を地面と水平の位置が分かると、それを基準として、腕がどれぐらい挙がっているかが分かるようになる。」
つまり、重心移動をする場合、基準となる重心の位置、つまり重心のゼロポジションが分からないと、いつまでたっても重心移動を操ることはできないということである。これは少し考えれば分かること。
重心のゼロポジションという基準はどのようにして判断すればいいのか。腕みたいに鏡の前で確認はできない。
北京原人理論(重心力トレ)には、ちゃんと答えがある。
そう、「股関節で捉える」ことである。
「股関節で捉える」方法は、もう胴体力の伊藤昇氏がすでに提示している。「誰でもできる股関節の捉え方」を参考にされたい。
そして、本当に「捉えて」いるかを判断するために、「手刀チェック」が考案されている。これは、前から述べているが、この北京原人(重心力)理論の発明ともいえるものである。
★簡単なテストをしてみよう。
①「誰でもできる股関節の捉え方」で「手刀チェック」をして、手刀の振り上げが軽くなる感覚が得られるまで、やってみる(感覚が得られない場合のやり方もリンク先に書いてある)。軽さを感じる姿勢が重心ゼロポジション。
②軽さを感じられたら、今度は自己流で、自分の重心がゼロポジションと思われる姿勢を取ってみる。そして、再度、手刀を振り上げてみる。
自分は自己流ではまったく軽くなかったことを覚えている。これを試した方はどうだっただろうか?
もし、軽くならなかったとしたら、その自己流の姿勢は重心ゼロポジションではないということである。①で作った、前傾のきつい姿勢が現段階の重心ゼロポジションである。つまり、この姿勢が基準となるわけである。後は、深層筋が動き始め癒着が取れると、徐々に、姿勢が起き上がり、地面と垂直に近い姿勢でも、重心ゼロポジションが取れる。
おそらくだが、最初に設定した重心ゼロポジションは、姿勢が起き上がっても、その位置は変わらない。重心ゼロポジションは、姿勢の変化に左右されない。つまり、外見の問題ではなく、内部の問題だということである。癒着や深層筋が活性化していないまま、身体を起こすと、それにつられて重心の位置がゼロからズレる。
だから、最初は外見でも下方向に力が加わるような、膝を曲げて、上体を前傾する形を取るしか、重心をその位置に固定することができない。
さらに、最初はもちろん、股関節や重心ボールという感覚は皆無である。少なくとも自分はそうであった。重心ゼロポジションを毎日毎日身体に叩き込むことによって、身体が内部からそれに気づき、それに必要な感覚(神経回路)を作ってくれて、認識・知覚できるようになる。
やはり巷の重心移動の話には違和感しかない。基準が無くてどうやって移動、または操作できようか。何か大事な前提を置き去りにしてはいないか。自分はど素人であるが、「身体を倒して重心を移動する」・「地面を蹴らないのが重心移動」という説明は、自分の中では完全に論外である。
「重心移動は左右の股関節の上に乗っている重心ボールをゼロポジションから転がすことである。そして重心のゼロポジションは「立ち」で、左右(前)の重心移動は「歩き」で、上下(前)は「坂道・階段の昇り降り」で具現化・体感される。故に、その根底を成す原理・原則は、ごくありふれた日常の中にある」
これが、現段階の自分の理解である。
以上、嘘か本当か、身体内部からの報告でした。
常態化まで、また歩き続けます。
始まりはいつも北京原人から。