捉え後の世界(捉え暦):3ヵ月19日

原始体操開始から:4ヵ月9日

検証理論:北京原人理論(重心力トレーニング)

 

●胸椎の湾曲カーブの軽減

最近、なんとなく胸椎の感覚が出来てきた。というのも、鳩尾・胸骨の深層筋を伸ばすと、背中の胸椎の辺が、後ろから体内に埋め込まれる感じがある。ぐぐっと胸椎が入って、それに伴って、肩甲骨が肋骨が解放されて、軽くなる。

 

さらに、おそらく胸椎の後湾カーブが軽減される、つまり、より直線的になるようで、肋骨は上下に蛇腹のように開き、首もすっと上に伸びる?押しあがる?感じがある。

 

これは、おそらく、

 

・胸の独立

・股関節の捉えの明確化

・肋骨の骨と骨の間の癒着の剥がれ

・肩の細分化(肋骨と肩甲骨の癒着の剥がれ)

 

が進んだ結果だと思われる。

 

特に、肋骨の骨と骨の間の癒着は、骨格上、肋骨が胸椎から生えているので、この癒着がはがれないと、胸椎は自由に動きようがないからである。

 

さらに、肩甲骨と肋骨の癒着も剥がれていないと、胸椎の伸びに伴って持ち上がる肋骨につられて、肩が上がってしまうが、実際には、肩が宙ぶらりんになる感じがある。なんというか、左右の肩甲骨の間に溝ができる感じなる。しかし、決して、肩甲骨を中央に意識的に寄せて溝を作ってはいない。胸椎が押し込まれた結果である。

 

また、今回のように胸椎の後湾カーブが軽減されて体がよりリラックスし、骨格上正しい湾曲をすれば体がリラックスするとしたら、まだまだ、自分の胸椎の後湾カーブは骨格上正しい湾曲カーブではないことになる。まだ、猫背気味ということだと思う。そう考えると、骨格上正しい湾曲というのは自分が感じている以上に緩やかなカーブ、直線的なのだと思う。

 

 

●背骨の湾曲カーブの軽減

胸椎の港湾カーブの軽減で上下に伸びる感じがあるとしたら、腰椎・頸椎も湾曲しているので同様の結果が得られるはずである。

 

★腰椎

腰椎から考えてみる。腰椎は前彎である。前彎を軽減方法は何か?と、考えてみたが、意外にも、もうすでにしていたことに気づいた。それは、北京原人姿勢がそもそも腰椎の前彎を軽減する姿勢になっている。

 

具体的には、「お腹を凹ます」操作である。北京原人姿勢において、重要な項目である。

 

北京原人姿勢の作り方を復習すると、

 

・骨盤を前傾にして、

・お腹凹まして、

・肋骨を持ち上げる

 

実は、お腹を凹ました時点で、腰椎の前湾が抑えられて、より直線的になるので、肋骨が持ち上がるのだと思う。『スーパーボディを読む』にも、お腹を凹ますと胸が広がる感じがある、という記述がある。

 

もちろん骨盤前傾に伴い、腰椎が前彎しすぎるのを抑えるためでもあるのだと思うが、前彎カーブを軽減させて、より骨格上正しい湾曲に近づけている意図もあると考えられる。

 

そして、「お腹を凹ます」行為は、「腹圧」をかけることだと考えられ、これで腰椎を支えていることになる。やがて、この姿勢を取っていると、腸腰筋がリラックスして活性化してきて、腰椎をさらに支えてくると思われる。

 

また、「腹圧」がかかって、腰椎の前彎カーブが軽減されていると、「捉え」がより深くなる。「お腹を凹ませる」=「腹圧をかける」は、「捉え」と深い関係があることが分かる。逆を言えば、「捉え」ているときは、「腹圧」がかかっていることになる。さらに、「腰椎は緩やかな前湾カーブ」をしていることも意味する。三位一体なのかもしれん。

 

さらに、腸腰筋が活性化して、鳩尾の深層筋が活性化し、肋骨・肩回りの癒着が十分に剥がれると、今度は胸椎の後湾カーブを軽減できるようになる。胸椎の後湾カーブ軽減については、上記を参照のこと。

 

★頸椎

次に、頸椎である。これはまったくもってこれまで特に気にしてはいなかった。顎を引くぐらいの意識であったが、これまたどれぐらい引けばいいのか、なかなか難しいし、悪い癖で気づくと、顎が上がっている。

 

頸椎の前湾を緩めるにはどうしたら良いのか?

 

ここまで、腰椎も胸椎もいわゆる深層筋が活躍している。調べてみると、首の深層筋で、前湾カーブの軽減に役立つのは、頸長筋・頭長筋らしい。

 

腰椎・頸椎ですでに、湾曲カーブが軽減される感じはわかるので、頸椎で早速、やってみる。

 

まず、胸椎の後湾カーブを鳩尾の深層筋で軽減し、直線的にする。さらに伸ばして、「反る」動きをする。この胸椎の伸び・反りに連動して、首を徐々に反らして、前彎カーブを強める。結果として顎が上がり、顔は上を向く。

 

そう、深層筋ファーストの「反る」動きそのものである。

 

今度は、胸椎の後湾カーブを鳩尾の深層筋で軽減し、直線的にする。反らせはしない。頸椎は、下から来た伸びの力を受け取りながら、首の前面の深層筋を収縮させるようにして、前湾カーブを軽減する。

 

上手くできると、

 

・首の後ろが開く感じがある。

・後頭部が上に引き上げられる感じがある。

・首と後頭部のつなぎ目が開く感じがある。

・鼻通りがよくなる。

・顎が良い感じ勝手に引かれる。

・左右の胸鎖関節の間(押すとウェってなるところ)あたりから、首が立つ感じになる。

・胸椎との一体感が増す。

 

非常に些細な動きで、深層筋特有?のジワ―と収縮する。

 

面白いのは、「首の前面」で首を立てるという点である。普通、巷でよく知られているのは、首の後ろを伸ばすとか、後頭部を伸ばすとか、「後ろ」中心のストレッチである。

 

しかし、今回の発見は、首の前面の深層筋を収縮させることで、首の後ろと後頭部が勝手に伸びることである。深層筋だから、表層はリラックスする。さらに、顎も引かれるというおまけ付き。

 

 

★背骨全体:腰椎・胸椎・頸椎

仕上げに、腰椎・胸椎・頸椎を下から順に連動させて、湾曲カーブを緩めて、背骨全体をより直線的にする。

 

「背骨連動体操」

・「捉え」の姿勢を取り、「お腹を凹ませ」て、「腹圧」をかけて、腰椎の前彎カーブを軽減させる。

・前彎軽減と腸腰筋のリラックスと共に腰椎から来る伸びの力を受け取り、鳩尾の深層筋を伸ばして、胸椎の後湾カーブを軽減させる。

・そして、最後に、胸椎からの力を受け取り、頸長筋(頭長筋)を収縮させて、頸椎の前彎カーブを軽減させる。

・できあがり!


【参考動画】(2018OCT01)

背骨連動体操

(映像提供:本のセンセさん)

 

図1 背骨の湾曲カーブの軽減

(図:PKGJ)

(黒矢印は軽減方向、赤矢印は深層筋の動き(腰椎は腹圧も指す))

 

背骨中心に他の部位に連動して、ニュートラルポジションを形成していることになる。

 

背骨で作るニュートラルポジション

 

どうやら、開発過程は、やはり下からのようである。腰・胸・首の順。おそらく胸椎がある程度感じることができるようになった結果、頸椎に行き着いたと考えられる。

 

興味深いことに、調べてみると、「ロルフィング」という分野に関しても、同様のことが言われている。

ざっくりいうと、首の解放は、大腰筋システムの活性化と、胸(胸椎)の解放、が大前提である。

 

しかし、連動を考えると、最終的には、どの部分からでも、連動しないとダメだと思うので、そこは遊び感覚で、連動を高めていきたい。例えば、、頸椎の前湾カーブを軽減すると、それに伴って、他2つがしかるべき連動を起こす。さらに、胸椎がスイッチで、他2つがしかるべき反応をする。

 

ちなみに、胴体レベルで次のようなことが言える可能性がある。芋づる式なので、重なるところは多いが。

 

・お腹を凹まして、ぐんと肋骨が上がる

→普段から、前湾がきつい、腰椎が伸びていない、骨盤と肋骨が十分に引き離されていない、腸腰筋が活性化していない、捉えがない・弱い。

 

・胸椎の後湾カーブを軽減しようとすると、顎が先に動く・腰椎が先に動く・肩が先に動く。

→鳩尾深層筋が活性化していない、肋骨の癒着が取れていない、骨盤と肋骨が十分に引き離されていない、腸腰筋が活性化していない、胸が独立していない、肩甲骨と肋骨の癒着がとれていない、肩の細分化が不十分。

 

 

ついに、首・頭まで開発が及んできた。首の角度や顎の引く具合の程度がすこし掴めたのはかなり嬉しい。重たい頭をどの位置におけばリラックスできるかの糸口はつかめたと思う。

 

頭長筋は後頭部の頭蓋骨の一部とくっついているらしいので、頭の解放が今後期待できる。

 

また今回の件で、背骨の一体感がだいぶ増した感じがする。これは身体全体の一体感が増したこも意味する。常態化までは、まだ少し時間ががかかりそうだが、この「緩やかな湾曲」を心がけて、生活を送ることにする。

 

以上、身体内部からの報告でした。

 

始まりはいつも北京原人から。