仏さまって全部で何人くらいおられるんでしょうか? という質問を、一般在家の方ではなく、知り合いの天台宗のお坊さんから受けた。
仏さまのご真言のことを話し合っていて、よく使う真言はぜんぶ暗記していますよね? ということを私が言うと、その方は、自分はどの仏さまに対してどのご真言を唱えるかということをそんなにたくさん覚えてはいない、仏さまって一体全部で何人くらいおられるんですか? という風に、その方が仰った次第だ。
(天台宗の行院で正式なお坊さんになるための)加行(けぎょう)を受けた時に出て来るご真言だけでも、仏さま(如来)、菩薩、明王、天部(毘沙門天や弁財天など)などを合わせると4、50人くらいおられます、さらに言えばやっぱり加行の時に三千仏礼拝行という行をしましたね? だから少なくとも仏さまというのは少なくとも3000人はおられる訳で、もっと言えば法華経などの説くところでは無量百千万という無数の仏さまがおられるんでしょうけれど、などとお答えした。
ちなみに原始仏教やテーラワーダ仏教では基本的に釈迦一仏、すなわちブッダただ一人が仏さまで、ブッダ以外のお弟子さんたちはみな仏さまではなく阿羅漢さんだ(ちなみに仏弟子は俗に1250人と経典などに書かれている)。
尤も、パーリ仏典には過去七仏という伝承があり、お釈迦さま、すなわちゴータマ・ブッダ以前に6人の先駆者ブッダがおられたとするけれど、そうだとしても全部で7人だ。
ちなみに法華経の説くところでは全ての仏は久遠実成の釈迦牟尼如来の権化とされているから、それも釈迦一仏だと言えなくもないが、それはさて置き、もしも今度はお坊さんでない一般の方に「仏さまって全部で何人くらいおられるんでしょうか?」と聞かれることがあったなら、「皆さまがご存じの有名どころの仏さまや菩薩さまだけでも50人から100人、主要なところでは3000人、全部合わせると何百億人もおられます」と答えることにしようかと思う。
おしまい。
※「ホームページ アジアのお坊さん 本編 アジアの仏像」もご覧ください。