※各段落の頭文字を繋ぐと、「だ・い・さん・の・おん・な」となるように工夫しました。
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「誰が殺したか」「どうやって殺したか」といった謎を解く、通常のミステリではない「第三の女」。
一体、何が起こっているのか自体が分からないという不思議さで物語が進んで行く、クリスティー特有のスト-リーだ。
賛成して頂けるかどうかは分からないが、自身の生み出した探偵ポアロをクリスティーが嫌っていたという説に、私は以前から疑義を呈している。
ノーマ・レスタリックという女性に「年を取り過ぎている」とポアロが言われて憤慨する印象的な冒頭を含め、後期のクリスティーは老齢のポアロを描くことを楽しんでいるように思う。
温和な性格であると評する人もいるのに、ノーマが奇矯な振る舞いを繰り返すのはなぜなのか。
「何が起こっているのか」が明らかになった時、老齢のポアロとノーマが繫がり合う大団円、いつもながら後期クリスティーの悠々たる筆致が心地よい。
※「老齢のポアロ…後期クリスティー的問題」もご覧ください。
※「ホームページ アジアのお坊さん 本編」もご覧ください