2019年11月1日 英語民間試験導入延期についての報道 (東洋経済オンライン)

 

いわゆる難関大学をねらう中高生にとっては、とくに影響ないと思います。

なぜかって? 

以下の記事の文中

 『入学後の教育を受けるために必要な、かなり高いレベルの総合的な英語力
を、東大では2次試験(高度な記述式)でテストして合否判定するから

 

英語4技能についても、国公立大の場合、各大学・学部が、必要だと思ったら、「2次試験」でテストすればよいわけで。 少なくとも、工学系・修士の場合、英語の論文を読む「リーディングスキル」がないと、ものすごく苦労します。

 

●0 2021年実施の東京大学一般入試での、英語民間試験の扱いは?

2018年9月26日付けで、東京大学のHPに2021年度東京大学一般入試における出願要件の追加について(PDF 以下、9月文書)
が、掲載されました。
9月文書の中身と、『2020年度(2021年1月)実施の「大学入学共通テスト」で導入される英語民間試験の成績利用』(以下、α)への、東大のこれまでの対応については、
『東大新聞』(東大生編集)の下記記事 ↓ に、簡明にまとめられています。
http://www.todaishimbun.org/englishexam20180926/

当ブログでは、以前の記事「理工系Vくん 大学受験への戦略 速報:東大、首都大の英語民間試験への対応は?」(18年4月)で、
『もともと一般入試で、足切制度がある国立大学 ↓ や、
https://resemom.jp/article/2018/02/08/42785.html
一次(センター)試験が基準点を超えれば、合否判定は2次(個別)試験のみで行う、東工大(前期)などは、”一定水準以上の成績を出願資格にする”方式を選ぶ可能性がある』
と予想していました。

そして、東大のアンサーは、αについては
『(1) 大学入試センターによって「大学入試英語成績提供システム」の参加要件を満たすと確認された民間の英語試験(以下、「認定試験」と言う。)の成績(ただし、CEFRの対照表でA2 レベル以上に相当するもの)。
(2) CEFR のA2 レベル以上に相当する英語力があると認められることが明記されている調査書等、高等学校による証明書類
(3) 何らかの理由で上記(1)(2)のいずれも提出できない者は、その事情を明記した理由書。』
を提出しないと出願は受理しない - でした。

『CEFR A2レベル』は、文科省がまとめた下図の対照表 ※1 では、英検準2級に合格のレベル。

首都圏の進学高校の生徒だと、高校受験の前後に取ってるはずなので、東大受験生(一般入試)で、この出願資格にひっかかる人は、いないですよね。

つまり、形式的には、出願資格として『なんらかの形で所定の英語力があることを証明する書類』を出してもらう = ハードルを増設。
しかし、実質的には、すごく低いハードル(英検準2級 相当)だった…というわけです。※0.5

国公立大学で、2次試験にある程度高度な記述式を出題する大学(首都圏の国公立大学の大部分も含まれます)が、この東大の方針表明を横目でみつつ、今後、どんな決定をするのか? ……旧帝大(東北・名古屋、大阪・京都)の動向は、文末の●5 に追加しました。

以下、わざわざ、当ブログの準レギュラーYさん※2 を、召喚? したのは、今回、東大が、こういう意思決定をするまでのプロセスと背景を、「いわゆる難関大学」をめざす受験生には、意識しておいてほしいと思ったからです。

 

 




●1 東大が CEFR のA2 レベル にした理由は?
P: 先日、「2021年度東京大学一般入試における出願要件の追加について」(9月文書)が公表されて、東大のαについての扱いは、国立大学協会の指針
 ・一定水準以上の成績を出願資格にする
を守りつつ、その成績は CEFR のA2 レベル でした…。
以前の当ブログ記事で紹介した『日経トレンディ 9月号「大学激変! 早慶 MARCH 関関同立」』62・63ページ
https://ameblo.jp/pernas/entry-12397161852.html
に、私立の有力大学の英語民間試験(外部検定)利用型の入試の例が掲載されてまして、一部を抜粋すると、
■CEFR B1(英検2級合格レベル)
  法政大学・理工学部 TEAP226点以上 
  中央大学・経済学部経済学科 TEAP226点以上 
  関西大学・文学部  TEAP226点以上  
  上智大学・法学部法律学科 TEAP230点以上 
そして、
立教大学の経済学部国際経営学科がTEAP334点以上(英検準一級合格レベルですが、英検は2級以上)、
早稲田大学の文化構想学部文化構想学科がTEAP280点(英検は準1級以上)
など、ばらつきはありますが、有力私大文系の英語民間試験利用入試では、CEFR B1(英検2級合格レベル)を、
  実質的な入試のハードル
にしています。
これに対して、東大が
  CEFR A2(英検準2級合格)レベルを「出願資格」
にしたのは、いくら
  形式的な入試のハードル
とはいっても、受験生や親御さんからみると? だと思います。
Y: 9月文書で、
 『入学後の教育を受けるために必要な、かなり高いレベルの総合的な英語力
を、東大では2次試験(高度な記述式)でテストして合否判定するから、
その前段階として、基礎となるバランスのとれた英語力を原則的にすべての入学志願者に求めたいと考えています。これはグローバル化時代を生き抜くために必須の基本的なスキルとして、多くの高校生が卒業段階で身につけておくことが望ましい能力であり、本学では現行の第3期教育振興基本計画の目標設定(注:50%以上の高校生がCEFR A2レベル以上を達成する)に合わせて、2021 年度一般入試ではCEFR のA2 レベル相当以上をその目安とします』
と、文科省自身の目標設定を論拠にしてますよね。
これだと、高校生の約半分が 『出願は』 できる(受理される)。
 

CEFR のA2 レベルは、
『ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる』(9月文書 注1記載)
で、実際、ぼくの相手先(多言語)の英語力も、ぼくも、このレベルでなんとかなってます。


逆に、飛びぬけて優秀な人は、向こうから日本語で話してくれますし。
ちょうど、Pくんから情報提供されて、元・東大総長で政治学者の佐々木 毅(たけし)さんの記事※3 を読んだら、佐々木先生は、英・独・仏・イタリア・ラテン語 を原書で読めるレベルで学ばれている。
そういう東大の先生のレベルからみると、A2/B1/B2 のこまかい違いにはこだわらないでしょ。

●2 記述式を出題する大学が要求する「本わかり」
P: 佐々木先生は、助手時代から、中世イタリアの思想家・マキャベリの政治思想を研究されていて、そこで、イタリア語やラテン語を学ばれたわけですが、
語学を学ぶと
『単に文字通り読んで理解するだけでなく、何か知的なもう一つの引き出しをもらったような感じがする』
『人間というのはとらわれてしまうと見えているように見るだけで満足します。でも、違う方向から見ることができると、ふっと物事が違って見えてくることがあります』
↑ これが、東大の2次試験の英語(質レベル)とすると、この長文/記述式を含む二次試験の得点と英語民間試験の「換算点」とを、単純に足し算(加点)する方法はとらないだろうな  と元々思っていました。
Y: これも、Pくんからあらかじめ聞いて、
『東大が入試を通じて日本の高校生全員に伝えたい思いとは 「スーパー高校生は求めず」「記述式は受験生との対話」』
http://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/57
の記事(以下、記事 ※4)と、
9月文書の前に、東大の「入学者選抜方法検討ワーキンググループ」がまとめた答申(7月12日公表、以下、7月文書)
も読みました。
まず、記事では、東大の入試について
『高校の各教科で習う内容を「本わかり」、つまり本当に深く理解すれば解けるように、難しい用語は出題しないなど、高校教育に配慮しながら作問をし、そして時間をかけて採点をしています。』
ここでいう「本わかり」とは
『本質的な理解を示します。「要するに何なのか」ということを自問して答えられることです。
「知識」という言葉は矮小化されがちですが、機械的な暗記は知識ともいえないものです。「本わかり」を伴う知識は、高く深いレベルのものです。それは、探究活動を通じて身に付くこともあるし、本やネットで、ということもある。知識を深めるにも多様な方法があります。』
とありました。
そして、7月文書自体が、「本わかり」の模範例? かなと思って、ぼくは読みました。
P: 7月文書は、本文A4用紙・11ページ分、プラス注釈2ページ。本文だけで、1万5千字強。
ちなみに、私大文系某学科の卒論の目安が「2万字以上」らしいので、小論文並みですね。
さらに言えば、石井副学長はじめ7月文書をまとめたWG委員の8名は、理学系の福田理事以外の7名は文系寄りの"東大・教養オールスターズ"ともいうべき顔ぶれでした。※5

●3 東大の現実的解答
Y: 7月文書は、
 設問:αを東大の一般入試で活用する方法について、検討し解答せよ
に対しての 解答 で、それは
本文ページ1-【2】の冒頭に、「ありうる選択肢」として、優先順位付きで3案が提示されています。
 提案1:出願にあたって認定試験の成績提出を求めない。 
 提案2:認定試験をめぐる諸課題への対応について文部科学省ほか関係機関からの具体的かつ詳細な説明を受け、十分に納得のいく回答が得られたらその時点で 認定試験の活用可能性について検討する。 
 提案3:認定試験の A2 レベル以上の結果を出願資格とするが、一定の条件のもとに 例外を認める余地を残し、可及的速やかに具体的な要件を定める。 

この提案をまとめるためには、
・そもそも東大の入学者選抜とは?(本文2ページ)
・外的条件としての「国立大学協会のガイドライン」の中身(本文2~4ページ ※6)
・英語スピーキングテスト(本文6ページ)
・英語民間試験の横並び「換算」問題(本文7ページ)


などを「本分かり」してないと、解答できない。
それぞれが、どんな内容か? 答えられるレベルが、大学入試レベル。

提案1~3のどれが妥当か? を考えて、論拠も示せ。が大学院レベル。

そして、提案1~3の「ありうる選択肢」をまとめるのが、ビジネスレベル だと思いました。
P: Yさんとは仕事の話はしませんけど、対人交渉が大変そうですよね。
ぼくの仕事だと、NOの場合の理由は、
  予算的に無理
  時間的に無理
  技術的に無理
のどれかですが。
Y: たしかに、入試は、本来は、大学と受験生との間の問題ですが、「大学入学共通テスト」だと、国・文科省・国立大学協会が上部にあって、そことの「交渉」の側面もあります。
7月文書のケースでは、
 ・条件は少し高い水準(提案1)にして、こちら側から先に提示
 ・なおかつ提案2、3も示す(複数の選択肢を用意)
で、提案3が、9月文書でほぼ採用されていますね。
高い水準(提案1)をみせておいて、現実解(提案3)を落としどころにしたという印象です。



●4 「学ぶとはどういうことか」:佐々木毅
P; ビジネスレベルの話は、今後、当ブログの「就活S」シリーズで、もう少し聞きたいですね。


実は、さっきYさんが「本分かり」と言われたあたりが、佐々木毅・元東大総長の著書で、もう少し具体的に書かれていたので、「高度な記述式」を出題する難関大志望の、中高生向けに紹介します。
書名がズバリ、「学ぶとはどういうことか」


2012年初版なので、第1章 で東日本大震災と「想定外」について触れています。

ここは、最近も北海道地震などもありましたし、とりわけ工学部志望者に読んでほしい内容でした。
第2章の「学問のすゝめ」は、いずれ、国語・記述式の記事で触れます。※7
そして、第4章で、「学び」の四段階を、
  知る
  理解する
  疑う
  超える

としています。

Yさんにならって、レベルわけすると
  センター試験や共通テストが、「知る」レベル。
  記述式試験が「理解する」レベル。
  英語民間試験は、アウトプット(話す、書く)が入るので、この中間??
  「疑う」は、大学の卒論でこの要素がないと、そもそも卒論ではなく、レポートになってしまいますよね。
  「超える」は、ビジネスでは「ブレーク・スルー」。
佐々木先生は思想史の巨人(プラトン、マキャベリ)を例にされて

『今の現実とはまったく違った「新しいもの」が見えてくること。それに従って新しい現実を創ることの可能性を力説した人々』 と。
Y: ぼくが、ぱっと思いつく人は、R.ペンローズだね。
 http://www.ntticc.or.jp/pub/ic_mag/ic025/html/102.html
P: ペンローズについては、理工系志望の高校生は、自分で「学んで」ください。
ちょうど第5章では、「勉強」と「学び」について触れていて、
『当然、ここでは「学ぶ」ことには「わからない」ことがつきまとう。それを自覚することもまた、「学ぶ」ことの大前提になる。』

Y:たしかに 「分からない」を知る には、おすすめかな。
P: 第6章の「学ぶことの可能性と限界をめぐって」にも
『かつて丸山眞男は現実とは「可能性の束である」という名言を吐いた(中略)つまり、「すべてがわかっている」という見地は基本的にあり得ないという立場である』
とあります。
ここや、第7章以降の「賢慮と知慮 それは学べるか?」とかは、Yさんに丸投げして、
少なくとも大学入試(一般入試:長文記述式)では、深い意味で「理解する」
『「知る」こと、「記憶する」ことから「どうしてそうなるのか」という問いへと関心が移動し、個々バラバラな事象がお互いに一定の関係を持つものとして見えてくる』
ことは必要だと思います。

9月文書の結びにも、
『東京大学は「アドミッション・ポリシー」に、「入学試験の得点だけを意識した、視野の狭い受験勉強のみに意を注ぐ人よりも、学校の授業の内外で、自らの興味・関心を生かして幅広く学び、その過程で見出されるに違いない諸問題を関連づける広い視野、あるいは自らの問題意識を掘り下げて追究するための深い洞察力を真剣に獲得しようとする人を「期待される学生像」として掲げています』
とあります。

 

●5 2018年12月15日追加

2018年12月14日、京都大学が、方針を発表しました。

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/admissions/events_news/office/kyoiku-suishin-gakusei-shien/nyushi-kikaku/news/2018/181214_3.html
朝日新聞の下記報道の、まとめのとおり、
https://www.asahi.com/articles/ASLDG6FM9LDGPTIL01F.html
京大も、東大と同様、出願要件にはするけれど、民間試験の代わりに高校の調査書などでもOKというものでした。

名古屋大も同様。
http://www.nagoya-u.ac.jp/admission/upload_images/181122.pdf
東北大は、出願要件にしないし、合否判定にも使わない。

『(1)本学では英語 4 技能の修得を重視しており,受験に当たっては「CEFR における A2 レ ベル以上の能力を備えていることが望ましい」ことを出願基準とします。 (2)ただし,この出願基準は出願に当たって英語認定試験の受検とその結果提出を求める ものではありません。本学は英語認定試験の受検と CEFR の A2 レベルの成績を志願 者全員に求める「出願要件」とはしません。また英語認定試験成績を CEFR 対照表に 基づいて点数化し,これを合否判定に用いることもしません。』
http://www.tnc.tohoku.ac.jp/images/news/H33housin.pdf

これは東北地方の高校生(英検以外の民間試験、どこで受ければいいんですか? )が多い、地域事情からですか?

 

一方で、大阪大学は

「2021年度入学者選抜の変更に関する予告」 ↓ で

 https://www.osaka-u.ac.jp/ja/admissions/faculty/general/files/2021yokoku_201810.pdf

原則として、英語民間試験を受験してもらう。

…が、出願資格としての基準は、CEFRのA2(英検準2級合格相当)以上。

 

この決定の背景として、大阪では、2017年度公立高校入試から、英語民間試験による英語選抜試験での「みなし得点」が導入されたという事情も、影響しているかもしれません。 ↓

  https://www.kaisei-group.co.jp/nyushiblog/highschool/28808.html

英検2級で80%、英検準1級で100% の点数保証 ↓ なので、

  https://morinho.net/highschool-admission-osaka/

阪大をねらうレベルの中学生は、高校入試(大阪・公立)までに、英検2級(相当)を確保するはず。

 

このように、旧帝大でも、微妙に差はありますが、それぞれの大学の立地がけっこう影響していると思います。

今後、首都圏の国公立大学の動向がある程度わかったら、さらに続報の予定です。

 ↓

・2019年2月21日

東京農工大  出願資格(CEFR対照表のA2以上/理由書でもOK)方式

https://www.tuat.ac.jp/admission/nyushi_gakubu/info/20190221_1.html

 

※0.5 英語の民間試験を受けなくても、高校などが保証すればOK。

7月文書のおわりで
『中学校・高等学校における英語教育を認定試験対策に走らせて歪めるようなことがあってもならない。』 
※1 今回の記事では、各民間試験と、CEFRとの対照表として、この文科省の表を使います。
※2 Yさんは、筆者の大学時代のバイト先の先輩。現在、1年の半分は世界のどこかで、英語をふくむ”あらゆる手段”で、取引先とコミュニケーションをしてるそうです。もう半分は、首都圏のどこかでRさんと同居(いつのまにか入籍ずみ)。
入籍祝いをかねて、神保町の喫茶店→シーフード料理店。

ちなみに今回のお店は、Yさんの短いメール「キングサーモン」から、決めましたが、実はアラスカの地名だそうで。
http://www.travelalaska.jp/Destinations/Communities/King-Salmon.aspx
※3 読売新聞・コラム 「時代の証言者」ー「学問と政治」
※3.5 上記の第13回(2018年10月1日)
※4 入試担当の南風原朝和理事・副学長へのインタビュー記事(2016年6月時点)
※5 7月文書の別紙に委員名と所属
※6 紅野謙介「国語教育の危機」(ちくま新書)も紹介予定だったんですが、早くも

  大学入試共通テスト試行調査(プレテスト) の2回目

が、2018年11月10日・12日 に実施されました。

  毎日新聞記事
上記新書に、第1回目のプレテスト(国語:記述式/マークシート式)についての詳細な分析が書かれています。

BGM:P選曲 Mr.Children 「Your Song」
   Y選曲  Simon & Garfunkel 「The Sound of Silence」
   ※Yさんが英作文の問題を作るなら ↓
    ・「The Sound of Silence」とは何か? 想像して書け。

    字数:無制限 だそうです。

写真提供:Pixabay
 



●0-1 9月22日追加, 10月9日一部改訂 : 2021年卒の運命は?

2018年9月3日、経団連・中西会長の「就活ルール廃止」発言に焦ったのが、まさに2021年春卒予定の現・工学系4年生(自大学院進学確定 ※1 /学部2年相当)のZくん。


自分(Zくん)の就活本番のスケジュールは、変わるかも?? 

というわけで、当ブログ史上初めて、Zくんの「お勘定 ※2」で、打ち合わせしたのが、9月中旬でした。●1 以下は、その時の内容です。

 

中西発言が、ハチの巣(大学当局と就活生)をつついたら、反響が大きかったんでしょうね。

早くも9月21日の報道(例:朝日新聞)によれば、

 ・経団連は、「就活ルール」を廃止する方針

 ・経団連に代わり、2021年卒に関しては、政府が経団連に対して従来どおりのルール(●1で解説してます)を守るように要請

 

さらに、10月9日 経団連が「就活ルール」廃止を正式決定しましたが、ここでも2021年卒に限っては従来通りの日程(後述の、スケジュールB) が維持されるもよう ↓。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36255980Z01C18A0000000/

 

つまり、Zくんたち2021年卒の就活日程は、実質変化なし の見込みです。

 

---なお、●1以下で書いてますが、理工系のリアル就活スケジュール(スケジュールA)は、経団連の公式スケジュール(スケジュールB)とは、そもそも違ってます。

【参考記事】5月までに面接の企業が8割

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018090301097&g=eco

 

Zくんが心配したのは、スケジュールB (公式)が変わったら、その影響で、スケジュールA(リアル) が変わるかも? ということでした。

2021年卒に関してはスケジュールB (公式)自体が変わらない見込みのため、Zくんも安心のわけです。

2022年卒以降は、「政府の仲立ちで企業、大学などがこれから協議」の予定です。

 

●0-2 2021年卒も「インターン選考」には注意!!

ただし、日本経済新聞(9月22日 13面)で報道されたように、

『経団連は自ら掲げてきた就活ルールの抜本的な見直しの一環として、採用活動と切り離すように求めてきたインターンに関する規定も廃止する方針』

こちらの廃止は確定していませんが、実はこちらの方が2021年卒以降への影響は大きいと思います。

 

というのは、上記・日経の記事によれば、インターンシップ人気ランクトップの全日空の場合、

『夏場に1日型のインターンを14回開き、約2000人を受け入れる。1日型を経験した学生は例年、職場見学などがある冬季の4日間のインターンも希望する例が多い』

とありまして、今後は、他企業でも

  夏の1日インターンシップ(事実上の会社説明会)

  冬の中長期インターンシップ(事実上の選考)

を、行うケースが増えてくると予想されます…なにしろ、2021年卒以降は、採用活動の一環としてのインターンシップを堂々とやってもOK ということですからね。

 

●1 以下でご紹介している、現・学部4年のZくんは、もともと学部3年でインターンシップに挑戦(経団連企業5社に応募、ES2社通過。面接は…残念)してます。

来年夏の修士1年・インターンシップは予定に織り込みずみで、企業研究も学部3年の時に、100社くらい調べてます。

ここまでやれとは言いませんが、理工系といえど、今後は、修士1年夏までにある程度の企業研究をしないと、そもそもインターンシップへの応募ができません。

※2019年8月 夏インターンシップへの応募について、Zくんに聞きました。やっぱり、異変あり(上のリンクの●4)。



●1 基礎知識:そもそも「経団連の就活ルールとは?」
以下、おもに理系の就活についての、あくまでも個人の見解です。

 

P:まず、現時点(2018年9月中旬)では、あとで触れる理由で、就活ルール変更かどうか? は確定していません。

でも、見通しはどうか? 筆者なりの推測の根拠となる、基本事項の確認です。

そもそも「経団連の就活ルールとは?」。
さらに、その前に、「経団連」ってどんな組織か、Zくん知ってます?
Z: 「経済団体連合会」。日本の有力企業が加盟する団体ですよね。
P:じゃあ、どんな企業が経団連に加盟しているのか知ってましたか? 
実は、3年生夏に、Zくんがインターンシップに応募した企業5社すべてが経団連加盟企業でした。※3
Z: あ! そういうことは全然考えずに、応募してましたね。
P: 企業会員の一覧は ↓
  http://www.keidanren.or.jp/profile/kaiin/kigyo.pdf
約1300社。グローバル企業(アクセンチュア)や、芸能プロダクション大手のホリプロ、ユーグレナ なども名簿にのってました。
ほかに、経済同友会(経営者が会員)や新経済連盟(IT企業が多い)などの団体もあります。
くわしくは、 https://www.excite.co.jp/News/economy_g/20171206/Toushin_4655.html

「経団連の就活ルール」は、あくまでも「経団連加盟企業」の中での取り決めなので、これまでも、加盟していない企業の「抜け駆け」が横行していましたし、強制力がないので、加盟企業が守っていたか? といえば…。
つい先日の、当ブログ記事で紹介した、Zくんの先輩(19年卒)のリアル就活スケジュール

 

■スケジュールA
 修士1年(学部3年) 10月~2月にかけて、学内で開催の企業面談会(3桁 時間刻み)
 修士1年(学部3年) 1月の学科内就職説明会
 修士1年(学部3年) 3月に、就職担当教授との個別面談
 修士2年(学部4年) 4~5月 就活(エントリー、面接)←研究室の先輩・同輩
 修士2年(学部4年) 6月はじめ 内々定
 修士2年(学部4年) 10月 リアル内定 

 

自体が、Bの公式スケジュールと違ってますよね。
Z:やっぱり、そうでしたか…。
P;公式スケジュール(2017年~20年卒対象)
http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/030.html
は、
■スケジュールB
 修士2年(学部4年) 3月1日 説明会解禁
 修士2年(学部4年) 6月1日 選考解禁
 修士2年(学部4年) 10月1日 内定式
です。
Z:6月初頭に、先輩が「同期(来年4月入社予定)と飲み会があるので早退します」といってましたから、

  選考解禁=即、内々定 

なので、なんだか、ぼくの大学院出願の時と同じパターンだな ※4 とは、思ってましたが…。

●2 スケジュールは変わるのか? 国公立・理工系の場合は、大学側の出方しだいか?
P:株式会社ディスコが、今年6月1日時点での内定率を 約67% と発表しています。
 https://www.disc.co.jp/press_release/6197/
4月1日 時点で、18.1%なので、4~5月 が選考の山場だったわけです。 
Zくんとしては、このスケジュールA(実質、4~5月選考)から、さらに早まる可能性があるのを心配してるわけですよね。
Z:そうです。
P:実は政府と大学、経団連が協議に入る予定らしいので(9/5 日経新聞報道)、この協議の結果次第ですね。

単純に、大学と経団連企業の二者間の問題だったら、多分、スケジュールAから変えない…変えたくないと思いますが。

政府が介入して、かえって決定が長引かないと良いな~と、思ってます。
Z:というと?
P:なぜ、スケジュールAから変えたくないかって?

典型は、学科推薦のある「機電情」(機械・電気電子・情報工学)ですね。
Z:学科推薦なら、ぼくの学部の「機電情」にもあって、「推薦枠」(総数)自体が、学科の就職希望者の数倍以上(けっこう余ってる)と聞いてます ※5
P:次のブログは、2015年・国立大学院卒の方のケースで、時期は多少ずれますが、
http://whitehead.hatenablog.com/entry/2014/06/01/165544

 「推薦カード」を使おうとする学生の場合は
  学生は、推薦希望調査までに第一志望企業(念のため、第三志望くらいまで)絞り込み
   ↓
  推薦企業決定 (大学が決めたスケジュールによる)
   ↓
  学生がエントリー
   ↓
  企業の選考開始
  

今後、この「推薦」に関する事務スケジュールを変える必要があるのか? といえば、大学としては、3年後期の終わる、1月までは、勉強に専念してもらいたいし、4月からはなるべく早く、卒論・修論をすすめてもらいたいはずなので、


スケジュールAプラス学科推薦あり
 修士1年(学部3年)<夏休み> インターンシップ
 修士1年(学部3年) 10月~2月にかけて、学内で開催の企業面談会(3桁 時間刻み)
 修士1年(学部3年) 1月の学科内就職説明会
 <春休み> 学生が志望企業絞り込み
 修士1年(学部3年) 3月中に、就職担当教授との個別面談
  ★推薦先決定
 修士2年(学部4年) 4~5月 就活(エントリー、面接)←研究室の先輩・同輩
 <GW休み>
 修士2年(学部4年) 6月はじめ 内々定 ※就活終了


という、現状のスケジュールは、けっこう大学当局にとって都合が良いですよね。
ただし、政府・企業・大学の話し合いがまとまれば従うしかない! と。


Zくんについては、大学の場合、変えるときは、入試制度などと同様、1年以上前に関係者に周知するはずですから、それからの対応で遅くないと思います。

ただし、タイムリミットは今年度末。

つまり2019年3月くらいまでに決めてもらわないと、何よりZくんはじめ当事者が困りますよね(2019年夏=修士1年・夏のインターンシップについては、文系も含めて、●4で触れます)。


●3 通年採用は? そして「東京オリンピック」問題??
Z:そもそも一斉採用ではなく、「通年採用」に変わるのでは? という報道もありますよね。
  https://mainichi.jp/articles/20180904/k00/00m/020/126000c
P:これまでも、「留学生や公務員試験受験者などが、不利」というデメリットは指摘されていましたので、いつでも選考してもらえるメリットはあります(くわしくは、日経産業新聞 9月12日号のコラム「就活探偵団」 3年生夏が天王山?)。  
ただし、一斉採用に比べて、採用コストがアップしますから、採用業務へのAI導入などと並行して、検討する企業が多いと思います。
実は、2021年卒だけの問題として、「東京オリンピック」(2020年7/24~8/9)があります。
Z:東京オリンピック…ですか?
P;経団連がすでに、3月段階で検討しています。 ↓
https://resemom.jp/article/2018/03/08/43413.html
東京オリンピックの影響で、都内のセミナー施設はもうこの期間の予約は埋まっているそうで。

宿泊施設も足りない。横浜港に船上ホテルを用意するとか、ニュースになってるくらいです。

となると、2020年の6月~8月、都内で大規模な選考活動をするのは難しいわけです。
Z:さっきのPさんのデータだと、6月時点で、67%が内定。だとすれば、オリンピック前に、実質的な選考は終わってるはずでは?
P:実は、6月1日 時点で、就職活動終了と答えたのは、約35%。内定があっても就活継続の人や未内定等で、65%はまだ就職活動を続けていました。
Z:大学受験でいえば。滑り止めを確保してる状態で、「3割は就活を継続」ということですね。
P:筆者の個人的な意見では、2020年、経団連加盟企業(大企業が多い)が、逆に「6月末までに選考終了」(スケジュールA どおりですね)にすると、中小企業は「内定辞退」がなくなって、かえって良いのでは?
Z:国公立大受験で、「前期」(ふつう、第一志望)に合格すると、「後期」は受けないですからね。現状だと、第二志望の内定を先にとってから、経団連有力企業の結果待ちで、内定辞退…私立大の併願(滑り止め)と、国公立合格待ち…とパターンは同じ気もしますが。

P:Zくんは気にしてないでしょうが、親御さんは「私立大」に数十万円の入学金をはらってますからね。

自由応募での内定辞退には、そういうデメリットがありません。

●4 なしくずし採用 は増えそう…夏インターンシップで実質選考?
P:日経産業新聞の9月13日号は、1面でこの「就活ルール」問題を取り上げてました。見出しは、『通年採用 誰にほほ笑む』。
すでに、25%の企業が、「19年卒採用で、通年採用を実施する予定」らしいですが、その「通年採用」の形態は、年複数回採用や、常時応募受付など、さまざまです。
筆者は、大学3年(修士1年)冬インターンシップ(事実上の会社説明会)から、夏インターンシップへと「実質選考」の軸が、シフトすると予想しています。

「通年採用」というより、「通年選考」ですね。

そこで、先に「内定」が出る代わり、「内定辞退」も増えるかも…。

 

ちょうど、Zくんが来年夏には 「夏インターンシップ※3」のリベンジに燃えると思いますので、引き続きよろしく


※1 大学院内定!! を経て、9月上旬、自大学の大学院・合格通知を学務に受け取りに行ってきたそうです。
  なお、Zくんは4年前期受講した3科目もクリアして、『卒研を除く』全単位の制覇=フル単、つまり「授業科目の単位を落とさずに卒業」が確定しました。 
※2 都内某駅近くの「コメダ珈琲店」に朝10時30分集合。「モーニング」+サイドメニュー1品で、交渉成立。
※3 Zくんは、大学3年生夏のインターンシップに挑戦。経団連加盟企業5社にエントリーして、うち2社は面接まですすみました。

https://ameblo.jp/pernas/entry-12300932731.html
※4 Zくんの大学/学部/学科 では、自大学院希望の成績上位学生は、「筆記試験免除」(口述のみ)とする制度があります。公式には「筆記試験免除をするかどうかの選考」を経て、志望者に通知されます。が、成績上位〇%の学生については、「筆記試験免除」がほぼ確定なので、出願直後に、研究室(有志)で「口頭試験対策講座」をひらいてくれたそうです。 
ちなみに、自大学院進学希望者は、「筆記試験」組も含めて、受験した学生は全員合格。

そもそも受験しなかった数名は、他大学院に合格したためか? 院進学をあきらめたのか? は不明だそうです。

※5 企業が、A学科に「3人」とか、上限(ワク)を指定するケースもあるため。

 冒頭写真提供:Pixabay
 中間写真:経団連会館。ビルを設計した「けいひん設計」HPより   http://www.keihinsekkei.com/pickup-keidanren.html
 BGM Z選曲 back number 「大不正解」
     P選曲 くるり「その線は水平線」
 



当ブログでは、首都圏の有力大学・理工系の立地について、「けっこう郊外が多い」と警告してきました。※0
東京農工大(小金井市)も、東京都23区外のいわゆる「郊外」ですが、MARCHクラスの私立大も、
  本部は「御茶ノ水」→理工学部ほかは、川崎市(神奈川県)の丘陵地帯 =明治大学
  本部は「青山」→理工学部ほかは神奈川県相模原市 =青山学院大学
だったりします。

この夏、関西(滋賀・京都)に旅行※1 した際に、チェックしたら、やっぱり関西有力私大の理工系学部にもキーワード「丘陵地帯」と「バス10~20分」ありましたね~。

ちょうど、新幹線の車中、日経トレンディ 9月号「大学激変! 早慶 MARCH 関関同立」を読みまして、各大学の紹介や、受験勉強の新常識、外部英語検定(MARCH入試にも使える) など、とくに高1、高2生の親御さんには参考になる内容だと思いました。
ただし、どちらかといえば、文系視点の記事※2 です。

 


というわけで、上記雑誌には当然? 載っていない、関西の有力私大「関関同立」・理工系の立地について。
※下図は、おおよその位置関係(市単位)を示しています。
※学部は”いわゆる理工系”のみをピックアップしています。
※交通アクセスは、おもにJR最寄り駅を目安にしています。私鉄利用だと、より近い場合があります。

※2019年1月 補足。お正月、You TubeでMV(Music Video)を見てました。「おすすめ」に、なぜか「立命館大 びわこ・キャンパス」とか「同志社大 京田辺キャンパス」とか、取材している動画がでてきたので、こちらも視聴。

あと、映画「鴨川ホルモー」に、京都産業大学など映ってました。立地は京都市内ですが、「山の上の大学」が、京産大についての、市民の共通認識らしいです。

「百聞は一見に如かず」ですので、高2生以下のみなさんへは、遅くても高3夏までに下見をおすすめします。

 

(1)関西(かんさい)大学  本部:大阪府吹田市
(1-1)総合情報学部 (高槻キャンパス:大阪府高槻市 京都方面からの最寄り駅はJR高槻駅。下車後、バス20分)
大学のHPによれば「大阪と京都の中間に位置するなだらかな丘陵地にあります。その広さは約45万平方メートルで、甲子園球場の約11倍。」
(1-2)システム理工/環境都市工/化学生命工学部 (千里山キャンパス:大阪府吹田市 京都方面からの最寄り駅は、阪急電鉄「関大前」駅下車、徒歩約5分)
本部でもある千里山キャンパスは、関東の「首都大学東京・南大沢キャンパス」と同様、郊外の「丘」をまるごとキャンパスにしたイメージです。

(2)関西(かんせい:KWANSEI)学院大学 本部:兵庫県西宮市
理工学部(神戸三田キャンパス:兵庫県三田(さんだ)市 最寄駅はJRの場合、新三田駅。下車後、バス15分)
本部は、阪急電車(阪急電鉄今津線)の沿線ですが、理工学部は、学部のHPに「六甲山地の北側、有馬温泉に近い兵庫県三田市の丘陵地帯」とあります。

(3)同志社大学 本部:京都市上京区
理工学部 (京田辺キャンパス:京都府京田辺市 最寄り駅はJRの場合、学研都市線「同志社前」駅から徒歩10分)
本部は、京都・洛中の今出川キャンパスですが、理工学部は、奈良県・大阪府との境に近い、なだらかな丘陵地にひろがる広大な京田辺キャンパスに。

(4)立命館大学 本部;京都市北区
(4-1)理工学/情報理工学/生命科学部(びわこ・くさつキャンパス:滋賀県草津市 最寄り駅はJR南草津駅。下車バス20分)
(4-2)本部と映像学部は、京都市街の衣笠キャンパス。
ちなみに、文系の経営学部は、びわこ・くさつキャンパスから、2015年に大阪いばらきキャンパス(JR茨木駅、徒歩5分)に移転しました。

一方で、京都の市街地に理工系学部のキャンパスがある私立大といえば、
(5)京都産業大学 (京都市北区)
理学/コンピュータ理工学/情報理工学/総合生命科学部 (※2019年4月から 生命科学部が発足)
当ブログ記事で、https://ameblo.jp/pernas/entry-12344350120.html 新設の「情報理工学部」の紹介をしています。

(6)京都先端科学大学(京都市右京区)※2019年4月からの大学名。現・京都学園大学
2020年4月に、工学部機械電気システム工学科(仮称)を設置予定です。
「日本電産」※3 の永守会長が、今年3月から京都学園大学の理事長に就任して、将来的にはモータ工学などで、「世界水準」の大学をめざすとしています。
また、ベルリッツと連携した「英語教育」(カリキュラムの1/4が英語学習)に力を入れる方針です。
「私立豊田工業大学」と同様に、国公立大並の安い学費と、高い就職率とで、人気となる可能性があるため、当ブログで、注目しています。
とくに、学部長にどなたが就任されるか? 木島先生(広島大学・情報科学部)や坂村先生(東洋大学・情報連携学部)にまさるとも劣らないかつグローバルとなると、海外の有力大学からか? 



 

現状については、実際にキャンパス周辺を偵察? してきました。
最寄り駅は、京阪電車/京都地下鉄東西線・太秦天神川駅下車、徒歩3分。
現在、工学部棟を建設中(上の写真)。

地上8階、地下1階。77戸の寄宿舎も用意される予定です。
今後、さらにくわしい情報がわかれば、上述の「私立豊田工業大学」と一緒に、記事にする予定です。

また、大学受験で、いわゆる「電農名繊(九)」と呼ばれる、国立の工学系特化大学の一角、京都工芸繊維大学も、京都市街地にあります。
こちらはやはり、国立名古屋工業大学・国立九州工業大学とともに、別記事で紹介の予定です。※4

(!)近畿大学工学部(広島県東広島市)
最近は、関関同立近 ともいわれる「近畿大学」の工学部は、広島県東広島市にありました。
1959年、広島県呉市に設置、1991年に東広島市に移転という歴史があるようです。
ちなみに、近畿大といえば”マグロ”の「農学部(水産学科)」は、奈良キャンパス。

※0 https://ameblo.jp/pernas/entry-12344350120.html
※1 冒頭写真の京阪電車(ラッピング電車)は、旅友Jくんの希望で、「石山寺」 に行った際に、筆者がスマホで撮影。あくまでも”たまたま”ですが、石山寺駅ホームには、高級一眼レフを持った方がちらほら。
※2 「私立理系 この研究室がスゴい!」(P.73~)の記事は充実してました。立命館大学・ゲーム研究センター(P.77)は、国家事業として、精華町あたりに施設をつくってほしいものです。
※3 前の記事で紹介しました、京都ものつくり企業で、京セラを売上高で猛追中。2030年度までに10兆円企業を目指すカギが、「人材育成」 ↓ 
 https://diamond.jp/articles/-/154366?page=4
 ちなみに、同志社大学(京田辺)には、ローム社の寄付による「同志社ローム記念館」があります。
 https://rohm.doshisha.ac.jp/
※4 農工大工学部は、2019年4月 から学科が改組される
https://www.tuat.ac.jp/department/kaiso/20180112_01.html
ので、こちらも別記事を予定。
電通大は ↓
https://ameblo.jp/pernas/entry-12216624995.html

BGM KICK THE CAN CREW 「住所 feat.岡村靖幸」
写真、図 筆者

冒頭写真:アサヒビール大山崎山荘美術館
 

夏休み、昨年(長野・松本)に引き続き、旅友のJくんと滋賀・京都へ旅行しました ※1
新幹線と朝夕の食事以外、別行動でしたが、お互いのリクエスト(わがまま)をひとつずつきく約束で、筆者は宿(丹下健三設計のびわ湖大津プリンスホテル)、Jくんは「石山寺」(天然記念物 石山寺の硅灰石)への同行。
石山寺と「東レ」の意外? なつながりは、文末の滋賀篇で。

先に、【京都編】として、就活Sで以前ご紹介した、ビール関連4HDのうち
・アサヒグループHDとサントリーHD
のこちらも意外な関係が。
そして、京都ゆかりの「ものつくり企業」について。
・京セラ
・日本電産
・村田製作所

====↑  売上高1兆円超 ====
・オムロン
・任天堂
・ローム
・島津製作所
ほか、とくに理工系の方には、関心のある企業が並んでますね。

本社と、技術研究所や開発拠点の場所は、違う場合が多いですが、少なくとも志望企業の「本社」と「働く場所」(開発系だと、工場隣接も多いです)は、想定しておきましょう。

 

 


【京都編】
●京都・山崎の地で、アサヒとサントリーがニアミス?
京都・JR山崎駅近くには、ウイスキーの「山崎」(サントリー・山崎蒸留所 大阪府三島郡島本町山崎)と、京都ブルワリー(サントリー 京都府長岡京市)があるのは、筆者も知ってましたが、アサヒビールの美術館が、同じ山崎駅からの徒歩圏にあるのは、今回、実際に行ってみて分かったことです。
当ブログでは、大学受験前のオープンキャンパスや、就活前のインターンシップなど、「下見」の重要性を、くりかえし書いてますが、それは実際に行ってみないと分からないことが多いし、意外な発見もあるからです。

アサヒビール大山崎山荘(おおやまざきさんそう)美術館(以下、単に美術館)は、案内では、山崎駅下車徒歩10分 と書いてますが、「高低差」のことは書いてません※2 。
実は、美術館は天王山の中腹にあって、この天王山こそ、羽柴秀吉vs.明智光秀が、本能寺の変のあと、「天下分け目の戦い」を繰り広げた場所です。
 

サントリーの牙城に、なんでアサヒビールの美術館が? といえば、元々「大山崎山荘」は、実業家の加賀正太郎の別荘。

1912年 着工(当時は木造)。
一方で、サントリー山崎蒸留所は、1923年の開設。

サントリー創業者・鳥井信治郎に招かれた、初代所長が、竹鶴正孝
1934年に、竹鶴は、大日本果汁株式会社(のちのニッカウヰスキー株式会社)を設立して、北海道・余市でウイスキー醸造をはじめますが、この大日本果汁株式会社の筆頭株主になったのが、加賀正太郎でした。
https://www.nikka.com/80th/story/taketsuru/page4.html
加賀は、晩年、ニッカウヰスキーの株を、親交があった朝日麦酒株式会社(現アサヒビール株式会社)初代社長・山本爲三にゆずりました。
山荘ものちに転売されて
 「1989年には山荘をとり壊し、大規模マンションを建設する計画が浮上しました。しかし、地元有志の方を中心に保存運動が展開され、京都府や大山崎町から要請を受けたアサヒビール株式会社が、行政と連携をとりながら、山荘を復元し美術館として公開」※2.5
といういきさつがあったようです。
なお、2001年、ニッカウヰスキーを、筆頭株主のアサヒビール株式会社(当時)が完全子会社化しています。

現在の美術館は、安藤忠雄設計の地中館(モネの「睡蓮」を展示)など、拡充されています。
本館では「サム・フランシスの色彩展」が開かれていました。
このサム・フランシスの作品を見ると、アサヒビール本社ビル(東京・墨田区)の「金色のオブジェ」について、「適切なコメント」ができると思いますので、アサヒグループHD志望の方は、一見の価値ありです。

●京都のものづくり企業
JR京都駅から山崎駅までの車窓、向日町駅あたりで、日本電産本社ビルが見えます。※3
隣の長岡京駅の駅前には、どーんと村田製作所の本社ビル。

京都のものづくり企業は、京セラはじめ、下記のサイト※4
https://www.plus1-one.co.jp/wa/events/company/
で紹介されているように、ユニークな企業が多いですよね。

その1~3位(1位は京セラ:伏見区ですが、地図上でみると、向日町駅まで直線3キロ)の本社が、けっこう近い位置にあるのも、やはり旅行して初めて気づいたことです。
あと、オムロンの社名は、地名の「御室」(おむろ)にちなむとかね。
なお、LINEは、今年6月、わざわざ京都にAIスピーカーの開発拠点を設置しました。
その狙いについては ↓
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31702050T10C18A6TJ1000/


【滋賀編:東レ(東レ株式会社)】
石山寺には「東レ」が寄進した、「光堂」がありました。
なぜ、石山寺に、東レ株式会社(本社・東京都中央区)が? といえば、
そもそもの、東レ(東洋レーヨン)の発祥の地が、現在の「滋賀事業場」(大津市)。
ちなみに、瀬田工場も近くにあります。
https://www.toray.co.jp/aboutus/history/index.html
現在の「東レ」の事業を、一口で説明するのは難しいですが、↓
https://www.toray.co.jp/aboutus/outline.html
ルーツの「繊維」から、どのように、環境、医療事業などに事業が拡がり、今後はどのような事業をめざすのか?
https://www.toray.co.jp/aboutus/vision/index.html
そして、東レ志望者のみなさんは、どの事業領域で、どのような貢献ができるか? 考えて、ES(エントリーシート)を書いてくださいね。




※1 今回の旅行で、京都市街の名だたる観光スポットをさしおいて、「山崎」に行ったのは、『それは太陽のせい』。
京都駅で下車すると、正午前で35度超。東京も暑いんですが、「これは盆地特有の暑さ」と、やはり盆地で青春を蒸し焼きにされてたJくん(山形大学卒)が断言してました。

そのJくんは、屋内の「京都文化博物館」(西尾維新大辞展)に逃げ込み、筆者は、避暑もかねて「アサヒビール大山崎山荘美術館」へ。

ちなみに、びわ湖大津プリンスホテルから徒歩5分のドイツレストランは、ビール会社志望の方、行く価値ありです。
※2 上り路は、けっこうな登山でした。美術館に駐車場はありません(障害のある方のぞく)。JR山崎駅、阪急大山崎駅との、シャトルバスはあります。
※2.5 https://www.asahibeer-oyamazaki.com/history/history01.html
※3 日本電産については、次回記事でも触れます。
※4 学生ライター マルさんの記事。京都のベンチャー企業の紹介もあって、あ~「Hatena」もか…と、勉強になりました。

 

風景写真:撮影・筆者

BGM マイケル・トンプソン演奏 「G線上のアリア」

首都圏国公立大学・工学系4年生のZくんが、研究室に入室して、約3か月(4月~6月)がすぎました。

当ブログでは、「高校生が理工系の志望大学を考えるときは、大学院修士卒、つまり学士4年+修士2年 を前提に」 という方針で、ずっと記事を書いてきました。
Zくんは、もう自大学の大学院への進学が「内定」。
えっ? 大学院に「内定」があるの? 
以下、2018年7月某日、Zくんに取材※1 した内容を、農工大・工学部&工学府※2 のデータにそって、筆者がアレンジした記事です。

よくある質問は、文末にまとめました。

●1 なぜ「6年間」が必要か?
P: Zくんは、大学受験前から、大学院・修士までの6年間を前提に、志望校を選択して合格。大学院は、自大学の大学院への進学を決めました。

農工大・工学部では約8割(他大学院進学含む)が、進学します。
Zくんは、ずっと院進学の決意は変わらなかったの?
Z: ぼくは、Pさんや親類の話を聞いていて、「そもそも理工系なら大学院・修士」がデフォルト。そのためにも、自宅から通える大学から、志望校を決めました。

P: 都会だと、自宅から通える範囲でも大学を複数選べるから、いいよね。

Zくんのこれまでの3年間は、以前の記事でまとめています。

Z: 実際、4年生になって、研究室に入り、3か月でようやく、「研究室に慣れた」段階です。このペースで、「来年2月までに、まともな卒論が書けるかな? あれ、専攻の知識も全然身についてないし…」と、つくづく思いますので、プラス2年の余裕は大きいですね。
P: もし、学部4年で卒業となると、学部3年後期から、
・1~3月 直前インターンシップ(短期インターンシップ)や大学内外の説明会を回って、企業を絞り込み 
・3月~6月 学内ルートだと、企業への応募はだいたいこのころ
です。

研究室での勉強(Q1)と並行して、就活をするわけですよね。
Z: ただ、研究室の同期にも学部卒予定が一人いますが、修士2年の先輩と同様、あれ? いつ就活してたの? 状態でした(Q2)。

●2 プラス2年のコストパフォーマンスー対AIの武器を身に付ける
P:学部卒と、修士卒の「就職のしやすさ」をくらべると、たとえば、農工大・情報工学の学部/院だと ↓
http://www.cs.tuat.ac.jp/qa/#1q40
になります。
Z:  ↑ やはり、ぼくも就職したい企業となると、修士卒の方に多いですね。
P:当ブログでは、文系も含めた就活について「就活S」シリーズで書きはじめましたが、そこでのキーワードは「対AI」です。
理工系のみなさんは、修士2年まで勉強することで、今後も、より高度に「AIを使いこなす」「AIを創る」側にたてるわけですので、地方大学での大学院進学率※3 も、ますますアップすると思います。
ただし、プラス2年間の学費(約110万円)と、大学院の「入学金282,000円」※4 、あと2年間の生活費はかかります。
できれば、大学受験前に、4年間か? 6年間か? は、親御さんと話し合っておく方が良いというのは、お金の要素がとても大事だからです。
なお、試算に当たっては、他大学の大学院進学も考えるなら、4年間私立大学+2年間国立大院(けっこうあり)、4年間他地方+2年間地元(首都圏の進学高校では、確実に現役合格したい生徒には、後期で地方大学受験をアドバイスしているそうです)、逆に4年間首都圏地元+2年間地方の旧帝大  などのパターンも考えられます。
途中で、変更ができるのは、4+2制のメリットですが、他大学の院を受験するかどうかは、3年後期の研究室選択ともかかわってきます(Q3)。
高3受験生のみなさんのためには、来年の2次出願前に、また記事にする予定です。

●3 試験には2種類ある
P: まず、「平成 31 年度 4 月入学 東京農工大学大学院工学府博士前期課程(修士)学生募集要項 」(PDF)
https://www.tuat.ac.jp/documents/tuat/admission/nyushi_daigakuin/youkou/31_4_t_m_youkou_ja_2.pdf
にそって、日程をみましょう。
 ★1 出願期間  6 月 1 日~ 7 月 20 日  
ただし、筆答試験免除を希望する場合は6月7日までに、出願する必要があります。
この「筆答試験免除」に似た制度が、Zくんの大学・学部・学科にもあって、今回、Zくんは、
 ★2「筆答試験免除通知」(6月18日)
 ↓
 ★3 口述試験(7月2日)
 ↓ 
 ★4 7月6日(口述試験 結果発表。口述試験合格=大学院合格が「内定」)
の、「内定」段階にいるわけですね。

一方、「筆答試験免除」を希望しないか、免除されなかった場合は、
 ★5 8月16日・筆記試験(英語・数学など)
 ★6 17日・専門科目筆記・口述試験
を受験して、
 9月7日に合格発表 ★7。
Z: ぼくたちも、9月7日・正式合格となるわけです。大学合格のときは、すぐ合格通知。ついで書類が届いたんですが、今回(★4 7月)は掲示板で受験番号を確認しただけなので、実感がないですね。

●4 いわば推薦入試? 口述試験のみ の入試とは?
P: 農工大の場合は、
「筆答試験免除を志望する場合には、成績証明書あるいは、業務・業績報告書(社会人特別入試)に基づき筆答試験免除の資格判定を行う。有資格と判定された者は口述試験を受験」
と、農工大・内部の学生でなくても、「一定以上の成績と認められれば」、筆記免除になると書いてます。
ただし、どれくらいの成績がボーダーで、希望者のうち何人が、筆記免除になったかは、公表されていないようです(見つかりませんでした)。
Z; ぼくの研究室では、歴代先輩(進学希望者)の約半数が、「筆記免除」だったようで、今年の学部4年も、院志望者の50%が「筆記免除」でした。
実は、出願後すぐ(★2の筆記免除の通知前)に、研究室のスケジュールに「院試・口述対策」(Z,B…)などと、名前が書かれたので、選挙速報みたいに開票率0%の段階で、「当確」表示されたような気分になったのを覚えています。
P: 自大学の学生(以下、内部生)の場合、たとえば「成績の上位30%は、筆記免除」とか、当然内規はあるので、研究室の先生は当確かどうかわかってますよ。
そもそも、なぜ「筆記免除」制度があるのか? についてはあとで触れますが、Zくんの所では、「口述試験受験対策」を、研究室でやってくれたわけですね。
Z: ほかの研究室はどうなのか分かりませんけど。★3 口述試験・受験経験者の先輩(有志)のアドバイスで、卒業研究に向けた、現段階での構想と、それに関連した専門知識を問かれることが多いので、専門用語を説明する訓練などを1回やりました。
あと、研究室の先生との個別ミーティングが1回。こちらは、「口述試験対策」ではなく、あくまでも、先輩とのトレーニング? の報告と、卒研構想についてのアドバイス なんですが。
P: 内部生の場合、口述試験の「試験官」はすべて、学科の先生。研究室の先生も「試験官」の経験はおありでしょうから、不正にならないよう、逆に気を使うでしょうね。
Z: 先輩のアドバイスで、当日は、やはりスーツを持っていって、研究室で着替えて、集合場所に集合。
試験会場(学科の会議室)には、学科の先生が10人くらい並んでいました。
前の人のときは、扉ごしに笑い声も聞こえてきたので、以前Pさんが言ってた、楽勝モードかな? とも思ったんですが、僕の番になると、「卒論構想のこの箇所、論理が飛んでない? 」とか、「専門用語◎◎について誤解してない? 」とか、指摘が飛んできまして、わずか10分足らずなんですが、これはGame Overかな? と覚悟して帰宅しました。
P: 筆者にもそんな報告がきたので、「院進学についての質問はなかった?」と聞いたよね。
Z: 途中、「★3 口述試験に合格したら、自大学院への進学を確約できますか? 」という質問があって、「かならず進学します」と答えました。
P: 試験官のみなさんが聞きたかった質問は、本当はこれだけでしょう。

けど、当ブログで前に書いたように、これから卒論発表会とか、インターンシップ(修士1年)や就活本番での面接とか、「人生でもっとも苦しかった20分」の第二幕、三幕はまだまだありますから、その練習として、先生もあえて厳しくされたと思います。
なにより、Zくんは、1年前の、インターンシップ面接(学部3年 1回目)のときのことは、「記憶がない」状態でしたが、今回はけっこう覚えてますよね。
それから、Zくんから、今日、卒論構想(研究室秘をのぞく)を聞いたら、夏休み前の段階にしては、けっこうまとまっている感じはしました。

それで逆に、先生たちは指摘がしやすかったのかも。
専門分野は違っても、同じ○○工学科の先生なので、卒論発表会などでも、学生の発表の弱点を突いてこられます。

「三匹の子豚」のように、わらの家(卒論)、板の家(修論)は簡単につぶされ、レンガ(博士)でも、蹴破る勢いです。



 

●5 自大学進学の特典?
P: そもそもなぜ、筆記試験免除制度があるか? といえば、大学当局としては、
(1)成績上位の学生の「囲い込み」
(2)成績上位の学生の「研究」をすすめる
のねらいがあると思います。
Z; 囲い込み ですか?
P: もし大学受験(一般受験)みたいに、「筆記試験の成績だけ」で、全合格者が決まるなら、自大学の成績上位者は、どうせ院試の勉強するなら、他大学も受けてみようと考えるかもしれません。

実際は、Q&A3に書いたように、先に「指導教官」を探して入室許可してもらう必要はありますが。
教官も、「より優秀な学生」が来るのは歓迎のはずです。
他大学の学生だと、「成績証明書」だけでは、中学の内申書同様、本当にその学生に「学力」があるか分からないので、筆記をうけさせる意味がありますが、自大学の学生で、成績上位なら、その必要はないですよね。
成績下位の学生には、もう一度まじめに勉強してもらい、基礎力をチェックします。

他大学からの受験組と競走ですから、点数次第では不合格の可能性があるわけです。
その間(7月上旬~8月)、上位の学生は、どんどん卒業研究をすすめてもらいたいと。
Z: 実際、「口述試験」対策で、多少でっち上げの部分はありますが、研究構想はだいぶまとまりました。
もう、実際の作業もはじめました。
P: 指導する側の視点にたつと、「学力」は必要最低条件で、大学院では「研究力」が、より重要になります。
Z: 前に、Pさんから聞いたみたいに、学部3年までの3年間は、授業を受ける立場でしたが、4年では、いきなり「まず卒論のネタになる研究論文を探せ」と言われて、GW前までは、ネットや大学図書館で、いろいろあさっていました。
P: Zくんは、いくつかアイディアを出したけど、全部先生に論破されて、結局「○○をやってみないか? 」という先生の提案を受けたそうだね。
Z: ぼくは、エンジニア志望なので、「来た球を打つスタンスでもいいかな?」 と。でも、打つからにはヒットを狙いたいですが。
P: 学部(卒論)だと、来たボールにバットを当てるだけでも大変ですよ。
でも、先生も3年間いっしょに研究してくれる弟子だから、それなりのテーマ(5~15年先につながるようなテーマ)をくれるわけです。

★6の口述試験でも、すでに3か月同じ研究室にいる内部生については、指導教授も最初から院進学前提ですが、せいぜい数回あっただけの外部受験生への「口述試験」だと、ほかの先生も含めて「面接」に近い感じになるかと思います。
筆記試験の成績が良く、指導教官もOKしているときは、あまり落とされないという情報もありますが。
http://www.minako01.xyz/entry/2017/01/26/020747

Zくんのこれからの2年半は、研究と発表がメインになるわけですので、京都大・五味先生(2014年当時・2018年現在 国立環境研究所)の
「メッセージとストーリーのない発表はカスだ!」を、最後にご紹介しておきます。
http://keigomi29.hatenablog.com/entry/2014/02/11/140251
Z: 高3受験生のみなさん、大学受験はゴールではなく、入り口です。

大学院も、たぶん就職もそうだと思いますが…。

【付録】よくある質問とその答(大学・学部・研究室でまったく違います。あくまで、例です)
Q1:研究室では自分の研究以外にどんな勉強をするのですか?
A1:配属研究室の研究の基礎になるような「専門書」(英語の場合も)を読む「輪講」は、やっているところが多いと思います。
 ↓ は農工大・電気電子 田中先生の研究室案内
http://web.tuat.ac.jp/~ytanalab/3nensei.html
ちなみに、↑ の田中研究室の1年間のスケジュールに 8月「夏休み」と、さりげなく書いてありますが、学部3年生までのような、9月下旬までの「夏休み」は、実質ないということです。
土日休日、盆と正月以外は、たいてい研究室(論文執筆やプログラミングなどは自宅作業可能ですが)。
コアタイム制(10時~4時は原則、在室)の研究室もあれば、自由(ただし、夜遅くまで明るい某研究棟、研究室…珍しくありません)。
Q2:理工系の「就活」スケジュールは?
A2:ぼく(Z)は3年生でインターンシップにも応募したので、ついでに? 1月の学科内就職説明会にも参加しました。
ぼくの学部・学科の場合、10月~2月にかけて、企業面談会(3桁 時間刻み)が学内で開催されていますし、求人票にも有力企業がならんでいますので、「そこから選ぶ」なら、あまり、企業研究に時間はかからないと思います。
就職希望の場合は、3月に、就職担当教授との個別面談がありますので、それまでに絞り込をして、アドバイスをもらうようです。
4月からの、研究室の先輩(修士2年)、同期(学部4年)の動向ですが、4~6月に、いれ替わりで1~2日「休みます」の連絡があったので、「ああ、就活かな? 」と思ったくらいです。6月上旬でみんな「内々定」(らしい)。10月1日の「内定」で、就職先の企業名公開でしょうか? (聞けば、教えてくれるとは思いますが)。
ただ、現在の修士2年の先輩は、夏休みの長期インターンシップには応募もされなかったようですが、今年の修士1年は、応募して、50%が参加、に変わりましたので、やっぱり来年はぼくも、夏インターンシップ・リベンジかな? と思ってます。
Q3:他大学の院を受験する場合の注意点はありますか?
A3:4年生の6月の出願時点で、自大学のA先生の研究室所属。一方で、他大学のB先生に、遅くとも出願前には「指導教官」になってもらわないと、出願すらできません。
・参考:千葉大学HP 出願のステップ
  http://www.se.chiba-u.jp/admission/schedule/step.html
A先生とB先生との関係(研究分野が同じだと知り合いの可能性大)に注意するとか、逆に、今の専攻とあまり関連のない研究をしている研究室を志望するなら、完成度の高い「修論構想・研究計画」を提示する必要があります。
Q4:他大学院受験で、筆記試験の内容と対策は?
A4:農工大・工学府の場合は、過去3年分がWEBに載っています
 http://web.tuat.ac.jp/~tkakomon/
千葉大学は、過去3年分を、窓口で閲覧可能(コピー・撮影不可)。など、各大学で違います。
同じ専攻で難易度の近そうな大学院の過去問を、できるだけ集めて解いてみましょう。
研究室訪問のときに、頼めば、コピーさせてくれる可能性もあります。

BGM:Zくん選曲 大原櫻子 「青い季節」
  P選曲 「Red Swan」(YOSHIKI ピアノバージョン)
写真3点提供:Pixabay
※1 7月下旬 山手線・恵比寿駅近くの韓国料理店で、Zくんに取材。就活Sで紹介したサッポロHD(恵比寿ガーデンプレイス)とは、駅を挟んで反対側(西側)です。ちなみに、恵比寿西には防衛装備庁・艦艇装備研究所もあります。なぜ、代官山エリアに「船」の研究所が? という疑問がわきましたが、実は川崎市の山中にもやはり「艦艇装備研究所」の施設がありまして、その謎の答えは ↓
http://hamarepo.com/story.php?story_id=4827
※2 大学院での工学府という呼び名は農工大だけだと思ったら、横浜国大、九州大など、他にもありましたね。農工大の場合、「研究院とは教員が所属する研究組織、学府、研究科とは学生が所属する教育組織」、ということらしいです。

就活もそうですが、固有名詞の間違いには注意しましょう。企業名、商品名とかですね。
ちなみに、Sさんの知人で、文系大学院を受験した方が、筆記試験のときに「河合雅雄」(京大名誉教授・霊長類学者)と、河合隼雄(京大名誉教授・心理学者 お二人は兄弟)の名前を書き間違えてーーー結果、不合格だったそうです。
※3 信州大学の例 電気電子工学部(約2/3が進学)、情報工学部(1/3)と、学科でも違いはありますが。
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/engineering/eict/future/
※4 大学院の入学金約30万円は、大学院1年前期の授業料267,900円 といっしょに、3月に払う必要があります。国立大生の親御さんは、これまでの3年間、授業料だけはらってきたので、「入学金」は、盲点かもしれません。3月にあわてないように。