2-1 準備不足が最大の敗因だけれど…
理工系・学部3年生がインターンシップに挑戦した結果(1) ES(エントリーシート)編に引き続き、面接(失敗)編です。
現在、首都圏国公立大・理工系3年のZくんは、6月~7月にかけて、5社に応募して、エントリーシート(ES)通過が2社でした。
結果的に2社とも「面接」の結果、落ちたわけですが、「国公立入試」にたとえると、「模擬試験」を一切受けずに、前期・後期を受験したような状態でしたので、「負けるべくして、負けた」と言っていいでしょう。
ただし、Zくんの立場でいえば、「大学入試では、センター試験の点数に関係なく、前期・後期は出願」できますが、インターンシップの場合、たいていは書類選考(ESやWEBテスト)の通過者だけが、次の面接にすすめます。
しかも、工学系学部3年生が、有名・有力企業※1 に応募したので、本人すら「半信半疑」の状態。
そして、大学入試では、センター試験から前期試験までに約1か月の期間があり、その間、受験生は「立てこもり状態」で、2次対策に専念できますが、学部3年生の場合、通常の授業やレポートのすきま時間にインターンシップ活動をします。
さらに、今回のZくんのケースでは、1社目はES通過の連絡から、約1週間後が面接日でした…最終章(2-4)でも書きますが、修士1年なら、なんとか対応できたと思いますが、学部3年にはきついスケジュールだったと思います。
 
2-2 1社目は…5回コールド負け
1社目は、ES通過の連絡の際、約1週間後に面接日程が組まれていました(選択の余地なし!)。
服装は指定なし。
幸い、Zくんは、成人式の時に買った、冠婚葬祭&イン活、学会など万能の黒のスーツと皮靴を持っていたので、一式を持参する、「様子見戦法」をとることにしました。
駅前の一等地に陣取る巨大ビルの十数階が受付で、スタッフのみなさんも、他の面接学生も(たいていは)スーツ。
で、面接ブースには、面接官1名だけだったそうですが、その後の20分間、どのような受け答えをしたか?あまり覚えていない、ただし、「今後のエントリーシート(ES)で、“これまでの人生で最も苦しかった経験”を書けと言われたら、涙目で答案を書いた国公立2次試験をさしおいて、この20分間しかない」との感想でした。
敗因としては、甲子園初出場校と同様、「とにかく雰囲気にのまれた」というのが、Zくんの自己分析です。
 
2-3 2社目は、善戦(本人の評価)
先の1社目の面接を、ESの“これまでの人生で最も苦しかった経験”にもし書くとしたら、「その経験から何を得たのか?」を書かないと、評価はマイナスになります。
Zくんは、2社目は、1社目の約1週間後に面接があったので、
「面接でやってはいけないこと」(サイト例)
をチェックしてみたそうです。
1社目について、覚えている限りでは、
態度――あいさつをしなかった、声が小さい、答えが短い、面接官の顔をまともに見ない
逆質問(何か質問は?)―――何も質問しなかった
NGだらけですね
2社目は、1社目と比較すると、カジュアルな雰囲気でしたが、今度は面接官が3人。エンジニア風の若手2人と年配の方1名(人事?)で、前回よりは受け答えできたし、逆質問もしたそうですが、「Zくんはアルバイトでも面接を何回も経験しているのに、何だか緊張した感じだね」と指摘されるレベルではあったようです。
ただし、上記サイトの記事に書いているように、口下手(くちべた)でも、がんばって話そうとする態度をみせれば、とくに理系の場合は、あまりマイナスにはならないと思います。
Zくんの場合、2社目からのお断りメールに、「総合的に判断して、今回は選考に通らなかった」の文章があったので、本人の評価では“5対3で敗退”だそうで(---落選者全員に同じ文面とは思いますが)。
 
 
2-4 学部3年生は、面接の事前準備までは難しいけれど
最近は、どこの国公立大学でも、就職対策室(例 :信州大)がありますので、面接対策を相談することもできるはずです。が、人生をかけた「就活」や「本命インターンシップ」にのぞむ学部4年(おもに文系)・修士1年をさしおいて、学部3年が、ES通過前から「面接対策」をしてもらうわけにもいきませんよね。
 
実は、理系、とくに修士に進学する予定の方の場合は、これからまた何度も「人生で最も苦しかった20分間」を味わうチャンス? がありますので、そこでけっこう鍛えられるはずです※2。
 
まずは、学部4年の「卒論(構想)検討会」。研究室の夏休み合宿などで、上から(教授)、斜めから(修士の先輩)、横から(同期)と、3次元・包囲殲滅戦にさらされます。
大学院入試が、口頭試問というパターンもありますね
そして卒論発表会 例→http://www.ituore.com/entry/presentation-of-graduation-theses

この間にも、理工系では、期末試験代わりに、レポートやグループ実験の発表会があったりして、「人前で説明する」機会は、たくさんあります。

 

Zくんは、8月上旬の前期末レポート発表会で、さっそく「手元の資料ばかり見て、聞き手(学生)を見ないで話している」と、教授に指摘されたそうです。
 
Zくんには、「もしも余力があれば※3秋・冬インターンシップ(1~3日程度)にも応募してみて、いろんな会社の人に会ってみては?(場慣れ)」とアドバイスしました。
今年の秋・冬インターンシップの動向については、(3)アンサー編でも触れます。

※1 前回記事(ES編)で書いたとおりです 
「5社すべて、売上高1兆円超の国内企業かグローバル企業の日本法人なので、失礼ながら、そもそも第一関門(ES)の突破ができるか? すらあやしいと思っていましたが。」
※2 大学・学部・学科によって、風習はまったく違います。あくまで、例です。
※3 イン活と学部3年の勉強とのバランスも、(3)のテーマです
 
BGM: Zくんの選曲で、DAOKO feat.米津玄師 「打上花火」
冒頭写真提供:Pixabay (ドバイの花火)
中間画像 Pixabay geralt作