脳にはリンパ管がない

 リンパ管というのは血液が細胞に栄養を与え、使ったあとの老廃物を集める管のことです。下水管のようなものです。

 これらは解剖学で習うのです。身体には当然リンパ管が存在しますが、頭の皮膚にはリンパ管があります。しかし、頭蓋の中にはリンパ管がないのです。

 授業では、それについて特になぜだろうということもありません。脳脊髄液があるから、あるいは、そういうものだと思ってしまうからでしょうか。

 イリフ博士が突き止めたのは、リンパ管がない脳がどうやって老廃物を排泄するのかという機構です。

 脳脊髄液は脳の中の脳室といわれる部屋で作られます。そして第四脳室から脳の表面に向かって出てきて、静脈に吸収されて排泄されていきます。

 

 この博士の発見は、生きているネズミの脳脊髄液の流れを撮影できたことにあります。

眠ると脳の容積が減り、脳に入り込んでいる血管との間に隙間が出来ます。そこから脳脊髄液が脳に入り込み、老廃物を排泄しているのです。

 

 さらに、興味深いのは、アルツハイマー病との関連です。脳はいつもアミロイドβを作っています。アルツハイマー病は、アミロイドβが脳に蓄積します。眠っている脳からは、アミロイドβは速く除去されているのです。どうやら、イリフ博士の結果からは、アルツハイマー病は、この除去機能が上手くいっていないということのようなのです。

 ガレノスの睡眠に対する考え

 2千年前 古代 最も高名な 医学研究者の1人ガレノスは、

 

目覚めている時は 脳の原動力である液が 身体の方々に行き渡り 体の各部を活気づけ 脳を干上がらせる。

 眠っている時に 体中のこの液が 脳に流れ込み 脳を潤し 新たな活力を与える

 

と著作に書いています。

 

眠っている時に~の部分が、イリヤ博士の研究結果を暗示するような内容です。

 

深い睡眠は血糖値を下げるのか

NHKがデルタ波をださせると血糖値が下がる、そのために新しい睡眠薬ベルソムラがデルタ波を番組中で紹介したことで、少々問題になった話です。

 

交感神経が緊張する→血糖値が上がる

熟睡できなくなる

ストレスホルモンが分泌される

血糖値が上がる

 

という理由づけになっています。(ちょっと番組中の変な所を変えました)

 

ガレノスの言っていた

「目覚めている時は 脳の原動力である液が 身体の方々に行き渡り 体の各部を活気づけ 脳を干上がらせる。」

は、交感神経が緊張していることを表現しているようにとれます。

 

 実際にこのベルソムラを試してみました。

 血糖値は10mg位低くなり正常値にはいりました。東洋医学でいうところの気が丹田におりてくるという感じです。日中の副作用の鬱傾向は、鬱というよりも副交感神経が優位になってリラックスしすぎているという感じです。

 

 ガレノスの記述にある、

 「睡眠は脳を回復し浄化する」 

 

これが 重要な部分だろう という事です。

 

勉強や仕事や、パソコンや携帯で、すっかり睡眠をおろそかにしていたことを反省し、美しい睡眠を取り戻したいものです。

 

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