感性とは,体全体で感じ,判断する力です。
視覚,聴覚,嗅覚,味覚,触覚そうした五感に加えて,体内に備わった感覚,例えば腹が減ったとわかる体の内部での感覚が結びついて,体全体で物事を感じ判断する力,つまりは,体全身で反応する感覚です。
そうした感性は,小さい頃から作られていきます。小さい子供の感性は,遊びの中でも作られて
泥んこ遊びをしている子どもを黙って見ている園児が,本当はやりたがっていることに気付いた保育者は,一緒に遊ぶことをすすめた。すると,園児は「汚れる」,おかあちゃんに「叱られる」と言って,なかなか手を出さない。
園児の快,不快の認識は,「汚い」という認識と結びつき,感性が封じ込まれ素直な気持ちで遊べない状況になっています。その感性的認識を崩して,泥んこ遊びが楽しめるようになるまでには時間がかかります。
テレビで「ヨチヨチ歩きの赤ん坊がダンプカーの下敷きになって死んだ」というニュースが放送されている。それを見ている母親が,その愛し児を失った母親の心の痛みに共感をして,涙ぐむ時,そばでテレビのニュースを聞いている子供に優しさが育っていきます。
しかし,そのニュースを聞いても心が動かされないだけでなく,そばにいる子供に向かって「お前でなくてよかったね」とエゴを丸出しにする母親は,子供を母親と同じエゴイストにしています。そのことには気づかない子育てが,優しさの芽を摘み取ります。
一年生の子どもを連れた母親が「保育園に行っている」と言って,汽車にタダで乗せた。その時,子どもが「うまくいったね」と母親を誉めたという話も聞きます。
ずるく振舞っている人が得をすることをしってしまうと,子どもは豊かな感性を磨く機会を損なったまま育っていきます。
子育ての問題を考える時,小さい頃から子どもを育てていく過程の重要性が見えてきます。子どもを育てるためには,幼児期に如何に子どもに係わっていくかが,とても重要といえます。
親が模範となる行動や態度で示すことで,子どもには大きな教育効果が表れます。
小さい頃から,無償の愛情で子どもの豊かな感性を育て,日常の営みを通じてその感性を磨いていくことを大切にしたいものです。
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