仕事と生活の調和 | onjbのブログ

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 保育士は,かつて保母と呼ばれ,女性だけの資格でした。それは,女性が妊娠と出産という生理的機能を有し,精神的特性や使命感をもち,母親になる天分をもっているとされていたからでしょう。

 

      

 

 ボウルビイの母子関係についての研究を根拠として,幼児期は大変重要だから,母親の手で愛情深く育てることが子どもの幸福につながる,という三歳児神話が浸透し,母親だけに育児責任を押しつける時代が長く続いてきました。

 

    

 

 しかし,子育ての能力は後天的な学習が大きな要因を占めます。子どもを生めば,誰でも母親としての自覚と責任ある子育てができるというものではありません。母性としての安心感や信頼感はあるにせよ,愛情を注いで,子どもに接する心情は性別に関係なく存在するものです。

 そこで,共同責任者の父親の育児が大切になってきています。ところが,2016年実施の総務省統計局による「平成28年社会生活基本調査」によると、6歳未満の子供を持つ・妻の家事関連時間は妻が1日あたり平均7時間34分(454分)であるのに対し、は平均1時間23分(83分)です。

 子育て期における父親の労働時間が大変長く,休日は疲れているため,子どもとふれ合う時間がとれずに,妻に任せているという実態もみられます。

 内閣府男女共同参画局では,仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章を定めていますが,その理念は現実から大きくかけ離れています。

 父親が主体的に子育てに関わることが,子育てに求められている姿である以上,それにもっと行政は力を入れる必要があるのではないでしょうか。

 子育てがしやすい環境が生まれると,虐待問題や出生率の改善等にも良い結果が期待できるように思われます。