少子化現象の対策について,政府は育児休暇制度の導入などで,歯止めをかけようとしていますが,多様なライフスタイルの中では利用しやすい制度には至ってはいません。
私の知っている母親の勤めている会社は育児休暇などの制度はありますが,仕事が忙しくて,子どもが熱を出して急に休みをとったり,17時退社というのも不可能に近い状況にあります。早く帰ろうとすると「〇〇さんはいいわね。早く帰れて」と言う社員もいるそうです。子育て中にそうした悩みを聞くことがあります。
また,育児休暇がとれても,保育所への入所における問題があります。
特に1~2歳児は待機児が多いため,保育所人所は4月に合わせないと難しい状況です。育児休暇を利用して,家庭で子育てしようにも,年度の途中からの入所が難しいとなると,1歳に満たない状況で入所を申し込まざるをえませんので,預けるほうの都合はかなり制限された状態にあります。
スウェーデンでの育児休暇制度から日本も学ぶべきではないでしょうか。1974年の親休暇制度では,両親に1年半近い育児休暇が認められました。1994年には,両親手当ての全額を受給するためには,1か月は必ず父親が育児休暇をとらなければならないことを義務づけるなどして,今では高い出生率となっています。
子どもの誕生が増えることは素晴らしいことですが,その日から24時間体制の子育てが始まりますので,初めて親になる者にとっての子育ては,今までとは違った環境の中で,不安や時間的制約で大きなストレスを感じることになります。
そのようなとき,支えてくれる身近な人や仲間がいれば,精神的に安定できますが,それが期待できない環境にある親にとっては,子育ては不安で孤独な生活でしかありません。
子どもは多様な発達がありますが,育児情報で子どもの発達段階の情報を目にして,自分の子どもがその枠からはずれていると不安になり,自分はだめな人間だという気にさせることもあります。
スウェーデンでは,育児休暇が定着したことにより,家庭での子育て支援として「公開保育室」が多数設置されています。こうした制度の充実は,出生率の改善のみならず,親の保育支援に大きく役立つことになるでしょう。
