私学の校長時代,保護者からいじめの相談がありました。
その頃,千葉県の中2の男子生徒(14)がいじめによって自宅で首をつって自殺(2010/11/17)という報道がありました。
その事件は,①「無視された」②「たたかれた」③「嫌がらせを受けた」④「隠し物をされた」,そういったいじめがあったことが原因と言われています。
そこで,全国の「いじめ事件」で自殺した事例について1978年~2008年の30年間に発生した小中高校生の自殺事例,120件の内容を調べてみました。そうしますと共通した特徴的な事柄が分かりました。その行為を下記の3つの形態に分類しました。
3つの形態の中から,13の注意すべき要因をとりあげ,その一つでも該当すれば,自殺に発展するおそれがあるということを事例から確認しました。 
以上の13の要因が,引き金となって被害者の心理を自殺に追い込んでいく傾向が見られます。
私は,いじめについて,教職員と共通認識のもとに覚悟を持って臨みました。
まず,いじめの報告があった時点で,重大な人権問題として,学年でアンケートを行い,事実関係を調査しました。幸いにも他のクラスには広がりは見られませんでしたので,それぞれクラスの人間関係や相互の様子を把握したうえで,当該学年を中心に校外での宿泊研修も含め,仲間づくりの取り組みを行うなどして,早期対応した結果,大事に至ることなく解決することができました。
中学や高校時代は,子どもから大人へ向かう過渡期で大変多感な時期ですから,いじめは大なり小なりどこの学校でも起こり得ます。
特に,友人関係は,ネットを通じて些細なことであっても大きな問題に発展することがあり得ます。
いじめ問題は,学校と家庭が連携して,問題が発覚した時点で,それを隠ぺいすることなく保護者にも協力を仰いで,如何に素早く対応するかがキーポイントです。それさえできれば,警察の手を借りなくても問題を大きくすることなく解決を図ることは可能です。
そのためには,教職員の人権意識が鈍麻であってはいけません。いじめなどの重大な問題を見逃す可能性があるからです。
そこで,学校では,計画的な人権教育の研修で,常に子どもたちの健全な活動を支援する体制を組織として行い,いじめの早期発見と早期対応に努める必要があります。
いじめに取り組む基本姿勢は,人権尊重の精神を貫く姿勢と行動が最も大事です。特に,いじめは,早期発見と早期対応が欠かせませんので,学校では組織的対応が大切です。そして,一人一人の高い人権意識を確立することが何より重要だと確信します。

